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小林正明相模原市議会議員 トップ >> 平成23年12月20日 議会報告



恣意専断の附款行政

相模原市議会議員 小 林 正 明


附款とは

民法総則第5節には「条件及び期限」の規定がありますが、

行政法でこれに相当するのが行政行為の附款(ふかん)です。

附款とは、主たる意思表示(行政行為)に付加される従たる意思表示といわれ、法文上は通常「条件」等と表記されています。

附款の許容性と限界

地方公務員の研修用教材として多くの自治体で使用されている地方公務員新研修選書「行政法第4次改訂版(原田尚彦著・学陽書房)」には、附款は、法令(条文等)に明文の規定がある場合か、又は行政庁に裁量権が認められている場合に付することができると記述されています(P104)。

しかし、いかなる内容の附款でも無制限に付してよいものではありません。

又、行政裁量が認められている場合でも、附款は法律の範囲内に限られ、法律の範囲外の全く新しい条件等を加えられるとする行政法の学者はいません。

附款を無条件には認めていない

経済部長(以下、「部長」といいます)は、行政法(塩野宏著)を根拠に「条例上明文の規定がなくても附款を付すことは可能」と答弁しました。

しかし、部長が根拠にした行政法でさえ、法令(条文等)に明文の規定がない場合は、当該行政行為の性質等を考慮して具体的な解釈が必要で、例え自由裁量行為の場合でも、常に、当然に付することができることにはならないと記述しています(P184)。

結局、「可能な場合がある」とはいえても、「可能」とは断言できないのですから、部長答弁は、論理の隙間を利用した詭弁答弁術の際たるものです。

条例第12条は限定列挙!

改正前の旧産業集積促進条例12条には、「次の各号のいずれかに該当するときは、取り消し、停止をすることができる」と規定しています。

取消の事由等を限定し、これ以外にはできない趣旨の規定を「限定列挙」といい、列挙事由による取消は「可能」ですが、列挙されていない事由による取消は「不可能」なのです。

ですから、列挙されていない事由である附款(3年以内に操業できない時は、本件認定を取り消します。)を理由に取り消すことはできないのです。

結局、無条件同様となり、3年以内の操業が出来なくても認定が取消されることが有り得ない摩訶不思議な条件、条件付認定・条件付取消が根底から問われるのは当然です。

確かに、一見無意味な条件にみえますが、条文に根拠のない条例違反の不法な行政行為を合法化・正当化する為の姑息な脱法行為ともいえます。

尚、部長は、12条は操業開始後の企業に対する取消場面であるとして、限定列挙の質問に正面から答えませんでした。

しかし、改正後の新条例では、第12条第1項第3号中に「第5条第3項(条件付認定)を追加しており、適用場面を理由とする限定列挙の趣旨を否定することはできません。

条文の構成から

旧条例の全条文中(第1条から第12条)では、第8条(奨励措置適否の決定)第2項にのみ「条件」が規定されているだけです。

したがって、条文の構成上からは、それ以外の条文には条件を付さない趣旨といえます。

何故なら、第8条第2項以外に条件を付ける必要があれば条件を付けることが可能にも拘らず、その必要を認識しなかったが故に条件を付けなかったからです。

しかも、その必要があれば、議会の議決で容易に条例改正は可能だからです。

条例に根拠を欠く行政行為は認められない!

行政行為には、強力な法的効力(公定力、不可争力など)があり、主権在民の法治国の自治体においては、行政行為を行うには、市民の意思の反映である、市民を代表する議会が議決した条例に根拠が必要です。

いかに公益上必要があっても、条例に根拠を欠く行政行為は認められません。

何故なら、条例に根拠を欠く行政行為は、市民の意思を無視した恣意専断以外の何ものでもなく、法治主義(法律による行政の原理)の観点からも認められないのです。




=調整から見えるもの、その1=

途中で、捻じ曲げたのは誰?

黒塗開示で真相判明必至!

