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vol 149:自分の役目への
白狐神が消えた後、彼女には俺の数珠を持たせて、
一旦帰らせる事に。
「弥勒、送って行くんか?。」
「あぁ。さすがにこの時間だしな。
大樹、車のカギ。」
泊まりこみで最短で免許のとれる合宿に行って、
運転免許を取得。
この世界、車の免許とパスポートだけは必要だ。
「ありがとうございました。」
「まぁ、今日はその数珠でぐっすり眠れるやろうから。
心配せんと。」
「そうだね。大丈夫だよ。」
カンと大樹が彼女に安心感を与える。
俺は最近、心理学というのに興味を持っている。
人間の心理で大まかな相手の状態を予測出来るからだ。
言動・態度で相手の家庭環境や、
相手の精神状態に性格がわかる。
彼女の態度、言動を見ていると、
やたら物静か、小声で話す。
服装も落ち着いているも、スカート。
髪は落ち着いた栗色。
両親も真面目で、
これと言って不自由なく育ってる。
「あの・・・。」
「え?。」
運転しながら彼女について探ってた。
「カンさんって芸能人ですよね?。」
少し声のニュアンスが変わった。
軟らかくなったというか。
今話題の芸能人の家に行ったんだ。
それもそうか。
「あぁ。家の場所とか内緒にしておいてほしい。」
「あ、はい!。」
返事はやたら強調される。
って、俺は何を詮索ばかり・・・。
「明日にはわかると思うから。
解り次第、連絡するよ。」
「あ、そこが家です。」
彼女が言う場所に車を止めて家に帰らせた。
車の窓越しに家を見る。
「なんだ・・・これ。」
家の周りを青白い光が包みこんでいる。
「こりゃ・・・結構な狐火だな。」
狐独特の気の光。
俺の気を封じ込めた数珠を付けてる彼女が、
その中に入って行くと、狐火は彼女に近付くことが出来ない。
彼女の周りは普通の夜の月明かりのみ。
「家が狐火だらけ?。」
「あぁ。やっぱり、あれは結構な数だな。」
帰ってからカンや大樹にその話しをする。
「シロは?。」
シロの姿がないから聞いてみた。
「お風呂に入ったら寝ちゃったよ。」
微笑みながら大樹がビールを持って来てくれた。
「サンキュ。
シロも完全子どもになったな。」
「あいつは自分の役目わかっとるんかいな。」
「アハハハ、だな。」
役目か。
その言葉には俺は胸が痛む。
カンは滅びない為に必死で前に進んでる。
だが、俺は・・・。
滅びた後の救済の為に存在している。
この事をまだカンや大樹に言えてない。
言えばカンは天界に殴り込みに行きそうだ。
大樹は・・・失望するだろう。
全てにおいて。
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