1.概要

昨年(2021年)の6月に蔵王に行き、その時、蔵王の樹氷を是非見たいなと思いました。また、山形県の最上川は、NHKドラマ「おしん」の舞台なので、興味がありました。これらを満たすツアーがあったので、参加することにしました。旅行会社は、阪急交通社です。旅行期間は、2022年2月12日から14日までの2泊3日です。

2.仙台空港、日本三景・松島、山形蔵王、天童温泉 栄屋ホテル 泊(1日目/2月12日)

福岡空港の1階にある受付コーナーに8時に行き、受付を済ませて、8時50分頃までJAL桜ラウンジで過ごしました。

JAL桜ラウンジはガラガラでした。

ゲート

搭乗する飛行機は、福岡空港発9時10分のJAL3531便仙台空港行きです。コロナの影響でしょうか、搭乗者は少なくて、半分も乗ってない様子。仙台空港には、予定通り10時50分に到着。荷物を受け取ってから到着ロビーに出ると、ツアー名を書いた紙を持った添乗員さんが立っていたので、その人に声を掛けて受付を済ませました。全員が揃ったので、観光バスの方へ移動しました。

みちのく観光バス

早速、本日の最初の観光地である『日本三景・松島』へ向かいました。1時間もかからずに到着。仙台空港から随分近いんですね。もっと遠いのかと思っていました。到着してから、クルーズ船に乗船。クルーズ船に乗ることは、オプションです。10年位前に約1時間半程度クルーズしたことがあるのですが、1時間で回るツアー客用のショートコースとのことだったので、申し込みしました。今日の松島は晴天です。青空が綺麗で、風もさわやかで、とっても気持ちが良いクルーズでした。

クルーズ船は貸切でした。

東日本大震災の時の津波ですが、周囲は10数㍍の津波被害があったというのに、松島海岸ではわずか1〜2㍍だけだったそうです。理由は、外海に面した約260の島々が防波堤代わりになったから。なので、被害の大きかった島もあったとか。そして、人が住んでいる島が結構あって、それらの島にはスーパーマーケットがないため、島民は1日1便の巡行船を利用して本土のスーパーマーケットまで買い物に来ているそうです。大半の人の職業は漁師で、ワカメや牡蠣の養殖を行っていると聞きました。

瑞巌寺 五大堂

双子島(左は鯨島、右は亀島)

千貫島(松の木が1本だけ生えていました。)

毘沙門島(ウミネコの糞で松が枯れている。)

大黒島(震災で松が枯れてしまった。)

兜島

鎧島(蔵王連峰からの風のために、このような形にえぐられたそうです。)

ワカメ養殖の様子

クルーズが終わってから、昼食は自由食になっているので、お店探しに行きました。ようちゃんが「仙台名物の牛タンを食べたい」と言うので、ガイドさんおすすめの「牛タン炭焼き 利久」に行くことにしました。

牛タン炭焼き 利久

お店に入ったら、奥の席に案内され、そこでお店のお兄ちゃんから「仙台牛ロースト丼を注文したら、二千円引きにしますが、いかがですか?」と尋ねられました。仙台牛ロースト丼2,420円が、420円になるってこと?? 何でそんなに安くなるの?? ビックリ仰天。お兄ちゃんの説明によると、仙台牛推進キャンペーン中なんだそうです。それで、お兄ちゃんにお任せすることにしました。折角なので、ステーキも注文。美味しかったのも手伝って、すご~く得した気分‼

仙台牛ロースト丼とステーキの昼食

食事を済ませてから、周辺を散策することにしました。国宝瑞巌寺の参道横に洞窟群があります。どんな風になっているか、探索に行きました。供養塔や五輪塔があって、洞窟の壁面には戒名等が無数に刻まれていました。供養場として使用されていたようです。松島は古来より「奥州の高野」と呼ばれていて、亡き人の供養が営まれた場所でもあったと聞きました。スケールこそ違え、洛陽市の龍門石窟の日本版みたい‼

瑞巌寺の洞窟群

瑞巌寺の洞窟群

中国洛陽市の龍門石窟(2018年10月8日撮影)

洞窟群を見てから、松島雪竹屋の焼き立て煎餅を食べて、集合場所へ行きました。

松島雪竹屋(煎餅の香ばしい香りに引きずり込まれた~。)