相模原市議 小 林 正 明

1 初めに

第6回目の調整メモに黒塗部分があり現在情報公開請求中ですが、他に資料の一部不足もあります。

何れにせよ、黒塗部分開示で一挙に真相判明となることが確信できる状況です。

しかし、極めて重要、意味深長な黒塗ですから、市の対応によっては開示まで紆余曲折も予想されます。

そこで、止むを得ず、現時点で判明している資料を基に、黒塗部分を除いた「調整から見えるもの、その1」として未完の中間報告に至りましたことをご理解下さい。

誠に恐縮ですが、最終的に全ての資料が開示された時点で、若干の修正もあり得ますことを、予めご了解頂ければ幸いです。

2 正しい説明、結論に矛盾

都市整備課・企業立地推進室(以下、「担当課等」といいます)は第1回目の調整の際、ラッシュジャパンに「当麻は無理、調整地区は不可能、ステップ50新設説明、区画整理はH25年以降」と正しい説明をしています。

ですから担当課等は、ラッシュジャパンには、旧ステップ50ではなく新ステップ50を適用する前提で、ステップ50の新設を説明したのです。

しかし、話はそこで終わりの筈が、何故か結論では旧ステップ50の「可能性について更に検討」となっています。

正しい説明を変えることができる担当課等以上の権限者の動きなく、説明と結論に矛盾が生じることあり得ません。

3 第5回調整までは正しい説明

企業立地推進室は、ラッシュジャパンに対して、平成20年12月24日、平成21年12月8日の第3回、第5回調整の中で、「@法的に工場建設が可能な状況でなければ、申請書の受付はできないA現状が調整区域であるので適用できない、インベスト神奈川も適用除外B立地場所は産業集積促進地域に該当しないC認定申請書提出の際に、適法に開発許可が得られる見込みがあることが前提条件になるD本件の場合、現状では調整区域、開発の見込みがあると判断できるか不確定であり、重要なポイントになるE認定審査会で十分な審査ができるように、実現可能性、妥当性を示す資料の提出が必要F何故、この時期(平成2年2月又は3月想定)に申請するのかの説明が必要G申請書提出前に庁内関係課による打合せ会議を開催し、事業について意見聴取する予定」と資料を示して、正しく具体的且つ詳細に説明しています。

4 工場建設を可能にする法的手続きとは

当麻地区は調整区域ですから、現状のままでは工場建設は不可能、当然にもステップ50の申請もインベスト神奈川も受け付けられる筈がありません(上記@〜B)。

特定保留フレームとは、区画整理を条件に市街化区域編入を認める都市計画の手法で、当麻地区もその指定がなされています。

特定保留フレームの当麻地区で、工場建設を可能にする法的手続きとしては都市計画決定・区画整理事業以外にないのです。

しかも、都計法第53条、区画整理法第76条により「@都市計画決定A組合認可公告B換地処分」まで建築行為等の規制(制限)が継続しますから、法的に工場建設が可能になるのはBの換地処分以降となります。

5 5億円の奨励金確保が本音

上記Fに関して、ラッシュジャパンは「この時期に提出しないとステップ50の奨励措置が受けられないのが本音だ」と正直に申請を急ぐ理由を告白しています。

結局、ラッシュジャパンは、旧ステップの適用を受けるために、旧ステップ50の適用期限である平成22年3月末日までに申請して奨励金5億2100万円の認定を得ようと申請を急いだのです。

確かに、ステップの旧・新の適用次第で5億円もの差額が生じるのですから、ラッシュジャパンが急ぐ理由を理解できない訳ではありません。

6 申請書受付時に法的判断は不可能

しかし、しかしのしかしです。

行政がラッシュジャパンの本音を承知の上で、条例の規定もなく且つ上記@〜Dの論点を無視して、企業の事情に左右されるようでは情けない限りです。

しかも、第5回調整から僅か3カ月後の平成22年3月10日の申請受付時に上記@からDまでの論点を、企業立地推進室はどのように判断したのでしょうか。

申請書受付の時点では、当麻地区の都市計画決定さえなく、しかも区画整理組合の認可も、その準備組合さえない状態でした。

仮に、当麻地区まちづくり組合設立準備会が存在しても、任意の区画整理等を含めたまちづくりの研究機関であり、法的存在ではありません。

これでは、法的に工場建設は不可能であり、市街化区域編入後の用途地域が工業系になることが明らかではなく、適法に開発許可が得られる見込みがないことは、明々白々です。

当然にも、重要ポイントである調整区域認可や開発の見込みがあるとの判断することは不可能です。

7 市の豹変鮮明

だからこそ、県の企業誘致室はラッシュジャパンに対して、「敷地が確定し、且つ市街化編入が確実であるとの確証がない」から、インベスト神奈川の申請受付は不可能と回答したのです。

