宮崎県の油津には、以前、ダイヤモンドプリンセスで寄港したことはあるものの、油津が交通不便地であるため、観光地に行こうとしてもタクシーにもJR列車にも乗れずに、観光らしい観光が出来ませんでした。このたびのクルーズでは、油津に寄港して飫肥(おび)城跡の観光ができるとのことだったので、乗船することに決めました。クルーズ船に乗船するのは、1年2ヶ月ぶりで~す!
乗船日の10日前に、検査機関からPCR検査キットが送られてきたので、唾液を採取して検査機関に送り返しました。2日後にネットで検査結果を確認したら、「低リスク」との判定でした。ひとまず安心です。
COVID-19PCR検査キット
1.旅行先
神戸、油津(宮崎県)
2.旅行時期及び期間
2021年3月29日~3月31日(3日間)
日程表と航路
3.神戸港ポートターミナルから乗船《1日目/3月29日(月)》
博多駅から神戸港ポートターミナルまで、新幹線などを使って2時間40分くらいかかります。10時半頃到着するためには、博多駅を7時54分に出発するのぞみ10号に乗る必要があります。新神戸駅に着いてからは、タクシーに乗って、集合場所の神戸港ポートターミナルへ行くことにしました。
博多駅
山陽・九州新幹線のチケットを購入する場合、「JRおでかけネット e5489JR西日本ネット予約」をいつも利用します。ひと月前の午前10時から販売開始です。かなり安く(博多・新大阪間片道 大人一人:約1万円)購入することができるので、助かります。
新神戸駅
神戸市内も桜が満開でした。(タクシーの車窓から)
神戸港ポートターミナルに到着
受付案内の看板
案内表示に従って、ポートターミナル内の乗船受付会場に直行しました。乗船手続きは既に始まっていて、乗客数が少ないからか、会場内はゆったり(要するに閑散)としてました。手続きの最初のチェック項目は検温で、次に、健康状態の聞き取り調査です。日々、節制した生活を送っている甲斐があって、無事に通過することができました~。
乗船受付会場
久しぶりのにっぽん丸は輝いて見え、とっても眩しい~!
乗船口は、華やかでしたよ~。
乗船してから、真っ直ぐキャビン(部屋)に入りました。最近はホテルのツインルームに泊まることが多いので、「キャビンって、随分狭いねぇ」とつい思ってしまいましたが、スーツケース内の荷物を引き出しやロッカー内に収納し始めると、クルーズ船の部屋はこんなもんやったねって、昔のことを思い出しました。どこに行こうと、住めば都ですね。
ツインベッドとソファー
机・収納引き出し・ロッカーなど
シャワールーム・洗面台・トイレ
「11時半に神戸港を出港します」と船内放送があったので、4階のデッキに出向きました。デッキで出航風景を楽しむ人はまばら。ポートターミナル側で見送ってくれる人もたったの3人だけ。しかも、商船三井のスタッフみたい感じ。あまりのさみしさに拍子抜けしてしまいました。ほんの数年前までは、地元の人達もたくさん見送りに来てくれて、生バンド演奏と紙テープで華々しい出航セレモニーが行われていたのに…。デッキでいつも行っているにっぽん丸専属楽団の演奏もシャンパンの振る舞いもありませんでした。ドラの音がちょっと聞こえただけ。
出航の様子
出航の様子
2017年時の出航風景(当時は、紙テープをばらまいていたよね。)
ポートターミナルが遠ざかってから、7階のデッキに移動して神戸の街をしばらく眺めまていました。今日は、黄砂が飛んできているせいか、空がくすんでいます。黄砂がなかったら、美しい景色なのに。
7階デッキでは、スタッフが神戸市の説明をしていました。
神戸の街が遠くなっていきます。
赤い煙突はにっぽん丸のシンボル(クイーンエリザベス号に似てるね!)
12時になったので、2階にあるレストラン「瑞穂(みずほ)」に昼食を食べに行きました。「瑞穂」の昼食は和食です。6階の「春日」は洋食です。乗客は、どちらか好きな方に行くことができます。
「瑞穂」前の階段ホール(リニューアルしたそうで、煌びやかになってました~!)
「瑞穂」内の様子
肉うどん、かしわご飯、ブリの照り焼きとふろふき大根
チョコレートプリン
昼食を終えて寛いでいると、「間もなく明石大橋の下を通ります」との船内放送がありました。4階デッキの前方から明石大橋通過を楽しみました。
明石大橋が見えます。黄砂のせいでぼんやりした景色なのが残念!
