2025年4月1日(火) 花筏・めぐり出逢う
春、花筏にのって人は遠ざかり、まためぐり出逢う。
先月のブログ最終行の表現です。
水面の桜の花びらは惜しまれながら流れ行く。あまつさえ、その短かき日々を想うのは、いつも過ぎ去ってからの朧月。
今日の記事は、先月のブログ記事に対するひとり返歌みたいなものかな。
3月は、毎日のように卒業生たちの訪問がありました。
例えば・・・
~訪問者① 中3生のみなさん~
高校受験を終えた(旧?)中3生の(保護者の方と一緒の)訪問がいちばん多かった。それにしても授業では話さなかった驚愕の話題や質問が次々と飛び出し、楽しかったですよ!皆さん、話題も表現も豊富ですね。
以下、話題の1部を・・・↓(赤字は私の心の声)
「ポメラニアンに似てますね」
➡(紙細工有難う、似てますか?)
「なでしこジャパンはW杯優勝しそうですね」
➡(トップ下が活躍し優勝します)
「橋本愛の木綿のハンカチーフ知ってますか」
➡(泣ける、涙拭く木綿のハンカチーフください)
「夢の如く儚く美しいから夢見草と言うのですね」
➡(一瞬の美と永遠の美は紙一重)
「宇宙物理学と量子論は共存しつつ矛盾する」
➡(その通り、だがわずかな変革も起こりつつあるらしい。)
「文章を書くコツを教えて」
➡(誰に向けて書いているかが肝、自分に向けて書ければ上級)
「何者なんですか、宇宙人ですか」
➡(だと思う)
「未発表の激レア伝説ききたい」
➡(ドン引き覚悟ならいくらでも)
「涙の川を泳ぎ続けた中学校生活とは?」
➡(まだ話したくない)
「メンタリスト的な仕事してたんですか」
➡(清瀬ゼミ一筋なり。学問的心理学は大学時代に独学で、人間心理学は大学卒業までの人間付き合いで学んだ・・かも)
「小さな巨人と呼ばせてください」
➡「小さな」はどうしてもいるのかな?
~訪問者② 現高校1年生のみなさん~
卒業してからちょうど1年が経ち、近況報告してくれました。「期末テスト学年1位だった」との報告もあり、各人高校生活真っ只中なんだな~と。
~訪問者➂ 現高校3年生のみなさん~
卒業してから3年が経ち、マスク無しのため誰だかわからないケース続出。(汗)ムムム~ごめん。しかも「高校の卒業式前夜」の訪問者ばかり何人も。他にも行くべき大切な場所あるでしょ~と言いながらも、本当はとっても嬉しかった。
帰りがけに聞いた、予想外のひと言に言葉を失ってしまう一幕も。申し訳ない!帰った後に「そのひと言を置きに来たんだな~」と鈍感にも遅ればせながら気付き、成長したその心に打たれました。お土産にもってきてくれたクッキーは、涙の味がしました。
~訪問者➃ 現大学1年生~
教師を目指して勉強しているのですね。清瀬ゼミの卒業生は、教育関係従事者(高校・中学校・小学校の教師など)と、医療関係従事者(医師・看護師・薬剤師・助産師など)は結構多いのです。健康に気を付けて頑張って。
~訪問者⑤ 現大学4年生~
清瀬ゼミの生徒として出会ってから10年目。アシスタントとして大活躍してくれたことに、そして社会へ出ていくことに、感無量。限りない感謝の念を感じています。
2025年4月1日(火) 都立自校作成校49名
2025年~2017年の間に「都立自校作成校」に合格した清瀬ゼミ生の数は49名。清瀬ゼミくらいの小規模塾の合格数としては、かなり健闘している方なのかな?ちなみにゼミ生の都立自校作成校合格率は90%を超えています。
なお、都立国立高校は6年間連続で合格率100%です。13名受験して13名合格。
2025年4月1日(火) はじまり
「宇宙のはじまりはいつなんですか」という質問を受けました。諸説あるので非常に難問なのですが・・・まず「定常説」は、過去も現在も未来も、宇宙は変化に応じて同じ密度を保とうとする性質があり、宇宙は初めから存在していたものなので、始まりも終わりもないという考え方です。
これに対して有名な「ビッグバン説」は、138億年前に巨大な爆発が起こり、現在も宇宙は膨張を続けているというものです。地球から遠い星ほど、はやい速度で遠ざかっていることから証明できます。これによると「はじまり」は、物質も空間も時間もない状態から突然宇宙が始まったということになります。
正確には、物質・時間・空間が現れたり消えたりという定まらない「時空の揺らぎ」といわれる状態から、時空が定まった状態に移行したということです。今では更に発展した説も出てきました。
ここまで読んで、う~ん、やはり難問だ、と思った人。全てが分からないからこそ、人がものごとを考える「はじまり」となるのかもしれませんね。
2025年4月1日(火) 夢見草①
リクエストされ、気が向いたので10年前のブログ小説復刻。
内容は先月号の続き。書いたのは30年以上前。記憶を頼りに再生。
