2014年12月25日 飽和脂肪酸についての情報です。



飽和脂肪酸「悪玉論」のウソ―過小摂取に思わぬリスクも THE WALL STREET JOURNALより



飽和脂肪酸の摂取量を減らすことは女性の場合、特に害がある。ホルモンの違いにより、晩年に心臓疾患にかかりやすく、心臓疾患の発症の仕方も男性とは違うからだ。

 飽和脂肪酸の摂取量を減らしている女性の場合、心臓疾患にかかるリスクが高い。この食事法では特に「善玉」コレステロールの値が急落するためだ(男性も減少するが女性ほどではない)。皮肉なことに、フルーツや野菜、穀物の摂取量を増やすことに励んできた女性は、今や男性よりも高い肥満率と心臓疾患による死亡率に苦しんでいる。

 肉や卵、乳製品の摂取量を減らすための、この50年間の努力は悲劇的だ。キーズ博士の説を証明するために多額の資金が費やされたが、その食事法による恩恵は何も示されなかった。飽和脂肪酸にまつわる仮説をいったん寝かせ、国民の健康を悪化させている別の犯人を探すときがきた。






飽和脂肪酸のどこが悪い? 生活習慣病に対する飽和脂肪酸悪玉説の検証



“動物性脂肪とコレステロールの摂取を減らして高リノール酸植物油を増やすと, 血清コレステロール値が下がって心疾患が予防できる” というコレステロール仮説は誤っていた。

この説に基づく指導を長期に続けても血清コレステロール値は下がらず, むしろ心疾患死亡率が上がり, 寿命が短くなることがわかった。一方, 大部分の人 (40〜50歳以上の一般集団) にとっては, 血清コレステロール値が高い群ほど癌死亡率が低く長生きであった。すなわち, “飽和脂肪酸に富む動物性脂肪が血清コレステロール値を上げ, 心疾患の危険因子となっている”, と考える根拠は崩壊した。

心疾患の危険因子はコレステロールではなく, 摂取脂肪酸のn-6/n-3バランスであった。最近トランス脂肪酸 (水素添加植物油) の安全性の問題が再びクローズアップされ, 代替油脂としてパーム油がわが国の供給植物油の20%を占めるまでに至っている。しかしパーム油は動物実験で発癌促進, 寿命短縮などの有害作用を示す。他にも動物に類似の有害作用を示す食用油が数種ある。

このような安全性の確立していない植物油に対し, 動物性飽和脂肪 (バター, ラードなど) の安全性が強調できる。メタボリック症候群の危険因子はタンパク質, 糖質を含めた栄養素の過剰摂取による過栄養 (over-nutrition) であり, 動物性脂肪は肥満にならない範囲で安全に摂取できる。



おわりに 過去半世紀の脂質栄養指針は,Keys式などに基づくコレステロール仮説に支配されていたといえる。しかし,研究結果の解釈に落とし穴があり,これに基づく栄養指導は,むしろ心疾患死亡率や総死亡率を上げる危険なものであることが分かった。

フラミンガム市民(男性)の20の追跡調査では,飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸の摂取が多いほど,虚血性脳卒中死亡率は低い11)。

一方,脂肪を全体として減らすという栄養指導も無効であった12)。米国のこの分野の研究者は,途方に暮れているように見える。

わが国の脂質栄養学者は,米国NIH(ATPIII)発,国連のWHO/FAO発の情報に振り回されること無く,データを直視して独自の方向を推し進めることを期待されている。

動物性脂肪は比較的安全であり,生活習慣病予防の脂質栄養の基本はn―6/n―3比を下げることである。






2014年12月20日 映画{ハンナ・アーレント}

江部康二先生やたがしゅう先生のブログでとりあげられていたので見てみました。

ナチスの親衛隊だったアインヒマンの裁判の話です。



毎日新聞朝刊 玉木研二(江部先生ブログより)

『東京・岩波ホールでの劇映画『ハンナ・アーレント』の上映初日、風雨にもかかわらず、1回目から満員だった。 ナチ戦犯アイヒマンを裁く法廷シーンでは、実録フィルムでアイヒマン本人が登場し、この効果が大きい。アイヒマンはユダヤ人を貨物や家畜のように扱い、死地へ追いやる強制収容所移送を指揮した元親衛隊幹部である。敗戦後に逃亡して、変名でアルゼンチンで暮らしているところをイスラエル情報部が急襲、1960年5月11日、逮捕した。



エルサレムの法廷でこの初老の男は時にいらだちをのぞかせ繰り返し弁解した。『私は命令に従ったまでです』『それが命令でした』『すべて命令次第です』『事務的に処理したのです』『私は一端を担ったにすぎません』『さまざまな部署が担当しました』・・・。亡命ユダヤ人の哲学者ハンナ・アーレントは裁判を傍聴し、そこに「平凡な人間が行う悪」を見いだす。人間的な思考を放棄したものが空前の残虐な行為をなすおぞましさ。



アイヒマンは学業不振などで学校は続かず、20代で親衛隊に入隊した。やがてユダヤ人移送担当となり、実績を上げて評価される。思考の力を失い、機械的に命令や職務権限を果たしていく凡庸な軍人、官僚。それがホロコースト(大虐殺)を遂行可能にする動力ともなる。彼にとって犠牲者数は統計上の数字にすぎない。



映画はアーレントの洞察(アイヒマンを極悪人とみなすのではなく、極普通の小心者で取るに足らない役人に過ぎなかったとする見解)に対する社会の非難と、それに屈しない彼女の毅然とした姿を描き、心を打つ。



そして、アイヒマンの機械のように冷たい、どこかぼんやりしているような風情も不気味に残る。彼は極めて特異な例外的存在なのだろうか。今日も世界に絶えない大規模な破壊行為だけでなく、社会の組織的な大きな過ちや錯誤にもその小さな影を見ないだろうか。61年12月15日死刑判決。『この日エルサレムは雨と風がひどかったにもかかわらず、傍聴人席は超満員だった』と外電は伝えている。』



私は、いじめの蔓延する学校の状況を思い出しました。

アインヒマンは、自分の身を守るためにも、命令に忠実に行動するより他の選択枝はなかったと思います(全体主義社会なので)。

そして、アーレントに批判されたユダヤ人指導者もしかりです。

この裁判自体もリンチといえると思います。いったん全体主義社会(いじめワールド)に入った以上、選択肢などないのではないでしょうか。

実際、大人の世界にもひどいいじめがあり、みんな見てみぬふりをしています。



宮本延春著 オール1の落ちこぼれ、教師になるより いじめについて


いじめる側というのは、たいていグループをくみます。

 こうすることで罪悪感を分散し、責任の所在をあいまい化するのです。いじめる側の人間も、心のどこかでは悪いことをしているという意識があるのかもしれませんが、これが集団になると変質します。個人的な心理では悪いことでも、集団心理になってしまうと、楽しいことへと変化するのです。

みんなで行うことで正当化された気分になるのです。

 いじめをめぐる人間関係はよいもん、わるいもん、で峻別できるような単純なものではなく、複雑に役割を変えていきます。

 ここでは正義派も歯が立たないのです。いじめは悪いと分かっていても、いじれられている者をかばったりしたら今度は自分がいじめられる側に陥れられますから、手が出せないのです。教師に言いつければ、密告者ということで、やはりいじめの対象になってしまうから、結局、いじめをとめる人間は存在しなくなるのです。


いじめグループが形成された子供の世界では、結局、だれもいじめを阻止できないので、いじめを目の前にした子供が選べる選択肢は

@ いじめる側に入る

A いじめを周りから眺めて楽しむ

B 見てみぬふりをする

のどれかしかないと思っていいでしょう。



 しかも、この3つの態度のどれかを維持していれば安泰とはいかないところが、いじめの複雑なところです。極端な例では、今までいじめられていた者をいじめる側に引き込んで、いじめをかばったものに対していじめをはじめることもあり、まるで合従連衡の中国の戦国時代みたいに、敵味方関係が絶えず複雑に変化していくのです。






2014年12月18日 藤川徳美先生フェイスブックより BUNと蛋白摂取量の判断方法

これまで、蛋白摂取量の判断基準として血清アルブミン値をメインに見ていましたが、BUNも大事な指標のようです。

(ちなみに、腎機能の低下している人では、この判断方法は適しません)




土壌が窒素不足だと植物は枯れてしまい、生きていけません。 これは人でも同じです。 窒素の唯一の供給源はタンパク質です。 タンパク不足=尿素窒素(BUN)低下=窒素不足。 糖質過剰摂取でタンパク不足、ベジタリアンでタンパク不足、では枯れてしまいます。... タンパク不足では話になりません。



以下に11/23の記事を再掲 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 尿素窒素(BUN)とタンパク代謝

炭水化物、脂質はCHOはチョ、炭素、水素、酸素でできている。 タンパク質はCHONSはチョンス、つまり上記3つプラス、窒素、硫黄でできている。

尿素窒素(BUN)は尿素として排泄される窒素量を表しており、つまりタンパク質の代謝産物である。 BUNが低いと言うことは摂取タンパク量が少ないため、タンパク質代謝が滞っていることを示している。

生命活動は、アミノ酸からタンパク質の合成と分解の動的平衡、作っては壊して、作っては壊してを間断なく繰り返している。 摂取タンパク質量が少なければ、分解したアミノ酸を再利用してタンパク質合成をしているため、BUNとして排泄される窒素が減少する。 しかし、分解された一部のアミノ酸は既に変性してしまっている。 アミノ酸の再利用は、例えるならば廃材を用いて家を建てているようなもの。 これでは動的平衡が滞ってしまい、体調不良、病気の原因となる。

病気を予防するためには常に十分量のタンパク質を摂取することが必要。 タンパク質は他の栄養素と異なり体内に蓄積できず、つまり食い溜めができないため、毎日十分量の摂取が必要。

最も重要な生命活動であるので、そもそもタンパク不足では全く話にならない。 タンパク不足を放置して、他の食事療法や医療を行っても全く無駄といえる。



BUNの理想値は15以上。 BUN10以下は深刻なタンパク不足。






2014年12月18日 江部康二先生ブログより{12月16日}

コレステロールの内服治療をどのように考えるか?特に糖質制限を行った場合も含め、的確にまとめておられます。

脂質管理ガイドライン(米国心臓病学会/米国心臓協会、2013年)



世界標準の管理ガイドラインを基に説得力のある見解だと思います。



2014年12月17日 スーパーアスリート来院。

ウルトラマラソン挑戦中の男性が来院されました。

昨日も、練習で42.195km走ったそうです。

ウルトラマラソンでは, 250kmを丸一日くらいかけて走るそうです。

私には想像すらできない世界です。


ぜひ、糖質制限が有効か試してもらいたいところです。



2014年12月17日 東京裁判: ブレイクニー弁護人の弁論

上記動画がありました。学校でこれを見せるべきだと思います。

ブレイクニーの弁護士としてのプロフェッショナリズムが清清しいです。



キッド提督の死が真珠湾攻撃による殺人罪になるならば、我々は、広島に原爆を投下した者の名を挙げることができる。投下を計画した参謀長の名も承知している。その国の元首の名前も承知している。彼らは、殺人罪を意識していたか?してはいまい。我々もそう思う。

それは彼らの戦闘行為が正義で、敵の行為が不正義だからではなく、戦争自体が犯罪ではないからである。

何の罪科でいかなる証拠で戦争による殺人が違法なのか。原爆を投下した者がいる。この投下を計画し、その実行を命じ、これを黙認したものがいる。その者達が裁いているのだ。彼らも殺人者ではないか






