vol 191:年末





クリスマスも終り、

また1年、年を越そうとしてる。

年月というのはどんどん先を進むけども、

俺のやるべき事の速度は遅い。


「カン、ほらぁ。」

「あー?。」

「クリスマスの飾り付けかたづけるの手伝って。」


家族みたいな友人たちと過ごすのも少しの時間で、

年末のイベントに出演したり、

眠る時間も移動の新幹線の中。

現場につくと打ち合わせや、出演陣との挨拶に会話。

俺の小説のアニメが映画になることも決まり、

それの打ち合わせもあって。

ただ、ほっとさせてくれるのが、

「カーン!。」

「おー、ハラン!。」

魂の親友から始まったハランとは、

リアルの世界でも親友になった。

「映画化おめでとう。」

「テンキューテンキュー。
ハランもまた日本語よろしくな?。」

「あー・・・そですねぇ。」

自信の無さそうなハランに心が和む。

やっぱり家には帰れなくて、

年明けまでホテルで過ごすことに。

「もしもし大樹?。」

『カン。やっぱり年明けになりそう?。』

「せやねん。一緒に年越し出来んでごめんなぁ。」

『ううん。仕方ないよ。
カンの仕事にわがまま言えない。
カンの仕事は俺らの役目のひとつでもあるし。』

俺は思う。

「来年・・・どんな年になるんやろか。」

『そうだね。』

少しの沈黙が続いた。

毎年の異常気象。

(カン。)

後ろで声がして、振り向くと以外な人がいた。

「ちょ、大樹ごめ、電話切る。」

『え?あ、うん、またあとで。』

慌てて電話を切って、

俺は現れた霊に抱きついた。

「ニコニコさん!。」

(お前はほんに不思議じゃなぁ。
普通、我々には肉体では触れられん。)

そう、俺は霊に触れる事が出来るようになってた。

「久しぶり・・・。」

(わしは、ずーっと見ておったがな。)

ニコニコさんはけして、表に出ずに、

陰で、出会ったときから見守ってくれてる。

「どないしたん?。」

(うむ・・・。カン、神々の出迎えがもうじきやってくる。
大丈夫か?。)

そう。宇宙の神々からすれば俺は反逆者なみのイメージ。

神々の審判をさせんとこうとしてるから。

「俺は大丈夫や。でも、パパが心配なだけ。」

(天界の神は少し心を乱しておる。)

「・・・はぁ~。」

溜息吐くしかない。

「どっしーんと、構えてたらええのに。
宇宙の神も俺らも、誰も間違ってないんやから。」

(ハッハッハ!そうじゃなぁ。
ただな?カンよ。
どれだけ説明しても、そこに大きな慈悲がない限り、
くつがえすのは困難じゃ。
皆にも皆の決断した理由があるのだからな。
お前がどこまで冷静に出来るか。
そこにかかっておる。)

冷静。

「自信ない。」

(そうじゃろう。当たり前だ。
辛い修業になるが、時間がない故、
物事もお前にとってキツイ事となる。
それでも、神々に連れて行かれるまで修業するか?。)

俺に考える余地はない。

「うん。お願いします。」

年が明けるというのは、めでたい事なのに、

俺はその間、修業することになった。

リアルでは仕事をしつつ、

眠る時間が修業の場となる。

どんな修業内容になるのかもわからんけども、

ニコニコさんの顔からして、

それは俺に対して、もの凄い過酷な事やってことは解る。

その話しを弥勒に言うと、

弥勒もその修業に参加したいという事になった。

そして、大樹もシロも。

そして、阿弥陀如来、

薬師如来、

大日如来、

不動明王、

役小角。

既に悟りを開き、人々から崇められてる神々も、

同じ修業をすることに。

過去にも行った修業であっても、

時が流れてしまうと、根本だけ解っていて、

基本を忘れてしまうからや。

全ての者が同時に修業をすることに。

でも、そこには俺にだけ辛い想いをさせないっちゅー、

みんなの想いがあるのを俺は感じてる。





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