庭の記録
2010年の春

その1

その2

2010年の冬

その1

その2

その3

2009年の秋

その1

その2

その3

その4

その5

2009年の夏

その1

その2

その3

その4

2009年の春

その1

その2

その3

その4

その5

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その7

2009年の冬

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2008年の冬

その1

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その3

2008年の秋

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2008年の夏

その1

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その5

2008年の春

その1

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2007年の冬

その1

その2
2010年の春 その1


もう3月も半ば。雨続きだったり晴れ続きだったり、極端な陽気ですが、それでも次第に暖かくなっているようで、植物達はとても元気です。木漏れ日程度の半日陰地帯に、青系と黄緑系の植物を集めてみました。


鉢植えのまま、ぽさっと置いたムスカリは、三年前に沢山買った球根のひ孫です。地植えだったのを掘り上げて鉢に入れておいたら裏庭で咲いていました。奥には紫キャベツとアイビーの鉢。紫キャベツは随分長くなって、花芽が見えてきました。


こちらも三年前からのヒヤシンス。年々花が小さくなりますが、野生ではこれくらいなのかもしれません。手前は青いグラス、右はオレンジ色のグラスなどが置いてあります。全てただ置いてあるだけっ!


野性的になったヒヤシンス。これはフェルメールの生まれ育った街デルフトの名前を冠したデルフト・ブルー。それは、青で彩色されたオランダのデルフト焼を指すそうです。ブルー系のヒヤシンスには、他にブルージャケット、スカイジャケットがあります。


ヒヤシンスの後ろには、黄色と青紫のフリフリパンジーちゃん。お行儀悪くてあっちこっち向いてます。日当たりがよくないので、花は少なめですが、色が派手なので目立っています。


水色のムスカリ、アズレウムも少し咲いてきました。水色と紫のグラデーションになっています。ヒヤシンスのような香りがあるはずだったのですが、本物のヒヤシンスの側にいるせいか、全く香りが分かりません!


奥の塀ぎわでは、ようやく八重の匂いスミレが咲き出しました。ここは太陽とは縁遠いこの場所に植えて2年になりますが、こんなに咲いてくれてと〜っても嬉しいのです。屈み込むと、バニラのような甘い香りです。


こちらは一重の匂いスミレ。八重のものよりも色が濃くてキレイ。香りは若干弱い気がします。ここは少し太陽があたるのですが、八重に比べて花付きが少ないです。狭い庭の中で地植えする場合、その子に合った場所を探すのは難しいものですわ〜。


一重の匂いスミレ全体像。3株を二ケ所に植えたうちの一ケ所です。冬は葉っぱが少なくなっていましたが、もうここまで生え揃ってきました。まだ柔らかそうな葉で、つい、おしたしかサラダを連想してしまいます。


勝手に生えてくるスミレの一つです。匂いスミレとは葉っぱの形が違いますね。とがっています。鳥が種を運ぶのか、風で飛んでくるのか、抜いても抜いても、毎年春には幾つもの小さな株で花を咲かせます。


スミレには幾つかの神話があるそうです。一つはゼウスとイオという娘の秘めた恋の話で、妻のヘラに見つかり星にされてしまったイオを思い、スミレの葉に彼女の瞳の色の花を付けたというもの。またイオに恋をしたのはアポロンだったという話もあるそう。許嫁がいたイオは、アポロンの求愛を拒む代わりに、アルテミスに人間以外に変えてくれるよう頼んだそうです。


薄いブルーのパンジーです。香りはないのですが、冬〜春の賑わいとしては外せません。よくもまあ、次から次へと咲いてくれます。雨に打たれるとしなだれるのがかわいそうですが、乾くと元通りです。


神話続きで…パンジーには香りがないですが、ドイツ由来のこんな話があります。大昔、まだパンジーがとても良い香りを持っていた時代、人々はよい香りのパンジーを探すために、他の野の花を踏みにじっていました。パンジーはそれを悲しみ、三位一体の神に、人に探されないように自らの香りを取り去ってほしいと願います。それ以来パンジーは香らなくなったそうなのです。


パンジーはフランス語のPensee(思索)からきています。もの思いに耽るようなその姿は「自らを考えよ」という花言葉を持っています。思い遣りがあり控え目な賢い子だったんですね…と云って終わりたい所ですが、現代のパンジーは派手です!しかも時々、香りがある子もいます!


