藍上雄のガラクタ箱

円と球(A)

 円について、π(円周率)は欠かせないものです。シラクサのアルキメデスも内接正多角形によってπ(円周率)の近似値を求めております。正96角形、3*(10/71)<π<3*(1/7)と言う値を得ております。紀元3世紀、中国(西晋?)で、劉微によって内接正多角形によるπの近似値を得られております。最終的には、3072角形まで、多角形化(計算によって3×2のべき乗の多角形を想定した物です。)を行っており。π=3.14159と言う値を得ております。ここまで来ると、根性と忍耐力が必要なのだと思います。(おそらく皇帝の命令によって、作業として、解いているような気がします。) アレキサンドリアでユークリッドに(直接では無いかもしれませんが、ユークリッドの幾何学を)学んだアルキメデスにとって、幾何学的な方法でしかπ(円周率)を求める手段を持てなかったのかも知れません。級数などによって、π(円周率)を求めるのは、19世紀のライプニッツ級数まで待たなければなりませんでした。(しかしアルキメデスは微分に近い考えを理解していたようです。)

 その19世紀までの間には、擬似的なπ(円周率)の解法がいくつも現れることになります。しかし、どれもこれも、もっともらしく作られていたり、アルキメデスの解法を単に変形させたものだったりします。(円弧の近似値を求めるものが多く、近似値を基に近似値を出しで行くとだんだんと精度が落ちてしまいます。)

 ライプニッツ(Leibniz)の級数について、tanα=a とした時 α=arctan a と成るから、刄ソ/凾=≠P/(凾/刄ソ)ここで凾/刄ソは、tanαを微分した物になるので、凾/刄ソ=(sec α)^2またsec α=√(1+a^2)なので、刄ソ/凾=1/(1+a^2)となる。arctan a は、1/(1+a^2)を積分した物と等しく成る。また、1/(1+a^2)を(1+a^2)^(-1)と書く事が出来るので、2項展開を使って、(1+a^2)^(-1)=1-(a^2)+(a^4)-(a^6)+・・・と書くことができます。

 arctan a=Summa(1-a^2+a^4-a^6+・・・)da= a−(a^3)/3+(a^5)/5−a^7)/7+・・・

     と言う交項級数が出来上がります。a=1の時、α=π/4なので、π/4=1-1/3+1/5-1/7+・・・これがライプニッツ級数と成ります。

 とても緻密で高度な数学が使われております。ここに至るまでに様々な数学者が関わり。多くの数学的定理を残していった結果だと思います。この後は、速度の問題と成り、より早く収斂する。級数や関数が考えられるようになります。(凡人の僕には、とても考えつかないようなものです。感動すら覚えます。)

 

 ※ このライプニッツ級数については、他にも同じ様な内容の文献が存在すると思います。説明するとこうしかならないので仕

   方ありません。

 ※ π(円周率)は超越数です。

 ※ sec α=1/cos α を示しています。 sec α=√(1+a^2)についてです (sinα)^2/(cos

   α)^2=a より、(1−(cosα)^2)/(cosα)^2)=a です。

 ※ 2項展開はパスカルの功績です。