中学校の卒業式も終え、高校の入学式を待つ身となった僕は、春休みを虚ろに過ごしているところだ。中学の友達は皆、これから始まる高校生活のことを考えているのだろう。
けれども僕は、過去のことを考えている。「未来を夢見る時には、過去を検証してから」というアドバイスをある人から受けたからだ。過去は未来への道しるべとも言われた。
だから僕は後ろ向きではなく、前向きに過去と向き合う春休みにしようと思っている。未来のために。
中1の頃は友達や先輩についていくのがやっとだった。中2の時には好きだったギターで曲を弾けるようになった。中3では受験勉強に多くの時間を費やした。3年間を振り返ってみて、いつの時代の自分を振り返るべきか考えてみた。
いや、始めから答えは出ていたのかもしれない。
僕は「小学6年の卒業式を終えたばかりの春休み」に、途方に暮れている自分自身に会いに行くことにした。
夢見草②
川沿いの桜の木は、早咲きの花をひかえめに携えていた。その木の下には、ひとりの少年が座っている。僕は少年に背を向ける形で、木の反対側に腰かけた。そして持ってきたギターで1曲静かに弾いた。すると少年が話しかけてきた。
「アルペジオ奏法、上手なんですね。」
「アルペジオは1音1音感じられるからね」
僕たちは顔を合わせないまま会話した。
「桜の木をずっと見ているんですけど、現実なのかなって」
「何かあったの?」
「僕、小学校の卒業式が終わったばかりなんです。でも校歌も知らず、友達もあまりつくれなまいまま卒業してしまったんです。色々あって。卒業式の日に、この木の下で皆とても楽しそうにしていました。僕はひとりでこの桜が舞い散るのを見ていたんです。だから春休みの今日、この桜の木と卒業式をしてるんです」
「どんなことがあったのか、よかったら話してくれないかな」
「ありがとうございます。でも、あまり話したくはないんです。すみません。さっきの曲は何という曲なのですか」
「As Tears Go By だよ。G A C D の回転コードで弾けるんだ。大人の涙の流し方を教えてくれる。僕にとっては大切な曲の1つなんだよ」
桜の下で③
「僕、弱虫だと思われたくないから、泣かないように、負けないように頑張ってきたんです」
「泣いてもいい時だってあるんだよ。キミはどんな涙を流したことがあるのかな?」
そう問いかけると、少年は少しの間考えてからこう答えた。
「悲しい涙、寂しい涙、悔しい涙、あと嬉しい涙も少し」
「そうだね。でもそれ以外にも涙はあるんだよ」
そう言うと少年は驚いたようにきいてきた。
「それ以外?どんな涙か教えてもらえませんか」
「心の涙。君が今まで流した涙は自分のための涙だね。でも決して無駄ではなかった。悲しい涙を流したことがある人は、きっと他人が悲しんでいるときにも理解してあげることができるようになるよね。寂しい涙も同じだ。でも自分以外の人の気持ちに寄り添ってやれる他人の為の涙、それが心の涙」
少年は小さく頷くと、こう言った。
「もう1曲聴かせてもらえませんか」
夢見草④
2曲目に僕は「春のおとずれ」をアルペジオで弾いた。
すると少年はきいてきた。
「この曲にはどんな意味があるのですか」
僕はひと呼吸おいてから答えた。
「ひとつのことを乗り越えたら、春風の中を走っていけるという曲。春は、命が芽吹く季節だよね。生きている、それだけで、いやそれこそが推進力なんだ。突破力だ」 少年が息をのむ空気を感じた。
「生きていることは突破力・・。」
「そう、敵も味方もいない。語り相手は自分自身だ」
僕たちの会話を、桜の木は静かに聞いていた。
夢見草⑤
3曲目に僕は「ラストバラードを君に」を弾いた。少年は静かにきいていた。「大人っぽい曲ですね」
「僕が自分で作ったオリジナル曲。基本を学んだら次には自分だけのスタイルを作れる」
「どんな意味をもった曲ですか」
「本当に伝えたい言葉は、後になって初めて気づくという曲。でも結局最後まですべては伝えきれない。推進力や突破力をもって、ともに歩いた時間だけが残る。けれどもそれこそが心の花束なんだ」
「そして大切なのは、手のひらに優しさを持つことなんですね」
そろそろ帰ろうかと思ったら、少年は空気を察した。
「待って!まだききたいことが・・」
「振り向いてはだめだ。僕は・・・君だから」
夢見草の下で行われた2人だけの卒業コンサートは閉幕した。薄紅色の花びらたちが祝福していた。あの時と同じように。
ふと目を覚ました。うたた寝してしまったようだ。なんだか妙な夢だったけれども、少し懐かしい春の香りがした。
壁に掛けたカレンダーは、4月8日に赤丸のしるし、その下には「高校入学式」の文字。
いよいよ僕は高校生だ。久し振りにギターを手にしてみた。
なんてね・・