焼き立て煎餅・醤油味

バスに再び乗車し、山越えをして山形県の『蔵王山麓駅』に向かいました。『蔵王山麓駅』に近づくにつれて、松島と打って変わって、だんだん雪深くなってきました。

『蔵王山麓駅』に向かう途中の光景

2時間近く走って、ようやく『蔵王山麓駅』に到着。『蔵王山麓駅』では蔵王ロープウェイに乗り、『樹氷高原駅』を通過して『地蔵山頂駅』へ行きました。

蔵王山麓駅(駅の隣がゲレンデで、スキーを楽しんでいる人がいっぱい!️)

蔵王山麓駅855㍍ ⇒ 樹氷高原駅1331㍍ ⇒ 地蔵山頂駅1661㍍

蔵王ロープウェイ

蔵王山麓駅の近くは、スキー場でした。(ロープウェイ内から撮影)

『樹氷高原駅』を通過するとガラリと景色が変わって、雪のモンスター(樹氷)が現れてきました。

少しづつ樹氷が現れてきました。

『地蔵山頂駅』に近づくと、樹氷ばかりの景色になってきました。真っ白で、とても綺麗です。

樹氷

標高1661㍍の『地蔵山頂駅』では、吹雪いていて、目が開けられないほどでした。目に雪が当たって痛いんですよ‼

『地蔵山頂駅』の景色

外気温は、マイナス7.3℃でした~!

山頂テラスに行くと、真っ白で何も見えません。

あまりにも寒いので、ロープウェイに乗って、雪上車「ナイトクルーザー号」乗車駅の『樹氷高原駅』へ下山しました。「ナイトクルーザー号」には直ぐ乗れると聞いていたのですが、ロープウェイの利用者が多いために直ぐには乗れず、40分近く待たされてしまいました。マイナス7℃の寒さの中、じっと我慢。足の裏が寒さでジンジンしてきます。やっと乗れた時には、外は真っ暗でした。吹雪き状態の中、ナイトクルーザー号に乗って山の方に10分ほど登って行き、そこで全員下車し、樹氷の写真を撮影しました。私が抱いていた樹氷のイメージと実物とはまったく違って、実物はスノウモンスター‼ 真っ白で綺麗ですが、デカイので圧倒されます。

雪上車「ナイトクルーザー号」

樹氷(青森とど松だけが樹氷になるそうです。)

樹氷を背景に記念写真

樹氷を見終えてから、ロープウェイで『蔵王山麓駅』へ下り、再びバスに乗って、本日の宿のある天童温泉に向かいました。宿は、天童温泉 栄屋ホテルです。到着した時が20時頃だったので、直ぐ夕食になりました。

部屋は和室でした。

洗面所とお風呂

トイレ

夕食は、次の通りです。山形牛のしゃぶしゃぶは美味しかった~! それと山形県名物料理の芋煮も‼

夕食

刺身

そば

天婦羅

デザート

今日は、日本三景の一つの松島をクルーズ船に乗って鑑賞したし、蔵王ではナイトクルーザーで樹氷を目の当たりにしたしで、とてもスリリングな一日でした。寒さも新鮮味があって、たまには良いものです。

3.最上川、銀山温泉街、鬼首温泉 リゾートパーク・ホテル オニコウベ 泊(2日目/2月13日)

今朝は晴れています。このままの天気が続くと良いのですが。朝食会場は、夕食会場と同じ部屋でした。7時半から食事です。

朝食は会食でした。

ホテルを9時15分に出発して、"最上峡芭蕉ライン舟下り"の乗場がある『古口港(戸沢藩船番所)』に向かいました。

天童温泉栄屋ホテルを出発

1時間程度で『古口港(戸沢藩船番所)』に到着。戸沢藩船番所ですが、昔、陸の交通機関が発達していなかったころ、荷物を運ぶ手段は”舟”でした。最上川は、江戸時代に最上義光らにより上流から河口まで航路が開かれるとたちまち主要な輸送路となり、戸沢藩船番所は関所として設けられ、最上川船運の要衝として栄えました。"最上峡芭蕉ライン舟下り"は、古口港 から草薙港(川の駅・最上峡くさなぎ)の間の12kmを約1時間かけて下って行くといった内容のものです。最上川の河口(日本海側)には、酒田市があります。最上川の船運送を利用して、上流から集めた木材や米などを酒田市まで運び、これを北前船を活用することで大儲けした豪商がいたってことがよく理解できました。山居倉庫、本間家旧本邸、庄内米歴史資料館、山王くらぶ、相馬樓など栄華の跡を訪れたことを思い出し、二つが繋がりました。

舟下りの古口乗場(門構えがステキ)

