2016年前半

平成28年1月1日~3日
Girls who like Boys who like Boys(ed. Melissa De la Cruz & Tom Dolby)☀☀☀


タイトル通りの人間関係を人生で持ち得た男性や女性によって執筆されたエッセイのコレクション。作家、プロデューサー、アーティストといった人々が実名で書く、過去から現在にいたる、異性愛の女性と同性愛の男性の間の人間関係は、どれも生き生きと描かれて、最後まで一気に読ませる感じ。これは特殊な関係ではなく、普遍的な人間関係でもあるのだ。読み終わると、そう感じている自分がいる。友情、愛情、喪失、家族―私達は、結局は、こうした全ての感情と出来事について、何度も自分の気持ちを自身に尋ねながら、最後まで自分らしく生きるしかない。だからこそ、この時にはユーモラスで、時にははっとするような表現に満ちたエッセイ集は、彼等と同じような「異性愛の女性と同性愛の男性」という人間関係を一度も持ち得なかった私にも、一気に読ませてしまうのだろう。“we were leaning in toward each other, laughing at each other’s jokes, finishing the other’s sentences.”(p.67),” “We don’t stop playing when we get old, we get old when we stop playing.”(p.100),”People say fish have really short memories…How can a starfish remember anything?...Starfish have photographic memories.”(p.224), “You can not truly love someone you don’t know.”(p.252) そして、ちょっと目に涙もたまった、”14 reasons not to kill yourself” (p.71)。5番だよね。

‟There’s something for almost everyone in this lively and emotional anthropology.” (The Advocate)

読み終えて、人間っていいよねという肯定感で自分を満たしてくれた気がする。2016年の始まりに読んでよかった。心配は尽きないけれど、それでも今生き得ていることがそのまま無条件の賛歌であるべき。大事に生きなければ。