相続と相続税
堀内勤志税理士事務所
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掲載(更新)日: 2016年3月20日
相続と相続税
相続は、被相続人(亡くなられた方をいいます)の死亡から開始されます。
 そして相続・遺贈で故人の財産等を取得しますと、相続税の申告・納付が必要となる場合があります。その期限は相続開始の日(死亡の日)を知った日の翌日から10ヶ月以内です。
 しかし、3ヶ月以内に遺産や債務の概要を把握し、単純承認するか、相続の放棄又は限定承認するか決しなければなりません。相続放棄又は限定承認とした場合は、被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所に申述をしなければなりません( 手続きについては、家庭裁判所のこちらのページを参照してください)。
 この期限がすぎると単純承認したことになります。 (相続の開始から相続税の申告までの流れ
相続税は、遺産等の相続という財産移転行為について課税しようというものです。ですから、遺産分割にさいし相続税の節税ということを優先し、相続人のなかに少しでも納得のいかない気持ちが残るような人がおりますと、後々思わぬ問題が発生したり、相続人の間で争いや仲たがいの基になりますので、 相続人の方々で十分協議して決定することが最も重要です。
協議が整いますと、「遺産分割協議書」を作成します。
相続では法定相続による分割の場合、「遺産分割協議書」は不要とされますが、相続税申告では法定相続であっても、「小規模宅地等の特例」等の適用を受ける場合には「遺言書の写し又は遺産分割協議書の写し」の添付が必要です。
 「遺産を分割する」ということは、遺産を共有から単独所有に分けるということですから、民法の規定に従った分割でも、その協議(取り決め)を行ったことが重要なためと考えられます(私見)。
ただ、相続人が一人でも相続税法の規定により「遺産分割協議書」が必要な場合もありますので注意が必要です。
 また相続税申告のさいにも参考資料として添付することを求められていますので作成することをお勧めします。
相続税の申告が必要な場合
  1. 相続税の申告が必要な場合とは、正味の遺産額が基礎控除を超える場合です。
  2. ➢ 国税庁公表の簡易判定シートからエクセルで同様の判定表を作成しました。参考にお使いください(ダウンロードのうえ保存してご利用ください)。

      平成27年以降の相続開始における相続税申告の要否判定シート

  3. 申告期限は、被相続人の死亡を知った日(通常は亡くなった日をいいます)の翌日から10ヶ月以内です。
     分割協議が整わなくても申告が必要な場合は、申告しなければなりません。その場合は、民法の規定による相続分又は包括遺贈の割合に従って計算します。
     また、被相続人が、所得税の確定申告をしなければいけない場合、死亡の日から4ヶ月以内に準確定申告を、相続人の方が提出することとなります(納税額が生じる場合は債務になり、還付金が生じる場合は財産になります)。
  4. 相続税の申告が必要な場合、多くの書類・資料が必要になります。たとえば、遺産分割協議書、故人の戸籍謄本・原戸籍謄本、相続人の戸籍謄本・印鑑証明・住民票などです。必要書類が多大にのぼる場合があります。
※ 相続が発生しましたら、相続税の申告が必要なのかどうか疑問・お悩みがありましたら、早めの相談をお勧めしたします。
 また、ご自身あるいはご家族について、現時点で相続税がいくらになるのか知っておきたい方は、シュミレーションいたします。事前の対策のご相談もお受けいたします。
相続人と法定相続
Ⅰ 相続人の範囲(親族の範囲
被相続人の配偶者は、常に相続人になります。そして配偶者以外の人は、次の順序で配偶者と一緒に相続人になります。(民法890条)
第1順位
被相続人の子。
ただし、子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は民法891条の相続人の欠格事由により 相続人になることができない場合、若しくは廃除により相続権を失った場合は、その者の子がこれを代襲して相続人となる。またその代襲者が相続の開始以前に死亡したとき、又は民法891条の相続人の欠格事由により 相続人になることができない場合、若しくは廃除により相続権を失った場合は、代襲者の子が代襲して相続人となります。ただし、直系卑属(子や孫など)でない者は除かれる(民法878条)。
第2順位
被相続人の直系尊属(父母や祖父母など)。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする(民法889条1項)。
第2順位の者は、第1順位の者がいない場合に相続人になります。
第3順位
被相続人の兄弟姉妹(民法889条2項)。
その兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子供が相続人となります。
第3順位の者は、第1順位及び第2順位の者がいない場合に相続人になります。
Ⅱ 法定相続(民法900条)
  1. 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一。
  2. 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一。
  3. 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一。
  4. 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、均等です。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1です。
 相続人で遺産分割協議を行い、協議が整った場合は分割協議が優先します。
〔参考〕
故意申告書不提出のほ脱の場合
正当な理由がなくて期限内申告書又は第31条第2項の規定による修正申告書をこれらの申告書の提出期限までに提出しなかつた者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる(相法69条)。
◇ 被相続人が事業主で、相続人がその事業を継承した場合には以下の点に注意が必要です。
  • 所得税の青色申告の承認は継承されませんので、事業継承者が白色申告者の場合、青色申告を行う場合は新たに承認申請をすることになります(提出期限等の確認はこちらから)。
  • 被相続人が消費税の課税事業者であった場合、事業継承者は課税事業者になる場合があります(詳細はこちらから)。
相続及び相続税申告に必要な書類一覧表(一括ダウンロード(PDF形式)
相続及び相続税申告に必要な書類チェック表(ダウンロード(PDF形式)
相続税申告に必要な主な提出書類(ダウンロード(PDF形式)
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