間もなく橋の下を通過します。
橋の下をくぐり抜けました~。
13時半から6階のマーメードシアターで映画が上映されます。Mr.ビーン主演の「ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲」です。Mr.ビーンらしいお笑いドタバタ映画でした。
マーメードシアターの入り口
シアターの様子(お客さんは、15人くらい)
映画を観終えたら15時を過ぎていたので、7階のホライズンラウンジでおやつタイム。ここのゴディバ・ショコリキサーが有名です。一日に1杯は飲みたいですね。少しお腹が空いていたこともあって、ついでにミニバーガーも食べちゃった~。
ホライズンラウンジのカウンター
ショコリキサー&ミニバーガー
おやつタイムが終わったら、次は、6階ラウンジ『海』でコーヒーを飲みながらレコード鑑賞です。曲はクラシックばかり。ソファーに腰掛けていると、ついウトウトしてしまいました。続いて、16時から4階のドルフィンホールで、「狂言とは」をテーマにしたワークショップです。そのイベントに参加するために、10分前にラウンジを出ました。
ラウンジ『海』の様子
チーズケーキ&コーヒー
狂言のワークショップは、狂言師の山本則重氏と則秀氏の兄弟によって行われました。狂言師の家に生まれたので、否応なく狂言師となり、今に至っているそうで、子供の頃から狂言の勉強をさせられたとか…。狂言を短い言葉で表すなら、「台詞と仕草の対話劇」だそうです。で、『しびり』という狂言の一部を披露してくださいました。
能舞台(ドルフィンホール)
ワークショップを終えて、4階デッキで瀬戸内海の景色を眺めました。黄砂はまだ収まっていません。瀬戸内海の島々が鮮明に見えないのが悔しいなー。
瀬戸内海の景色
夕食の時間が17時半からと指定されているため、急いで大浴場に行きました。人が多すぎて洗い場が足りなくて困りました。夕食後に大浴場に行った方が良かったかなぁと反省。明日は、夕食後に行くことにします。夕食会場は2階の瑞穂です。メニューは次のとおり。
夕食メニュー
メニューの裏表紙がレトロ感に溢れていて、素敵です。
オードブル
ビーフコンソメ
にっぽん丸特製パン
オマール海老と帆立貝柱のポアレ&サフランソース
お口直しの氷菓
低温ローストした牛ヒレ肉の炭火焼き&新玉ねぎの和風ソース下
桜のムース、バニラアイスクリーム、メロン、苺
コーヒー
夕食を終えてから、次のイベント「ワークショップ能楽を知る」が始まるまで1時間半ほどあったので、キャビン内でテレビを見て過ごしました。ワークショップは、明日の能舞台『翁』についての説明がメインでした。『翁』は、能楽師にとって特別な演目で、650年の歴史を持つ芸能「能」の中でも、能にあって能にあらずと言われるほどの格別な一曲とのこと。神聖な儀式であり、演者は神となって天下泰平、国土安穏を祈祷する舞を舞うのだそうです。明日が楽しみ~~!ワークショップがあっている時の写真撮影は禁止されているため、残念ながら写真はありません。
ドルフィンホール
ワークショップが終わってから引き続き、22時からドルフィンホールでレイトナイトステージがあります。ニューオーリンズ生まれのジャズだそうですが、聞いたことがある曲が多くて心が弾みました。
古川奈都子トリオ
ジャズが終わったのが22時45分頃。2階の瑞穂では、夜食サービスが始まっている時間です。折角なので、どのようなメニューがあるのか見物に行きました。ついでに味見もしてみました。あっさりしていて美味しかったですよ。今日は、昼食からずっとよく食べたね~。我ながら食べ過ぎだと反省しています。だけど、食べれるって健康な証拠よねー。(と、自己弁護)
夜食のメニュー
夜食
キャビンに戻ったら、23時15分を過ぎていました。今日は、あっち行ったりこっち行ったりで一日中忙しかった。久々のクルーズ船が嬉しくて元気は出たけど、くたびれてしまいました~。明日は、油津で飫肥城跡観光があります。早く寝ないと明日に差し支えそう。早く寝よう!
4.油津に寄港《2日目/3月30日(火)》
朝7時半に、「瑞穂」で和食の朝食をいただきました。ようちゃんは、ビーフカレーも食べてましたよ~。朝から食欲旺盛!
