vol 235:準備







(カンよ、この寺の周りに結界を張った。
後は、その上にお前の結界を張る。)

「俺の結界?。」

(そうだ。天界の結界を。)

俺は悩む。

だって、結界の張り方なんか知らんもん。

「小角、俺そんなん解らんで。」

小角は顔を顰め、

(地面に寺に沿ってお前の光のエネルギーを、。)

「あぁ!なるほど。」

俺は、寺の際から地面に両手をついて自分のエネルギーを送る。

「弥勒、あの説明で普通解るもんなの?。」

「・・・いや。普通は解らないんじゃね。
本能が直ぐに理解してんだろ。」

「カンって不思議だよね。」

結構な広さの敷地内の際。

全てにエネルギーを送るのは、かなり消耗した。

終わった頃には気力が殆ど無くて、

「やっば・・・これ、回復すんのに時間かかる。」

心配して駆け寄って来た大樹は地面に座り込んだ俺に、

しゃがみ込んで、

「もう日が落ちるよ。
どうしよう。それでなくても、ここは邪悪な気で、
気力が少しづつ消耗してるのに。」

万全とはいかんけど、

なるようになるって思うしかない。

(カンよ、部屋で横になりなさい。)

「ん。」

小角に言われた通り、部屋を借りて敷布団の上で仰向けになる。

弥勒が香を焚き、

小角が俺にエネルギーを送った。

小角のエネルギーは、分野や国が違うから、

どんな感じになるのか思ったけど、

どんどん力が湧いてくる。

「なぁ、小角ぅ。」

(なんだ。)

「この件にはこれ以上、手は貸さんといてな?。」

(・・・。)

「ほら、これも俺らの修業の内やん?
命落とすかもしれんかっても、
みんなの力ばっか借りてたら、
サタンにも悪魔にも俺らじゃなんも出来んって思われる。
生身の人間として、俺らも居るから簡単には手出し出来んって、
解らせたいんや。」

小角は俺の体の上に翳す手を下ろし、

(いまだに解らぬ。
主は人として生まれ、お前と同じ事をしたが、。)

「はは、兄ちゃんはホンマ一人で苦しんで痛みの中、
使命を果たした。
俺なんか超恵まれてるやん。
いっぱいの神さんや仏さんに霊に守られて、
力貸してもらってて。
苦悩はあっても、兄ちゃん程でもない。
恵まれてるんよ。
大樹も弥勒もシロも俺も。
せやからこそ、その恵みにドップリ浸かりたくないんや。
当たり前に思いたくないんや。
情けないこの俺の力精一杯使って、
ここで力尽きても、。」

(カン・・・お前はいつも死を覚悟しておるのだな。)

俺はニッと歯を見せてはにかんだ。

「カン、住職が晩飯を作ってくれた。
食って、時に備えようか。」

「おう!。」

弥勒が呼びに来て、戦い前の腹ごしらえ。

俺らが飯を食ってる間に、日は沈み、

暗くなった池ではブクブクと泡がたち始め、

ぬっと、不敵な笑みを浮かべた女の顔が浮きだす。








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