vol 212:身近な時





体が揺れた。

「大樹・・・今地震?。」

電気を見るも、揺れてない。

「え?揺れてないけど。」

大阪で仕事が急遽入ったから、

奈良の自宅に戻って来た時の出来事やった。

「ほら!ほら、また揺れた!。」

大きく揺れる。

「カン?。」

でも、揺れてるんは俺だけみたいや。

不思議そうな大樹に俺はテレビをつけた。

「これ・・・。」

東海が大地震と津波で崩壊している映像が流れる。

「カン。」

「・・・。」

海外の災害に比べれば被害は小さいものの、

マグニチュード8。

関西大震災の時は7やった。

千葉のガスタンクが酷く炎上している。

「俺、東京の事務所に電話してみる。」

電話をかけるも繋がらない。

「アカン。
嫌な予感する。
大樹、黄泉の国に行こう。」

俺と大樹は黄泉の国に向う。

阿弥陀の国には大日如来も大神も集まっている。

「日本が、!。」

俺はみんなの顔を見て言う。

「母さん・・・。」

大樹は大神の元に行った。

(カンよ。これはまだ序章。
始まりは既に起こっている。
まだまだ、これからです。)

阿弥陀が俺に向かって言った言葉に、

俺は堪らなく苛立った。

「何も出来へんの?!。」

大日如来が俺の元に近付いてくると、

俺を包み込むように抱きしめ、

(何も出来ないのです。)

いやや・・・。

「いやや!いやや、いやや、いやや!。」

「カン・・・。」

(カンよ、目を背けてはいけません。
これも仕方のない事。
でも、お前の抗議で全ての者が命を落とさなくても済みました。
それは人間にとって大きな事なんです。
この犠牲は止められぬ。
これからの犠牲も止められぬ。)

目を背けるな言われても・・・。

こんなん耐えられん。

大樹を連れて地球の元に向かう。

以前の様に両手を地面について、

地球に自分のエネルギーを送る。

「ほら、俺のエネルギーや。
な?楽になってきたやろ?。
せやから、せやから・・・。」

地震は止まない。

「カン、なんかおかしいよ。
本当に地球が苦しんでいて、
この地震を起こしているんだろうか。」

大樹も、地面に両手をついてエネルギーを送る。

いっこうに変わらない地震。

「水害は海からの津波。」

「・・・大樹、調べに行こうか。」

「そうだね。今、地球は落ち着いてるから。
きっと、地球が原因じゃないよ。」

俺と大樹は被害が一番強い場所に向かうことにした。






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