2014年12月16日 ルーズベルトの開戦責任: 大統領が最も恐れた男の証言 を読んで思ったこと。



イラク戦争においてアメリカは国際法を無視して{予防的先制攻撃}を行いました。その挙句、大量破壊兵器は存在しませんでした。

私は昭和44年生まれですが、学校では、{日本が悪い国だったから、アメリカにやられて民主主義の平和な国になった}というようなことを散々教えられました。

一般市民が大虐殺された原爆ですら、日本が受けた罰であるという文脈で語られていたと思います。

結局のところ、アメリカの為政者はプロパガンダで自国民をそそのかして、他国の市民と自国の若者の命を奪ったのではないでしょうか。

あの戦争が終わってから、永い時間がたち、本当の歴史的評価がなされる時代になると期待したいです。



フランクリン・ルーズベルト(FDR)がやったことは、ジョンソンが危惧していたシナリオそのままであった。議会の意向を無視して日本を挑発し、日本に開戦を仕向けたのである。これはわが国憲法の精神にも、わが国民の意思にも反した行為だった。政治屋の権化でもあるFDRは、日本に対する最後通牒(訳注:ハル・ノート)の存在を隠し続けた。政権そのものが沈黙を守った。一般国民は今現在においても(わが国の送りつけた)最後通牒の存在さえ知らない。FDRが用いた策略とだましのテクニックは見事なものである。あのレーニンに匹敵する狡猾さであった。

 FDRの行為は反倫理的である。FDRは狡猾で、抜け目のない政治家だった。ホワイトハウスに居座って、真珠湾攻撃の日は{わが国の歴史に刻まれる恥辱の日}などと演説し、全ての責任を日本に被せたのである。今にして思えば、まさにプロパガンダの茶番劇であった。






2014年12月15日

高血圧診療ガイドライン関連の情報です。ニッケイメディカル誌より



糖尿病合併の日本人高血圧患者 厳格降圧のメリット認められず


 糖尿病を合併した高血圧患者の降圧目標に関しては、欧米のガイドラインは従来の130/80から140/80-90に緩和した。しかし日本は引き続き130/80の厳格管理を推奨している。今回、血圧値が130-140/80-90だった糖尿病患者と130/80未満だった患者の間では、アテローム性動脈硬化症イベント発症率に優位な差はないことが確認された。これは、日本の2型糖尿病患者において動脈硬化イベントの一次予防に対する低用量アスピリンの効果を見たJPAD試験の参加者を継続的に追跡しているJPAD2研究の結果で、熊本大学の副島弘文氏らが報告した。



 対症はオープンラベルの前向き無作為比較試験であるJPAD試験で対象とした30-85歳の2型糖尿病患者2536人。アテローム性動脈硬化症の既往がある患者や抗凝固薬による治療を受けている患者などは除外。追跡は2013年7月までで、その期間の中央値は8.3年。

 測定血圧の平均値に応じて、収縮期血圧140未満かつ拡張期血圧90未満のL140群(1862人)と140以上または90以上のH140群(674人)の2群に患者を分けて比較した。患者背景を見ると、H140群が優位に高かった項目は、BMI,糖尿病性腎症、Ca拮抗薬やARB,ACE阻害薬の処方率など(いずれもP<0.0001)。動脈硬化イベント(心血管死亡、心筋梗塞、脳卒中、TIA,大動脈・末梢血管疾患など)の発生率は、H140群がL140群よりも有意に高く、HRは1.88(95%CI:1.48-2.37、 P<0.0001)だった。

 さらにL140群を130/80未満のL130群(830人)と、130以上140未満/80以上90未満のM130−140群(1032人)の2群にわけ、H140群と合わせて3群で同様の比較を行った。動脈硬化イベント発生率はL130群よりもH140群が有意に高く、HRは1.85(95% CI:1.40-2.45、P<0.0001)だった。しかし、L130群とM130−140群ではHRが0.97(95% CI:0.72-1.29)で、有意な差はなかった。

 動脈硬化イベントの予測因子をCox比例ハザードモデルにより探索したところ、独立した有意な因子としてH140、65歳以上、男性、脂質異常症、蛋白尿15μg/dl以上の5つが抽出された。H140 のHRは1.859(95%CI:1.393-2.480 P<0.0001)だったが、M130-140は1.006(95%CI:0.752-1.347、P=0.9662)で有意な予測因子ではなかった。

 これらの結果から副島氏は、{今回のJPAD2研究により、日本人糖尿病患者の血圧を130/80以下に下げる厳格な管理は必要なく、降圧目標は欧米のガイドラインと同じ140/90でよい可能性が示唆された}と話した。






2014年12月13日 すごいと思った人。


マザーハウスの山口絵里子さんです。{裸でも生きる}という本を読みました。

ガッツと、頭のよさ、無謀さも含め、すごいです。


NHKの番組で、母校の小学校で授業をしたとき、大人の用意した枠からはみ出せないこどもが多いと痛感したと、山口さんはいう。

 なんでもソツなくこなすいい子が多い。でも、そういう子は打たれると弱いのです。会社で数多くの学生を面接し採用していますが、挫折体験のない人は長続きしない傾向があります。受験を失敗したとか、いじめにあったとか、何らかの挫折を経験した人には、自分で枠、枷を壊して乗り越えてきた強さがある。それは社会で働く上で貴重な力です。

 挫折は原動力になると、山口さんは強調する。

 小学校のいじめはつらい体験でしたが、あの経験があったからこそ、現状に不満を感じアクションを起こすことが身についたと思っています。挫折体験は、強くなるチャンス。成功への序章だといってもいい。ただ、子供の場合、好機にできるかどうかは、親御さんの関わり方しだいだとおもいます。失敗しても黙って見守り、むしろ「いい経験ね」という態度をとるといいのではないでしょうか。{ZigZag time nov.2014より}




情熱大陸 マザーハウス 山口絵理子

情熱大陸 マザーハウス 山口絵理子  




2014年12月11日 真珠湾攻撃

去る8日、ある年配の方とお会いした時、{今日はあの日ですなあ}と話しかけられました。

一瞬、何のことかな?と思いましたが、この方が陸軍で大陸を廻っていたことを思い出しました。

あの時代に生きた日本人には忘れがたい日なのですね。



一説によると、戦争を避けたかった日本は、何とかして戦争をしたかったフランクリン・ルーズベルトに、策略によってひきずりこまれたそうです。

様々な歴史研究がなされ、新しい事実が明らかになってきているようです。

とはいえ、日米の戦争はやはり宿命だったのではないでしょうか。



ルーズベルトの開戦責任: 大統領が最も恐れた男の証言

 

2014年12月10日 食後低血圧

入浴後、お饅頭を食べたあと、意識を失った方が受診されました。血圧がひどく下がっていたようです。



食後低血圧(+入浴後低血圧?)と考えました。

高齢者の失神には、食事、特に糖質が関係しているようです。このようなケースは珍しくありません。カルピンチョ先生ホームページより



高齢者や糖尿病患者に多い食後低血圧は糖質制限で防げる



食後低血圧と糖質摂取とαグルコシダーゼ阻害剤





メルクマニュアルより

食後低血圧とは、食後に血圧が過度に低下することです。

めまい、ふらつき、転倒などを起こします。

食後低血圧の診断では、食前と食後の血圧を測定します。

少量の低炭水化物食を頻繁にとることで症状が軽くなることがあります。



食後低血圧は、高齢者では多いと3分の1に起こりますが、若年者ではほとんどみられません。特に食後低血圧を起こしやすいのは、高血圧の人や、体内の代謝を調節する自律神経系を管理している脳の一部が損傷するような疾患がある人です。そういった疾患には、パーキンソン病、多系統萎縮症(シャイ・ドレーガー症候群)、糖尿病などがあります。



腸が食物を消化するには大量の血液が必要です。食後、腸に血液が集まると、血圧を維持しようとして心拍が増加し体の他の部位の血管が収縮しますが、一部の高齢者ではこの代償機序が十分には働きません。血流は正常に腸へ集まりますが、血圧を維持できるほど十分には心拍は増加せず、血管も収縮しません。その結果、血圧は低下します。



食後低血圧では、めまい、ふらつき、気が遠くなる、失神などが起こります。高齢者が食後にこのような症状をみせた場合は、食前と食後の血圧を測り、食後低血圧が原因かどうかを確かめる必要があります。



食後低血圧の症状がみられる人は食前に降圧薬を服用しないようにし、食後は横になって休む必要があります。降圧薬の服用量を少なくしたり、少量の低炭水化物食を頻繁にとることで、食後低血圧の症状が軽くなることがあります。一部の人では、食後に歩くことで血流が改善しますが、歩くのをやめると血圧が低下する可能性があります。



食前に特定の薬を服用して症状が軽くなる場合があります。たとえば、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は塩分を保持し、血液量を増加させます。カフェインは血管を収縮させます。朝食前にだけとるようにすれば、眠れなくなることも、耐性が生じて効果を得るのに必要なカフェインの量が増えていくこともありません。他の治療法が効かない重度の症状のある人や入院中の人には、オクトレオチドを注射して腸への血流を減らすこともあります。



 


2014年12月08日 体調は最良のバロメータ



上記は、たがしゅう先生の言葉です。

 本日来院された男性ですが、糖質の摂取量を減らして体調がよくなったとご報告いただきました。

糖質がいかに心身に影響を与えていたか気づかれたとのことです。

多くの現代人は動物的な感覚を失っているのではないでしょうか。



下記は、本日の夏井先生のブログより。

大変説得力のある文章だと思いますが、いかがでしょうか。



  時々,次のようなメールをいただきます。

 糖質制限をして自分自身は体の調子が良くなっているし,糖尿病も糖質制限で治ることも理解している。しかし,同じ病院の糖尿病内科の先生は「糖質をしっかり摂って,薬を使ってしっかり下げる!」の一点張りです。  私はその先生と喧嘩をする勇気はないし,関係が悪化することも望みません。日々悩んでいます。



 病院勤務の先生で同様の悩みをお持ちの方は多いと思います。  でも結局は「医者を選ぶのは患者」なんですよ。患者に選ばれる治療をしていれば患者が増えるし,患者に選ばれない治療をしていれば患者は来なくなります。繁盛する焼き鳥屋と潰れる焼き鳥屋があるのと同じです。



 今は,ネコも杓子もスマホを持っていて,簡単に瞬時のうちにネット検索できます。糖尿病で病院を受診し「あなたはインスリンが必要です」と説明されても,「他の治療があるかもしれない」と思ったら直ちにスマホでググれます。それこそ,病院の待合室でもググれます。  すると,世の中には「カロリー制限と薬とインスリンの治療」,「糖質制限による治療」の二つがあることがわかります。そしてさらに情報を集めれば,前者の治療では一生インスリンを打ち続けなければいけないことがわかり,一方,糖質制限ではインスリンも薬も不要で,好きなだけお肉が食べられ,糖尿病が治ってしまうことがわかります。  これは自分の一生を左右する二択問題です。インスリンを選ぶ人もいれば,糖質制限を選ぶ人もいるでしょう。それはその人の人生であり,生き方の問題です。重要な事は「選択肢」がある,ということです。



 私の外来を見学された先生はご存知と思いますが,患者の半分近くが乳幼児で,しかもその9割が熱傷患者さんです。そして半分以上が様々な大学病院形成外科/皮膚科から逃げ出してきた患者さんです。なぜ熱傷患者さんは大学病院から逃げ出すのかといえば,それらでは「患者に選ばれる治療」をしていないからです。患者に拒否される治療しか提供できないから,患者が逃げ出すのです。



 私は医学界とか学会には喧嘩を売りますが,個々の医者とは争いませんし,湿潤治療や糖質制限を押し付けることもしません。ただ,治療の選択肢としての湿潤治療/糖質制限について情報を発信し続けるだけです。湿潤治療による熱傷患者の症例を600例,700例と積み重ねていくだけです。医者(=治療法)を選ぶのは患者さんの権利であり,患者さんは強制されることなく自由に治療法を選ぶべきだからです。  患者さんに選ばれる真っ当な治療をまじめに行う,それが医者の仕事です。それ以上でもそれ以下でもありません。