こちらはパンジーのムーランルージュです。色幅があるので、苗を買う時に選んだのですが、冬と春では色が違ってきますね〜。実際はもっと暗い紫なのですが、冬はもっともっと濃い色でした。


紫と一緒に植えてあるこちらもムーランルージュ。秋は渋い灰色のようなブルーでした。全然色が違う〜〜〜!!!秋に色を合わせて植えても、春には全く違う様相です。香りがないからこそ派手になっちゃったのかもしれませんが、これで香りがあったら云うことなしなんですけどね。…毎年云ってますが。


スイセン。奥がグランドモナーク、手前が白房スイセンなんですが、違いが分かりません。香りも同じように思います。直接嗅ぐと少しスパイシーです。切り花にすると、ふわりと優しい香りになります。


一応"白房スイセン"です。冬咲きと春咲きあわせて、10種類程の水仙を育てていますが、今年は咲かなかった子もいて、不発気味でした。花後、肥料あげて日なたに置いてるのですが、なにせ全て鉢植えなので、掘り上げて土を替えてあげたほうがいいのでしょうか。めんどうです。


グランドモナークなのか白房水仙なのか忘れちゃいました!切った方が香りがよいので、思いきって皆切りました。これを玄関に置いて香りを楽しみます。器は、凹凸があってそれほど安っぽくない雰囲気ですが、なんと200円です。


今年仲間入りした香りの子、シュンランです。匂いを試したかったので、2株購入しました。届いた1月頃は葉っぱだけでしたが、あっという間にニョキニョキと蕾が立ち上がってきました。


鼻を近付けるとほのかに香りました。何に似ているかな?これまでの何にも似ていない気がします。少し甘くて少し青臭くて少し苦味があるような?ディオールでトマトの香水がありましたが、あれを弱くした感じでしょうか。野性的です。


棚の鉢植え達。葉色がきれいだったので一枚。右ではプリムラブルがリスが咲いています。上は小さなブリキポットに根付いたセダム、左下は…名前ど忘れ!黄金とかニシキが付いたように思うのだけど…。


ようやく開花したミヤマシキミです。秋頃からず〜っと赤くて小さい蕾を付けていて、大きくなるわけでもなしで、じっとしていたのですが、とうとう咲きました。香りはこちらも鼻を近付けて分かる程度。さわやか系で少し優しい香りです。


ミヤマシキミは、シキミアと同じ種類なのかしら?とにかく種類が多いようで、調べたけれど忘れてしまいました。シキミアとして出回っているものの中に、フレグランスという言葉が入ったものがあります。これは他よりも香りが強いのかしら?どうなのかしら?興味津々ですが、同じような子が増えても愛情注げないかもしれないので、まだ我慢しています。


我が家の沈丁花おばあさん、満開です!本当に毎年たくさん花を付けてくれます。こちらは雨上がりの姿。まだ葉っぱが濡れています。沈丁花が咲いてから雨が降ると花が痛んでしまうんじゃないかとヤキモキするんですよね。少しでも長く咲いて、香りを放ってほしいです。この晴れ姿は一年に一回きりですからね。


沈丁花の英名は、ウインターダフネというのだそうです。キューピッドのいたずらで愛の矢を射られたアポロは、最初に出会った森のニンフ、ダフネに恋をしますが、ダフネは驚いて逃げ回るばかり。ダフネをかわいそうに思ったゼウスは、彼女を沈丁花に変えた…という神話があるそうです。