区画整理では、「換地」処分によって現在の工場建設予定の場所から他の場所へ移動することがあり、仮換地さえ未定の状態ですから、敷地未確定を理由に申請受付を拒否したのは当然です。

しかも、区画整理を条件に市街化編入が認められる「特定保留フレーム」ですから、区画整理の準備会もない状態で、市街化編入が確実であるとの確証がないとした県の判断は当然です。

第5回調整までは、県の企業誘致室と市の企業立地推進室の認定申請受付時の姿勢は、同じで本質的相違は全くなかったのです。

県の正しい判断が全く変わらないのに、市の対応が豹変したのは平成22年2月3日の第6回調整にあると断言できます。

8 問われる認定審査会の議論

又、企業立地推進室は、認定審査会で十分な審査ができるように、区画整理事業の事業認可、市街化編入などの見込み等、事業計画の実現可能性やスケジュールの妥当性を示す参考資料として、区画整理事業、市街化区域編入、開発行為に関する資料の提出をラッシュジャパンに求めていました。

果たして、拠点整備課で作成されたお手盛り資料は、平成22年6月15日の認定審査会に提出されて、認定の可否、旧と新のステップ50の適否が十分な議論がされたのでしょうか。

更に、申請書提出前に庁内関係課による打合せ会議を開催し、事業について意見聴取する予定でしたが、実現できたのでしょうか、或いは何故実現できなかったのでしょうか。

9 捻じ曲げられたのは第6回調整以降

ラッシュジャパンが企業立地推進室を訪れ、市の怠慢で県の制度が利用できない恐れも出るなど全面的見直しに迫られると窮状打開の相談をしたのは、平成22年2月3日です。

既に、情報公開手続中ですから第6回調整メモの黒塗の部分等が、開示されれば方向転換の真相が判明します。

誰が何して何とやら、将に平成の一点突破全面展開の幕開けです。

(平成24年1月11日脱稿)



(第1問)産業集積促進について


第1問の質問と市長答弁


(質問要旨)

1 審査会について

(1)平成22年6月15日開催の相模原市企業立地等審査会において、事務局長は「期限を設けて認定したい」と発言しているが、期限を設けて認定することにつき、相模原市産業集積促進条例に根拠はあるのかを伺う

(2)その後、期限ではなく認定条件を付けているが、期限から条件に変わった経緯について伺う。

(3)又、期限と条件をどのように認識・区別して発言したかを伺う。

(答弁)

初めに、相模原市産業集積促進条例に基づく認定等に当たっての制度の流れをご説明いたします。

まず、本市内に立地を希望する企業から立地等事業計画認定申請書の提出を受け、その内容について相模原市企業立地等審査会にお諮りし、答申を得た後、認定通知書を交付いたします。その後、工場が建設され、操業が開始された後に、奨励金の申請がされ、市の交付決定により請求、支払いという順序になります。

本件につきましては、ラッシュジャパン社から平成22年3月10日に旧ステップ50の立地等事業計画認定申請書の提出を受け、同年4月1日の改正前における条例第5条第2項に基づき、同年6月15日に相模原市企業立地等審査会を開催し、当該事業計画について審査を行い、同年7月12日に認定したものでございます。

認定の際に条件を付すことにつきましては、条例上、明文化された規定はございませんが、今回の認定を含め、許認可等の行政行為には、法令に明文化された規定がない場合でも、行政庁の「主たる意思表示」に追加する形で条件、期限、負担、取消権の留保などの「従たる意思表示」をすることができる「附款(ふかん)」というものがあり、本件につきましても、この附款(ふかん)として条件を付したものでございます。

条件として「3年」を区切った理由でございますが、同社の立地予定地は、市街化調整区域に存在し、現状では工場の建設が不可能であり、特定保留区域として組合施行の土地区画整理事業と併せて市街化区域に編入することを予定している土地となっております。

土地区画整理事業は、地権者の合意や関係機関との協議などに時間を要することもあり、この間に企業側から計画を変更する場合も想定されるほか、事業の進捗に時間を要した結果、市街化区域への編入時期が変わる可能性も考えられますが、当時のスケジュールからいたしますと、仮に市街化区域への編入時期が遅れても、操業開始は可能であると判断し、これに余裕をもたせて、条件を「3年」としたものでございます。