朝食
朝食メニュー
油津には、2016年8月にダイヤモンド・プリンセスで一度寄港したことがあります。その時、飫肥城跡に行きたくて、油津駅からJRに乗ろうと思い駅に行ったら、既に大勢の人が並んで列車を待っていました。で、列車は1両編成だったんです。しかも、次の列車は1時間半後にならないと来ません。これじゃぁJRで飫肥に行くのは無理だと思い、近くのタクシー会社でタクシーを呼んで貰うことにしました。すると、タクシー会社の人から「タクシーは全部出払っていて、いつ戻ってくるか分かりません」と言われちゃった。油津は陸の孤島なので、ツアーに参加しない限り飫肥城跡の観光はできないってことです。ショックでしたね~。なので、今回は、にっぽん丸主催の飫肥観光ツアーに参加することにした次第です。
にっぽん丸は、9時に油津港に入港しました。接岸後、直ぐに下船が始まりましたが、私達のツアーは10時半出発なのでしばらく船内で待機。船内放送で、私達ツアーの下船案内があったので、下船し、観光バスに乗りました。
岸壁の様子(駐車場の向こう側は、木材チップヤード)
日南市のゆるキャラ「にちなんぢゃ様」のお出迎え
観光ツアーバスに乗車
バスガイドさんは、70歳くらい!?のおばあちゃんでした。
バスに揺られて20分ほどで飫肥観光の駐車場に到着しました。バスガイドさんから、「最初に地元の皆さんによる江戸時代から伝わる盆踊り泰平踊を見て、それから飫肥城跡を観光してください」と言われました。泰平踊は、飫肥藩時代の盂蘭盆会(うらぼんかい)の時に、藩主の菩提寺である報恩寺(現在の五百禩(いおし)神社)で踊られていたそうです。宝永4年(1707年)、対立関係にあった薩摩藩との和解が成立すると、藩ではこれを祝って城下三郷の武士にも盆踊りへの参加を許可したとのことで、これが泰平踊の起源になっています。
駐車場内に設けられた観覧席
動画:江戸時代から伝わっている泰平踊
泰平踊りは、男性の踊りのようで、力強くて勇ましい踊りでした。柔らかい仕草の女性的な踊りとは、随分感じが違います。踊りを観てから、大手門通りを歩いて飫肥城跡入り口の大手門に向かいましたが、途中にあった桜が満開で、とっても綺麗でしたよー。
大手門通りの桜
大手門(表)石垣は昔のまま
大手門(裏)石垣は昔のまま
大手門をくぐって飫肥城跡の敷地内に入ってビックリ。大きな杉が立ち並んでいました。飫肥杉と言うそうです。
飫肥杉
中に進んでいくと、「しあわせ杉」と呼ばれている大木がありました。4つの角にある4本の杉です。対角線の中心に立つとしあわせパワーが貰えるそうな。本当かな~?
しあわせ杉(4本の杉)
次に、藩主の生活の場だった「松尾の丸」に行きました。観光する時間が40分くらいしかなかったので、中には入らず外観の写真を撮影しただけ。「松尾の丸」内には、御座の間、御寝所、涼櫓(すずみやぐら)、茶室、湯殿、台所などがあるそうです。飫肥城歴史資料館も、中に入っての観光はしませんでした。これらの施設といい、小村寿太郎記念館といい、飫肥にはゆっくり時間をかけて見て回りたいと思う観光ポイントがたくさんあります。丸一日くらい時間をかけても良いほどなので、後日出直すことにしました。
松尾の丸
飫肥城歴史資料館
旧本丸跡
飫肥城下町マップ(マップをクリックすれば観光マップにリンクします。)
最後の10分間で、武家屋敷跡の観光をしました。人力車があったので乗せていただき、武家屋敷跡を走って案内していただきました。重たかったでしょうに、どうもありがとうございました。
人力車に乗って観光(雨が降り出してきた~。)
武家屋敷通り
武家屋敷通りに、かつての豪商の邸宅跡を利用した和食店「服部亭」がありました。なかなか雰囲気の良さそうなお店です。次回ここに来た時には、必ず食事に行ってみよう~と!
服部亭
飫肥観光を終えて、観光バスで船に戻りました。乗船口でスタッフから体温チェックを受け、合格したら乗船です。体温チェックは頻繁に行われていて、レストランに入る時も必ずあります。結構厳しかったですよ~!
