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vol 199:答えの後
毎夜の答えの無い判断に苦しむ修業に、
さすがに精神的に参りそうや。
仕事を終えて明日は久々の休み。
新幹線の中、疲れでウトウトと眠気に襲われるものの、
どうしても、寝たくない。
サングラスの中で必死に目を見開いてる俺は、
サングラス外したら、危ない人の顔やろう・・・。
雪は降ってないけど、冷たい風は強くて、
駅まで迎えに来る言うてくれた大樹には断り、
タクシーで家路に向かう。
久々の我が家に帰って、
リビングにいる全員の顔を見て驚いた。
3人とも、まるで廃人。
「た・・だいま。」
「あ、おかえり、カン。」
すぐに返事をした大樹も、
コタツでうつ伏せに寝たまま俺を見る弥勒も、
お菓子を食ってるシロも、
全員が目の下にくま。
「ぶっ!
お前ら・・・相当やられとるな。」
弥勒が眉尻下げて言う。
「カン・・・答えなんてあんの?。」
弥勒の問いに俺も笑むことしか出来ん。
「あったって、どないも出来ん。」
コタツから大樹が立ち上がり、俺の頬に触れて、
「寒かったでしょ。風呂に入りなよ?カン。」
「ん・・・。」
荷物をリビングに置いてから、
そのまま風呂場に行って服を脱ぎ、風呂に浸かる。
「はぁ~・・・あったけ・・・。」
完全に冷えた体には湯が少し熱めに感じるけど、
すごく良い温度にも感じた。
ホテルでの一人の空間とは全然違うこと、
大樹も風呂に入ってくること・・・。
「風呂、まだやったん?。」
「うん。」
狭い浴槽に男が二人。
細身の二人でも、窮屈。
俺の後ろに座った大樹に遠慮なく凭れかかる。
「カン・・・もし、俺がカンの目の前で倒れていても、
周りのみんなを助けてくれていいから。
俺のことは気にしなくていいからね?。
そんな事で悩まなくてもいいから。」
後ろから抱きしめる大樹に顔を向けて、
「アホ・・・。
そないなもん答えと違う。
一番大事なお前をほっとけるわけないやろ。
この修業は、冷静差を身につける修業や。
究極な体験してたら、
そんじょそこらの悲惨な光景見ても、
冷静でいられる。」
修業の答えはコレなんやと思う。
弥勒に言わんかったんは、
アイツこそ、それを自分で気付く事が必要やからや。
幾度かのキスに、そのまま体を重ね、
風呂を出た時に天界の神が居た。
「パパ・・・。」
(我が娘よ、神々の元へ。)
答えに気付いた時、
実践が試される。
「・・・はい。」
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