なお、審査会において「期限を設けて認定したい」と発言いたしましたのは、事務局が附款(ふかん)を付したい旨を、審査会委員の皆さまに分かりやすく伝え、ご意見をいただくために、法的に厳密な意味としてではなく、一般的な言葉として発言したものです。


(質問要旨)

2 認定申請書と認定通知書の関係

  民間企業であるラッシュジャパンが作成した認定申請書には、着手予定として平成22年4月1日、操業開始予定として平成24年9月1日と記載され、同社に対する加山市長名義の平成22年7月12日付け立地等事業計画認定通知書には、平成22年4月1日着手、操業開始平成24年9月1日となっている。

  そこで、市役所として平成22年4月1日に着手が可能と判断した根拠、平成24年9月1日操業開始を可能と判断した根拠について伺う。

(答弁)

次に、着手と操業開始の予定日を判断した根拠についてでございます。

条例・規則では、着手及び操業開始について定義はございませんが、着手につきましては、土地の売買契約、測量・設計等の委託契約、建設工事の請負契約の締結等と捉えておりまして、土地の造成や建物建設の工事着手に限定しているものではございません。

ラッシュジャパン社の申請書には、着手予定日が平成22年4月1日とあり、旧規則第8条の規定により認定前着手届が提出されていたこと、及びコンサルティング業務が発注されていたことから、平成22年4月1日を着手日と判断したものでございます。

操業開始予定日につきましては、同社では、申請をする前から、当麻地区の土地区画整理事業のスケジュールを確認しており、工場建設の前提となる市街化区域への編入予定時期を基に工場の建設期間等を考慮して、平成24年9月1日が操業開始予定日に設定されて、申請がなされたため、妥当であると判断したものでございます。


(質問要旨)

3 条件付認定について

(1)これまでの立地等事業計画認定通知書によれば「(1)本条例及び関係法令等を遵守すること、(2)本条例の趣旨を十分理解し、市民の雇用機会の創出及び拡大並びに工業用地の保全活用の取組に努めること」を認定条件として付加しているが、相模原市産業集積促進条例には、条件付認定を可能とする条例上の根拠がないように思われるが、認定条件を可能とする条例上の根拠を伺う。

(2)ラッシュジャパンの認定条件には、上記(1)、(2)に加え、(3)として「認定の日の翌日から起算して3年以内に操業ができないときは、本件の認定を取り消します。」とあり、他社の認定条件には(3)を付加していないが、同社に対して他社にはない認定条件を付加した根拠、背景、理由等を伺う。

(3)認定条件として、3年以内の操業開始不可能なときに、認定取消ができるとあるが、認定取消を可能とする条例上の根拠を伺う。

(答弁)

 次に、条件付きで認定をする場合及び認定の取消しを可能とする条例上の根拠についてでございます。

いずれも、先ほど御答弁申し上げましたとおり、条例上、明文化された規定はございません。

他社にはない条件を付したことにつきましても、先ほど御答弁申し上げましたとおり、立地予定地が土地区画整理事業地内であるという状況を踏まえたものでございます。

なお、過去に市街化調整区域内に立地する企業を認定したケースもございますが、いずれも市街化調整区域のまま立地が可能なケースであったため、特に条件は設けずに認定をしております。


(質問要旨)

4 ラッシュジャパンの奨励措置額、旧・新ステップの比較について

(1)ラッシュジャパンは、旧のステップ50の適用を受けて認定されているが、同社が旧ステップの適用を受けた場合と新ステップの適用を受けた場合における奨励金関係の具体額を伺う。

(2)固定資産税・都市計画税を5年間半分に減免する不均一課税の適用も奨励措置としてある。旧ステップも新ステップも土地、建物は該当するものの、償却資産においては旧ステップは該当し、新ステップは非該当となるが、同社に対する償却資産における概算額を伺う。

(答弁)

次に、ラッシュジャパン社の新・旧STEP50における比較についてでございます。

奨励金につきましては、旧制度では土地、家屋及び償却資産の取得費が対象となる施設整備奨励金と、新たに正社員を雇用した場合の雇用奨励金がございまして、同社は、その両方が認定されております。

