平成23年6月議会 一般質問
相模原市議会議員 小 林 正 明
この2日間の中で、初陣を飾られた新人議員の皆さん、本当に傍聴しておりまして−傍聴というよりも耳をそばだてておりまして、はつらつとした新しい感覚での質問に対して心から敬意を表しながら、私もかつては−35年前でありますけど−27歳の議員として、そのようなフレッシュな感覚を持っていたんだなと、今も持ち続けてありたいんだなと思いながら、シナリオに忠実に従いながら、質問に入らせていただきたいと思います。 今回は、公有地処分と森林環境保全策に関する2項目の質問を通告しておりますので、先ほど言いましたとおり、シナリオに忠実に従って、早速1番目の公有地処分に入りたいと思います。
平成22年4月、隣接者ではない地元二本松の胸像建立を目的とする方から、前市長の胸像を建立する用地として、払い下げの要望を受けた市は、行政財産である道路用地を分筆し、行政財産のままでは処分ができませんから、行政財産の用途を廃止して普通財産とした上で、一般競争入札で公有地を処分した結果、本年3月、二本松のとある交差点に、前市長の胸像が建立されました。相模原市表彰条例によれば、自治功労表彰の対象は、市長は8年、議員は10年以上とあり、表彰の方法は、表彰状及び記念品などの贈呈、処遇は、市の儀式、公式会合への招待、死亡時の弔辞などであり、条例上、決して公有地処分などの処遇は想定していないことは御存じのとおりであります。
以上の経過と前提を踏まえて、今回の公有地処分の妥当性を問いかけながら、5項目の質問をいたします。
1、今回の公有地処分に関して、隣接地権者に購入意向の確認、打診などをされたのか、伺いたいと思います。2、処分された土地は面積が21平米、約6坪というふうに極めて小さく、初めから胸像建立を目的に土地の分筆も行われており、特定の目的、取得者を想定した処分であり、いわゆる便宜供与的処分であるとも考えられますが、市長の見解を伺います。3、処分地の面積などから、入札予定者が限定され、競争入札の形骸化を招くことを懸念いたしますけれども、今回の一般競争入札の概要と結果について伺います。4、今後、市長や議員経験者の関係者から同じような胸像建立目的の土地処分の要望があれば、市として拒否できなくなるのではと危惧いたしますけれども、市長の見解を伺います。5、さらに前市長の功績を評価する立場に立っても、胸像建立自体には公益性がないことは明白であり、地方公務員のあるべき姿、全体の奉仕者論から、今回の処分はいかがなものかと感じられますけれども、市長の見解を伺います。
次に、第2番目の森林環境保全策に入ります。
1、水と緑をまちづくりの基調とした旧城山町には、森林法等に基づく県知事からの町長への意見照会に回答する際の取り扱い判断基準として、いわゆる山林等の開発行為取扱基準があり、合併するまでの30年間にわたり、山林開発の抑止力として、山林開発を防止してきた実績がありました。そこで、森林環境保全策として、旧城山町のこの基準の評価について、市長の見解を伺います。2、本気で森林の環境を守り保全するには、森林法、採石法に基づく県知事からの市長意見照会への対応が重要かつ効果的であり、相模原市にもこのような取り扱い、判断基準の設定を求めますけれども、市長の見解を伺います。3、県内では山北町や中井町で法定外普通税、京都の城陽市が昭和43年から法定外普通税、平成23年からは法定外目的税として、年間約2,000万前後の税収がそれぞれ確保されている実態にあります。そこで、本市でも独自財源確保の観点から、山砂利採取税の研究、検討が必要であると考えますけれども、市長の見解を伺います。
以上が第一番目の質問です。
○○ 以下市長答弁
初めに、公有地の処分についてでございます。
今回の売り払いは、未利用市有地等売払実施要綱に基づきまして、一般競争入札にて売り払いを実施したもので、個別に隣接する地権者への事前説明等は行っておりません。
次に、当該地の売り払いについてでございます。今回の売り払いにつきましては、購入希望者の意向に沿ったものではなく、道路拡幅改良後の残地として、将来的にも不必要な部分を分筆をし、一般競争入札として売り払いを実施をいたしたものでございます。
