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vol 120:変化
「ほぅ。お前がその様な事を言うとは。」
我はどうしてしまったのか・・・。
「蛇の国の大神よ、そなたの意見は。」
何故この様な・・・。
「はい。是非、お許しが出ればと思います。」
黄泉の国の神々に囲まれて膝まづいて・・・。
「だが、まだ悩み多き者。
このまま人間に降ろすのは不安もある。」
神々に人間として降りたいと申し出た。
大嫌いな人間になりたいと我が思ったのだ。
「大日如来よ、どうだろう。
白蛇神に死者の案内をしていただくというのは。」
「し、死者の案内っ・・・とは、
魂の説得ですか?!。」
「そうです。白蛇神。
そなたが10人の魂を黄泉の国に連れて来ることが出来たら、
人間として降りる事に力を貸しましょう。」
死者の案内。
それは死ぬ間際にその者の所に現れ、
肉体から離れた魂に、
その者の行く世界を我が考えて連れて行く。
簡単に見えるが、
人間が相手。
簡単には行かぬ。
人間は欲の塊。
しかし、我は兄様のように・・・、
カンや弥勒のように人間になり、皆に触れ、
皆の力になり、
共に笑い、
共に泣き、
抱きしめ合いたい。
「えぇ!お前、人間になりたいんか?!。」
我の話しにカンが驚く。
「わー!シロ、なりなよぉ。」
兄様はすごく嬉しそうに言う。
「また、なんで。」
弥勒は苦笑し、
「だってお前人間めっちゃ嫌いやん!。」
俺はカンにだけは、本当の理由を言いたくはない。
絶対に馬鹿にされるからだ。
「シロは俺達の力になろうとしてるんだよ。
じゃなきゃ、あんなに嫌ってた人間になろうなんて思わないよ。
ね?シロ。」
兄様の言葉にコクリと頷いてみせる。
「しっかし・・・魂の案内とはなぁ。
キツイ条件だ。」
弥勒の発言に不安が押し寄せる。
「せやなぁ~。俺はやったことないけど、
結局、俺と弥勒がやってた事のようなもんやろ~?。」
「あんなもんじゃないぞ?
死んだ直後の人間ほど、不安や恐怖、
死んだ事に自覚がない者、その死者にちゃんと説明し、
あの世に連れて行く。
まー、すんなり聞く奴なんていないんじゃねーか?。」
「ぶっ!あっは!そんなんキレたら終りやん!
シロやぞ?無理や~。」
「ちょっと、二人とも!。」
好き放題言う二人に兄様は止めて我を宥め、
「シロ、大丈夫。難しいだろうけど、
シロには俺やこの二人がいるから。自信持って。」
だが、我の今の気持ちは、
カンや弥勒の言葉も兄様の言葉ですら耳に届かない。
自分のこの気持ちが不思議で仕方ないのだ。
今でも、
人間は愚かで儚く救う価値にあたいしない生き物だと思っている。
その人間に蛇の国の大神の息子の我がなるなど。
だが、この気持ちよりも大きな気持ち。
それは、カンと同じ立場になりたいという気持ち。
そして、1人目の魂の案内が始まった。
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