vol 228:大きな言葉





「普賢菩薩!。」

(・・・落ちつきなさい、弥勒菩薩よ。
お前も変わりましたね?
神々の言う事は、どんな事でも受け入れて来たお前が、
自分の意志を持ち、
その意志を信じている。)

「・・・いけない事でしょうか。」

そう、俺は純粋に神の教えを疑わず、

間違っているとも思わず、

それが全てなのだと今まで思って来た。

それが全てなのは変わりない。

ただ、疑問を持つということの大事さが、

欠けていたんだ。

(方法は、神々の御意志を変える事。
止めるのはそれしかありません。
今起こっている事をも変えられる方法。
神々の御意志を変える事。)

「そ、そんな・・・。」

俺は答えを聞いて無力感に襲われた。

膝まづき、肩を落として。

そんな俺を普賢菩薩はクスリと笑い、

(おや、どうしたのです?
諦めたのですか?。)

「神々の御意志を変えるなど、
無理な事です。
俺にそんな力はありません。」

(ほぉ。それは何故に?。)

「何故って・・・黄泉の国の菩薩が、
宇宙の神々の意志を変えられるわけがないでしょう!
阿弥陀様や大日様ですら出来ない事を、
ただの、菩薩の俺に・・・。」

(おこがましい。)

普賢菩薩は目を細めて俺を見下ろす。

(何を自分ひとりでやろうと思っているのです。
お前は目の前の事ばかりになり過ぎて、
大事な事を忘れている。
阿弥陀如来と大日如来が何も変えてないと言うのですか?
黄泉の国をここまで大きくし、
天界や宇宙の神々に理解されずとも、
この黄泉の国を築いてきたのです。
始めは、阿弥陀如来や大日如来も一人でした。
どうして、理解されないのか。
神や仏の位に何の大事なところが存在するのか。
自分の考えを理解し合える者はいないのか。
どれだけの時を一人で悩まれた事か。
その間、阿弥陀如来も大日如来も、
今のお前同様に、目の前の事に囚われて、
聞こえるはずのお互いの深い気持ちに気付けなかったんです。
すぐ側に居るのに。
気付いてからは、二人で行動し、
そこに薬師、明王に如来、観音に菩薩。
いろいろな二人の考えを心から理解の出来る者が集まり、
この大きな今の国が出来たのです。
それがあの方達の役目。
そして、お前にも本来の役目と、
自分の意志があり、そこにはお前一人なのですか?。)

そうだ。

「カン・・・。」

(最高の大きな力の持った仲間と、
お前は出会ったのです。
弥勒よ。
お前は私に聞いて今気付きましたね?
カン、シロ、大樹は、既に気付き、
お前の事をいつも頼りにし、
心配し、共に怒り、悲しみ、
かけがえの無い唯一の仲間だと知っています。
お前は、それでも、もう駄目だと思えるのですか?。)

情けない。

ここまで説明されなければ、気付けない自分に。

今まで、完璧な場所で学び過ぎたせいなのか。

「普賢菩薩、心から感謝します。
貴女のもとに来た事は間違ってなかった。
こんな事で、訪れた事をお許しください。」

俺は深く頭を下げた。

(フフ、何を申すのです。
お前の様な者がいなければ、
私の存在の意味がありませんよ?。
弥勒菩薩よ。
この言葉を胸に刻みなさい。
信じる事をやり、
万が一、それが無に終わったとしても、
行った事が宝であり、
成功なのだと。
そして、やるからには、
誰よりも全ての事で出した意志を、
信じるのです。
お前はその時、立派な魂になり、
立派な光となり、
立派な心となるでしょう。)

「はい!。」

どの言葉よりも嬉しかった。

立派な菩薩や立派な神という言葉の表現よりも、

どんな宝とされる教えよりも、

俺にとっては、普賢菩薩の言葉で心が洗われた。







この言葉を胸に刻みなさい。

信じる事をやり、

万が一、それが無に終わったとしても、

行った事が宝であり、

成功なのだと。

そして、やるからには、

誰よりも全ての事で出した意志を、

信じるのです。

お前はその時、立派な魂になり、

立派な光となり、

立派な心となるでしょう。











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