 



2014年12月01日 Medical Tribune誌 2014年11月27日より

成人の難知性てんかん発作減少に低糖質・高脂肪食が有効



米中部大西洋沿岸てんかん・睡眠センターのPavel Klein氏らは、ケトン産生食あるいは修正アトキンス食が成人の難知性てんかん発作に与える影響を検討した研究をレビューし、低糖質・高脂肪を特徴とするこれらの食事療法がてんかん発作の減少に有効である可能性が示唆されたとNeurology(2014;83: 1-8)で報告した。



成人を対象とした検討は限定的

  世界保健機関(WHO)によると、世界全体で約5,000万人がてんかんに罹患している。米食品医薬品局(FDA)は過去20年間に抗てんかん薬として16製剤を承認しており、そのうち5製剤は新規の作用起序を有する。しかし、これらの薬剤を用いても発作が治まらない難知性てんかん患者が約35%存在することから、新しい治療法が求められている。

 ケトン産生食は高脂肪・低糖質を特徴とし、脂質と炭水化物+たんぱく質の重量比を4:1または3:1に設定して、約90%のカロリーを脂質から摂取する(典型的な米国の食事の炭水化物・脂質・タンパク質からのカロリー摂取率は、50、35、15%)。制限が多く複雑なケトン食を簡便にしたのがアトキンス食であり、難知性てんかん患者の実施が容易なようにさらに改良したものが修正アトキンス食である。修正アトキンス食では、1日の炭水化物摂取量を15-20gとし、脂質と炭水化物+タンパク質の重量比を1:1に設定する。

 Klein氏等によると、これらの食事法は小児の難知性てんかん患者でしばしば検討され、有効性が示されてきたが、成人における検討は限られており、全て非盲検の研究である。したがって研究間の異質性が高いため、今回のレビューではメタ解析を行わず、個々の研究ごとに検証することとなった。



3割の患者で発作頻度が半減

 解析対象は成人の難知性てんかん患者においてケトン産生食を検討した研究5件47例と、修正アトキンス食を検討した研究5件85例のデータ。結果を総合すると、ケトン産生食群の32%、修正アトキンス食群の29%で、発作頻度が50%以上減少し、それぞれ9%と5%で発作頻度の減少が90%を超えた。

 いずれの食事法でも鎮痙攣効果は数日〜数週間で迅速に発現し、長期間持続した。ただ、小児の場合と異なり、食事法を中止したあとも効果が持続することはなかった。副作用はいずれの食事法でも軽度かつ同等の頻度で、もっとも重度のものが脂質異常症だが治療中断で解消した。また、最も多い副作用は体重減少であったが、これは肥満患者にとっては有益とも考えられる。

 成人での実施で最も重要な障壁は、登録率の低さと中止率の高さである。総合すると、登録基準を満たす患者のうち参加に同意したのは3分の1〜7分の1であった。また、ケトン産生食群の51%と修正アトキンス食群の42%が、試験終了を待たずに中止していた。  Klein氏らも{残念ながら、これらの食事法は制限が多く複雑であるため、長期の実施率は低い。ほとんどの人は最終的に料理面での制約や社会的制約を理由に中止している}と認めたうえで、{しかし今回の研究は、こうした食事がてんかん患者に対する選択肢の1つとして中等度から非常に高い有効性を持つことを示している。効果は迅速に発現するため、挑戦してみたい患者はまず実践し、長期継続するか否かはそれから決めればよい}と述べている。






2014年12月01日 プライマリケアセミナー



先日行われたプライマリーケアセミナーに参加しました。

テーマは糖尿病とそれに関係する病気(神経症、腎症、脂肪肝)などについてでした。ちなみに後援は糖尿病新薬SGLT2の製薬メーカーです。



内容
@心筋梗塞、脳梗塞など(専門用語で大血管障害という)を防ぐためには、食後の高血糖をおこさないことが大切。グリニドなどの血糖降下薬が大切。(糖尿病専門医)

A新薬SGLT2について
   なぜ皮膚疹がでるのか?・・・メラニン色素を作る細胞にSGLT2のレセプターがあるからかもしれない。
SGLT2は直接筋肉を障害する可能性??

副作用が問題になっていることもあり、結果的にこの新薬を積極的に勧める講演会ではありませんでした。



B司会から神経内科医へ
{糖質制限をして神経筋疾患に不利益があるのか?}

神経内科医の答え
基本的にケトーシスは、神経にも筋肉にも保護的に働くことがわかっている。不利益があるとは考えにくい。




C講演会の最後のまとめ

司会者 そうはいっても脳活動に最も大切な栄養は糖質でありますから・・・。





SGLT2が腎臓以外に発現しているという情報は初耳でした。

この神経内科医はてんかんに対するケトン食療法について知っているのでしょう。それに対して、司会者の最後のコメントは根拠がありません。専門家の立場の意見を最後にひっくり返してどうするのでしょうか。

スタイルがスマートで頭がよいと思われている先生で、私もそのように思っていましたが。

がっかりしました。



2014年11月30日 すばらしい臨床研究

以前にも紹介した鹿児島大学の納光弘先生のグループの研究です。


健常成人26人の5時間糖負荷試験の驚きの結果



グラフを見ていると、多くのことに気づきます。

@正常人の研究だが、血糖値が200mg/dlを超える人はめずらしくないようである。

A62%に低血糖を認めている(機能性低血糖症は普通のこと)

B約70%にインスリンと血糖値のずれを認めている。(これまで行われてきた糖尿病薬物療法の危険性)

C糖質がいかにホルモンバランスを乱し、エネルギー代謝を混乱させているのか。下記データより(手書きのグラフがよいです)。


健康成人17名におけるインスリン拮抗ホルモンの動き


並べてみると、一目瞭然で、血糖最下点の値が 80 mg/dl 台になると警報反応が見られないことありますが、70 mg/dl 台以下では『警報装置が鳴って救急車がサイレン鳴らしながら反応したかのごとき動き』が全例で起こっているのです。


糖質という食物をどうとらえるか示唆にとんだ研究であると思います。

納光弘先生の結論は下記のとおりです。


私は糖質制限食を勧る  2013年3月28日


この中で、バーンスタイン博士についても触れています。

糖尿病のコントロールに完全に成功したバーンスタインは、このすばらしいコントロール法を糖尿病の治療をする医師達に知らし、苦しんでいる患者の治療に役立ててもらいたいと考えた。 バーンスタインはこの方法の詳細を英文論文に仕上げ、New England Journal of Medicine はじめ多くの学術雑誌に投稿したが、ことごとく断られた。

 医学会がバーンスタインを認めようとしないで、ぐずぐずしている間にも莫大な数の糖尿病患者が死んでゆくことに怒りと焦りを感じたバーンスタインは、自ら医者になることを決意した。





2014年11月29日  

藤川心療内科の藤川先生の症例報告です。すばらしいと思い、掲載させていただきました。



糖質制限は統合失調症におけるナイアシン治療効果を高める

症例:30代女性、主婦
10年前から幻聴が出現。近所の人の声で干渉される。
A病院やBクリニックに通院していたが、症状が改善しないため、H25.4より当院に通院。初診時、幻聴、不眠が続き、イライラして落ち着かないと訴えた。
H25.4、BUN9.5、RBC448、Hgb13.0、MCV90.0、フェリチン12。
フェロミア1T追加し、糖質制限高タンパク食を指示。
エビリファイ、ジプレキサ、リスパダールなどを投与するが、改善せず。ジストニアやアカシジアなどの副作用を生じた。糖質制限はできていないという。
H25.9、BUN8.4、フェリチン37。
H26.2、ナイアシン3g+B50コンプレックスを開始。
2週後には症状は劇的に改善し、楽になったと。”今までの薬で一番効いた”という。
H26.6、プロテインを開始。
しかし、H26.8、幻聴が再燃し、考えが伝わる気がすると。
H26.9、糖質制限を開始し、2週間後には病的体験が軽減。
その後も安定した状態が維持できている。
現在、ジプレキサ10mg、セロクエル100mg、ランドセン1mg、フェロミア1T。
ナイアシン3g+B50コンプレックス+プロテイン+スーパー糖質制限。
H26.10、BUN7.5, フェリチン47。



解説:20代に幻覚妄想状態で発症した統合失調症。抗精神病薬による治療では十分な効果が認められなかった。ナイアシン投与により当初は劇的に効果があったが、半年ほどで効果が減弱し、症状が再燃した。深刻な鉄タンパク不足を呈しており、鉄剤、プロテインを使用したが、はっきりとした効果は認められなかった。糖質制限を開始後、症状は改善し、安定した状態を維持できた。
不足している栄養素を追加するだけではなく、不必要な糖質を除去することの重要性が明らかとなった症例。プロテイン+糖質制限にてもBUN低値が続いており、何らかのアミノ酸代謝異常が存在していると考えられる。糖質制限は、その代謝異常の弊害を軽減する様子。





2014年11月28日  

夏井睦先生、江部康二先生のブログをチェックしておられるかたはご存知と思います。

飽和脂肪酸悪玉説を否定する論文がでているようです。

 世界的に、栄養学の見直しが始まっていると考えられます。



炭水化物は飽和脂肪より健康に悪い?研究



論文の主執筆者、米オハイオ州立大学(Ohio State University)のジェフ・ボレック(Jeff Volek)氏は、論文の中で「ポイントは、摂取する飽和脂肪は必ずしも体内にセーブ(蓄積)されないこと、そして、脂肪に関してセーブ(調節)すべきの主要な因子は、食事に含まれる炭水化物だということだ」と語っている。



「飽和脂肪に関する誤解が広く流布している。集団調査では、食事の飽和脂肪と心臓病との関連性は明らかに存在しない。それでも、食事指針は飽和脂肪の制限を推奨し続けている。これは科学的ではないし、賢明でもない」とボレック氏は話している。





2014年11月20日そのA 「血圧147」で薬は飲むな より



大櫛陽一先生の本です。第2段はコレステロールについて。

コレステロールについては大櫛先生のご専門です。

かなり以前より日本代謝栄養学会 vs 日本動脈硬化学会のバトルが続いていました。

この春には、日本人間ドック学会 vs 日本動脈硬化学会がバトルになり、週刊誌などでも大きく取り上げられました。

血圧と同じく、日本代謝栄養学会、人間ドック学会の主張が最新の世界基準と合致しているようです。



@欧米のLDLコレステロール診断基準は「190」


LDLコレステロール値が「異常」とされる基準が昨年「190」に統一されました。また、中性脂肪に関してはもう6年前に「1000」とされています。



A欧米ではコレステロール値を測定すらしない


たとえば、米国内科医師会のガイドラインでは、一般人ではコレステロール値の測定は一生に一度としています。


家族性高コレステロール血症を見つけるのが目的(男性の500人に一人、女性はあまり関係ない。男性は35歳未満、女性は45歳未満)


2004年くらいから現在のような見直しがなされ、LDLコレステロールを下げること自体が見直されていったのです。事実、米国心臓病学会では先ほどの「190」という診断基準はありますが、「低下目標」は廃止されています。

 なぜこのような見直しが行われたのかといえば、答えは簡単です。世界中で続々と、LDLコレステロールや中性脂肪を下げることは病気の予防や治療に役立たない、ということが明らかになり、さらに、むしろ下げることで身体に悪影響を与える研究報告が報告されてきたからです。




