vol 150:着物の狐





「カン、眠れないの?。」

「んー・・・。」

彼女の出来事が気になって眠れへん。

狐がなんで人間の子を欲しがるんや。

現実にあるんやろか。

大樹が抱きしめてきた。
腕の中で考えながら目を閉じる。
霊体は自然に体から抜け出た。

あちゃ・・・気持ちが勝ってもうた。

すぐさま、白狐に気持ちを集中させて、
その場で声をかける。

俺もその場に行きたいって。

気持ちが通じると白狐が姿を現せた。

(カン・・・連れて行こう。)

そう言うて白狐は体を大きくさせて、
俺は背中に乗りその場から消える。

着いた場所は神社や。

「ここは?。」

(先程の女にとり憑く狐共の居場所。)

「あの世・・やんな?。」

(そう。狐の国の一部。)

俺は白狐の体から降りる。
白狐は元の大きさに体を戻した。

「なんか情報はつかめたん?。」

(目当てはあの女。ですが、理由は解ってません。)

白狐と話しをしてたら、
神社の奥が青白く光りだした。

白狐はすぐに黄色い狐へと姿を変える。

「なんで、普通の狐になったん?。」

(相手に余裕を持たせるため。)

「余裕?。」

青白い光が近付いてくる。
その光は黄色い狐へと変わるも、
赤い着物を着ている。

こいつ、人間になりたいんか?。

(何者ですか・・・。)

声をかけてきた。

(私はただの狐。この者は生きた人。)

(生きた・・・人?。)

(そう。あの世にも行くことの出来る、
特別な女。)

・・・俺のことか!。

霊体やから女やねんな・・・俺。

神社のあちこちから青白い光が現れて、
みんな狐に姿を変えていく。

ふと、白狐の尻尾を見ると、
9本あった尻尾がフサフサの1本の尻尾になってた。

(お前達は何の用で来たか。)

着物の狐が問いかける。
俺が話そうとするも、白狐が先に口を出す。

(あなた方は、何故人間の女にとり憑いているのか。)

着物の狐は口を横に引っ張り笑みを浮かべた。

(お前たちに関係なかろう。)

1匹の狐が着物の狐の隣に行き何かを話している。

(ほほう。お前か。
あの女に何かしたのは。)

「何か?。」

(我らが近づけぬように呪いをかけたであろう。)

弥勒の数珠か。

「あの子は苦しんでる。
なんで、苦しめるんや。」

やっと俺が発言する。
着物の狐は高らかに笑った。

(アーッハッハッハッハ!
苦しめる?
我らに選ばれし人間。
名誉あること。)

「はぁ?。」

(カン、落ち着きなさい。)

キレそうになる俺に白狐が感情を止めにかかる。






「カン!。」

「ン・・・弥勒?。」

「おい!カン。」

「どうしたの?。」

「はぁ・・・カンの奴、抜け出たな。」

「えぇ!ちょ、カン?ねぇ!カンってば!。」

「大樹、無理無理。
あいつの事だ、聞こえてても戻ってこねぇ。」

「もぉおおおおお!。」













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