平成22年4月の改正前の相模原市産業集積促進条例施行規則第7条では、「固定資産の取得等に係る契約の締結の日の5日前までに」申請しなければならないとしており、同社は申請時点で既に大半の土地を取得済みであったことから施設整備奨励金の対象となるものは、追加で取得する土地の取得費と、工場の建設費、償却資産の取得費が該当し、合計が50億円を超えたため、取得費の10パーセントとして施設整備奨励金の限度額5億円を見込んだほか、50人の雇用を予定してございましたので、2,100万円の雇用奨励金を見込んでおります。

一方、新制度の奨励金は、申請後に取得する土地の取得費に対する土地取得奨励金と雇用奨励金が対象となります。

このため、追加取得する土地の取得費の10パーセントを奨励金といたしますと、土地取得奨励金は、約470万円と積算され、雇用奨励金は1,500万円と積算されます。

償却資産に係る固定資産税の不均一課税につきましては、まだ取得がされていませんので、概算することができない状況でございます。

なお、新・旧ステップ50は、いずれも奨励金については操業開始以後に立地企業からの申請に基づき支払うものでございますので、同社に対しましては、これまで支出しておりません。


(第2問)答弁について


1 答弁の要約の確認について

@事務局が審査会で期限付認定を提案、実際は期限ではなく「条件付の認定と取消」で旧制度を適用し認定をした。

A旧制度では5億2,100万円、新制度では約1,970万円、その差が約5億円。

B条件付の認定と取消を付加した認定は、条文の規定が全くない、条文の根拠がない、条文に基づかない認定である。

C市は、条文に基づかない認定を正当化するために、「附款(ふかん)」を持ち出した。

D市は、「現状では工場建設が不可能」と認識しながら認定した。

E市は、認定前着手届を受領していた、市街化調整区域のままでは開発不可能と認識していた。

F市は、過去に市街化調整区域内に立地する企業を認定したが、いずれも市街化調整区域のまま立地が可能なケースであったから無条件で認定したが、今回は条件を付けて認定した。


2 答弁の矛盾について

@操業開始の時期を平成24年9月1日した市の認定と、市街化区域の編入時期が変わる(遅れる)ことも考えられるとの答弁は矛盾しているのでは

A(経済部長答弁)

操業開始時期を申請書のとおり平成24年9月1日のまま認定したことにつきましては、ラッシュジャパン社の申請書にありますとおり、当時の区画整理のスケジュールや工場建設工事の期間等を考慮しまして、妥当であると判断したものでございまして、市街化区域への編入時期が遅れる可能性については、あくまで可能性として考えられるものですので矛盾があるとは考えておりません。


3 脱税事件について

@把握した時期等

A反面調査の有無

B認定地との関連性の有無

A(経済部長答弁)

 脱税事件につきましては、12月14日のインターネットニュースで知りました。

 市といたしましては、報じられている以上のことは承知してございません。

 本件の立地場所である土地は、申請時点で大半が取得済みでございまして、土地の登記を確認したところ、関山建設株式会社からラッシュジャパン社に所有権が移転しております。


4 決済区分について

@5億円の奨励措置に係る決済区分はだれか

A(経済部長答弁)

 立地計画を認定する際は、すべて市長決裁で処理しております。

 本件の認定を含め、許認可等の行政処分につきましては、相模原市事務専決規程第19条第1号の規定により、市長決裁で処理しております。


5 申請者との調整の具体的内容と経過について

@調整の具体的内容と経過を時系列に沿って伺う

A(経済部長答弁)

 本件の立地等事業計画認定申請書が提出されるまでの経過につきましては、平成20年4月にラッシュジャパン社から立地場所の相談が寄せられ、以後6回にわたり、希望する立地場所や時期について、区画整理のスケジュールについて、STEP50や神奈川県のインベスト神奈川の適用等について調整を図った後、平成22年3月10日に申請書及び認定前着手届が提出されております。


6 「附款(ふかん)」と条例改正について

@第5条第3項の追加理由

A第12条第1項第3号の改正(第5条第3項の追加)理由

B「附款(ふかん)」と条例改正の関係

A(経済部長答弁)

 平成22年4月の条例改正におきましては、選択と集中の考えの下、4つの新たな都市づくりの拠点を奨励措置の手厚い地区とすることを念頭に改正を行いました。

 しかし、4つの新たな都市づくりの拠点につきましては、いずれも市街化調整区域や非線引き都市計画区域内の用途地域のない地域であるため、市街化区域の編入が前提となるなど、本件と同様の状況であることから、附款による対応ではなく、条件を付す根拠及び取り消しができる場合の根拠を条例に明文化することとしたものでございます。