具体的な副作用は、糖尿病の発症が1.7倍になったという報告や、うつ、睡眠障害、発癌、記憶喪失、性機能障害、肝質性肺炎、多発性神経炎、催奇形性など。

コレステロールの生体内での重要性を感じますね。



本当に二次予防でスタチンを飲まなくてよいか?・・・この点は、現時点の私の立ち位置としては循環器医に従って処方しています。

家族性高コレステロール血症については、まだ情報が「エンハンス試験」ぐらいのようで判断が難しいです。

その他の方については、糖質制限でLDLコレステロールサイズを大きくするという方針でどうでしょうか。




2014年11月20日 「血圧147」で薬は飲むな より



最近よく江部康二先生とコラボレーションをされている大櫛陽一先生の本の情報です。


@昨年12月にアメリカの高血圧ガイドラインが見直された。

「60歳以上では上が150以上」

これに対し、日本高血圧学会のガイドラインでは年齢による基準がない。

血圧は「年齢+90」で現行の基準をかなり超えても気にしなくてよい。(大櫛先生の意見)


A欧米型の食生活で激減した「脳内出血」

 これは、「新しい栄養学」の項目で繰り返し説明したとおりです。

 むしろ、飽和脂肪酸摂取不足で脳出血が増加することが危惧されています。


戦後、食生活に欧米型の「肉」が入ったことで、血管が丈夫になったのです。


B降圧薬によって死亡率が上昇する可能性

この辺りは、原著を読まないとなかなかコメントしずらいです。


めんどくさすぎるので、糖質制限で血圧を下げるという方針でどうでしょうか。




2014年11月19日 男があこがれる男



高倉健さんの訃報が報じられ、知人の方が故人のことを語る様子が報じられています。



私もある方のことを思い出しました。

ご近所の方で、現場仕事の親分です。ちょっと見怖い風体なのですが、とても暖かく、大変人望の厚い人でした。

特に同性から好かれていたようです。

誰に対しても公平で、差別しなかったそうです。

例えば、在日の方の書類の手続きなどをどんどん手伝ってあげたりして、亡くなった時には、涙を流して感謝の言葉を述べられたそうです。



 男にあこがれられる男達に、少しでも近づきたいものです。



2014年11月18日 A

コウノメソッド2015年版が出されています。

進化スピードが速いです。

エーザイはテレビCMを行って、レビー小体病に対するアリセプト処方を推奨しています。(小阪先生が出ているCM)

河野先生はこの治療法を強く批判しておられます。





2014 年のトピックス

●グルタチオン注射 平成26年1月16日から名古屋フォレストクリニックでグルタチ オン点滴が開始され、年間700名以上に施行し歩行改善、筋弛緩、筋痛除去などの即効作 用が確認された。フェルガードとの併用はFG療法を称し、認知症以外の領域(小児精神科、 神経内科難病、膠原病)に大きな治療手段の可能性を見出した。



●カプサイシンプラスが、New フェルガードLA と並んで嚥下機能に即効することが確認 された。



●コウノメソッド医療者と称して、医師、看護師、薬剤師に加えてあらゆる医療従事者、認 知症介護経験者、あるいはそれ以外でも熱意のある方を登録するようになった。



●多系統萎縮症に認知症と小脳失調をほぼ同時に発病する患者がいることを発見し、 MSA-CDと呼ぶことを提唱した。



●アリセプトがレビー小体型認知症を適応症として認められた。国内の認知症医療を根底か ら揺るがす後退となった。



●消費税が5%から8%に引き上げられ、経営上院内調剤がますます困難となった。また精 神科の薬や睡眠薬の多剤処方が減点対象となり、重度の精神疾患患者を入院させずにすませ ることが困難となってきた。






2014年11月18日



花粉症の舌下免疫療法について

春になるとスギ花粉症の方が多く来院されます。最近は、舌下免疫療法の質問をしばしばいただきます。

昨日は、すでにシダトレンスギ花粉舌下液を服用されている報告もいただきました。

図および情報を(ニッケイメディカル2014.11の記事より)



@毎日2年以上の服用を続ける必要がある。


Aさらにその効果を持続させるには3-5年の投与継続を要する。


B臨床試験では治療グループが有意に症状が軽くなっていた。(ただし、ゼロになるわけではない。平均して半分くらいか?)


Cごくまれにアナフィラキシー反応の可能性があるよう(0.025%)?。安全性は高いよう?・・・少し時間がたつと報告が出てくる可能性。


D15%の人は2年間続けても無効。


Eスギ花粉以外には無効。






2014年11月17日

頭痛とめまいについて

「片頭痛性めまい」という言葉をお聞きになられたことがありますか?



数年前にためしてがってんで放送された頃から、一部で有名になりましたが、まだまだ認知度は低いようです。

この数年で、以下のようなことを学びました。



@病院に来るような人の頭痛はほとんど片頭痛ではないかという説がある。きちんと病名を告げられていない患者さんが多い。



A頭痛薬を薬局で買って常用しているような人はほとんど片頭痛である。



B片頭痛に伴って、めまいをおこす人がいる。必ずしも、一緒におこるわけではない。(年配になると、頭痛は軽くなり、めまいだけ残る人もいる。また、頭痛がない片頭痛性めまいの人がいるらしい(そうなると病名がおかしいですが)。



Cこれまでは、片頭痛と筋緊張性頭痛を分類していたが、あまり意味がないという話らしい。

片頭痛が中〜重篤な頭痛を呈するのに対し、むしろ片頭痛の軽症のものこそが緊張型頭痛ではないかという説(転換説:convergence hypothesis)もある。つまり片頭痛も緊張型頭痛も元来は同じ疾患であり、三叉神経の末梢レベルでのみ刺激される軽症が緊張型頭痛であり、中枢レベルで刺激される中等症〜重症が片頭痛であるとしている。

(Step Beyond Resident 2 p123 林寛之著)より




D片頭痛が糖質制限で改善する人が多い。緊張型頭痛といわれていた人で、糖質制限で改善した人もいる。



 「頭痛とめまいには糖質制限を」が結論です。





2014年11月15日

世間知らずで生きてきた私です。

恥ずかしながら、最近やっと大人の世界がわかってきました。

日本高血圧学会の幹部が関わっていたディオバン事件、日本糖尿病学会の糖質制限否定、日本動脈硬化学会のコレステロール治療に関わる態度などを通してです。



学会とは?また診療ガイドラインとは?・・・・・すなわち、薬をたくさん売って、製薬企業を儲けさせるのが真の目的である。



 これらの学会のガイドラインは、欧米のガイドラインと比較して、薬を多く使わせるように厳しくなっています。

  以下の記事はジャーナリスト魂が感じられる記事だと思います。



日経メディカル 2014.11月号  33ページより

日本高血圧学会の理事長が交代
他の理事居座りで改革実行に疑問符




一連の研究不正の発覚を機に、それらに学会幹部が関わっていたなどとして内外から批判を浴びている日本高血圧学会。

活動の大きな成果である「高血圧治療ガイドライン 2014」にさえも、製薬企業との癒着の産物ではないかという疑念が投げかけられ、高血圧診療に取り組む第一線の医師からは「ガイドラインを本当に信用していいのか」という声も聞こえてくる。  




信用していいわけがないでしょう!!

私はこれから日本のガイドラインは参考程度と考えることにします。




2014年11月13日

6月に「新型鉄不足」についてためして合点で放送がありました。

血液検査の時に「フェリチン(貯蔵鉄)」を追加して検査すると、女性はやはり不足しておられる方が多いですね。

鉄剤を少し内服して、「元気になった」とおっしゃられる方も何人かおられました。(内服前に貧血でなくても)

血液検査の時に、追加で調べてもらうとよいかも知れませんね。



50.新型鉄不足について(夕方うつ、肌荒れ、不眠、不正咬合など)(2014.06.07)



以下は藤川先生に教えていただきました。



鉄欠乏に関して;

当院では初診時に女性患者には全員フェリチンを調べています。

80%の患者ではフェリチン30以下と鉄欠乏あり。

同時にBUN10以下のタンパク不足も認められます。

女性のうつ、パニックは鉄タンパク不足、もしくは機能性低血糖で説明がつきます。




2014年11月12日

先日、たがしゅうブログのたがしゅう先生が、子宮頸がんワクチンの後遺症らしき患者さんの報告をしておられました。


現実を直視せよ


雑誌などには、ワクチン再開推進派の意見もよく掲載されています。

ワクチン再開推進派は婦人科医が多いようです。

 しかし、まだ@ワクチンによる脳炎であるのか、A心因反応(つまり気のせい)なのか、神経専門医の中で結論がでていません。

 慎重に考えるべきだと思います。



下は家族や患者さんの訴えの動画(ちなみに福島瑞穂さんの政治的立場を私は全く支持しておりません)



2014/07/04 車いすの少女たちが子宮頸がんワクチン接種勧奨反対を求め訴え 

厚労省はワクチンを問題視する研究グループを排除







2014年11月11日

Medical Tribune 2014.11.6号より

カナダの前立腺がん検診ガイドライン
PSA検診を推奨せず




 カナダ予防医療対策委員会(CTFPHC)は10月27日、前立腺特異抗原(PSA)検査による前立腺がん検診に関するガイドライン(GL)を20年ぶりに改訂し、CMAJ(2014年10月27日オンライン版)で公表した。同GLでは合併症や偽陽性率の高さなどPSA検診の害を示す多くのエビデンスがある一方で、死亡率の低下を示す明確なエビデンスはないとの見解が示され、「前立腺がんの既往がない全年齢層の男性にPSA検診を推奨しない」と記された。



 ベネフィットは不明確だが害には一貫したエビデンス

  改訂GLでは、PSA検診の害として@陽性例の11.3%〜19.8%は偽陽性 A前立腺がんを完全に除外できる閾値がない B陽性例で実施されることの多い生検には血尿、感染症、入院、死亡などのリスクがある CPSA検診による過剰診断率は40〜56%と推定されるーなどを指摘。55〜69歳で前立腺がん死亡率のわずかな低下を示す報告もあるが一貫したエビデンスはなく、全年齢層ではPSA検診による全死亡リスク低下を示すエビデンスはないこと、PSA検診および治療による害に関しては一貫したエビデンスがあることなどに基づき、今回の推奨内容を示したと説明している。



 改訂GLの対象は、高リスク群を含む前立腺がんの既往歴がない全ての男性。このうち55歳未満および70歳以上の男性に対しては、PSA検診を実施すべきでないことが強く推奨されたが、55〜69歳では「弱い推奨」に位置づけられた。

55〜69歳に対する検診に関してCTFPHCは、わずかな死亡リスクの低下の可能性を重視し、PSA検診を希望する男性には、よく説明した上での判断を求めている。





2014年11月06日

英国の合唱指導者、ギャレス・マローンのドキュメンタリーを再放送していました。



ギャレス・マローンの職場で歌おう!(再)



病院の中も、階級社会である様子がわかりました。おえらい外科の先生が、理屈優先で、結構な問題児になっていました。

医療関係者は、仕事柄クールになってしまいがちです。その辺りをギャレスもよく理解して次の曲を選びます。



ギャレスの職場で歌おう ルイシャム病院合唱団 Everybody Hurts



このドキュメンタリーをみると、合唱の持つ力を感じます。人と人との連帯感、気持ちを表現できる、優しい気持ちを取り戻せる、などなど。

この乾いた、冷たい世の中に必要なのは合唱かもしれません。



Wherever You Are (Military Wives with Gareth Malone) Official Video




2014年11月05日

糖質制限を推奨する塾の先生のブログの記事がありました。

元 代ゼミ講師・三島の「三島塾」と「江部康二先生式糖質制限食」

いつも思いますが、世の中の動きは早いです。それにひきかえ、医療の世界は・・・・。



健康な心と体で、学びを極める、「スーパー糖質制限食」の日録

塾長のブログが糖質制限の話ばっかり。
よく言われます。(笑)

だって、塾を運営するって、よいこともあれば悪いこともあって、
そういうことを赤裸々に書くと、個人情報のダダ漏れにつながる。
だから、塾内で起こっていることは、そうそう書けません。
で、何書こうかと思いつつ、ネタが乏しく、ついつい休みがちに。

それでも、6月が真ん中を過ぎたので、
生きてるよ、
それどころかゲンキだよと、一言書くことにしました。(笑)

いま、朝4時半に塾を明けて、期末対策をしています。
閉めるのは11時だから、家に帰るのは5時間程度。
風呂に入ってお酒を飲んで、3時間睡眠で終わり。
4.5時間なら、OKだけど、3時間は、ちょいときついかな?

