藍上雄のガラクタ箱

神様のサイコロ

 アインシュタイン博士は、「神様はサイコロを振らない。」と言ったそうですが、量子論の考えでは、確率分布という考えが大切な意味を持っています。二項分布やポアソン分布についての話なので、量子力学については、深く立ち入らない事とします。ご了承願います。これらの分布については、オペレーションズ・リサーチ等でも同じ数学が使われております。

 或る日、小僧は神様に、「『サイコロを振って偶数が出ると1ドル儲かり・奇数が出た時には1ドル損をする。』果たしてN回目にどのくらい儲かっているでしょうか?。」と尋ねました。神様は、何でもお見通しで無ければならないので、取り合えず。偶数が出た回数をn1とし奇数なでた回数をn2とする事にしました。N=n1+n2という事に成ります。奇数か偶数の確率は共に0.5です。儲かった金額をmドルとすると、m=n1-n2と成ります。

 1^N=(1/2)^N(1+1)^N=(1/2)^N(Σn1=0〜n1=N N!/(n1!(N-n1)!) 更にN+m=2n1・n1=(N+m)/2  n2=(N-m)/2 なので、

   =(1/2)^N(Σn1=-N〜n1=N N!/([(N+m)/2]![(N-m)/2]!))) これがmドル儲かる事象の全てという事に成ります。

 その中の一つを採ってW(m.N)=(1/2)^NN!/([(N+m)/2]![(N-m)/2]!)) そのひとつのケースの確率という事に成ります。

 神様の答えは、Σm=-N〜m=N W(m.N)=1と成ります。(二項分布の応用ですね。)

 

 初詣にやってくる参拝者について神様は、頭を悩ましていました。時間tの間に何人やって来るかについて、神様には分からない事が有っては成りません。やって来る参拝者の人数をnとして、λt:単位時間にやって来る参拝者のの人数の平均

 1=e^(λt)e^(-λt)={Σn=0〜n=∞(λt)^n/n!} /e^(λt)(指数分布を用いて)

 P(n)={(λt)^n/n!} /e^(λt):n人の参拝者がやって来る確率と成ります。

 また、この式を応用(n=1)して到着間隔f(t)についても考えてみる事にします。f(t)={(t+凾-t)/(λ凾)) }/e^(t/λ)なので、

f(t)=(1/λ) /e^(t/λ) ・ F(t)=summat=0〜t=t0(t/λ) /e^(t/λ)dt=1-e^(-t0/λ)

 これと並行して、参拝者が参拝に要する時間を1/μとして、 g(t)=(1/μ) /e^(t/μ)同様にして、G(t)=summat=0〜t=t0(t/μ) /e^(t/μ)dt=1-e^(-t0/μ)

 実際に、λとμを観測結果から決定する事によって、どの位の列で並行処理すべきかの判断基準として活用する事が出来ます。(量子論では、ギブスの統計集団等でつかわれる事があります。)


 神様は、ノアの箱舟に、選ばれた動植物乗せて、出航しました。箱舟(H)の中では、小さな町が出来たりして、皆それぞれ細々ながら生活を営むようになりました。もちろん『蓄え』(q)・『活用』(p)のバランスがとられています。(一種の閉鎖均衡空間ですね。)

 H=p^2+q^2というような式が考えられます。Hは、閉じた系なので、外界からの影響は、差し引き0という事にします。p=cosωt ・ q=sinωtとして、考えます。e^(jωt)=cos(ωt)+jsin(ωt) : 1=e^(jωt)*e^(-jωt)=(cos(ωt)+jsin(ωt))(cos(ωt)-jsin(ωt))

H=e^(jωt)*e^(-jωt)={1+(jωt)-(ωt)^2/2!-j(ωt)^3/3!+(ωt)^4/4!-…}e^(-jωt) =H1+H2+H3+ H4+… (ポアソン分布)このような確率で,

H∈{H11,H12,H13,H14,…H1n,}

    ・・・・・

    {Hm1,Hm2,Hm3,Hm4,…Hmn,}  

                        が存在すると表現する事が出来ます。これはいったい何なんだと聞かれても、Hを構成している要素がどんな状態であるかを、確率的に表現したものであるとしか言えません。

 量子やオペレーションズリサーチ等の専門の方々からみると、稚拙に見えるかもしれません、兎に角、数学的に記述する事を心がけた結果なのでご理解願いたいと思います。 少しでも、「神様のサイコロ」の意味をご理解していただけると幸いです。