私はジンチョウゲと呼んでいますが、母はなぜかチンチョウゲと云います。今パソコンの文字変換で、チンチョウゲでも正しい漢字に変換できたので、どちらでもいいのかな?「沈丁花」は、沈香や丁香のように香り高い事からの造語。または千里まで香りが届くという意味で「千里花」という名前もあるそうです。


三十年以上にもなる椿です。この子は、花の色も分からずに親が植えたものなのですが、咲いてみたらド・ピンク一色で、お世辞にも品があるとは言えない…それで毎年この季節には「色がよくないよね」と家族に云われ続けてきた子です。


この子に、今年は不思議なことが起りました。蕾こそは、一色のピンクなのですが、開くと、ピンクと白の絞り状態になっているのです。


ほらほら〜!すごいでしょ、皆絞りになってます。一昨年頃から、一枝の先端の葉、数枚だけに黄緑のモザイクが出ていたので、これは全体的にモザイク病になったのかな?と疑ってはいるのですが、一方では、色が良くないなどと云われ続けたせいでイメージチェンジを計ったようにも思えるのです。


この位置は、部屋の窓からよく見える場所なので、季節ものを置くことにしています。今は、クリスマスローズとパンジーのムーランルージュです。パンジーはまだお花少ないですね。


近所でもよく植えられている、なんていうこともないクリスマスローズですが、わが家にはこの子しかいませんので、大事にされています。クリスマスローズは、切り花の持ちが断然よいので有難いです。


冬は日陰の庭ですが、庭の中央にも日が当たってきました。植物の世話が日課になってから三年くらい。天気や気温、太陽の高さや風の強弱などがいつも気になるようになりました。私のスケジュールは天気予報に左右されています。


フリフリパンジー、ムーランルージュのピンクです。香りがないので、残念です。姿が派手なので、香りで虫を誘う必要がないのでしょうか。香りがあったらいいのにな〜。毎年同じ事を思います。


こちらもムーランルージュ。微妙に色が違って紫系です。直径7センチほどもあり大きいので、たくさん切って活けるとかなり迫力あります。これからどんどん咲くので、ご近所さんに配達します。


他にもいろいろパンジーやビオラがあります。苗が出回る冬は、遠い春への期待が最高潮に達しているので、つい植え過ぎてしまい、春はちんどん屋状態になります。まだあまり咲いてないけど、これからが大変な事に。狭い庭のこと、色んな色が混ざっていると見苦しいので、それなりに色で置き場所を分けています。


ピンクのパンジーは、たぶん冬はもっと違う色だったのが、春になってピンクになっちゃった子。その下は、よくあるピンクの桜草。ピンクだけだと甘すぎるので、そういう時はお手軽な引き締め定番、黒のビオラに助けてもらいます。


桜草は、数年前にご近所さんに苗をいただいたものですが、毎年こぼれ種で生えてきます。特に好きなわけではないのですが、ちゃんと生えてくれるのが健気だし、さわやかな香りがあるので、見つけ次第、ポットに上げて育てています。


東の角にぶらさげたまま定位置になっている鳥かごの中には紫のパンジーをしこんでいました。あまり日が当たらない場所ですが、少しづつ花数が増えています。


香りものを入れて活けました。ヒヤシンスとヘリオトロープが入ってますので、甘い香水のような良い香りが漂います。春は次々と咲くので、あまり躊躇せずに切れるのが贅沢気分。


香りがする花は自分にとって大事なので、人にあげるのは勿体無く思ってました。でも今年は私の幼い頃にお世話になった”おばちゃん”に色々と切って持っていってあげようと思います。歩けないので、春の香りを届けたいのです。


さてさて、最後に今年のジンチョウゲをパチリ。誰もが見るだけで、鼻の中に香りを感じませんか?特にジンチョウゲとキンモクセイとクチナシは、日本人の香りの記憶にインプットされていますよね。


香りや匂いが記憶される脳の部位は、原始的行為を司る場所だそうです。食べる事などと通じるものがあるんでしょうね。年に一回のダフネお婆さんの晴れ姿も、そろそろ終わりです。