なんと、この生活、7月8日まで続きます。
5月から、6月6,7日にお休みを頂いて以来、突っ走ってます。

でも、疲労感、倦怠感はありません。
なぜなら、今年度も、やる気のある、私好みの塾生が集まってくれたからです。

頭の良し悪し以上に、勉強の仕方をアドバイスしてやれば、子供は変わり成績は伸びるのです。
指導がうますぎて、「先生、朝5時に塾を開けてくださいっ」て、生徒が言ってくるんです。

63歳にして、165.5cm、体重62±1kg、血圧:朝127/78
で、がんばれるのは、もちろん、糖質制限のおかげ。






2014年10月30日





日本の高血圧診療ガイドラインが今年改定されています。 世界的基準の方が緩やかな降圧目標になっています。

糖質制限による減量で降圧するのがとても有効です。



ニッケイメディカル 2014.01 米高血圧ガイドラインが10年ぶりに改定

高齢者の目標値は150/90



 米国の改定高血圧治療ガイドライン(JNC 8)が2013年12月18日に発表された。改定作業が始まってから5年、これまで使われていたJNC7の発表からは実に10年が経過しており、改訂版の発表が長く待たれていた。

 今回、大規模なランダム化比較試験のみを対象とし、特に降圧薬による治療開始値や治療目標値、薬剤の選択基準について、臨床的アウトカムを改善するかという視点に限定して論文を評価したという。

 こうした検討の結果、高血圧や前高血圧といった疾患の定義には言及せず、60歳以上の高齢者の降圧目標値は150/90mmHg未満に引きあげられた。

さらに第一選択の降圧薬は、利尿薬、ACE阻害薬、アンジオテンシン2受容体拮抗薬、カルシウム拮抗薬の4剤が横一線で推奨される(黒人以外の場合)など、大幅な変更となった。

http://jama.jamanetwork.com




2014年4月14日

 高血圧治療ガイドライン2014年版が出版されました。

これまでは、The lower, The better でしたが、 今回は海外のガイドラインと同じく緩和されています。

@JSH2009までのガイドラインでは、降圧目標を130/85未満としてきた。

AADAでは 2型糖尿病患者の降圧目標が140/80未満に緩和された。ESH-ESCガイドラインでも、2型糖尿病患者の降圧目標が140/85未満に緩和された。しかし本邦は、脳卒中の発生率が欧米に比べ依然として高い。・・・130/80を目標とする。






2014年10月29日





先日から続いて、代書屋さんの花粉症の記事です。

糖質制限で、今年は花粉症がでなかったそうです。



最近、舌下免疫療法が保険適応となり、話題になっています。そんなことより先に糖質制限してみたほうがよいですよね。



アナフィラキシーショックまで起こしていた花粉症状が、きれいサッパリなくなったわけ。






2014年10月28日

学校給食の問題について代書屋さんが書かれています。



学校給食への糖質量表示がはじまる?文科省「食品成分表」の改訂前に知っておくべき「糖類」「糖質」「炭水化物」のちがい。



厚労省、20年に日本初の糖類摂取量基準策定へ〜消費者庁の対応次第では非表示の懸念も



糖質制限についてご存じない方には、ぴんとこないかもしれませんね。



@今年の3月5日、WHOが糖類(砂糖)の摂取量は一日のエネルギー摂取量の5%未満にと提案

Aこれにならって、文科省(もちろん給食の責任者です)も糖質(炭水化物)の量の表示をしようとしている。



糖類とか、糖質とか、炭水化物とかややこしくてわかりにくいですね。

映画 Fed Upの中でもこの辺がネックになって話があいまいになっていました。

要するに、「体の中でブドウ糖に変換されるもの」はすべて減らすことが正しいです。

糖質まみれの給食が少しはまともになるとよいのですが。




2014年10月27日

週末は、すごい糖質制限推進派の飲み会でした。



○○病院内科のK先生、 広島代書屋日記のO先生、K先生奥様兼糖質制限推進ナースと私の4人です。

三人の話を聞いていて、とても勉強になりました。



K先生は院内で湿潤療法と糖質制限を行ったところ、(二つとも)倫理委員会にかけられることになったそうです。

ところが、待てど暮らせど、いつまでたっても倫理委員会は開かれず・・・・・。

(単なる脅しだったのか?あるいは調べて負けるのに気づいたのか?)

糖尿病専門医との付き合いより、患者さんの利益を考えて行動しておられ、えらいと思います。

(一般の方は、そんなことは当たり前と思われるかもしれませんが、実際は軋轢が生じ楽ではないです。)



O先生は、日記を見ればわかりますが、日本の給食についての問題点を指摘しておられました。

たしかに、6年も9年も糖質60%の不健康な食事、不健康な食育をしているわけで・・・。

それに関連して、無理やり全部食べさせられていた我々の時代の話もでました。

まさか、今は、そんなことはしていないと思いますが。

よかれと思って、間抜けなことをしているのは悲しいです。

サイエンスなき栄養学は有害無益ですね。

代書屋日記は、テーマが多様かつ深く感心しました。 すごい人がいるものです。

「フリーランスは栄養をきちんと取らないと話にならない件。」

上の記事、本当にそう思います。



糖質制限推進ナースは、大変な情熱を持ち続けています。

「今ままで出会ってきた患者さんに、申し訳ない指導をしてしまった。」という悔しい気持ちが・・・・。

私もわが身を振り返り、同感です。



 最後に、バターコーヒーがとてもおいしいらしいです。

(ココナッツオイルコーヒーでもよい)




2014年10月24日




今春、アメリカでかかっていた映画のブルーレイを買って見ました。


(若年からの)肥満および糖尿病の急激な増加に悩む国のドキュメンタリー映画です。


 何人か、肥満と格闘する子供達がでてきます。運動したり、健康によいという食品を食べたり、胃縮小術を受けたり・・・。

やせれない子供の母親の一人は、健康によい食品の例として、シリアル、ホールグレインのパスタ、低脂肪のビスケットを挙げていました。



 かの国では、肥満の人は、意志が弱く、怠け者で、運動をしていないと見なされている様で、かわいそうでした。



 砂糖の中毒性について、かなり詳しく説明しており、すばらしいと思いました。

 また、一見甘くないけれどもパンや米などの精製炭水化物も同じであることを説明していました。



1977年のマクガバン報告で米国の食事目標が設定され、ローファット・ハイカーボ食品が盛んになった経過も説明されています。

マクガバン報告の食事目標

1. 炭水化物の比率を(全カロリーの)55-60%に増やす。
2. 現在40%の脂質を30%に減らす
3. 飽和脂肪酸を10%に減らす。多価不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸を10%にする。
4. コレステロールを1日300mgに減らす。
5. 砂糖を15%に減らす。
6. 塩分を3gに減らす。



 私は、上記の栄養学の誤りが最も責任が大きいと思います。

 砂糖のことをメインに批判していましたが、砂糖をいくら控えても、パスタや芋やバナナやパンを食べてればやせないでしょう。

江部式糖質制限あるいはアトキンスダイエットがより有効です。この点は踏み込み方が不十分に感じました。

結局、映画に出てくる子供達の多くは体重コントロールに失敗しています。



@運動でやせない訳

 クッキー1個のエネルギーを消費するのに20分ジョギングが必要。

 中サイズのフライドポテトでは1時間12分のスイミング。



A砂糖はコカインよりも中毒性が強い。砂糖は中毒物質である。(ちなみに他の炭水化物も同じです。)



Bつっこみどころ。

やせたい子供の太った父親がサツマイモを健康食品として食べている。

胃の縮小手術を受けた15歳の子。術後に、バナナをミキサーに入れて野菜ジュースにして飲んでいる。

双方とも、話の流れとしては健康的な食事をしているくだり。サツマイモやバナナをたべてちゃだめでしょう。

野菜と果物が健康的な食事という前提になっている。 果物は太るもとでしょう。



この監督は、「砂糖がよくない」「食品産業が金儲けのために働いている」ことはわかっているが、ではどのような食事が適切なのか、もうひとつわかっていないようです。

必要なのは正しい栄養学の知識でしょう。



 文句も書きましたが、栄養をテーマにした映画をつくるところがすばらしいですね。




2014年6月13日の当ブログ記事より

FED UP - Official Trailer


Fed Upというタイトルの映画が米国で放映されているそうです。

アメリカ人の肥満について

@運動で肥満は解消しない

A炭水化物が肥満の原因である

Bカロリーは関係ない

C食品業界の(悪い)政治的な動き



などなどが描かれているようです。

食品業界が悪者にされているところがアメリカ映画らしいですね。

自分の口に入るものですから、正しい知識を身に付けて、自分で責任を持つべき話のような気もしますが。

いずれにしても、日本でも公開してほしいですね。



町山智浩が映画「フェド・アップ」(Fed Up)の社会的背景




2014年10月21日



ダ・ヴィンチのカルテ、攻める問診(ケアネットDVD)などで著名な山中克郎先生の講演がありました。 (10月18日安佐市民病院にて)

今、話題のデング熱の皮膚所見など、興味深い研修でした。



ダ・ヴィンチのカルテは、Snap Diagnosisを鍛えるためのクイズ形式の本です。

もちろん私自身、参考にして「見てわかる病気」の写真を集めようとしています。

内容はいうまでもありませんが、合間に美しい写真と言葉があり、著者の人生観が感じられて大変よいです。

いくつか引用します。



「単純であることは究極の洗練である」



「努力する人は希望を語り、
 努力しない人は不満を語る」



「走り続けているときは、
目に入らない風景がある。
人生をゆっくり歩く。
その時はじめて気づく風景がある。」



「子供のころの自分は、
今も自分の中にいる。
だから大自然の中にいると、
いつも少年時代に戻れる。」



「この一瞬の輝きを心にずっと残したいと、
旅の途中にしばしば思うことがある。
人生の忘れ物をしないうちに、
また旅にでることにしよう。」



「こんな風景を見ると、
また旅に出たくなる。
・・・世界はあまりに広く、
人生はあまりに短い。」



「人生ってやつは、
思い通りにはいかないものだ。
だから少しだけ思い通りにいったら、
素直に喜びたい。」






日経メディカル2014.10 22Pより。デング熱皮膚所見



2014年10月20日


安佐南区の土石流災害に続き、火山の噴火、大型台風の接近がありました。

水害の時に、察知して逃げた犬がいたそうです。勘が鈍いとだめですね。


9月に中区医師会で行われた防災研修会より。


中区の災害予想と対策   中消防 副所長 田中孝治

@バックビルディング現象 ・・・次々と積乱雲が発生、移動した。

猛烈な雨が次々に山頂付近に降り続いた。


A 東日本大震災での大津波警報  避難率は2-6%

車で逃げた人が多かったが・・・。

どう行動するか、あらかじめ考えておくこと


B前兆現象があった。 川が濁る、いつもと違う音がする。湧き水が増える。犬が騒ぐ。

・・・・収集記録される。  犬はすぐに逃げたらしい。


C阪神淡路大震災  木造建物の倒壊が多かった。

耐震化、家具などの転倒防止が大切。

昭和56年以前かどうか。

ガソリンスタンドは地震、火災対策がしっかりしており、よい逃げ場である。


D台風について。

1ヘクトパスカル気圧が下がると、1cm潮位が上昇する。満潮と台風が重なると高潮となる。

進行方向の東側が、雨も風も強い。

広島にとって危険な台風は、山陰の海を東に抜けていく場合。(平成3年の台風19号 塩害で電線が使えなくなり、停電をおこした。)