にっぽん丸の乗船口
飫肥観光のお土産として、おび天(薩摩揚げみたい!)、厚焼きたまご(プリンみたい!)、芋焼酎(たおやかなり、飫肥杉)、お茶(とろ吟煎、茶天花)をいただきました。珍しいものを頂戴できて、嬉しいな。
飫肥観光のお土産
乗船してから、2階の瑞穂でお昼ご飯です。昼食をいただくためには、12時から12時45分までの間にレストラン会場に入る必要があります。ツアーが午前中にあって、戻りが少し遅れたため、12時45分すれすれに入りました。
鶏つくねとかき玉蕎麦、地かつお丼、揚げ春巻き、鰆の南蛮漬け
黒胡麻わらび餅、抹茶アイスクリーム
昼食を食べてから、部屋で一休み。で、15時になったので、昨日同様に7階ホライズンラウンジと6階『海』でおやつタイムを取りました。
ショコリキサー&ボルシチ風スープ
チョコレートケーキ&コーヒー
油津港の出航は、16時です。4階の甲板に出てみると、地元の方達が見送りに来てくださっていました。歌や踊りを披露してくださり、出航間際に風船を飛ばしてくれました。油津と飫肥の皆様、今日は大変お世話になりました。楽しかったで~す! どうもありがとう!また来るね~~!(マイカーでね。)
動画:日南民謡で見送ってくださいました。
動画:バルーンリリースで見送り
出航風景を楽しんだ後、部屋に戻り、今夜のフォーマルナイトに備えて着替えをしました。夕食時間より少し早く席に着いて周囲を見回すと、バッチリ決めてきているご婦人は少数派で、殆どの方はよそ行き程度の服装。知ってる人は誰もいないんだから、どんな服装でもイイやん!と開き直っていましたが、仲間が多かったので安心しました~~!
夕食メニュー
レトロ感に溢れたメニューの裏表紙
先付、前菜、お造り
蒸し物、お椀
天麩羅
ご飯、止め椀、添え物、香の物
甘味
夕食が終わって、能楽宝生流『翁』が始まるまで1時間半あったため、大浴場に行きました。能楽を良い席で観ようと思って、15分前に入場したのですが、良い席は既に満杯状態。出遅れちゃった~。考えることは皆同じですね。まぁ、仕方ないか。今日も写真撮影ができないので、始まる前の能舞台の写真だけです。
能舞台
シテは、宝生和英氏で、2008年に宝生流第20代宗家を継承されてます。また、2019年2月に第40回松尾芸能賞新人賞を受賞されてます。感想ですが、笛、小鼓(こつづみ)、大鼓(おおつづみ)、囃子と謡がとっても新鮮で、厳粛な雰囲気がとても良かったです。能楽が終わった後、昨夜と同じように古川奈都子トリオによるオールドジャズ演奏を聴いて楽しみました。
古川奈都子トリオ
今日の〆は、夜食の写真撮影です。写真を撮るだけのつもりだったのですが、結局は、今日も食べちゃった〜。
夜食のメニュー
ざぶ汁、ご当地巻、フルーツ
焼き餅入りおしるこ
今日もよく遊んでよく食べましたねー。お陰で疲れました~。
5.神戸港に帰着《3日目/3月31日(水)》
早いもので、今日の午前中には下船します。2泊3日のクルーズ旅行って、ホントにあっけない。何だか寂しい感じ。そんなことを思いながら、瑞穂で洋食の朝食をいただきました。
朝食
食事が終わって、荷物をキャビン前の廊下に出してから、7階ホライズンラウンジに行きました。ここでは、毎朝9時半に焼き立てのパンを提供しています。このパンがすごく好評で、早めに行って並ばないと貰えないほど。今日が最後のチャンスなので、パンを貰うために並びました。そして、ハンバーガーと黒豚ソーセージ・ホットドッグもテイクアウトしました。帰りの新幹線の中で、ゆっくり味わうつもりです。
抹茶クリームパンとナッツ入りパン
ハンバーガー(右)と黒豚ソーセージ・ホットドッグ(左)
下船は、スイートルームなどランクの高いキャビンから先に行われます。私達は、普通のキャビンなので、後回し。10時半頃、部屋番号が呼ばれたので下船しました。
にっぽん丸のスタッフは、みんなマスクとフェイスガードを付けていました。
荷物置き場から自分のスーツケースを受け取り、ポートライナーと地下鉄を使って新神戸駅に行きました。新神戸駅発12時50分のぞみ23号に乗車し、無事に博多駅に帰り着きました。このたびは、短い旅でしたが、にっぽん丸のスタッフの方にはお世話になりました。コロナに感染することもなく無事に旅行できたことに感謝申し上げます。
最後に感想を一言。久しぶりのクルーズ船なので、勝手をすっかり忘れていて、船内うろつき用の履き物を持参しなかったりと失敗もありましたが、全体を通じて「楽しかった!」「面白かった!」に尽きます。久々のクルーズにとっても満足しました。で、自宅に戻ってから真っ先にとった行動は、パンフレットを開いて「次は、どれに乗ろうか?」でした。しばらくは、外国船籍のクルーズ船には乗れないでしょうから、にっぽん丸などの日本船で楽しみたいなぁ!