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vol 152:狐の欲
「お前ら・・・大樹になにをしたんや!。」
なんやろ。
あいつがって思たらキレてもうた。
俺から光が溢れだす。
狐共はその光にざわついた。
(な、なんだ!このあの光は!。)
(眩しい!。)
(眩しい!。)
(カン、抑えなさい。
この者達に弥勒菩薩や蛇の子に害を与える力などありません。)
その言葉に我に返る。
「あ・・・そうか。
あはは、それもそうやんなぁ?
弥勒と大樹相手に無理や、無理や。」
俺の光は気持ちと共に治まって、
白狐に問いかける。
「んでー、どうすんの?こいつら。」
(そなた達は何故、人間の女に子を産ませるのか。)
着物の狐は言う。
(人の世はもう危ういというのを耳にした。
人の世にも我らが住む時が来る。
人とは天界の神が創りだした、
その知恵は素晴らしい。)
(・・・その知恵が欲しいと言うのか・・・。)
(欲しい・・・あの手が欲しい。
あの知恵が欲しい・・・。)
(欲しい・・・。)
(欲しい・・・。)
周りにいる狐共も声を出す。
暗く耳障りな声。
白狐は小さく呟いた。
(欲で支配されている。)
欲。
どの生き物にも存在する厄介な感情。
「けど、あの着物の狐。
なんかおかしないか?。
1匹だけ着物着てて・・・なんであんな親玉気どりやねん。」
(ここにいる狐は皆人間に飼われていた者。)
「飼われてた?。」
(・・・檻の中で育ち、人間に支配され死を迎えた者。)
「どう言うことや・・・人が狐を飼うって。」
意味がようわからん。
「それ、動物園って意味じゃない?。」
聞きなれた声。
振り返ったら、
「はぁ~、無事でよかった。カン。」
笑顔で大樹が立ってる。
「た、大樹!弥勒!・・・小角?。」
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