藍上雄のガラクタ箱

ゲーム理論

 ゲーム理論について、少し書いてみようと思います。数式が出てこないので数学嫌いの方にも読みやすいかもしれません。有名なのが、「囚人のジレンマ」ですね。後「夫婦の諍い」等があります。ただ単に、教科書に書いてある通りの解説と、同じ事を文章化してみても、つまらないので、いろいろな考察を加えて検証してみようと思います。

 「囚人のジレンマ」について少し考えてみようと思います。この二人の囚人に、

 @二人とも最後まで黙秘を続けると、懲役2年、

 A片方が黙秘を続けて、もう一方の囚人が自白をした場合、黙秘を続けた囚人を懲役10年とし、自白をした囚人には、懲役を科さずに釈放する。

 B二人とも自白をした場合には、それぞれ懲役5年とする

                                     という内容だったと思います。

 この設定で不思議に思う事は、二人の囚人が、共犯関係にあるという事が前提に成っています。犯罪の内容にかかわらず。囚人の態度によって、刑期が決まってしまう事に大いなる不自然さを感じます。本質的には、囚人相手に、このような設定のゲームを仕組んでも、最終的には、二人の囚人がどのように足掻いても、それぞれに、懲役5年づつの刑期が科せられる事に成ると結論付けたかったのだと思います。限られた領域の限られた選択肢における結末という事になりますね。

 例えば、二人の囚人が、主犯と従犯関係にあるとするとどうでしょう。Bの結果では、主犯者に利得があり、従犯者は不利得になります。二人とも「相手が主犯だ」と言ったとしたら、はてさて、遠山の金さんは、如何するでしょう?

 (1)、主犯者が、「私が主犯でございます。」と言う。

 (2)、主犯者が、「私は、相手に従っただけでございます。」と言う。

 (3)、従犯者が、「私は、相手に従っただけでございます。」と言う。

 (4)、従犯者が、「私が主犯でございます。」と言う。

                      (4)のケースは無いかも知れませんが、取り合えず、この4個のケースにが存在します。

 もう少し拡張してもゲームが成立するかどうかわかりませんが…。一応表記しておきます。

 (5)、共謀関係あるものが、「私は、相手に従っただけでございます。」と言う。

 (6)、共謀関係あるものが、「私たちは共謀して犯行を犯しました。」と言う。

 (7)、共謀関係あるものが、「私が、主犯でございます。」と言う。

 等など、のケースが考えられます。 これに、囚人が無実である場合を加えると、かなり複雑な状態になります。取り合えず。このゲームを、(1)〜(4)のケースに絞って考えてみようと思います。

 (1)かつ(4)または(2)かつ(3)の場合、共に懲役6年とする。

 (1)かつ(3)または(2)かつ(4)の場合、「主犯である」と言った者には、懲役5年、「相手に従った」と言った者には、懲役4年者とする。

 例えばこのような、ゲーム設定を行えば、おのずと結果ば見えてくるかもしれません。しかし、従犯者が、とても気の弱い人物で、(2)を主張された場合、6年の懲役を回避するために、(4)を選択するケースがあるかもしれません。ゲーム理論で、出される結果は、必ずしも正解であるとは限らないかもしれません。何よりも、地道な捜査によって結果を出すことが一番間違いない事なのですが、ゲーム理論という事でご承知ください。

 ある一つのゲーム(選択場面)に遭遇した時、起こりうる事象を想定して整理・判断するトレーニングにはとても良い学問かもしれません。「ゲーム理論」は理論展開が難しいですね。