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vol 253:本当の戦いの前兆
『これは・・・。』
僕はニューヨークに来ていた。
あちこちの教会から呼ばれるようになり、
ミサへの出席。
どの宗教組織にも、位があるが、
僕はそんなことに興味もないし、
位を気にしているようでは、
神の子としての説得力やカリスマ性がなくなってしまう。
心から神に近付きたい者は、
位などの地位はどうでもいいはず。
人間は愚かだが、知恵に優れているのは確かだ。
『イエス様?。』
そう、今ではどこに行っても、
誰に会っても様扱い。
知恵は優れていても、僕を見抜けられる人間は、
ほんの数名しかいない。
欲を持った人間ほど、僕を見抜く事は出来ない。
『あぁ・・・はい。』
移動中の事。
人ごみの中に目にした光景。
地面に這いつく黒い影と、
眩い地面から少し浮いている光との交わり。
(さぁ!私と共に天へ召されなさい!。)
(グググググ・・・お前らなどにそんな力はない!。)
(悪魔よ!私の光が見えませんか?
私が降りて来たのをお前は見たはず。
それこそが、悪魔までも天界に導く力なのです。)
(う、嘘だ!嘘だ!。)
強く構えた天使もいれば、
その見た目と言葉に脅える悪魔もいる。
逆に、
(お前を天界へ!。)
(ほぉ?私を天界へ?それは面白い。
私がどれ程、人間を食って来たかお前は知っているのか?
何人の人間を闇の世界に招待したか。
アンタ、天使だろ?
ってことは、生前は人間だった。
その頃、神を信じていたのか?。)
強きに出、冷静を保った悪魔には、
神使いでない限り弱い。
元は人間だった者が多いからだ。
それ故、過去の過ちや迷いを引き出すのが得意な悪魔は、
その冷静差と堂々とした態度に天使が脅える。
僕が驚いたのは、
そのやり取りの行われている数だ。
この僕の視界の中で数えきれない程の、
天使と悪魔が戦っている。
『そうか。神も手をくだし行動が始まったのか。』
僕は嬉しく感じた。
だって、そういうことは、こういうことでしょ?。
人間界はもう、最悪な状態ってこと。
僕も昔はいろいろな事を見て、
たくさんの質問もしてきた。
その度に神は律義に答えた。
天界というのは地球の神。
神と言う名の生き物なのだと。
命さえ造ってしまえる力のある生き物だと。
惑星があれば、
惑星の数だけ天界は存在する。
僕たち神に造られた人間でも神でもない者は、
ある意味、人間と同じで、
宇宙の他の神々とコンタクトを取れないわけでもない。
空に向かって星に向かい、
声をかけ続ければ、
その惑星の神の耳に想いが強ければ強い程、
届く。
そして、他の惑星の神々も、
この綺麗な星、地球には魅せられている。
神は、神という生き物だと言ったよねぇ?
地球の神のように愛が大好きな神もいれば、
力や征服や己が大好きな神もいるって事。
(サタン・・・。)
(・・・はい。)
(地球の神は宇宙の神々の審判に反発を示した。)
(そのようですね。)
(宇宙の神々の中でも、地球の神と同じ考えの者もいる。
その惑星の神々へ助けを求めているようだ。)
(フフフ、情けない。)
(我々は地球に降り立つ準備にかかる。
人間の実験はもう用済み。
知り尽くした。
そなたの黄泉の国や動きの情報も役にたったぞ。)
(いいえ。このような綺麗な星を、
下等な生き物が従事っているなど勿体無い事。
お役にたてて何よりです。)
(また、時が来ればコンタクトを。)
(はい。)
『っ・・。』
『イエス様!いかがなされましたか!。』
『いや・・・大丈夫です。
教会へ参りましょう。』
他の惑星の神とのコンタクトは、
全ての環境も力も違う。
テレパシーを送られただけで、
僕も相手も、すごく労力をつかうんだ。
一気に消耗した体で僕は、
神の子として、
人間の前に立ち、もっと神の存在を信じさせ、
皆が必ず救われると声を大にして言いに行く。
時が来た時に神を恨むように。
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