|
vol 174:砂
俺は、パァァァン!と両手を音を鳴らすよう合わせた。
「さぁ、次は俺の番や・・・。」
俺はある場所に向かおうとした。
阿弥陀が現れて、
「カン、わたしも行きましょう。」
俺が多忙にでも見えたんかいな?。
笑顔でゆっくり顔を左右に振って、
「ううん。大丈夫や。行ってくる。」
そう言って向かった先は、昔パパに教わった場所。
小さな小さな俺はパパの手を掴んでた。
「さぁ、娘よ。ここが地球という星と唯一話せる場所。」
「ちきゅう?。」
「そう、我らが守っている地球。わたしの国。
愛する生き物の住む惑星だ。」
「ちきゅうさん!こんにちわ!。」
今来るとここがどこだか解る。
エルサレムの兄が処刑された場所。
でも、ここは魂でしか来ることの出来ない、
また現実の世界のエルサレムとは違うんや。
「な・・・んや・・・これ。」
幼い頃に見た景色は綺麗なサラサラした薄茶の砂の場所だった。
まだ兄が処刑されるずっと前や。
ここで俺は座って、その砂を触り、
地球と遊んでた。
今は・・・赤黒い硬い土。
1部あの頃のまま薄茶のサラサラした砂の場所がある。
中くらいの水溜りの大きさで、
流れるように赤黒い土と分かれサラサラの砂になっていて、
俺はその砂に触った。
「こ、れは・・・兄さん・・・。」
そこから伝わるのは兄、主の清らかな想い。
(天の子かい?。)
男と女が混ざり合ったような声色が聞こえる。
「うん・・・。」
砂から兄の記憶が俺に止めどなく伝わりだして、
恐怖、悲しみ、哀れみ、優しさ、希望、
兄がここに辿り着くまでの感情と、
死ぬ為に生まれたけど、
死に方は残酷なもんで・・・。
(それは主の血跡。)
「うん・・・。」
涙があふれ出した。
(私は苦しくなり、あなたと遊んだ砂も、
掴めない程、硬くなってしまいました。
ですが、主の流した血が浸みたその場所は、
汚染されないのです。)
汚染。
「地球、ごめんなぁ・・・。
苦しめて、ごめんなぁ・・・。」
両膝を地面につき、土下座をしては、
涙が硬い土を濡らす。
(天の子、泣かないで?
泣かないで・・・。)
とても優しい声で言う地球に、
顔を左右に振った。
(うぅぅぅ・・・。)
急に地球が苦しそうな声を上げると、
地面が大きく揺れ動く。
「ち、地球!大丈夫か?!。」
(はぁー・・・はぁー・・・。)
息苦しそうに呼吸をする地球を見て俺は思った。
生き物を救う為に俺はいるけど、
人間以外、みんな苦しんでる。
人間の開発やら、人間の進化ちゅう欲のせいで。
ここまで、被害を起こす人間を救って、
まだ、こいつらに我慢せぇって俺は言うんか?。
おかしい。
それって、おかしい。
174 
|