7 旧条例第12条について

@制限列挙では

A(経済部長答弁)

 旧条例第12条の規定は、工場の操業開始後、奨励金の交付決定がされた企業に対する奨励措置の取消しについて制限列挙した規定でございます。

A取消・停止は条例に明文の規定がなければ不可能では

A(経済部長答弁)

 先ほど御答弁申し上げましたとおり、附款により取り消すことは可能であると考えております。

B第3号違反に附款が含まれるのか

A(経済部長答弁)

 旧条例第12条第3号及び第8条第2項は、いずれも工場の操業開始後、奨励金の交付決定がされた企業に対する規定でございます。

旧条例第12条第3号では、「第8条第2項の規定により市長が付した条件に違反したとき」と規定してございまして、附款により付した条件違反についての取消しの根拠となるものではございません。


8 附款と旧条例の関係

@第8条第2項の条件が従たる意思表示としての附款では

A(経済部長答弁)

 附款につきましては、法令に附款を付すことについての明示的な規定がある場合と、ない場合のいずれも可能でございまして、旧条例第8条第2項の規定は、附款を付する場合があることを明示した規定と考えております。

A附款(条件)を可能とする為には条文中にその旨の規定がなければ不可能では

A(経済部長答弁)

 先ほど御答弁申し上げましたとおり、条文中に明示された規定がない場合でも、附款を付すことは可能であると考えております。

B旧条例の第5条には、その旨の規定がなく附款(条件)を付加することは不可能で、可能とする為にこそ条例を改正したのでは

A(経済部長答弁) 平成22年4月の条例改正におきましては、選択と集中の考えの下、4つの新たな都市づくりの拠点を奨励措置の手厚い地区とすることを念頭に改正を行いました。

 しかし、4つの新たな都市づくりの拠点につきましては、いずれも市街化調整区域や非線引き都市計画区域内の用途地域のない地域であるため、市街化区域の編入が前提となるなど、本件と同様の状況であることから、附款による対応ではなく、条件を付す根拠及び取り消しができる場合の根拠を条例に明文化することとしたものでございます。

C旧条例の下では、条件付き認定は条例違反では

A(経済部長答弁)

 先ほど御答弁申し上げましたとおり、条例上に明文規定がない場合でも認定に条件を付けることは可能と考えており、条例違反とは考えておりません。

D条例違反の条件付の「認定(第5条違反)・認定取消条件」は、条件がないのと同じで、無条件となり認定そのものが無効となるのでは A(経済部長答弁)

 本件の附款につきましては、行政行為に付した附款であり、適法と考えておりまして、認定が無効となるものではございません。

E決裁権者の思惑で恣意的に5億円の奨励金が使用されては、将にヤミ金融並み「ヤミ行政」ともいうべき憂慮すべき非常事態であり、ステップ50の奨励金の原資は市民の税金であり、お金が伴うからこそ、条例で条件も決め厳格な運用をすべきでは

A(経済部長答弁)

 立地等事業計画の認定につきましては、相模原市企業立地等審査会にお諮りし、企業の経営状況、強み、技術力など様々な観点から検討を行い答申をいただいた上で市長が決定をしておりますので、決して恣意的な運用が可能なものではございません。

F認定の撤回をすべきと考えるが、撤回の意思を伺う

A(経済部長答弁)

 本件の認定につきまして、撤回する考えはございません。


9 地方公務員法第32条

@法令等(条例)の遵守義務違反では

A(経済部長答弁)

 本件の認定に際しまして、法令に違反するところは何もございません。


10 審査会について

@ラッシュジャパンの条件付認定に関して、審査委員会では条例の根拠がないことを前提にされているのか

A事務局は、附款や、附款と条例の関係について、審査委員会で十分説明しているといえるのか

B万一、認識・説明に齟齬があれば、審査委員会をやり直す必要があるのでは

A(経済部長答弁)

 先ほども御答弁申し上げましたとおり、附款につきましては、法令上の根拠がなくても可能でございます。

 審査会の委員の皆さまには、委嘱に当たり、条例の趣旨、内容をきちんと御説明してございます。従いまして、本件につきまして再度審査会を開催する考えはございません。


11 現状では建設不可能について

@都市計画法第33条、第34条第6号に言及の上で、他の調整区域との違い及び大野台の神奈川企業団地との違いを具体的に伺う

A(経済部長答弁)