次に、一般競争入札の概要と結果についてでございます。入札の対象地は、緑区二本松2丁目地内の市道相原大島の道路敷のうち、21.97平方メートルについて公用廃止をし、入札を行ったものでございます。当該土地の売却に当たりましては、平成22年9月1日から1カ月間公告を行うとともに、広報さがみはらや市ホームページへの掲載、まちづくりセンターなどの市公共施設へのチラシの配布などにより周知を行ったところでございます。その結果、3名の入札の申し込みがあり、同年10月15日に一般競争入札を実施をいたしましたところ、3名のうち1名が辞退をし、2名が応札をいたしました。応札しました2名のうち1名は、最低売却価格未満の入札だったため無効となり、最低売却価格を上回る価格で落札されたものでございます。
次に、特定の目的を持った人への売り払いについてでございます。現在、市では歳入の確保と歳出の抑制の視点から、低未利用資産の活用としての取り組みを進めているところでございまして、今回の道路残地の売り払いは、その一環として実施をしたものでございます。
次に、旧城山町における山林等の開発行為取扱基準についてでございます。この取り扱い基準は、山林等の開発に対しまして、自然保全及び災害の未然防止を図ることを目的としまして、事前相談の際に、新たな土砂採掘等の開発計画及び拡張計画に対しまして指導するための判断基準であったものと承知をしております。この基準につきましては、旧城山町におきまして、平成19年の合併前に廃止されているところで、現在は、森林法、採石法、県の土地利用調整条例、県環境影響評価条例等に基づきます市への意見照会の機会をとらえまして、環境保全の観点から、市としての災害防止、水害防止、水源の涵養、環境保全の公益的機能の保全が図られるよう、適切に対応を図っているところでございます。また、新たな判断基準の設定についてでございますが、土地所有者等の私権の制限や上位法令等との整合を図り、総合的に判断をした中で、慎重な対応が必要になるものと考えております。こうしたことから、山林等の開発に対しましては、現行の森林法等関連法令等に基づく手続によりまして、市への意見照会の機会をとらえまして、森林の環境が守られますよう、適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、山砂利採取税についてでございます。神奈川県山北町及び中井町並びに京都府城陽市では、山砂利等の採取に起因する交通事情の悪化等に対応する交通安全施設の整備や道路補修経費の一部に充てるため、採取者に対しまして、法定外税を課税しているものと承知をしております。本市におきましても、市独自の財源を確保することは重要なことと考えておりますが、山砂利採取税につきましては、周辺環境の状況や税を導入する目的及び使途等についての課題が多いものと考えておりますので、今後、研究をしてまいりたいと存じます。
以上、お答えを申し上げました。
それでは、第2問に入りたいと思います。
大きな項目の公有地処分についてに関することでありますけれども、隣接者への対応について質問をさせてもらいましたけれども、この件に関してですけれども、一般的に、この議場の中にも、土地の売買を専ら専門として業務に励んでおられる方もいらっしゃいますけど、私も関連業者の一人と言えなくもないんですけれども、一般的に土地の売買の現場ではどういうことがあるかといいますと、土地の有効活用とか、あるいは広告費用などの諸経費の点の合理性から、まずは隣接者への意向打診をするのが一般的だというのが実務の慣行だというふうに思っております。答弁では、未利用市有地等売払実施要綱に基づく処分だから、隣接地権者への事前説明を行っていないとのことでありました。しかし、実施要綱の第4条では、隣接地権者にも単独活用が難しい未利用地、いわゆるそれを特定未利用地というわけでありますけれども、その場合は、随意契約で処分ができるという規定になっていることがあります。そうすれば、先ほど言いましたように、広報掲載あるいはホームページなどの諸手続も不要で、当該土地の有効活用、隣地は1.5倍出しても、あるいは倍を出しても買いなさいという言葉が実務上ありますけれども、有効活用となり得たと私は思っております。そこで、実施要綱を根拠に一般競争入札を選んだのは、隣接地権者への処分を避けるために、あえて一般競争入札を選択したのではないかとの見方もできると思いますけれども、この点に関して見解を伺いたいと思います。
