法人課税の仕組み
堀内勤志税理士事務所
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更新日:2016年5月19日
課税所得の仕組み
会社は法律により自然人以外の「人」とされています。よって「法人」といいます。
ですから、法的に「清算結了」という手続きをとらない限り、人でいえば「生存」していることになります。
このため休業していても休眠の状態であっても法律により法人税及び法人地方税の申告・納税義務は常にあるということになります。
では、法人の課税所得はどのように算出するのでしょうか。
法人の課税所得は、「一般に認められた公正妥当な会計基準」によって算出された「企業利益」に法人税法等の規定により調整して求めることになります。
この企業利益と法人課税所得の違いを図しますと次のようになります。
 企業利益と課税所得の違い
 企業利益
収   益
資産の無償又は低廉譲渡等
売上、営業外収入、特別利益
費用・損失
売上原価、販売費・一般管理費、営業外費用、特別損失
利益
 課税所得
益 金
受取配当金、評価益等、左のうち除かれるもの
益金
売上、営業外収入、特別利益
資産の無償又は低廉譲渡等
損 金
左のうち、除かれるもの
売上原価、販売費・一般管理費、営業外費用、特別損失
所得
上記、図のように企業利益計算の「収益」と課税所得計算の「益金」はイコールではありません。「費用・損失」と「損金」も同様です。
※ 「損金」≠「費用・損失」、「益金」≠「収益」という式になります。
  • 「益金」とは、法人税法等に別段の定めがあるものを除き、
    資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係るその事業年度の収益の額をいいます。
    「別段の定めがあるもの」とは、法律により「収入・利益とはしない」・「収入・利益とする」というものです。これらを「益金不算入」「益金算入」といいます。
    資本等取引とは、資本金等の額を増加あるいは減少させる取引(増資、減資、合併等)のほか、利益又は剰余金の分配及び残余財産の分配又は引渡しのことをいいます。
  • 「損金」とは、法人税法等に別段の定めがあるものを除き、
    1. その事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
    2. 販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)
    3. 損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの
    をいいます。
    「別段の定めがある」とは、法律により「費用・損失とはしない」・「費用・損失とする」というものです。これらを「損金不算入」・「損金算入」といいます。
❐ 法人の課税所得金額がどのように流れで算出されるのかを会社(法人)の会計処理の流れでみてみます。
  1. まず、会社は日々の取引を請求書・領収書などを基に「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」に従って記帳するために伝票を起こします。
  2. そして帳簿に記録します(法人税法22条第4項により規定されていますので、「複式簿記」による記帳が必要になります)。
  3. これらのデータ(帳簿等)を基に月々の試算表やキャッシュフロー計算書を作成します。
  4. そして決算になると、決算手続きを経て「貸借対照表」・「損益計算書」・「株主資本等変動計算書」を作成し、株主総会の承認を受けること(「決算の確定」といいます)になります。
  5. この「確定した決算」に基づいて、法人税法等の規定に従い「当期利益あるいは当期損失の額」の調整を行い(これを「申告調整」といいます)、所得金額又は欠損金額を算出することになります。
以下の図ような流れになります。
日々の取引(請求書・納品書・領収書等)
入出金伝票・振替伝票の起票
損金経理
総勘定元帳・補助元帳の記帳
月次試算表・月次キャッシュフロー計算書の作成
決算手続き(損金経理)
貸借対照表・損益計算書等の作成、確定
申告調整
法人税申告書の作成・提出
<参考>
損金経理とは、法人の「確定した決算」において費用ないし損失として経理していなければならず、税務調整での損金算入は認められないことをいいます。
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