 都市計画法第33条は、開発行為により建築される建物の用途、道路、排水施設等の技術的基準が規定されたものでございまして、同法第34条は、市街化調整区域内において可能な開発行為が列挙されているものです。

 大野台のSia神奈川企業団地につきましては、現在16社が立地し、そのうち15社がSTEP50を利用してございます。

この企業団地は、神奈川県が独立行政法人中小企業基盤整備機構と一体となって助成する中小企業の工場集団化事業として行ったもので、都市計画法第34条第6号に該当し、市街化調整区域内での開発行為が可能となっているほか、同法第33条の基準につきましても、Sia神奈川企業団地は、満たした上で立地しております。

 一方、ラッシュジャパン社の立地計画につきましては、都市計画法第34条各号のいずれにも該当しないものですので、現状では市街化調整区域である本件土地に工場の建設はできないものでございます。

A特定保留区域とは、区画整理完了を条件とする市街化区域編入政策であり、区画整理事業の行方は認定の時点でも、未だに都市計画決定もされてなく現在でも「未定」であり、市街化区域に編入される保証がないのに市が認定することは、当該企業に開発できる土地であると誤解させることにはならないのか。

A(経済部長答弁)

 ラッシュジャパン社の立地等事業計画認定申請書の提出に際しましては、6回にわたる調整の場を設けまして、区画整理のスケジュールのほか、STEP50の適用等について調整を行い、あくまで市街化区域への編入後の建設工

事になる旨十分説明をし、同社も理解をしているところでございます。


12 3年内の操業可能と想定とした理由について

@平成22年6月15日の認定審査会の時点で、関係機関との協議、都市計画法の手続、区画整理に対する手続きはどのようになっていたのか。

A(まちづくり事業部長答弁)

 平成22年度のインターチェンジの開設を見据え、平成23年度中の市街化区域編入、組合設立認可を目標として、当麻地区まちづくり組合設立準備委員会の中で検討を進めてきたところでございます。

当時は、平成19年8月に当麻地区まちづくり研究会が発足し、住民主体の具体的なまちづくりの検討がされていました。

A組合施行の区画整理事業を行うことに対する地権者の意向把握ができた時期、区画整理組合の準備会が発足した時期(年月日)を伺う

A(まちづくり事業部長答弁)

平成19年8月に当麻地区まちづくり研究会が発足し、平成21年2月に賛同書を収集し、同年12月に当麻地区まちづくり組合設立準備委員会が発足しております。

B都市計画に関しては、関係機関との協議、都市計画説明会から都市計画の決定までの都市計画の手続き、区画整理事業による造成工事等を経て建設工事が行われる。

私は、関係機関との協議に約10カ月、都市計画手続きに約10カ月、区画整理事業による造成工事等に約6カ月、当該企業の工場建設期間に約12カ月位の期間が必要と考えるが、認定時点で手続き期間に関して見通しの根拠を伺う

A(まちづくり事業部答弁)

 平成22年度のインターチェンジの開設を見据え、平成23年度中の市街化区域編入、組合設立認可を目標として、当麻地区まちづくり組合設立準備委員

会の中で検討を進めてきたところでございます。

 都市計画等の手続には、約2年を見込んでおります。

C仮に、来年早々の平成24年1月に都市計画説明会が開催されても、都市計画説明会から都市計画決定まで約10カ月、区画整理事業による造成工事等に約6カ月、工場建設に約12カ月の期間を要するとすれば、操業開始は28カ月後の平成26年5月頃となり、認定日である平成22年7月12日の翌日から3年以内の操業開始、即ち平成25年7月12日の操業開始は事実上困難ではないか

Dそこで、各手続きに要する期間に関して、都市計画課、拠点整備課に私の考えと関係法令を踏まえた上で、その手続期間について伺う。

A(まちづくり事業部答弁)

 関係法令を踏まえた各手続に要する期間についてでございますが、今後、地権者の方々の土地活用の御意向を最終的に確認した上で具体的なまちづくり計画の案をつくり、4月以降、地権者の方々へ個別に説明し、全体説明会を開催した後、土地区画整理事業に対する本同意の取得を行い、また、関係機関との協議や都市計画の手続などを経て、平成24年度中の市街化区域編入、組合設立認可、事業着手を目指してまいりたいと考えております。