母屋は、お土産品店になっていました。

早速、舟に乗り込みました。こたつ舟でです。お酒や食事を持ち込んでも大丈夫。飲み食いしながら楽しく川を下りましょうって雰囲気でした。

今から乗船

こたつに入って、ビールを飲んだりしながら、船頭さんの歌とともに最上川下りを楽しんでいる様子

動画:最上峡芭蕉ライン舟下りの様子

最上川の岸辺の風景

船頭さんの舟唄を聞きながら、雪景色の最上川をこたつ舟で約60分間舟下りをしました。途中、船頭さんが、NHK朝ドラで昭和58年に放送された「おしん」のロケ地を教えてくれました。あの名場面を思い出しますね~。おしんが奉公に出るために筏で最上川を下るシーンです。「とうちゃーん‼」と叫ぶおしんの姿に、涙ぽろぽろ。

おしん(小林綾子)が、筏で最上川を下る有名なシーン(涙が止まらない~‼)

激流のところも通りました。

天気が良かったので、遠くの雪山もよく見えて、ロケ地も見れて、とても面白かったです。草薙港で舟を降りてから昼食タイムとなりました。白糸の滝ドライブインで「豚すき鍋御膳(1,500円)」をいただきました。(昼食は、自由食)

白糸の滝ドライブイン

白糸の滝(この滝は、温泉水が混じっているため凍らないそうです。)

豚すき鍋御膳

食事を終えると、次は、銀山温泉街です。山形県のこの辺りは、かなり雪深い所で、屋根に積もった雪の雪下ろしをちゃんとしないと、雪の重みで家が潰れることがあるそうです。実際、潰れている家をバス車内から見ることができました。また、若い男性が、雪下ろしを行っている現場も目にしました。屋根の雪を下ろしたら、1階に雪が溜まってしまい、それも取り除かないと家に出入りできません。屋根から下ろすだけじゃダメなんです。雪を家の外の”雪捨て場”まで運び出すことも必要なんです。大変な労働だなぁと思いました。

雪の重みで潰れた家

雪下ろしの様子

白糸の滝ドライブインから雪道を1時間ほど走ったら、銀山温泉街に到着。銀山温泉街の近くには、かつて江戸時代初期の大銀山として栄えた「延沢(のべざわ)銀山」があります。銀山温泉の名の由来は、「延沢銀山」とのこと。銀山温泉街は、大正時代の建物が多く残る谷底の温泉街で、これほど大正ロマンあふれる町並みを見たのは初めて。夕方になるとガス灯が灯り、雪景色と相まってロマンチックで美しい光景が現れるそうです。ここに一度泊まってみたらよかろうね~。ここでも「おしん」の撮影が行われたそうです。

銀山温泉街の玄関口は、雪に埋もれてしっとりした雰囲気でした。(しろがね橋から撮影)

銀山温泉のメインストリート

銀山温泉のメインストリート

銀山温泉の和楽足湯に浸かる人達(気温はマイナス2℃)

奥の方は、雪に埋もれていました。

銀山温泉を見終えてから、本日の宿『鳴子温泉郷鬼首温泉リゾートパーク・ホテル オニコウベ』に行きました。部屋に入って窓の外を見ると、大きな氷柱が下がっていて、その大きさに驚きました。直径が5㌢はありそう。これほど大きいのを見たのは初めてです。

部屋

窓の外にある氷柱(直径5㌢くらい)

夕食は、2階の食事会場で会席料理をいただきました。

メニュー表

夕食

4.厳美渓、世界遺産・中尊寺、仙台空港から福岡へ(3日目/2月14日)

今日は、空気が透き通った感じで、快晴です。気温はマイナス4℃。寒いですね~。朝食は7時からで、会席でした。ホテルの裏がゲレンデになっているので、スキー客が多い様子。

朝食

リゾートパーク・ホテル オニコウベの玄関口

ホテル裏のゲレンデ

ホテルを8時に出発し、伊達政宗も賞賛した渓谷『厳美渓(げんびけい)』に向かいました。厳美渓は、国の名勝天然記念物に指定されていて、奇岩・怪岩・深淵・甌穴に滝があって素晴らしい景色なんだそうです。ですが、残念なことに、雪に埋もれていてよく分かりませんでした~�。川の色はエメラルドグリーンで綺麗だったのですが...。春になると、桜が咲いてとても美しい景色を見せてくれるようです。

厳美渓(ご覧の通り雪が積もっていたので、奇岩などが見えませんでした。�)

