vol 177:再び





俺は肉体に戻ると、その日から環境問題に力を入れた。

苗木を植える活動をいろいろな国で行い、

それと共に戦争孤児の子ども達への活動も始める。





「どうして今回は俺が連れて来られた?。」

機内で弥勒が、いかにも気にくわなさそうな顔をして、

俺に問いかけた。

「ん~?そらぁ、弥勒がえぇなぁって思って?。」

笑顔で俺は弥勒の質問に答えた。

「俺はもう大丈夫だって言っただろ?。」

1年前の災害での出来事に対して、

弥勒は随分といろいろ自分でも考えたらしい。

でも、神であろうと考えと実際に起こった時の考えは、

違うもんや。

「まー、えぇやん。大樹でも良かったんやけど、
俺は弥勒と今回行きたかったんや。」

「・・・。」

今までは同じ考えを持った人達に呼び掛けて、

苗木を植えてた。

今回は戦争孤児の子ども達の住む場所に植える事を思いついた。

「チーやジャンヌは元気にしてるかなぁ?。」

そう、俺らは以前訪れたアフガンの孤児院に向かってる。

現地に着くと、もう何年か経つというのに、

光景は差ほど変わってなかった。

車に揺られて目的地へ。

孤児院の門で車が止まり外へ出る。

やはり光景は変わらない。

でも、変わったものもあった。





(来たよ。)

『カーーーン!ミロクーーー!。』

元気良く叫ぶ黒人の男の子。

「あれは・・・。」

「チーや!。」

俺は走ってチーの元に駆け寄り、

「チー!背ぇ伸びたんとちゃうかぁ?。」

小さかった盲目の男の子チーも俺の肩くらいまで背が伸びた、

立派な少年になってた。

「ジャンヌ?。」

隣に立つ女の子はジャンヌ・ダルクの生まれ変わり。

彼女もまた、少女から綺麗な女性になってた。

弥勒も久々の元気な二人を見て、

笑みを溢し、チーの頭を撫でる。

『チー、シスターは?。』

そう、あの頃のシスターは子どもを虐待し、

ラドゥンの命を奪った。

『もう、いない。逃げたんだ。
あの後、ミロクがいろいろしてくれたおかげ。』

相変わらず俺にはこの国の言葉がわからん。

「カン、シスターは居なくなったそうだ。」

「ま、マジで?!。」

『今のシスターは?。』

『今のシスターは、すごくいい人だよ。』

「今のシスターは、すごくいい人だって。」

「うわぁ~。良かったぁ。」

耳が聞こえない、言葉も話せないはずのジャンヌも、

まるで、話しが解っているかのように微笑んでた。

「おし、そんならシスターに会いに行こうか!。
荷物も届いてるはずやし!。」

この日の為に、俺はここに荷物を送ってたんや。

苗木と子どもたちへのお菓子やら食糧、

絵本や文房具。

俺たちはチーとジャンヌに案内されるままに、

新しいシスターに会いに向かった。














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