藍上雄のガラクタ箱

高次多項式についての考察

 まずカルダノ公式についてです。1545年〜1576年、ジェロラモ カルダーノ(Girolamo Cardano) 1545年 著書アルス・マグナにて3次多項式についての解法、カルダーノ公式を発表、

 x^3+ax=b なる形の式について、x=β-α  x+α=β  x^3+3αx^2+3α^2x+α^3=β^3  x^3+3αx (x+α)=β^3-α^3  x^3+3αβx=β^3-α^3

3αβ=a  β^3-α^3=b  α^3β^3=a^3/27  α^3=a^3/(27β^3)  β^3-a^3/(27β^3)=b  β^6-a^3/27=bβ^3  β^3=y  y^2-by-a^3/27=0  y=b/2±(b^2/4+a^3/27)^(1/2)  と成るので。

 x=(b/2+(b^2/4+a^3/27)^(1/2))^(1/3)-(b/2-(b^2/4-a^3/27)^(1/2))^(1/3)>0という式が出来ます。

               この解法については、他の書物にも書かれているので、すでに、ご存知の方は多いと思います。

 f(x)=x^4+ax^3+bx^2+cx+dなる式についてです。f'(x)=4x^3+3xa^2+2bx  f''(x)=12x^2+6ax+2b  f'''(x)=24x+6a f'''(x)=0 x=a/4 なので、f(x-a/4)=x^4+(b-3a^2/8)x^2+(a^3/8-ab/2)x+(ba^2/16-3a^4/256+c) ・・・@ 

 @)基本的には、f(x)=x^4+αx^2+β の形であれば、X=x^2と置き換えることによってf(x)=X^2+αX+β の2次式となりXの根を求めることが出来ます。@の式では、F(x-a/4)=f(x-a/4)-(a^3/8-ab/2)x  g(x-a/4)=(a^3/8-ab/2)xとして、f(x-a/4)=F(x-a/4)+g(x-a/4)  ここでg(x-a/4)=(a^3/8-ab/2)x+γはxの1次式で傾きがtan(θ)=(a^3/8-ab/2)なる式となります。g(x-a/4)をうまく処理できるとよいのですが・・・難しいかも知れません。

 A)@の式を、(x^2+αx+β1)(x^2-αx+β2)という形に分解することを考えて見ます。x^4+(β12-α^2)x^2+α(β21)x+β1β2それぞれの項の係数から、(β12-α^2)=(b-3a^2/8)…A α(β21)=(a^3/8-ab/2)…B β1β2=(ba^2/16-3a^4/256+c)…C AとBの式より(β2^2-β1^2)(β21)-(a^3/8-ab/2)^2=(b-3a^2/8)(β21)^2この式を、β2の3次の式として扱うと、β2^3-(β1+(b-3a^2/8))β2^2-(β1^^2-2(b-3a^2/8))β1))β21^3+-(a^3/8-ab/2)^2-(b-3a^2/8)β1^2 これを、ω1=-(β1+(b-3a^2/8))・ω2=(β1^^2-2(b-3a^2/8))β1))・ω31^3+-(a^3/8-ab/2)^2-(b-3a^2/8)β1^2 としてG(β2)=β2~3+ω1β2^2+ω2β23 この式は、G(β21/3)=β2^3+(3ω2-ω1^2)/3β2+2ω1^3/27-ω1ω2/3+ω3とすることが出来ます。少し面倒ですが、順々に解いてゆくと、解くことが無理ではない事が分かると思います。