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vol 248:神々の偏見
「お願いします!どうか、話しを聞いてください!。」
宇宙の神々の集まる場所の扉の前で、
地面に額をつけて叫ぶ。
「お願いです!どうか・・・どうか、。」
今日も駄目だった。
毎日毎日、来れる時には通って、
誰も居ないこの場所に頭を下げる。
でも、扉が開く事はない。
「やっぱり・・・駄目か、。」
両膝をついたまま、地面を見つめ言葉を思い出した。
「お父様、どうしても神々に会って話をしたいんです。」
俺は天界の神に神々に会う方法を聞く。
「それは何故。」
「カンの力に俺もなりたいんです・・・。」
俺はただ、カンの側にいつも居るだけ。
役にたってもない。
自分が離れたくないから、
弥勒みたいに、勉強するわけでも、
シロみたいに修業するわけでもない。
居られる時間は、共に過ごしたい気持ちだけ。
でも、それじゃ、苦しんでるカンを横で見てるだけだ。
「大樹よ。お前が神々に会う事は難しい。
私もそうであったように、
神々も偏見の塊なのだ。」
「俺が・・・蛇の子だから、。」
「蛇が生まれたのは悪と同時。
私の責任だ。すまない。」
「いえ・・・。」
そんな、まだ天界の神ですら蛇を偏見視してた頃に、
カンは俺たちを見て神秘的で綺麗だと言った。
「カン・・・。」
ギギギギギと鈍い音がする。
顔を上げると扉がゆっくり開いた。
目の前には大日如来の姿。
「チビ神よ、入るがよい。」
「大日如来様・・・。」
俺は立ち上がって、大日如来について中に入った。
真っ白い眩しい程の建物の中に、
大きな姿の神々が椅子に腰かけている。
大日如来も大きくなり、
自分の席に座った。
(蛇よ、主がこの神聖な場所に入れた事を我らに感謝するがよい。)
俺は地面に膝まづき頭を下げた。
「はい、ありがとうございます。」
とてつもない重圧感。
(お前の話しを聞く時間など、我らにはない。
さっさと毎度ここに来た訳を話すのだ。)
「はい・・・。
地球はやはり滅びを迎えるのでしょうか。」
宇宙の神々は、俺の言葉にクスクスと笑いはじめた。
「天界の神の子は苦難を感じながらも、
ずっと闘っています。
どうか、滅びを止め、悪を再び闇の世界に戻すよう、。」
(ハッハッハッハ!やはりそうか!
天の子は蛇と。)
(これは、やはり滅ぶしかない。)
「?!。」
(我ら神の一族の子が、蛇の子と愛し合うなど許すべき事ではない。)
(天界の神の処罰も考えねば。)
「ま、待ってください!
それはどういう事ですか!。」
俺は立ち上がった。
すると、一人の神の目が見開き、
俺の体に重い鎖が巻きついて、
その重みで俺は再び膝まづいた。
(どういう?我ら神々がお前のような蛇と、
愛を育むなど、許されるべきではないという事。)
「俺たち・・・蛇は醜くない・・・。」
(ハッハッハッハ!お前たちが醜くないというのか。
その姿を見よ。
手足もなく、地面を這い、
嘘の上手い長い割れた下。
それのどこが醜くないと言うのだ?。)
酷い。
これが・・・全てをつかさどる神々なのか。
(蛇の国の者は、神とし認められた者。
彼等は、闇より這いあがった者。
それをご存じであろう。)
大日如来がゆっくり呟いた。
(大日よ。そなたはそうよのぉ?
しかし、そのどこに信用があるというのだ?。)
(人々を救い見守って来た。
それは安易に出来る事ではない事を、
皆も知っているではないか。)
(ならば、蛇と神を認めろと言うのか!。)
(それが清く深い愛なのであれば、
血の問題で引き裂くなど、。)
(大日如来よ!口を慎め!。)
「今は・・・今は俺とカンの話しをしに来たんじゃない。
もっと、手を貸して欲しいんです!。」
(図々しい・・・。
我らがどれだけ時間を延ばして来たと思っている。
愚かな・・・。)
俺は頭にきた。
「愚かなのはそっちだろ・・・。
神々が自分たち以外に偏見を持ち、
それがあなた達神の教えなんですか!
地球の神は違う!。」
(黙れ!蛇よ!。)
一人の神が俺に向かって人差し指を向けると、
俺の直ぐ側の床まで光の筋が走り、
大きな音と共に床に穴が開いて煙が立ち込める。
そして俺の前には大日如来の背中。
(この蛇が一体何をおかしな事を述べた。
この蛇の想いも解らぬのか。
間違っている。)
(なに?!血迷うたか!大日如来よ!。)
(私はこれが迷いであるならば、
この迷いを選ぼうではないか。)
「大日如来様・・・。」
(大樹よ、立ちなさい。)
大日如来は俺の方を向いて、
俺の鎖に触れると、鎖は砂のように崩れ落ち消えた。
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