vol 241:愛の種類






パパが降りて来て一週間になる。

朝昼夜を感じ、

食べる事、暑さ、眠る事を感じ、

一番感動したのは喉が渇いて水を飲んだ時の、

気持ち良さと、

夜空らしい。

大樹はパパと仲が良いものの、

かなり気を遣っていて、

寝るのも大樹はシロの部屋で寝てる。

俺はパパと。

イチャつきもせん。

すぐ側に居るのに。








「よし!今日も星たちを見た。
寝るとしようか!。」

いつも一日の終りはこの台詞。

「せやな。パパ、先にベッドで寝といて。
俺、仕事もうちょい残ってるから済ませて寝るわ。」

「そうか!わかった!。」

天界に居た時はいつも悲しそうな顔やったのに、

ここに来てからは元気そのもので、

その点は、ホッとする。

パパが部屋に入って行って、

リビングのソファーで一人座って大樹にメールを送った。

《たーいじゅ。ただちにリビング集合!。》

1分もしない間に、

「カン?。」

大樹登場。

「よっ!寝とった?。」

「ううん。お父様は?。」

「寝た寝た。」

大樹は隣に座る。

俺は大樹の方に向き、

「なぁ大樹。そのお父様やめーや。」

「えぇ!む、無理だよ!
カンのお父様だよ?。」

「そうやけど、様て・・・。」

「シロよりマシじゃん。」

「お父上な。」

俺はクスっと笑って見せ、

大樹の首に両手回し抱きつく。

「カン・・・?。」

「・・・仕事で離ればなれは我慢出来るんやけど、
側におるのに一緒に寝れんて、こんな寂しいもんやねんな。」

今じゃ素直に思う。

普段、大樹がベタベタしてきても、

毎日毎日、思ってたのに。

大樹は俺の頭を笑んで撫で、

「俺と一緒に寝たいんだ?。」

「・・・うん。」

「お父様、きっとカンと一緒に寝れること、
すごく幸せに思ってるよ。
カンはまだ子どもで、ここに降りたから、
それに、カン、しょっちゅう出歩いて。
ベッタリ居なかったしね。
貴重な時間だって思うから、なるべく一緒に居て欲しいなって。」

俺とパパとの事を一番に考えてくれてる。

甘えん坊の大樹が。

いつも肝心なとこはシッカリしてて。

大樹と少しイチャイチャしてから部屋に戻った。

パパの隣に横になって。

「カンよ。」

「あ、ごめん!起こした?。」

「大樹を愛しているか?。」

「な、なんやねん急に!。」

「ん?。」

「・・・うん。」

「その愛で、ルシファー・・・サタンへの愛も貫けるか?。」

「サタンへの愛?。」

俺は顔をしかめた。

「サタンへの愛ってなんやねん・・・。」

「お前はずっとサタンの気持ちを理解しようとしていた。
そして、理解し大樹に教わった愛を、
サタンにもと思っていた。
今でも、それは変わらぬか?。」

走馬灯のように寺で起こった事が甦る。

俺に解らす為に人を殺した。

俺の目の前で。

弥勒や大樹やシロまで心に傷を負ってる。

布団の上で両手が自然に拳に変わる。

「・・・そうか。」

パパは目を閉じたまま表情を悲しみに変えそれだけ呟いた。

たった一人の愛情欲しさに、

ここまで仕打ちを貫くサタン。

この先、どう対処していけばいいんか、

正直、今の俺には解らんかった。

愛に飢えた者を救うのは、愛以外ない。

でも、俺にサタンを愛せるんか。





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