また、分筆後の土地は、いわゆる面積が21平米にすぎなく、かつ、交差点に隣接しておりまして、単独活用が難しい、先ほど紹介しました特定未利用地となると考えますけれども、その見解を伺いたいと思います。さらになぜ、隣接地の市有地が、1582番の4という土地がありますけれども、それと一緒に処分しなかったのか伺いたいと思います。
2番目ですけれども、便宜供与的対応についてでありますけれども、購入希望者の意向に沿ったものではないとの答弁がありました。しかし、現実に平成22年4月の分筆前の状態で、地元から胸像建立などの趣旨を市が把握した上で、実施要綱の台帳整備目録にも当時なかった土地を、依頼者の要望に沿って分筆されたわけです。そもそも建立目的では公益性もありませんし、市有地を分筆までして売る必要はありませんし、ある意味、処分を拒否する自由も十分あり得たのではないでしょうか。そこで、未利用市有地台帳にある土地の筆数の現状と処分を拒否しなかった理由を伺いたいと思います。また、現場説明を今回されておりますけれども、建設関係の入札の際は、談合防止の観点から、電子入札になる以前にとっくに中止になっていた事務扱いが、実務がなっていたと思いますけれども、緑区の今回の青野原の土地の際にも、現場説明を実施されたのか伺いたいと思います。
3つ目、要綱についてでありますけれども、要綱は普通財産を前提にしておりまして、行政財産を普通財産に用途廃止してまで普通財産にすることを想定していないと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。
また、分筆前の土地は遊休地、未利用地、市の事業の遂行上、売り払うことが適当な土地ではないと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。
4、胸像の実態についてでありますけれども、相模原の特殊な実態かもしれませんけれども、私は旧城山町に住んでおりましたけれども、相模原の市長経験者の胸像が至るところに−至るところという数ではないんですけれども、目にするわけでありますけれども、河津市長の胸像は昭和60年に建立されて、今どういう土地の上にあるかといったら16平米の市の市有地−私有地でなくてパブリックの私有地ですね−の上にありまして、舘盛市長の胸像は境内地にあるそうですけれども、今回の小川市長の胸像は個人の土地にありますね。そうすると、建立時期の違いはありますけれども、それにしても整合性の面では欠けるのではないかと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。これは結果の問題だろうとは思いますけれども。
そういえば、実は河津市長の胸像の横には、約120坪のパブリックの市有地の土地があります。けさ、たまたま気づいたんですけれども、この市有地であるということに気づかなければ気づかなかったわけなんですけれども、この市有地に、なぜかこの土地の上に神社の三角看板がありまして、私もある意味、地元の神社の氏子でありますから、氏子から見れば、ある意味、いいなと思うんですけれども、もちろん諸般の経過とか事情は推察できないわけではありませんけれども、いわゆる信教の自由、便宜的供与の禁止、これは憲法20条にありますけれども、そういう観点から見ますと、他の宗教団体などからの借用の申し入れがあった場合、議論が生じるのは当然でありまして、この点、危惧するものですけれども、これは指摘だけであって、質問とはしませんけれども、こういう問題も起こりそうな感じがします。
大きな項目の森林環境保全策について入りたいと思います。
基準の役割についてでありますけれども、県の意見照会に回答する際の判断基準であり、答弁では、指導するための判断との回答もありましたけれども、これは回答するための基準であって、窓口で指導するための判断基準ではなかったと認識しているわけですけれども、しかも、許可権者でもない当時の町が指導することはあり得ないわけでありまして、いわゆる指導するための判断基準と認識されているわけですけれども、その根拠は何かを伺いたいなと思います。