E車は10cmの水深でブレーキが効きにくくなり、30cmを超えると動かなくなる。1mの水があると、ドアがあかず、出れなくなる。水の時に車で逃げるのは良い考えではない。



F地震の時に大変なのはトイレ。

風呂水をとっとくこと。トイレは水さえあれば流せる。


Gヘッドランプがよい。手がふさがれないので。

H災害用伝言ダイアル 177

I広島まで津波がくるまで、少し時間的余裕があるだろう。

Jポリブクロに水を入れて、土嚢を作り、室内の排水溝をふさいで、逆流を防ぐ。

K自家発電機は3万円で買える。

Lハザードマップは見ておくこと。(消防署でもらえる。)

M笛、携帯電話充電器(電池)、シュラフなどのキャンプ用品、レトルト食品など。

(自宅で過ごしたければ、備蓄が必要。)

 





2014年10月18日


日経メディカル2014.10月号に以下の記事が掲載されていました。

活発な議論が続く「糖質制限」の話題です。



低炭水化物ダイエット
心血管危険因子を改善
低脂肪ダイエットより有効



 低炭水化物ダイエットは低脂肪ダイエットよりも、体重減少と心血管危険因子(脂質値)の改善効果が有意に高いことが、ランダム化比較試験(RCT)の結果として示された。米Tulane大学の研究グループが、Annals of Internal Medicen誌2014年9月2日号に報告した。 

 心血管疾患と糖尿病に罹患していないと自己申告しているBMIが30-45で、22-75歳の男女148人(平均年齢46.8歳、88%が女性)を対象に、1日の炭水化物の摂取量を40g未満とする低炭水化物群(75人)、または1日の摂取熱量に占める脂肪の割合を30%未満、飽和脂肪酸比率を7%未満とし、熱量の55%は炭水化物から摂取する低脂肪ダイエット群(73人)のいずれかに割り付けて比較した。

 その結果、12ヶ月時点のベースラインからの変化量は、低炭水化物ダイエット群が-5.3kg(95%CI -6.8から-3.8)、低脂肪ダイエット群は-1.8kg(95%CI -3.3から-0.3)で両群の差は-3.5kg(95%CI -5.6から-1.4、P=0.002)だった。体脂肪率の変化はそれぞれ-1.2%(95%CI -2.0から-0.4)、0.3%(95%CI-0.5から1.0)で、両群の差は-1.5%(95%CI-2.6から-0.4)だった。腹囲の変化量には有意差は見られなかった。

 総コレステロール/HDLコレステロール(HDL)比の変化量の差は-0.44(95%CI -0.71から-0.16、P=0.002)、トリグリセリド値の変化量の比は-14.1mg/dl(95%CI -27.4から-0.8、P=0.038)、HDL-C の変化量の差は7.0mg/dl(95%CI 3.0-11.0、P<0.001)で、全て低炭水化物ダイエット群で有意に改善していた。LDLコレステロール値の変化量には有意差はみられなかった。





2014年10月17日


昨日のアサイチで、4分間運動が取り上げられていました。


4分間運動タバタ式トレーニング


まずは20秒間ややつらい運動をし、10秒休んだあと運動を再開します。

これを8回4分間繰り返すだけで持久力と瞬発力がアップ、1時間の 自転車こぎに匹敵する運動効果が得られ、週に3回だけでOKです。

※運動は腕立て伏せ・腹筋・スクワットなど何でもよい。




見ての通り、簡単な体操で、「これなら私もできそう」です。



「糖尿病の解決」で著名なドクターバーンスタインも, 有酸素運動より筋トレを勧めています。


しかし有酸素運動、例えばジョギングあるいは屋外の自転車こぎなどに関してはいかがなものか?私には、糖尿病患者にとってーそれどころか実際だれにとってもー価値があるとは思えず、その理由は次に論じる。

私個人は2型あるいは肥満の糖尿病患者にはこの種の運動(ボディービルディング:ほとんど連続的な無酸素運動)が好ましいと思う。

なぜならば前にも述べ、もう一度繰り返して言うように、筋肉をつくりあげるということはインスリン抵抗性を下げ、血糖値コントロールと減量の両方を促進するからである。






2014年10月15日


ふじかわ心療内科 藤川先生は統合失調症の治療に、{糖質制限+ビタミンB3療法}を取り入れておられます。

 この方法で、抗精神病薬を減量できることを報告しておられます。

 感銘を受けましたので掲載します。


ナイアシン+糖質制限で抗精神病薬投与が必要でなくなった統合失調症の1例


症例は20歳女性。

H24.4から一人暮らしで京都の大学に通学。

H26.2幻聴が出現し、授業に出られなくなった。

H26.3休学し、広島市内の精神科クリニックに通院。

エビリファイ24mgを投与され幻聴は消失したが、ジストニア、ジスキネジアが出現したため、H26.5服薬を中断し、幻聴が再燃。

再度同クリニックに通院し、ジプレキサ10mg投与。

幻聴は消失したが、眠気、倦怠感が強く日常生活に支障が出ているため、当院ホームページのナイアシン治療を記載を見て、6/11当院受診。

http://www.myclinic.ne.jp/fujikawa_cli/pc/free5.html



BUN8.6、フェリチン58、タンパク不足あり、鉄不足なし。

糖質制限(1食20g以下)、ナイアシン3g(緩徐増量)、B50コンプレックス、C3g、プロテイン服用を指示。

ジプレキサは10mg、7.5mg、5mg、2.5mg、1.25mgと減量していったが幻聴の再燃なし。



近医で行った75gOGTTでは、0分BS84、60分BS194、120分BS149。

インスリンの出が悪く前糖尿病状態と診断(母方祖母に糖尿病あり)。

OGTT60分時、眠気、焦燥感が出現し、120分時には消失したという。

OGTTの結果を見て、糖質制限する必要性を本人も了解できた。



H26.9からはジプレキサ1.25mgを隔日服用、3日毎服用と間隔を開け服用しているが、症状の再燃なし。

ジプレキサによる眠気、倦怠感もなくなり、元の元気な姿に戻ったという。

今後はさらに服用間隔を開け、今年中に断薬予定としている。

なお、H26.9からメガハイドレートも開始とした。







2014年10月14日


10月10日は (Dementia with Lewy Bodies)すなわちレビー小体病の疾患概念の提唱者、小阪賢司先生の講演会でした。



小阪先生講演メモ



レビー小体病は、現在「第2の認知症」といわれているとのことです。すなわち、アルツハイマーについで2番目に多い認知症ということです。



  頻度的には認知症全体の20%になります。実際は、多くの患者さんはきちんと診断されていないそうです。

診断が重要な理由は、抗精神病薬などに過敏性、すなわち薬剤投与によって悪化する危険性が高いためです。



 レビー小体病の示唆的特長

@レム睡眠行動異常・・・夜中の寝言

A幻視・・・なくてもレビーを否定してはいけない。

B先にうつと診断されていることが多い。

C画像に頼りすぎてはいけない。




2014年10月14日


10月11日土曜日、 広島ドラゴンフライズの初戦を見に行ってきました。

記念すべき第1戦ということもあり、大変な盛り上がりでした。

私はバスケットができませんが、迫力あるプレーを見ていると、自分がプレーしているような気分に・・・。

平尾充庸の3ポイントシュート、クリント・チャップマンのダンクシュート、柳川龍之介のフェイントシュートなどなど。

戦術に詳しくなると、より楽しいんでしょうね。




2014年10月11日 ドクターサロン vol.58 10 2014より

緩やかな糖質制限を推奨されている北里大学の山田悟先生の見解です。

近年の世界的な流れを踏まえて発言されていると思います。




21世紀になってから、糖質制限は、低脂質食よりも減量効果に優れるですとか、血糖改善に優れるといった様々な報告が出てきまして、それで、20世紀の後半に推奨されていた三大栄養素比率をもう一度自由化しようではないかという動きになっているのが現状かと思います。


低炭水化物食を指導しますと、カロリー無制限、おなかいっぱいになるまで食べなさいという指導をしていても、多くの方がカロリー制限に成功し、その結果として減量効果が生じます。また、糖質摂取そのものが食後の高血糖を規定しますので、血糖値も改善します。また、このメカニズムはまだまだわからないところがありますけれども、 中性脂肪、HDLコレステロール、そして血圧、これらメタボリックシンドロームの構成要素をすべて改善するということが示されています。


飽和脂肪酸につきましても、昨年のシドニーダイエットハートスタディ(4)で、少なくともオメガ6に切り替えるだけでは治療上の効果は得られませんでした。さらに、飽和脂肪酸は減らさないほうがいいのではないかという考え方が2013年のJPHC、日本の多目的コホート研究(5)で示されました。つまり、飽和脂肪酸の摂取の多い集団のほうが脳卒中が少ないというデータです。


(4)BMJ 2013, 346, e8707
(5)Eur Heart J 2013, 34, 1225〜232





2014年10月9日 サピオ 2014年11月号に江部先生の記事が出ていました。


 なぜ国際基準の「糖質制限」を日本だけが拒絶するのか
 デタラメ治療で年間1万6000人が透析、3000人が足切断


2型糖尿病患者が60%の糖質を摂取すると食後の血糖値は必ず200mg/dlを超える。
血糖値が180mg/dlを超えると動脈硬化や合併症のリスクが高まることは、世界の医学界ではエビデンスとして認められている。



すでに米国糖尿病学会、英国糖尿病学会、スウェーデン社会保険庁は糖質制限食を認めている。カロリー制限食こそエビデンスがなく、患者の血糖値を急激に上げて健康被害を招くものだ。



 国と患者のためにも学会が世界の「常識」を受け止め、自らの誤りを正すことを望む。





2014年10月7日 恐ろしい話2

子宮頸がんワクチンについての話題です。

こちらは子宮頸がんワクチン再開推進派の考えです。


HPVワクチン副反応報告を解析
自然発症の紛れ込みを否定できず



10万人の思春期女性がHPVワクチンの3回接種を受けた場合、接種後に広範な疼痛・運動障害(接種後4週間以内に発現、3ヶ月以上持続)が1.8人で起こると推定されるが、松本氏は「接種後の副反応への対応と診療体制の構築が進展しつつある今、ワクチンによる子宮頸がん発症予防効果(34歳までに10万人あたり約50人で浸潤がんを、約30人で上皮内がんを予防)を踏まえ、厚労省には積極的接種勧奨の再会を期待したい。

ワクチン接種後に発生したものとワクチンによって引き起こされたものは同じではない」と強調した。




上記を読むと、「癌の発症を予防するのでよいではないか」と感じますが・・・。

癌の発症を予防 イコール 癌で死ぬ人が減る とならないところが難しいところです。

子宮頸がんワクチンをうつと、子宮頸がん死が減少するというデータはありません。

慎重に考えたほうがよいと思います。




2014年10月4日 恐ろしい話

10月1日は鹿児島大学病院脳神経内科 高嶋博教授の講演会でした。

タイトルが「日常診療に潜む脳炎、脳症」です。



この中で、子宮頸がんワクチンの話題がでていました。

子宮頸がんワクチンによって、手足の麻痺、記憶力障害、排尿障害などを発症している方の報告です。

子宮頸がんワクチンの副作用については、@心因反応派とA脳炎派の二つがあり、厚生労働省研究班は@の立場の先生が多いそうです。

心因反応とは、すなわち心理的な要因で症状が出ているとするものです。



高嶋先生は脳炎派の立場で、困っている人に「気持ちの問題なので気にするな」というのはおかしいと仰っていました。

患者さんの動画もあったのですが、確かに心因反応で手足が動かないことはないだろうと思いました。



子宮頸がんワクチンで、子宮頚がんの死亡を減らせるという証拠はありません。

(当時、製薬会社は大宣伝していましたが)

そのようなワクチンをうったばかりに、十代の女の子がまともな生活ができなくなっているとは・・・・。



糖尿病新薬SGLT2でも脳梗塞などの報告がでています。

新しい薬、新しい治療は、時間がたってから取り入れるべきですね。




2014年10月2日 胸に刺さる言葉

在宅医療のスペシャリストの言葉です。



「癌が判明したときに、十分な説明を受けていないケースが大変に多い。」

「特に男性医師は、はっきりと言わない。」

「どんなに厳しい事実であっても、正確な情報を伝えるべきである。残された時間をよりよく生きるために。自分にとってベストの治療を選び取るために」



「この大変につらい役目は、医師の大事な仕事である。それは医師にしかできない仕事でもある。」

(過酷な事実であっても、伝えないのがやさしさではない。)



悪いニュースの伝え方




2014年10月1日

「花子とアン」がお気に入りで、毎朝家族で見ていました。

今度は「マッサン」、竹原が舞台ですね。

地元民としては、広島弁が気になりますが、なかなかうまいなあと思います。

何せ、テレビで話される広島弁は奇妙なことが多いので。

皆様はどう思われますか?