E仮に編入時期が遅れても、操業開始は可能と想定したとあるが、組合施行による区画整理が前提であり、現実的根拠のない想定では

A(経済部長答弁)

 市街化区域への編入時期につきましては、当時、当麻地区まちづくり組合設立準備委員会が作成したスケジュールを確認しており、操業開始予定日は妥当と判断したものでございます。

F余裕を持たせて3年としたその余裕の根拠について

A(経済部長答弁)

 条件について3年とした根拠でございますが、操業開始予定日である平成24年9月1日を含み、かつ、区切りのいい期間として想定したものでございます。

G区画整理そのものの完了も完成の時期(編入の時期)の保証もない時期に認定しているが、完了の保証をどのように考えていたのか

A(経済部長答弁)

 リーマンショックのような大きな経済事情の変化や東日本大震災等の災害により、企業の計画に影響が出て操業開始日が遅れる場合等に関しましては、旧条例第6条及び旧規則第11条第2項第3号の規定により立地等事業計画の変更の手続を行うことで対応しているところでございます。


13 認定前着手届及びコンサル業務発注について

@都市計画法第29条は、制度としては開発行為の許可であるが、実質的には開発行為等の規制であり、許可権者たる規制者は政令市の場合は市長であり、市長は、市街化調整区域のままでは開発不可能と認識しながら、開発を前提とした業務発注の事実を承知の上で、宅地利用目的の宅地造成工事を黙認、即ち都市計画法第29条違反を黙認していることにならないか。

A(経済部長答弁)

 現在、同社の土地において行われている工事は、いわゆる盛土条例による許可を受けて行っているもので、都市計画法第29条違反ではございません。


14 妥当性の判断の根拠について

@区画整理事業のスケジュールを確認したのは申請者であり、平成24年9月1日操業開始予定日と申請されたため妥当と判断したとの答弁では、申請者の言うまま、気ままであり、市の主体的な判断の根拠がないが、何故主体的な判断をしなかったのか、できなかったのかその理由を伺う。

A(経済部長答弁)

 先ほど御答弁申し上げましたとおり、申請の前にラッシュジャパン社と調整を行い、区画整理のスケジュールも確認をして申請され、認定に際しましても再度スケジュールを確認して妥当と判断したものでございます。

A市は、結果的に当時妥当と判断したが、その根拠を伺う。又、現時点でも妥当だと言えるのか。

A(経済部長答弁)

 ラッシュジャパン社からの申請を受け、認定に際し、再度区画整理のスケジュールを確認した上で妥当と判断したものでございます。

 現時点では、本件の立地等事業計画と区画整理のスケジュールは整合しなくなっておりますが、区画整理事業の進捗を見極め、時期を見て条件の変更等について検討してまいりたいと存じます。


小林議員一般質問 3問目


1 本件と同様の状況であるなら、附款による対応ではなく根拠を条文に明文化したと答弁されたが、本件と同様の状況であれば、条例改正することなく「附款」で十分である。

 附款で対応できることと条例改正することは矛盾するのでは。少なくとも不必要では

A(経済部長答弁)

 旧条例は、平成22年3月31日で失効しますが、継続した企業誘致のため新条例を制定したものでございます。

 その際に、先ほど御答弁申し上げましたとおり、市街化調整区域などが対象となることから、条文に明記したものでございます。


2 平成20年4月から6回ステップ50の適用を調整の上でこの外資系会社は平成20年10月から平成21年12月まで土地の購入をした。

  旧ステップ50の適用を前提に土地を購入したことになり、市がステップ50の適用を既にこの時点で約束していたのではないか。

A(経済部長答弁)

 約束をした経過はございません。


3 現時点では、時期の整合性がなくなって「時期を見て条件変更等を検討する」とは、附款「3年以内の操業開始は取り消す」も変更するのか、それとも認定を取り消すのか

A(経済部長答弁)

附款の変更、又は取消しを検討するもので認定を取り消す考えはございません。


4 附款について、学術書を参考にしたとの答弁であったが、その本の名前、著者は

A(経済部長答弁)

 塩野宏著「行政法」でございます。

相模原市議会議員 小林正明 Mail:masaaki@kuh.biglobe.ne.jp 相模原市緑区町屋4-16-9 TEL:042-782-5969