vol 185:サタンと天の子







サタンの部屋に案内される。

豪華な部屋にどうせ泊まってるんやろうと思ってた。

『イエス?。』

『・・・お父さん。』

豪華そうな部屋からちょうど出て来たんは父親の方。

『おー!カンではないか!。』

相変わらずの英語はわからんけど、名前を呼ばれたんと、

笑顔で抱きしめられたから、挨拶されたんやとわかった。

サタンは俺が仕事でこの国に来てるって事にして、

父親に説明。

再び俺を連れて自分の部屋に向かう。

「なんやぁ~。パパさんと同じ部屋ちゃうんや?。」

「まさか。あんな部屋に泊まれるわけがないよ。」

「なんで?。」

「聖人はあくまで謙虚に。
贅沢を見せると、水の泡だからねぇ。」

「へぇ~。」

ごくごく普通のシングルルームに入るとドアにサタンは、

手のひらを近づけ目を閉じた。

すぐに、その行為を終えると俺の方へと振り返り、

「はい!終わったよ。
もう誰も入って来れない。」

俺はベッドに腰掛けた。

「でも、俺と二人でおったら怪しまれるよな?。」

「この僕が誰に信用されるって言うんだい?。」

クスクス笑って冷蔵庫からジュースを取り出すと、

俺に手渡して、サタンはソファーに腰掛ける。

「僕の手下は僕を憎み、あわ良くば、
自分がサタンになりたいと思う奴等ばかり。
大した力も知恵もないのにね。
僕が信じるのは、僕自身でもない。
無だ。」

サタンの表情は触れると自分まで凍ってしまうんやないかって、

そう思うくらい冷やかで。

「それで・・・魂じゃなく、
肉体で僕にわざわざ会って話したい事って?。」

「あー、そうやった。」

俺は細かく天界が下そうとしている事をサタンに話す。
何も隠さず。

「せやけど、天界の神は反発もしてきたんや。
でも、宇宙の神々の意見は変わらんかった。
天使や神使いに命を奪わす事は出来ん。
やるなら、闇のもんに・・・。」

サタンは、さほど驚きを見せず、

「アハハ、神のやりそうな事だねぇ。
それに何もわかっちゃいない。
手を下さなくても、指示したのは神で、
そうなるように闇の扉を開けたのが神使いや天使なら、
完全に罪を負うのは神とそれを仕向けた者。
一番の悪魔に相応しいのは神なんじゃない?。」

笑いながら言うサタンは呆れているようにも見える。

「まぁー、神が悪魔ってとこは知らんけども、
お前が言う事が筋通ってると俺も思う。
自分達でするわけでもなく、
闇のもんにさせるっちゅーのが、
俺は気にくわん。」

「それで?カンは僕にこの話しをしてどうするつもりなんだい?。」

「結局、神の駒やっちゅーこと、
ムカツクやろ。」

サタンは俺をジッと見つめる。

俺が何を企んでるんか。

敵である相手に情報を漏らす俺の企みを読み取ろうと。

でも、俺は言葉通りなだけで、

企みなんかない。

「ねぇ、カン。
僕がどう動こうと、神にとっては利益になるんだ。
わかるかい?。」

はむかって人間を殺さんかったら、

それはそれで神は嬉しき事。

はむかわず、人々を襲い命を奪えば、

罪は闇のものに背負わされ、

神は仕事をまっとうした事となる。









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