2014年9月29日

合唱の伝道師、ギャレスマローンのドキュメンタリーの再放送があるようです。

(今年5月に放送したようですが、知りませんでした。)

 今回は、病院の合唱団のようです。



ギャレス・マローンの職場で歌おう!(再)

ギャレスの職場で歌おう ルイシャム病院合唱団 Everybody Hurts



    イギリスの合唱団指揮者、ギャレス・マローンが、地域の急性期病院の職員で合唱団を作り、イギリス全土の合唱コンクールに挑戦しようという番組を、今回観ることができました。

そこでマローンが目にしたのは、病院で働く人々が、日々辛い場面に遭遇しているにもかかわらず、自分たちの感情を抑えているということです。そんなギャップを、マローンは彼らにストレートにぶつけていきますが、いつしかそれは院内のあらゆる職員のハーモニーとなって結晶していきます。

彼らがお披露目として新しい救急外来で歌う様子を観て、グッと熱いものがこみ上げてきました。

投稿日時:2014年07月01日ナヌーク






2014年9月25日

9月20日は「かぜ診療マニュアル」等で有名な山本舜悟先生の講演でした。

若くて優秀な先生でした。

「かぜ診療マニュアル」の序文より。



そうだな・・・・

わたしは「結果」だけを 求めてはいない



「結果」だけを求めていると 人は近道をしたがるものだ・・・・・・・・

近道した時 真実を見失うかもしれない

やる気もしだいに失せていく

大切なのは

『真実に向かおうとする意思』だと思っている



向かおうとする意思さえあれば

たとえ今回は犯人が逃げたとしても

いつかはたどり着くだろう?

向かっているわけだからな

・・・・・・・違うかい?



             荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」59巻より引用



「結果」責任が求められる昨今の医療事情には大変厳しいものがありますが、「結果」だけを追い求めると「何かあったら困るのでとりあえず抗菌薬をだしておく」という近道に走ってしまうかもしれません。

でもそれは大切なことから目をそらしているだけで、必ずしも問題解決になっているとは限りません。黙って抗菌薬を出すよりも30秒間の説明を「処方」するほうが効果的なことがあるのです。




山本舜悟先生講演メモ2014.09.20




2014年9月24日

昨日は、中区医師会の講演会で武田美保さんの講演を聴いてきました。

武田さんは、シンクロの選手として3度オリンピックに出場された経歴をもっておられます。



正直に言うと、シンクロに興味がないこともあり、あまり期待していませんでした。

スポーツ選手の話というと、「夢はあきらめなければかなう」「小学生の卒業文集に書いたとおりになった」的なことを聞かされそうで・・・・。

多くの人はそんな才能ないですもんね。



ところが、話が始まると、一気に引き込まれました。

厳しい練習、オリンピック選手になるための熾烈な競争、中学生時代に先輩に生意気と思われたこと、個性的で強烈な恩師の話、選手同士のいじめの話、試合にピークをもっていくのが大変なこと、シドニーオリンピックでの成功と失敗、などなど。

つらいことがあると、母親にいつも相談していたそうです。(いじめられたのは、隠していたが見抜かれた)。

母親は娘が泣きながら話すのを、大笑いして笑い飛ばしてくれたそうです。



テレビや映画やユーチューブなどのメディアが発達した世の中ですが、生の声を聴く講演会はやはりすごいなと思いました。

聴衆は、その人になったような気持ちで、講師の人生をつかの間、経験させてもらったような気持ちになれます。



きっと、講師が自分を飾らず話してくれたからでしょう。




2014年9月22日

河野先生の認知症ブログに興味深い投稿を見つけました。



糖質制限の話題1(西日本支部実践医)

アルツハイマー中核症状の根本治療



アルツハイマーでは神経細胞内へのグルコースの取り込みが障害されるため、最近では3型糖尿病と言われる。

http://supplement.main.jp/diabetes/knowledge/type3.html

経鼻インスリン吸入の治験も始まっている。

http://d.hatena.ne.jp/cool-hira/20140722/1405976895

アルツハイマー=糖尿病:つまり、正しい糖尿病の治療を行えば良い。現在のSU剤、インスリン治療は、インスリンを増やす治療なので間違っている。インスリンを増やすと血管障害を起こし、糖尿病合併症を引き起こす。

https://www.facebook.com/keisuke.arai.372?fref=ufi

インスリン鼻腔内投与は間違っている。追加インスリンを出さない治療、すなわち糖質制限が必要。



1)糖質制限+ココナッツオイル(中鎖脂肪酸ケトン食):アルツハイマーは神経細胞が活性酸素により酸化されATP産生障害を生じているためグルコースを取り込めない。取り込んでもミトコンドリア内が酸性になっているためクエン酸回路が回らず、嫌気性解糖に回って乳酸アシドーシスを生じる。グルコース1個から、嫌気性解糖ではATPを2個生じる。クエン酸回路に入るとATPをさらに36個生じる。

http://wellness.nnhc.co.jp/?eid=1

糖質を減らしてケトン体(βヒドロキシ酪酸)値を上げる+中鎖脂肪酸を摂取。ケトン体、中鎖脂肪酸は解糖系を経ずに直接クエン回路に入り沢山のATPが産生される。



2)メガハイドレート(水素)水素の強力な還元力により乳酸アシドーシスを改善し、クエン酸回路を活性化する。グルタチオン、フェルガードも抗酸化作用(還元作用)を持つ。太陽、宇宙は水素でできている。つまりヒトに水素が必要なのは自明の理。

慢性疾患=クエン酸回路機能障害=ATP産生障害=水素不足。


 


2014年9月20日

戦後、福山まで電車で3時間かかっていた頃の話です。

お弁当を持って電車に乗ったところ、大勢の孤児が乗ってきてお弁当を開けることができなくなったそうです。

電車に乗り込んで、お弁当を分けてもらおうとしていたようです。



現在、たくさん捨てられる食物に複雑な気持ちになられるそうです。

 


2014年9月17日

昔の話です。

「李香蘭」の名前で活躍した山口淑子さんの死去が報じられました。



北京で若者時代をすごした方ですが、人力車でやってきた20歳頃の李香蘭を見に行ったそうです。

大変な人気で、現地の若者が取り囲んで、動けない状態になっていた。

派手でない紺色の中国服を着ていてとてもきれいだった。(当時の中国の上流階級は地味派手だったらしい)

 彼女が日本人と知っていたので、中国人の友人に「あれは日本人なんだ」と言ったところ、

「あんなきれいな北京語を話せる日本人がいるはずがない」と言ってけんかになりそうになった。



いろいろ言われていますが、北京の日本人は彼女が日本人と知っていたのですね。




2014年9月13日

前立腺癌が増えている理由。



一般的には

@食生活の欧米化  乳製品、高脂肪食がよくない。

A高齢化

BPSA検診をするようになったから

といわれているようです。



まず、Aは当然です。戦後すぐの男性の平均寿命は50歳です。

30歳平均寿命が延びたので、60歳代からでてくる前立腺がんが増えるのは当然でしょう。



Bも間違いないでしょう。一説によると80歳代の半数は潜在性に前立腺がんがあるそうです。

PSA検診については、過剰検査、過剰手術などを引き起こすとして、米国家庭医学会、米国老年医学会、米国臨床腫瘍学会は行うべきでないとしています。



では@はどうでしょうか?

統計によると、日本人の脂質摂取量が増加した時期は戦後で、1980年からは横ばいが続いています。(1950年18.0g 1980年55.6g 1995年59.9g2003年54g) 

ちなみにこの量は欧米人の約半分です。(年配の方は50gを切っています。)

@に根拠はないと思います。







がんになりたいなら炭水化物 米国で1、2を争う癌専門病院 ニューヨークメモリアルスローンケータリング癌センターの センター長兼CEO Craig.Thompson 博士の講演

Why We All Don't Get Cancer http://www.youtube.com/watch?v=WUlE1VHGA40#t=27m0s



どのタイプの食物を過剰に食べると癌のリスクを高めるか?

A fats 脂質

B carbohydrates 糖質

C proteins たんぱく質



「脂質を多く食べても癌のリスクは全く上昇しません 。糖質を多く食べると癌のリスクを著しく高めます 。タンパク質はその中間に位置します」







2014年9月12日

糖質制限中の低血糖について。

糖質制限をしばらく継続中の方で(あまり厳格には行っていない。)、血糖値が40mg/dl近くまで下がっている人がおられました。

全く、無症状ですので、脳細胞がケトン体で栄養されているものと考えて無視していました。

(反応性低血糖か?)

この状態を、糖質制限をご存知ない先生に見つかると・・・・。

炭水化物をもっと食べなさいとか、インスリン産生腫瘍があるのではないか?とか、大学病院に精密検査に送られて、ありとあらゆる検査を受けさせられたりしているようです。



狩猟採集時代、男達が獲物を追って数日間山の中を水のみで数日過ごすのは日常茶飯事だったでしょう。

ラマダンの時期は、何億人のイスラム教徒が日没まで炭水化物を食べません。

断食道場の参加者は全員低血糖でひっくり返るのでしょうか?

人間には糖新生というシステムがあるのです。

低血糖でへっちゃらな方々がおられたら、ぜひ私に教えてください。



参考資料1

江部先生ブログより

通常の糖質ありの食事でケトン体が26〜122μM/L程度であれば、低血糖になったとき、脳細胞はケトン体を充分量供給されていないので、正常の活動を営むことができずに低血糖症状がでます。

次に、低血糖でもケトン体が充分量あれば、脳は正常の活動が行えるという実例を提示してみます。

私が30代に初めて本断食(水だけでゼロカロリー)をしたとき、血糖値は35mg/dlでした。

従来の考えでは、当然意識不明のはずですが、その時普通に外来診察も行っておりました。

私のケースを考察してみると、血糖値35mgのとき、脳はケトン体をエネルギー源として活動していたと考えられます。

本断食中の初期の血中ケトン体は3000レベルで、ケトン食と同等です。

このレベルの血中ケトン体濃度があれば、血糖35mgでも、脳は充分活動できるということになりますね。






参考資料2

Dr. Mary Vernon, a physician who treats metabolic syndrome and diabetes patients with a low carb diet, says there are actually two types of hypoglycemia that patients can experience.

