vol 215:信頼からの力






(お主、蛇の子か?。)

「はい。美輪の大神の子でチビ神と申します。」

(ほぉ。美輪と言えば白大蛇。
その、お子か。)

「大綿津見神、場所は、。」

(おぉ、もう少し先じゃ。)

カンの事を心配しつつも、

今はこれが俺の役目だと思い大綿津見神を背に乗せて、

海の中を体をくねらせて泳ぐ。

あまり蛇の姿でいる事がないせいか、

水の中を泳ぐ事がこんなに気持ちいいなんて思わなかった。

(チビ神よ!あそこじゃ!。)

大綿津見神が指差す方に細かな泡がたくさん出ている。

そこに向かって大綿津見神を背から降ろして人間の姿へと戻し、

「ねぇ・・・大綿津見神。
これは・・・。」

俺は辺りを見渡した。

あちらこちらで同じように細かな泡が出ている。

そして、

「わ!。」

砂埃がたち地面が揺れ、水も大きく揺れる。

(おぉ、我が子よ・・・静まれ。)

大綿津見神が泡の吹き出す地面に両手を添え、

体全体に力が入ったと思うと、

大綿津見神の周りの水の動きも止まり、

地面からの泡が落ち着いていく。

(いい子じゃぁ。)

再び大きく水が揺れ、この場所を静めても、

他の場所で地震が起こってしまう。

「これ、全部鎮めること出来ますか?。」

大綿津見神はゆっくり顔を左右に振った。

(大きな刺激を受けて皆が暴れ出しとる。
どんどん広がって。)

「俺に出来ることは?!。」

(ただ気を送るんではなく、
強い圧力をかけて抑えこむんじゃ。
お前さん、出来るか?。)

「圧力・・・。」

相手に気を送ったりは相手を想って集中すれば出来る。

しかし、気を力に変えるとなるとどうすれば・・・。

「大樹~!じぃさ~ん!。」

「カン!。」

(おぉ、カン。)

「遅なった。どない?。」

「ひとつの場所の大きな地震で、
いろいろな場所が刺激を受けてるみたいで・・・。」

カンは俺の言葉で回りの泡もそうだが、

少し離れた場所の泡もこの位置から確認できて、

「多いな。これ、もっとちゃうん?。」

(うむ。かなりの範囲じゃな。)

「カン、俺も力を貸したいんだけど、
ただ気を送るだけじゃ駄目みたいで・・・。」

「どんな気の力が必要なん?。」

(力で圧力をかけるんじゃ。)

「カン・・・。」

カンは考え込むように暫く無口になる。

カンが目を見開くと、

「そうや!そうやそうやそうや!
おーーーーい!!
阿弥陀~聞いてんねやろ~~~!!!。」

「カン?。」

「力の出せる神々の出番やぁ~~~!!!。」

「そうか!。」

カンの思いつきが解った。

黄泉の国には分野があり、

こういった神通力専門の神々もいる。

その神々の力を借りようと言うんだ。

(なんじゃ?。)

「んー?まぁ見とって。」

大綿津見神にカンがニッと笑みを見せる。

(カン!。)

(我々で良いか?。)

(カン。)

「来た来た。
不動明王に、達磨大師、
薬師のじぃちゃんとっから十二神将も!
みんなありがとう!。」

(これはどういう・・・。)

大綿津見神が驚くのも無理はない。

有名は神々がカンの声ですぐに集まってきたんだから。

「これが、天の子の人脈の力なんだよ。」










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