vol 224:同じ立場






地震は弱いながらも、毎日続いた。

TVでは毎日の様にその報道と、

サタンの映像。

イエスとして不安な人々の心の支えとなる。

これが悪い事か。

どうなんやろ。

不安な人間が明らかにサタンの存在、言葉で、

今は救われてるからや。

サタンが俺に言うた言葉を思いだしてた。







「おい、コイツはサタン!悪魔や!
耳を傾けたらアカン!。」

(おや、僕は嘘はついてませんよ?
これが神々の審判じゃない。)







僕も何も関係のない人の命までも、
奪う神の御意志にはついていけない。

この言葉は、きっと、

神の意志に背いて来た、応えられない人間を、

いまだにこの審判に心を痛めてる神の御心にはついていけない、

そうサタンは思っていて、

あの時のサタンの切なく悲しげな表情は偽りとは違う。

サタンの本心の表情。

重い体に起きたてで、横を向いて寝ながら考えてた。

サタンの言葉を。

嘘はついてませんよ?。

「・・・ついてないな。」

つい声で呟いてしまった俺を後ろから抱きしめる大樹。

「起きてたんだ?。」

「ん~?うん。」

「仕事の連絡のチェックしなくちゃね。」

「そやなぁ。でも、多分まだ何も出来んの違うかなぁ。」

大樹は自分の方に俺を向かせて、

「何?。」

「え?。」

「ついてないなぁって。」

「あぁ・・・。」

サタンの話しをしたくなかった。

俺が迷うと、真面目な大樹はもっと迷う。

それに大樹は、ストレートに受け止めて、

きっと当たり前の事を言うやろう。

そんなの、サタンの勝手な嫉妬だろ。

「・・・そんなの、サタンから見た勝手な嫉妬じゃないか。」

やっぱり。

「いや、そうやねんけどな、。」

「それで逆恨みして、
ただ神に解らせたいだけが為の動きじゃないか。」

「うん、そうやねんけど・・・。」

「カン、君は何をそんなにサタンに同情してるんだよ。」

これは、

「同情なんかやないよ。
同じ立場で考えたら、俺かて、ううん。
みんな、サタンと同じ気持ちにはなると思うだけや。」

ただ、自分が大好きな人に、

自分だけを見て欲しい。

その人の為に一生懸命行った事を、

心だけで認めるんやなくて、

態度で示して欲しかった。

ただ、それだけ。

天界で生まれた子やから、

その気持ちは純粋で、

善にも悪にも簡単に変わってしまう。

「大樹、俺はお前に愛されへんかったら、
お前が他の人を愛してたら、。」

大樹は強く抱きしめた。

「そんなこと・・・有り得ないから。
カンはサタンとは違う。
同じ目にあっても、サタンの様にはならないよ。」

俺は霊に興味を持って、

自分から望んだ。

初めの頃はホンマに大変で挫けそうで、

けど、幸いにも支えてくれる存在が周りにあって。

後悔した事もなければ、

苦しくて泣いても、

逆に自分の力の無さを感じて情けなくなってただけで。

大樹の唇が体に触れる。

サタン、お前も愛される価値や、

ホンマに一人の相手に愛されることを知った時、

どれだけの今までの行いの罪を知るんやろう。

この世が滅び、お前の夢が叶った時、

お前はどうなるんやろう。








カン、君はくだらない事を考えるんだねぇ。

僕が何を心から望んでいるのか、

全く解ってない君が愛らしい。

僕の事をそこまで考えて同じ気持ちになろうとしたのは、

君が初めてで、

神が今それを感じようとしてる。

でも、遅いよ。

僕の望みはどんどん叶いつつある。

世の滅びなんてどうでもいい。

最終的な目標はもうすぐ。

さぁ、僕の子どもたち。

本格的な出番だ。









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花手毬