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vol 219:小さな悩み
マリアと共に悲しみの道を歩く。
悲しみの道には14の場所があり、
1 主、死刑判決を受ける
2 主、十字架を背負わされる
3 主、十字架の重みで倒れる
4 母マリアが十字架を背負った主に出会う
5 キレネ人シモンが主に替わって十字架を背負わされる
6 女性ヴェロニカが主の顔を拭く
7 主、2度目に倒れる
8 主、悲しむ女性たちを慰める
9 主、3度目に倒れる
10 主、衣を脱がされる
11 主、十字架に付けられる
12 主、十字架上で息を引き取る
13 アリマタヤのヨセフ、主の遺体を引き取る
14 主、埋葬される
俺達がマリアと出会った場所は、
4のマリアが主に出会った場所。
10から14までの場所は聖墳墓教会の中にある。
それぞれの場所で主の生前の感情が流れ込んでくる。
俺とシロは終始絶句だった。
何故ならば、
主は生前は肉体は人間だったからだ。
苦しみと悲しみと恐怖。
この3つの感情しかない。
そこに自分の役目と自分の存在と父である神への、
信じるという想い。
俺達の想像絶する感覚に俺もシロも絶句なんだ。
俺の役目なんて、
主の役目から思えば苦しみの度合いが違う。
傷だらけの体で、どれ程重いだろうか。
十字架を背負い歩いた道。
シロはマリアに言う。
「とても辛かったであろう。」
マリアは小さく頷いた。
母親の子への想い。
こんな思いを何故この子がしなくてはならないのか。
神から授かった子であっても、
自分の子。
神の子なのに、
何故こんなにも悲惨で辛い目に合わなくてはいけないのか。
俺はシロのように声すらもかけられなかった。
ただ・・・自分の役目で脅えている自分が、
とても小さく見えて仕方ない。
聖墳墓教会に着くと、
そこは清らかな場所。
その中でやはり磔にされた、
ゴルゴダの丘のあった場所は堪らない感情が押し寄せた。
今では聖墳墓教会が建っているから敷地内にある。
両手足を杭で打たれた場所。
そこでは、皆の悲しみと、
主の生死を彷徨っている感情が流れ込む。
俺はその場に跪いた。
周りにいる霊達も跪き、大きな泣き声を上げている。
涙が溢れ出る。
シロが俺の肩に片手を置いた。
「シロ・・・俺はなんて小さな存在なんだろう。
自分の今まで悩んでいた事が・・・、。」
「弥勒よ、お前でそうなら我はどうなる。
小さいだけまだ意味があるではないか。」
シロと俺は正面にある祭壇と絵をジッと見つめた。
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