厳美渓では「空飛ぶだんご」が有名です。渓谷の休憩所から、ワイヤーロープでつないだ籠に代金を入れて合図の板を叩くと、対岸の店主が籠を引き寄せ注文を見て、団子と茶を再び籠で届けるというものです。冬の期間は休業とのことで、チャレンジできませんでした~。

「空飛ぶだんご」

厳美渓を出てから、世界遺産・中尊寺に行きました。気温は少し上げって、マイナス1℃でした。日向は良いけど、日陰は寒い️。中尊寺で面白い物を見ました。参拝者のための”縄製のスベリ止め”です。単純なつくりで簡単に作れそう。直ぐに壊れるのじゃないかと心配しましたが、思いのほか優れものでした。装着して歩くと、凍った道でも滑らないんです。なかなか外れないし。昔の人の知恵でしょうが、素晴らしいなぁと感激しました‼ 境内に入ってから、自由観光となりました。

縄製のスベリ止め

中尊寺の境内の様子

本堂

金色堂に行きました。金色堂は、鉄筋コンクリート製の建物の内側に『国宝 金色堂』が建っています。所謂、二重構造になっているのです。写真撮影は禁止になっていました。

金色堂の外側の建物

『国宝 金色堂』・・・パンフレットより

次に、宝物館に行きました。です。ここで、ギョッとするような出来事がありました。黒漆塗りの蓋付き容器があって、茶櫃(ちゃびつ)かな⁇と思って説明書きを読んだら、な、な、なんと『首桶(くびおけ)』でした‼ この中に、老中河田次郎の裏切りによって殺害された藤原家四代泰衡(やすひら)公の首が収められていたそうです。気持ちワル~! ゲー‼ こんな気色悪い物まで展示せんで良さそうなものを。で、よくよく読むと、泰衡の首桶の中から数個の蓮の種子が出てきたそうで、平成5年に発芽に成功し、平成10年(1998年)には約810年ぶりに蓮の花が咲いたんだそうです。奇跡みたいな話ですね! で、今では、7月から8月にかけて中尊寺周辺で見ることができるとのこと。そう言えば、蓮の花は極楽往生の象徴でしたネ。�

宝物館(中での写真撮影は禁止されていました。)

泰衡の首桶から出てきた種から咲いた蓮の花。810年ぶりに咲くなんて、信じられないほどスゴイ‼

中尊寺の観光を終えて、「平泉レストハウス」でお昼ご飯を食べるため、参道(月見坂)を下りました。坂道で凍っていたけど、縄製のスベリ止めを装着したお陰で、こけることもなく無事に着くことができました。「平泉レストハウス」に到着してから、予約しておいた「奥州いわいどりつみれ鍋膳(ずんだ餅付)」を食しました。美味しかったです。ところで、ずんだ餅って、枝豆の実をすりつぶして砂糖と塩を加えて作ればいいんだろうと思います。小豆で作るあんこより簡単に作れそうなので、作ってみたいです。 

奥州いわいどりつみれ鍋膳(ずんだ餅付)1400円

食事が終わって、売店でお土産などを購入して、バスに乗りました。今から、仙台空港16時5分発のJAL3538便に乗るため、空港まで高速道路を通って直行です。仙台空港には、出発2時間前に到着しました。チェックインを済ませてから時間があったので、JAL桜ラウンジで時間調整をしました。無料で飲めるビールがあったのですが、自宅まで帰ることを考えて、コーヒーでガマン。

JAL桜ラウンジ入口

缶ビールを始めすべてフリーです。

搭乗ゲート

飛行機は、定刻通り出発しました。本日(2月14日)は、バレンタインデーです。ソフトドリンクのサービスの際に、CAから「お客様感謝チョコ」をいただきました。

お客様感謝チョコ

着陸前の福岡市内の様子。大濠公園が光ってるね。

飛行機は、18:20に福岡空港に無事到着しました。2泊3日とか、呆気ないですね。出発したかと思ったら、直ぐに帰らないといけません。最近のツアーは、宿泊日数の短いものが多いようです。私どもとしては、4泊くらいあれば良いんですけどね。

今回の旅行では、冬の蔵王に行って念願の”樹氷”をたっぷり見ることができ、本来の目的が達成できて満足しています。また、最上川の舟下りを通じて、下流にある「酒田市」の豪商が北前船で儲けることができた理由や背景がよく見えて面白かったです。大正ロマン溢れる銀山温泉街も興味を引きました。総じて楽しい旅行でした。

 

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