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vol 217:神の女
「シロ・・・お前は・・・。」
呆れる弥勒に我は良い気分はしない。
何故ならば、我は問われた事を答えたまでだ。
絡みつく霊を振り祓おうとしたとき、
「まてまて、シロ。
ここで祓うと厄介がまた増えそうだ。」
「では、このまま行けと言うのか?。」
顔を顰めて弥勒を見つめる。
弥勒は、眉尻下げて笑み、
「そのままで行けるなら行ってくれて構わないけど。
まぁ、話しが通じる相手じゃ、。」
弥勒が話をしている最中に暖かい光が現れた。
「母様?。」
そう、まるで母様と同じ温もり。
(その者から離れなさい。)
優しい声色。
我と弥勒はその光の主を凝視した。
(おぉ・・・マリア様。)
(マリア様・・・。)
我に絡み憑いていた者が我から離れて膝ま着き、
額を地面に触れさせる。
(行きなさい。)
マリアが霊達に告げると、
霊達がスっと姿を消した。
「貴女は・・・。」
弥勒が問うと、マリアは小さく頷いてみせる。
マリアというのは、
処女にして神から選ばれ、
主を身ごもった女。
選ばれし神の女なのだ。
(主から聞いています。
私がこの先、案内します。)
光から白髪の老婆に姿を変え、
我々について来るようにと歩きだした。
弥勒と視線を合わせ、
断る理由も勿論なく、後ろをついて歩く。
「マリア様、主が我々が来る事を知っているのですか?。」
弥勒の問いかけにマリアは答える。
(はい。自分の終りと始まりの場所にいらっしゃると。
そして、この場所に辿り着く神は、
殆どいません。
かつていらっしゃった方は、
阿弥陀如来、大日如来・・・。)
マリアがあげた名前はカンや我らに一番深く関わる者。
弥勒の顔は険しく、
「俺は・・・何かを掴む事が出来るでしょうか。」
自信の無さ気な弥勒を見るのは、
珍しく、
弥勒の自信の無さは、
大きな役目を背負う者の責任感。
我は言う。
「我らはその為に来た。」
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