法人税
災害に関する取扱 1
堀内勤志税理士事務所
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掲載(更新)日: 2015年11月12日
災害に関する主な取扱
  1. 災害により滅失・損壊した資産等
    法人の有する商品、店舗、事務所等の資産が災害により被害を受けた場合にその被災に伴い次のような損失又は費用が生じたときには、その損失又は費用の額は損金の額に算入されます。
    ① 商品や原材料等の棚卸資産、店舗や事務所等の固定資産などの資産が災害により滅失又は損壊した場合の損失の額
    ② 損壊した資産の取壊し又は除去のための費用の額
    ③ 土砂その他の障害物の除去のための費用の額
  2. 各事業年度の所得金額の計算
    法第二十二条
    1. 内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。
    2. 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。
    3. 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。
      一 当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
      二 前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額
      三 当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの
    4. 第二項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されるものとする。
    5. 第二項又は第三項に規定する資本等取引とは、法人の資本金等の額の増加又は減少を生ずる取引並びに法人が行う利益又は剰余金の分配(資産の流動化に関する法律第百十五条第一項 (中間配当)に規定する金銭の分配を含む。)及び残余財産の分配又は引渡しをいう。
  3. 復旧のために支出する費用
     法人が、災害により被害を受けた固定資産(以下「被災資産」といいます。)について支出する次のような費用に係 る資本的支出と修繕費の区分については、次のとおりとなります。
     1.被災資産についてその原状を回復するための費用は、修繕費となります。
     2.被災資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水又は土砂崩れの防止等のために支出する費用 について、修繕費とする経理をしているときは、この処理が認められます。
     3.被災資産について支出する費用(1.又は2.に該当するものを除きます。)の額のうち、資本的支出か修繕費か明らかでないものがある場合、その金額の30%相当額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理をしているときは、この処理が認められます。

     (注) 法人が災害により被害を受けた製造設備に対して支出する修繕費用等について、企業会計上、適正な原価計算に基づいて原価外処理(費用処理)をしているときは、税務上もこの処理が認められます。
  4. (災害の場合の資本的支出と修繕費の区分の特例)
    7-8-6
    災害により被害を受けた固定資産(当該被害に基づき法第33条第2項《資産の評価損の損金算入》の規定による評価損を計上したものを除く。以下7-8-6において「被災資産」という。)について支出した次に掲げる費用に係る資本的支出と修繕費の区分については、7-8-1から7-8-5までの取扱いにかかわらず、それぞれ次による。(昭55年直法2-8「二十六」、平7年課法2-7「五」により改正)
    1. 被災資産につきその原状を回復するために支出した費用は、修繕費に該当する。
    2. 被災資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水又は土砂崩れの防止等のために支出した費用について、法人が、修繕費とする経理をしているときは、これを認める。
    3. 被災資産について支出した費用(上記1又は2に該当する費用を除く。)の額のうちに資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでないものがある場合において、法人が、その金額の30%相当額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理をしているときは、これを認める。
    (注)
    1. 法人が、被災資産の復旧に代えて資産の取得をし、又は特別の施設(被災資産の被災前の効用を維持するためのものを除く。)を設置する場合の当該資産又は特別の施設は新たな資産の取得に該当し、その取得のために支出した金額は、これらの資産の取得価額に含めることに留意する。
    2. 上記の固定資産に係る災害の場合の資本的支出と修繕費の区分の特例は、令第114条《固定資産に準ずる繰延資産》に規定する繰延資産に係る他の者の有する固定資産につき、災害により損壊等の被害があった場合について準用する。
     
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