vol 181:小さな天使の言葉






まずはさてどうしよか。

パパを安心させに行くのが妥当。

その後で、サタンに会いに行こうか。

いろいろと悩んで考えた結果、

やはりまずは天界の神に会うことにした。

天界に行くとやたら静かや。

「気持ちわる・・・嵐の前の静けさか?。」

天使の姿も、見かけない。

小さな子どもの天使を見かけて、

俺は声をかけた。

「なぁ?。」

この天使は俺を知らないはずやけど、

俺の光ですぐに天の神の子ってわかる。

(あぁ!。)

驚くクルクルした髪の天使は可愛くて、

俺はニッコリ笑んだ。

「みんなはどこ行ったんか知ってるか?。」

(はい!みんな主のところにお話を聞きに言ってます!。)

「話し?・・・案内してくれへんか?。」

天使は大きく頷いて俺は手を差し出すと小さなふっくらした手で、

俺の手を掴んで案内してもらった。

扉を開くと、大勢の天使や神使いが集まっている。

(私は思うのです。
宇宙の神々は人間を滅ぼし、地球を救うと決断されました。
しかし、我らの子孫でもある子たちが、
黙って苦しむ死を見ていられるのでしょうか。
私は嘆き、悲しみ見てはいられない。
我々を心から信じるたったこれだけの人間であったとしても、
その子らの血を見ていられるでしょうか。)

主は皆の前で自分の肩手の拳を見せた。

たった一握りの心から神を信じる者たち。

(神も多いに悩んでいらっしゃいます。
幾度となく希望を与えて来たが、変わらぬ子たちに。
それでも、愛しているために宇宙の神々が決断された事であっても、
闇の門を開けることに戸惑いを隠せない。
私はお前たちに問いたい。
お前たちの心に問いたいのです。
闇の門が開けられれば、多くの悪魔が人間に苦をもたらし、
殺し合いをさせ、自ら命を絶たせ、
恐怖を与えるでしょう。
我々はただそれを見ているだけ・・・。
お前たちは目を背けずに見ていられるか?。)

主の言葉にみんながザワめき始める。

そうなっても当然の報いや言う奴もいれば、

慈悲を与えるべきだと言う者。

主に叫ぶんやない。

周りの者同士で言い合ってるだけや。

誰ひとり、主に叫ぶ奴はおらん。

俺の手を握ってる小さな天使の手に力が入った。

(主さま!そこには子どもや赤ん坊もいるのですか?!。)

俺は目を見開いて小さな天使を見た。

天使や神使いたちも一斉に一番後ろにいる俺達に振り向く。

静まりかえった空気の中、

主は眉尻下げて微笑み、

(えぇ。います。)

はっきり答えた。

小さな天使は眉間に皺を寄せて唇を尖らせ、

(そうですか・・・。)

不服そうに呟いた。

俺はしゃがんで小さな天使に視線を合わせ、

「おう!もっと言うたれ。
そこらにいる大人の天使や神使いよりも、
お前のがスゲーわ。」

俺の言葉に力強く頷いて、

(かわいそう!
なんの罪もない、せっかくの命が罪を背負うなんか、
おかしいです!。)

小さな体で声を振り絞って出した小さな天使。

「そうや!そうや!
甘やかしたんも、神やないか!
しかも、それを闇のもんにまた罪を犯させるやなんて、
おかしいやんけ!。」

俺も便乗して、しゃがんだまま叫ぶ。

みんなポカンと口を開けて俺を見、

主はそんな俺に小さく吹き出した。

(妹よ。天の子よ。そして、小さな勇敢な天使よ。
私もお前たちと同じ意見ですよ。)

小さな天使は俺を見て嬉しそうに笑った。

俺も頭を撫でてやり、

「主よ!
この立派な天使に話しを聞くといい!
きっと・・・最高の案が出てくる!。」

主に叫び、

「ほれ、お前が主と一緒に考えるんや。」

(わ、わたしが!主と?!。)

「そうや。ほら!
主の元に飛んで行き。」

俺が小さな羽根を撫でてやると、

再び大きく頷いて宙に浮き主の元へ飛んでいった。

その部屋を後にし、

パパのとこに向かう。

しかし、これは意外やったかもしれん。

全て学んだように見えた大人の天使や神使いよりも、

まだノウハウもわかってへん子どものが勇気も愛も持って・・・、。

「あぁ!そっか!
これかもしれん!。」

俺は大きく声をあげて、慌てて天の神の元やなく、

天使の子どもの元に向かった。
















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