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vol 186:議論
「カン、僕がやりたい事はね?
人間どもに神に対しての憎しみを持たせたい。
ただそれだけなんだよね。
怒りと絶望感と憎しみ、
それらを神に対して一瞬でもあじあわせたい。」
「ただそれだけの事で、
お前は満足なんや?。」
「ただそれだけの事が、神にとって悲しみの他何ものでもない。」
サタンの想いは強く、悲しく儚げで、
神に対しての気持ちもある意味、純粋に思えた。
どんな言い方をして聞いても、
鼻で笑うだけやろう。
「ルーちゃん、はっきり言う。
俺に力貸してくれへん?。」
サタンは目を丸くした。
「僕に・・・何を言ってるんだい?カン。」
「うん、そうやねん。
お前に何を言うてんねやろ。
けどな?この目的を果たした後、
どないするつもりなん?
闇の世界の住人と永遠に次の時が来るまで、
ボケーっとしてるん?。」
「・・・。
例えば君に力を貸したとして、
僕には何の得があるって言うんだい?。」
「ん~、得・・・。
宇宙の神々に逆らえる事とかー、
たまには、まともな事出来るとかー?。」
どう説明すればいいんやろ。
「ぷっ!。」
「え?。」
「アハハハハハ!。」
サタンが腹を抱えて笑いだした。
「な、なんやねん。」
「予想もしなかったなって。
僕の憎んでる神の娘が、この僕に手を貸せなんて。」
そらそうや。
俺すらなんで言うてんのかわからん。
「でも、神の考えでもあるんだろ。
結局、君も神の手の中の存在なんだからねぇ。」
「パパは、神々の審判に心は反対してる。
せやけど、地球の神なだけであって、
この地球は宇宙の神々の物でもあるわけやん。
どんだけパパが反対したって、
他の神々の意見を重視せざるおえへんわけ。
情けなくも、パパはそれでも反発する事はせぇへん。
でもさぁ~、パパもいい加減変わらんなアカン思うし、
俺らもいつまでも、神の手の中で転がされんのもいらんやん?
それやったら、結果神の良い様になったとしても、
俺も良い様になりたいわけや。」
解るようで、解らん理由を言う自分に、
呆れかえるんやけど、
こんなもん、まとまりなんかつかへん。
「僕に手を貸してほしいって、僕に何をさせたいの?。」
「わからん。」
ホンマにわからんから、満面の笑みで誤魔化した。
サタンはニッコリ笑んで、悪魔と居るはずが、
まったりした雰囲気が続く。
「闇の世界は僕の世界だけど、
僕の言う事を聞く奴は殆どいない。
みんな時を待ち望んでいて、
それが解放された時、
誰ひとり僕の言葉なんか聞かないだろうねぇ。
暴れまくって、それが自分の大きな罪になることすら考えず、
闇の世界に居られなくなる事もわかっていない。」
「大罪の者は、塵となり、
永遠の命も奪われる・・・か。」
結局、悪魔も、今は永遠の命がある。
あの世で死ぬことのない存在。
でも、度を越したら、その命も奪われて、
完全に塵となって消えることになる。
これを理解してる悪魔は、
サタンや堕天使くらいやろう。
「ねぇ、カン。
君も解ってるのかい?
君が反発するという事は、宇宙の神々にも背いた事となる。
それは罪になってしまう。」
「わかっとるよ。
俺の反発が罪や言うんやったら、
立派な罪人になるよ。
命を奪う神になるくらいやったら、
救う為に命かけた罪人のがどんだけえぇか。
俺と同じ考えの黄泉の国の神々も、
全員罪人になるやん。
アホくさ。」
この結末だけ見たら、
神はどんだけ、無慈悲やねんって思う。
せやけど、
これは人間は何千年も行って来て、
何も学ばんかった結果でもあって。
ただ、だからと言って、
なんの罪もない子どもたちまで殺すんかいうねん。
この問題は簡単なようで、
とても難しい問題や。
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