vol 211:自分達の状況






今日も疲れた。

シロと弥勒がおらんから、

大樹と東京のマンションを1カ月だけ借りた。

仕事が終わって帰宅。

「ただいまぁ。」

「おかえり。お疲れ様。」

1DKの部屋は狭い。

ひとつしかない部屋に、

小さなテーブル。

ベッドはなくて、ダブルの布団を畳んである。

TVやクーラー、コンロに風呂は元から設置してある、

単身赴任向けのマンションや。

「カン、見て。」

「あー?。」

大樹に言われてTVに視線を向けた。

そこにはアメリカの大統領と握手するサタン。

「いろいろな国が、サタンの取り合いをしているみたいだよ。
洗礼を受けたいって。」

「へぇ~。」

関心がないわけやない。

ただ、自分よりもどんどん勢力を強めてるサタンに、

今の自分のやってる事に、これでいいんかって思う。

「その申し出を片っ端から断ってるみたい。」

「断ってる?。」

「うん。理由は自分は神の教えを広め、
迷っている人を助ける為に存在するから、
政界なんかに興味はないって。」

その言葉にサタンの考えてる事はすぐに解る。

「どうしてだろう。
戦争を起こすのにも政界を操った方が楽に起こせるのに。」

「そんな事せんでも、人間なんか紙一重やん。
今でも内戦は広がってるんやし、
ほっといても第3次なんか起こる確率のが高い。
サタンの目的は、
神を信じさせて、神を怨ませること。
政界は国民が一番不信感を抱いてる場所で、
そこに属さへん言う事は、
国民からのイメージアップにもつながる。
それにや、アイツは一般人の信仰なんかどうでもええねん。
ホンマに神の助けが欲しい、
貧困の中にいる人や、病気の人、
それこそ、ホンマに子羊を狙ってる。」

大樹は夕飯を運びながら顔を顰め、

「すごく腹立たしいね。」

それを解ってて、おおっぴらに、

そいつはイエス、神の子じゃなく、

悪魔、サタンや!。

とは言えるわけもない俺らの現状。

言うても、非難を浴びるだけで、

証拠を見せられるのは、

霊が見える奴のみ。

弥勒、シロ、

始まりの国はどうや?。

そこにいる霊はどうや?。

幻滅してへんか?。









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