vol 250:大樹との愛






みんなそれぞれの言われたことをする為に、

阿弥陀の庭から姿を消した。

そして、。

「大樹?。」

俺は大樹に向き直り、大樹の背中を撫でる。

「・・・。」

何も言葉にしない大樹に合わせるように、

ただただ、大樹が話すのを待つ。

何分経ったんやろ。

「カン・・・俺は蛇だ。」

「うん・・・。」

「醜い蛇の子孫で、カンはそんな俺達を魅力的だって言った。
誰にも言われた事のない言葉だったんだ。
俺は、その時から君を愛した。」

「うん。」

「でも、その愛が神々の怒りに触れて、
今、天界の神にも君にも迷惑をかけようとしてる。」

「大樹、。」

「カン、こんな事聞くのは間違ってると思う。
でも、聞かせて欲しい。」

「・・・なに?。」

「俺を愛してる?。」

大樹の表情は、真剣そのものだった。

俺も真っ直ぐ大樹の目を見て答える。

「愛してる。蛇のお前を愛してる。」

大樹は深く口付けた。

俺は大樹の頬を撫で、

「大樹、全て終わったら一緒に国をもとう?。」

「っ?!」

「アタシと大樹の国。小さな小さな国。
動物たちや、皆が心を休め笑って楽しい気持ちになれる国。
どこの国の者も関係なく出入り出来る。」

「カン・・・それって、。」

大樹は目を見開いて俺を見つめる。

そう、結婚しよう言うてるもんやからや。

「天の子と蛇の子の国や。
今まで考えられへん天界と黄泉の国の交わり。
でも、今やったら誰も反対せんよ。
宇宙のわからずやなんかどうでもえぇ。」

「ねぇ、カン!俺、カンの子どもが欲しいよ!。」

次は俺が目を見開く。

あの世で子どもを授かると言うことは、

普通じゃ叶わない事で。

それはそれでとても難しく大変な修業をしなければ、

あの世で子を授かる事は出来ん。

「あー、そんなら頑張らな。」

「いいの?。」

「いいに決まってるやん。
大樹の子、欲しいよ。」

「カン!。」

大樹に笑みが戻る。

心から自然に出た笑み。

俺も笑む。

強く抱きしめられ、俺も強く抱きしめ返す。

「大樹、アタシをもっと信じて?。」

「・・・そうだね。解ってるのに聞きたくなるんだ。
自分を奮い立たせる為に聞きたくなる。」

「いくらでも聞いてくれたらえぇよ。
いくらでも答えたる。」

「ありがとう、カン。」

「よっしゃ!みんなそれぞれ行ったし、
大樹は蛇の国に行って大神の手助けを。
アタシは、天界に行く。」

「わかった!じゃあ、後で。」

大樹は軽く口付けて姿を消した。

俺は天界に行く前に阿弥陀の元に向かった。

(落ち着きましたか?。)

阿弥陀は笑んで俺に聞く。

「うん。阿弥陀?。」

(はい?。)

「勝算は?。」

阿弥陀は笑んだ。

(勝ち負けではありませんよ。
正しき想いを貫くだけです。
命、大事に尊くしなければならない。
我々も学ぶ時。
さぁ、カン。貴女も皆を集めてください。)

「ん。わかった!。」

俺は天界に向かった。








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