藍上雄のガラクタ箱

円と球(C)

 円周率を求める方法にモンテカルロ法と言う方法が有ります。電子計算機にプログラムを入れて円周率を求めるのですが、19世紀には、フランスの数学者、ピエール・シモン・ラプラスによって成されております。と言う事は、今から200年以上前に、プログラム的な発想によって、円周率とを求めることを考えついていたのです。現在においては、かなり重要なアイデアと成っております。(このころまだ電子計算機は現れていなかったのですが、プログラムだけが存在しています。「電子計算機の発現」は時間の問題だと確信していたのかも知れません。)

 このモンテカルロ法のルーツと言えるのが、「ビュフォンの針」です。18世紀、フランスの数学者 コント・ド・ビュフォン氏です。間隔dの平行な直線を並べた上に、長さLの針を無作為に投げ、針と平行にひかれた直線が交わる確率を求める問題です。

 x:針の中心と、最も近い平行線までの垂直距離(xの範囲:0≦x≦d/2)  φ:平行線と針の角度(φの範囲:0≦φ≦π)  P( ):かっこ内の確立を表す。従って、x≦½Lsinφの確率はP(x≦½Lsinφ)と表されます。ここでxとφの2次元グラフを作ります。

 ここで扱われる全てのケースは、D=d/2×πと言う、面積で表わされます。

 また針と平行にひかれた直線と交わるケースも面積で表わされます。 Dp=(1/2)LSumma 0〜π sinφ dφ=L と成ります。

 これにより P(x≦½Lsinφ)=Dp/D=2L/(πd)と表されます。(この「ビュフォンの針」については、ネット上にも、いくつか掲載されています。)

 ラプラス氏は、これを変形して π=2L/(dP) としました。ここでPは実際にシュミレートして確率を求める事になります。さらに簡略化して、π=2/P(L=dとして) 確率P(x≦sinφ) 「xとφ」、(xの範囲:0≦x≦1 ・φの範囲:0≦φ≦π) それぞれについて、「任意に発生する乱数」を用いて、条件(x≦sinφ)を「満たす」か「否」かのシュミレーションを行います。乱数の発生が、適切に行われていれば、π(円周率)が自然と求められるのが分かると思います。ラプラス氏は、このシュミレートを実行するにあたり、アナログ的な手法を用いていたようです。でも「電気技術系で使われる道具」としての数学(ラプラス変換等・・・)を、残した人物としての先見性は、なかなかの物だと思います。

 乱数の問題については、別の機会に、頭の中を整理してから書いてみようと考えています。