2つ目、基準に対する認識に関する質問ですけれども、現行法の対応により、相模原市としては、加山市長は、環境を守って慎重に対応する、これはこれで結構だと思います、慎重という言葉がある以上、積極的に開発していくということじゃありませんから、言葉としては理解できます。そういう回答がありました。現実に、旧城山町では、この基準の存在で山林開発を約30年間にわたって防止してきた実績がありますし、業者からの−お断りしても、あるいは回答しても−損害賠償の請求などは1回もありませんでした。森林法とか再生法にかかわる県の照会の際に、市長に対して意向打診の照会があった際の問題でありますから、主権の制限とか上位法令の整合性に対する配慮を求めては、私はいないと思いますけれども、求めているという答弁も含まれているような内容でありましたから、確認の意味で伺いたいと思います。要するに、県からの意見照会に対しては、上位法とか、そういったものは考えなくてもいいということです。むしろ、市の森林保全に対する位置づけ、あるいは当該土地の市としての位置づけによって判断すればいい、こういうふうに思っております。
それから3番目ですけれども、基準の必要性については、合併前は相模原市には当然山林はありませんし、地目上の山林はあっても、いわゆる現況みたいな山林はなかったと思います。山砂利開発の課題は想定外ではなくて、問題外であったというふうに私も思います。しかし、加山市長は潤水都市さがみはらのそのスローガンを言う以上は、唱えられる以上は、潤水都市のためには、緑、いわゆる山が、その環境が重要でありまして、潤水都市さがみはらには、少なくとも山砂利の採取行為などはふさわしくないと考えますからこそ、基準による対応が私は必要ではないのか、こういうふうに考えますけれども、市長の所見を伺いたいなと思います。
最後の4の山砂利採取税についてでありますけれども、周辺環境の状況や答弁では、目的、使途などの課題が多いとの答弁でしたけれども、相模原市としての課題、他の市町村と比較して、その根拠を、課題についてのどういう認識をしているのかを伺いたい。
以上が2問目です。
3問目ですけれども、簡潔にやりたいと思いますが、指摘だけしておきたいと思いますが、河津市長の土地は、八幡宮の土地を分筆されて、そこに建立されて、登記簿上ですね。経過があるみたいですね。ですから云々というのはちょっと違うんじゃないかなと、それだけ指摘しておきます。
それから、いわゆる単独利用が困難な、いわゆる未利用地、特定未利用地といいますか、これは認識の仕方によって、いろいろ、さまざま分かれるだろうと思います。いや、こういうものはこう−だから、こういった単独活用ができるということは、今回は胸像としての建立地としては単独活用ができた。だけど、一般的な敷地として考えれば、これは交番とか派出所、こち亀の派出所じゃありませんけれども、そういった1人ポリスボックスというのがよくありますけれども、あるいは緑のおばさんたちがちょっと入る場所とか、交差点ですからね、特定されますよね。本当に、じゃあ、必要性があるものかどうかというのは−だから、ないからこそ未利用だということになるんでしょうけれども、これはいわゆる随意契約で、隣地の方が、あるいは隣地と一緒に売れば十分可能なのにかかわらず、特定未利用地として位置づけされたというところに、私は、一般競争入札の形骸化につながるようなことがあったんじゃないのかなと。どうしてもその点は指摘せざるを得ないんですけれども、この辺についていかがなものかということで、伺っておきたいと思います。
それから、もちろん市長の胸像はどこに建てられるか全く自由なわけですけれども、先ほど指摘したように、市の土地の上に現実としてある。そして、片や民間の土地の中にある。こういうものが本当にいいものかどうか。逆に言いますと、それは整合性なくてもいいんです、市の土地の上にあることが問題なんですね。逆にそのことが今後どういうふうに解決されるのか、どうして市の土地の上にあるのか。寄附だからと言いますけど、先ほど指摘しましたように、神社の土地が分筆されて、そこに市が売買で購入されています。この辺についてどのように考えられるのか。