「無限」についての考察です。同じ様な言葉として「永遠」があります。英語で言うと、前者は「infinity」、後者は「eternity」です。「無限」は、文字通り「『限り』や『終わり』の無い事」 を示しています。「永遠」の方は、「ある地点から、継続的に遙かに遠へ続く様子」を示しています。注1へ
さて「無限」の話ですが、「無限」にも色々あって、たとえば、自然数の総和=1+2+3+4+5+・・・・・+∞=∞も無限ですが、奇数の総和=1+3+5+・・・・・∞=∞ですし、偶数の総和=2+4+6+・・・・・+∞=∞となります。この事から、(奇数の総和)=(自然数の総和)-(偶数の総和)この様な式が成り立つことが分かります。この事はちょっと置いといて、級数の話に移ります。級数には、収斂する物・発散する物・振動する物が有ります。収斂する物は、総和が有限と成ります。振動する級数は、値が定まりません。発散する物は総和が無限となります。ここでは発散する級数について考る事にします。ちなみに、自然数の総和も正項級数で発散する物と言う事に成ります。
もう少し絞り込むと、ζ(s) = 1 + 1/(2^s) + 1/(3^s) + 1/(4^s) + ・・・・・なる級数で、s=1の場合の級数で、調和級数についてです。簡単言うと分母が自然数で分子が1の分数を順々に加えていった物です。「Σn→∞ =1 + 1/2 + 1/3 + 1/4 + ・・・・1/n」 を簡単に「ζn {n→∞}ジータ」と表すことにします。次に対数の級数展開についてです、
@log(1+1/n)=1/n-1/2(1/n)^2+1/3(1/n)^3-1/4(1/n)^4+・・・・・・
A- log(1-1/n)=1/n+1/2(1/n)^2+1/3(1/n)^3+1/4(1/n)^4+・・・・・・この2つの展開を使う事にします。
@の式をnについて1から順に足してゆくと「ζn - 1/2ζn(2) + 1/3ζn(3) - ζn(4) + ・・・・」と成ることが分かります。n→∞の時、ζn以外は収斂するので、これを「Ceulerと表記しオイラー定数」と言います。「無限」から「無限」を引いた時の差を現しています。
Aの式についても、nに対して2から順に足してゆくと、1+C(定数)なるものが現れます。Ceuler=1+Cなる関係と成ります。興味深いのは、Aの式の対数の範囲ですが0以上1以下の範囲と成ります。0から1の範囲に無限が存在するのです。
また、n→∞の時、ζnは(1/x)を『0≦x≦1』の範囲で積分した物とも等しくなります。これも、0から1の範囲に無限が存在する事になります。(この結果はCeulerについて別の方法で説いた時に付随して出てくる結果です。)
「永遠」は外に向かって存在する気がします。また「無限」は、外側だけでなく、内に向かっても存在するのではないでしょうか。