Hypoglycemia, the first type, normally happens when most people who have been eating a high carb diet drastically reduce carbohydrate intake for the first time. This type happens during the first several weeks of carb reduction because the body has not had time to create the enzymes or metabolic state to burn internal fat stores for fuel. Basically there is a gap in the amount of carbohydrate available for fuel, and the process of accessing fat stores for fuel. The lack of fuel sources results in transient low blood sugar.

Reactive hypoglycemia, the second type, is more of an acute reaction to a very high carb meal. For instance, when a person eats 2 or 3 glazed donuts, there is a huge spike in blood sugar and insulin after such a meal. The insulin spike drives blood sugar very low afterwards.

メアリー・バーノン医師によると、糖質制限を始めたての時の低血糖と、もうひとつは反応性低血糖(機能性低血糖症)がおきうるとしています。






2014年9月11日



9月6日緑井付近。土砂がまだまだ残っているそうです。



中消防署 田中孝治氏の研修の続きです。

東日本大震災で釜石の奇跡といわれている事例の紹介がありました。

防災教育で子供に3つのことを教えていたそうです。そしてそれが奇跡を呼んだそうです。



@想定を信じるな

A最善を尽くせ

B率先して逃げろ・・・・・「津波、てんでんこ」




2014年9月9日

昨日は、中区医師会の研修で、中消防署の副所長 田中孝治氏の話を聞いてきました。

土砂災害のこともあり、たくさんの参加がありました。



いろんな備えについて勉強になりました。(Be prepared!!備えよ常に)

緊急時における人間の心理が印象に残りました。



@ 正常化の偏見(バイアス)

何かの間違い、異常ではなく正常という心理が働き、何もしない。いつもは心を守る安全装置

A同調性バイアス

過去経験したことのない事が起こったとき、周囲の多数の人の行動に左右される。

それはその人が過去様々な局面で繰り返してきた行動パターンでもある。






2014年9月8日

終戦前日の1945年8月14日、岩国はB29による空襲を受けています。

このとき、患者さんのご主人は爆撃を受けて、家から田んぼまで吹っ飛ばされたそうです。

父母兄弟すべて死んでしまい、自分だけ残されました。

この後、三次の奥の村の親戚をたよって、線路を伝って歩いていったそうです。(すごい距離です。)

年齢はたったの5歳。

途中で大人の人に、事情を聞かれ、食事をさせてもらったそうです。

その後、親戚の家で生活させてもらったが、食糧難の時代、物を食べるのが遠慮で・・・・。





イスラム国の公開処刑が、残虐だとか、地獄へ送ってやるとかアメリカの副大統領が言っています。



公開処刑なんて全く残虐じゃない。女子供年寄り、一般人を殺すのが残虐でしょう。自分の国がやってきたことを知らない。



米国の白人と欧州の白人しか人間と思ってないんじゃないかと思います。



「地獄の入り口まで追う」米副大統領、イスラム国に怒り



 


2014年9月7日

留学生のこと



日本に来る留学生に、日本語を教えておられる方がおられます。

授業のひとつに、面接対策があるそうです。



大学や大学院の面接の練習で、志望理由を答えるのですが・・・。

「人がすすめたから」「(大雑把に)日本の文化に興味があるから」など目的意識のない志望理由が多いそうです。

この先生いわく、「日本人の若い子と変わらない」

戦後の日本人がそうであったように「貧しい祖国のために、この技術や文化や考えを学びたい」という志で留学する人がかつては多かったそうです。

この10年で留学の裾野が広がり、随分学生もかわったそうです。





私はかつて広島大学原爆放射線医学研究所大学院にいました。

(研究が目的なのですが、病棟や外来業務なども忙しかった)

その時にたくさんのスーパー留学生に出会いました。



バングラディッシュ出身の女医さんは、日本に来て約半年で、ペラペラの日本語をしゃべっていました。

そして、「将来自国のために働きたい」と明確なビジョンをもっていました。

医学のみならず、文化宗教的な関心も高く、いろいろ質問されました。

  「世界では、信仰せず、自国を愛していないといったら、自分は人間じゃないといっているようなもの。それなのに日本人はすばらしい。」

「実際にマホメットの教えに従って生活しているのは、コーランをしらない日本人の気がする」

「日本人の働き方の非効率性(休むときには休んだほうが・・・)」





アメリカからきたロシア系の医学生は三島由紀夫の大ファンでした。

「なんで日本人は三島由紀夫のファンだというと変な顔をするんだ?」と聞いてきました。

 「この人は三島由紀夫の訴えを日本人よりもわかっている!!」とびっくりしました。

(ちなみに私は三島をまだ読んだことはありません)

「アメリカ人はみんな三島を読むの?」と聞いたら、やはり相当めずらしみたいでしたが。

「アメリカ人は、実際はとても人のよい”いい人達”が多い。いい人達は人に操られやすいんだ」



世界は広いですね。


 


2014年9月6日その2

デング熱が東京で話題になっていますね。



デング熱を疑う症状

突然の発熱(38度以上)および急激な血小板減少(10万以下)の2つの所見に加えて、次のうち2つ以上の所見を認める場合はデング熱が疑えます。



     1.発疹  2.悪心・嘔吐 3.骨関節痛・筋肉痛 4.頭痛 5.白血球減少  6.点状出血(あるいはターニケット陽性)



血液検査・・・2ccをヘパリン以外を用いて採血。PCR検査を行う。区保健センターへ提出。



まあ、発疹以外ありふれたインフルエンザ的な症状ですね。どこまで検査するべきか、迷う状況になりそうです。      




2014年9月6日

くだらない薬として、発売前から糖尿病新薬SGLT2の悪口をいってきました。



このたび、重篤な副作用が増加していることをうけ、 SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendationが出されました。



取り返しがつかないのが脳梗塞で12例を報告しています。(心筋梗塞・狭心症が6例)



今年の涼しい夏でこの調子ですから、本当に問題となるのは来年の夏と思われます。



春から日本糖尿病学会をあげての大宣伝でしたが、どうするつもりなんでしょうか。



来年大問題になる前に手をうつべきと思いますが・・・。

          




2014年9月5日

化粧の有害性について、夏井先生のホームページの投稿です。( 夏井先生は以前から化粧が肌をいためると言っておられます。)

化粧をよくしている人と、ほどほどにしている人、全くしない女性で比較したら、すばらしい研究になりそうですね。

本当にそれで肌の状態がよくなることが判明したら、みんな化粧は最小限になるでしょう。

そして化粧品会社が必死になって否定することでしょう。l



以前,相談した顔面擦過傷後に色素沈着を生じている患者さんの事です.おかげさまで先生の仰るとおり,段々,色素沈着が薄れてきました.本人も喜んでいます.ありがとうございました.

 顔の創処置をしている時に,化粧をしていないことに気づきました.お化粧について伺ったら「物心ついてから,基本的に顔のお化粧をした事は無くフラメンコの舞台に上がる数十分の間だけ化粧をします」との事でした.

 この患者さんはセミプロのフラメンコダンサーです.  肌が驚くほどきれいで,看護師さんもびっくりしていました.

現在,43歳ですが,お肌が本当にきれいです.お化粧をしたことが無い成人女性を見たことが無かったので,改めて化粧品を付けないほうが良いと確信しました.
              




2014年9月3日





映画「スタンドバイミー」です。若い人は歌しか知らないでしょうね。

私は予備校生の時に見に行きました。



この映画を見ると、自分の子供時代を思い出して、ノスタルジックな気分になれます。

子供達が死体さがしに行く話です。

途中で鉄道の鉄橋をわたったり、沼をわたったり、キャンプをしたり・・・・。

そして、子供らしい無邪気さと同時に悩みがそれぞれにあり・・・・。



学生時代によく登山をしていましたが、キャンプファイアーの火は、人を不思議な気分にしますね。

              


2014年9月1日

2014年8月号の広島医学雑誌の編集後記を藤川徳美先生が執筆されています。

藤川先生は統合失調症のビタミンB3療法、糖質制限、湿潤療法、コウノメソッドなどを取り入れて診療にあたっておられます。



広島の医学の指導的な立場におられる医師です。



編集後記 広島医学67巻8号(2014年8月)



  サイエンスライターである竹内薫氏の「99.9%は仮説〜思い込みで判断しないための考え方〜」(光文社)という著書の、プロローグの一部を引用させていただきます。

  「驚くべきことに、飛行機が飛ぶ仕組みは、まだ完全には解明されていません。

いまある説明は、ひとつの仮説にすぎないのです。 

これは、飛行機だけに限りません。誰もが科学的に解明されていると思っていることも、つきつめて考えると、すべては仮説なのです。

科学は全部が仮説にすぎないのです。

科学だけでなく、私たちを取り巻く世界も、実は仮説に満ちあふれています。 

親から教わることも、教科書に載っていることも、誰もが当たり前だと思っている常識や習慣や定説も、全部が全部ただの仮説にすぎないのです。

そして仮説であるからこそ、くつがえすことも可能なのです。」




 実に面白い卓見です。読者の皆さんは、この文章を読んでどのように感じられたでしょうか。

 私は以下のように考えました。



 われわれが日常診療で用いている診断基準や治療ガイドラインは仮説に過ぎないため、いつ何時その仮説はくつがえされるかわかりません。そのような場合でも、躊躇なく適切に対応できるように、備えておく必要があります。

  いままでの常識にとらわれない考えが出てきた場合、”ありえない””エビデンスがない”と否定するのではなく、その新しい考え方を”面白い”ととらえて取り入れようとすることが必要と考えます。

科学者は「変化を求めない人」ではなく、「変化を求める人」であるべきだからです。藤川徳美


              






2014年8月29日

一定以上の年齢の方は、認知症をご心配されますね。予防の方法はないのでしょうか?



生活習慣病のコントロールによる認知症予防について



@糖尿病と高血圧がアルツハイマー病の危険因子として注目されています。

   この二つのコントロールが予防になると考えられています。



  特に糖尿病が大きな話題になっています。

 

「アルツハイマーは3型糖尿病である」「糖尿病性認知症」などという表現がされるようになってきました。



 江部先生が糖質制限が認知症予防に有効であろうという所以です。(久山町研究では米をたくさん食べる人に認知症が多かった)



Aではコレステロールは?

見解が一致していないようです。





高齢化社会で注意しておきたい神経内科のコモンディジーズ 日本内科学会雑誌8月号2014より抜粋



The Rotterdam Studyにおいて糖尿病はアルツハイマー病のリスクを2倍に増加させることが報告されており、久山町研究においても耐糖能異常はアルツハイマー病の発症を2-4倍に増加させることが報告されている。



糖尿病、高血圧はアルツハイマー病の発症危険因子であることが多くの研究により支持されているが、脂質異常症に関しては見解が一致していない。



70歳以降の高齢者では高コレステロール血症はその後の認知症のリスクを減らすとの報告もあり、年齢による介入の使い分けが必要である可能性をも示唆する。



Mielke MM, et al: High total cholesterol levels in late life associated with a reduced risk of dementia. Neurology 64(10):1689-1695, 2005.






2014年8月28日

先日は、悪玉コレステロールに二種類あることを書きました。コレステロール関連の話題の続きです。

スタチン(コレステロール低下薬)は、冠動脈疾患(虚血性心疾患)の予防を目的として使用されるものなのですが、脳卒中の予防になるとお考えの方も多いのではないでしょうか?

今日は脳卒中(脳梗塞+脳出血)とスタチンについてみてみました。



脳卒中にスタチンは有効か?



@スタチンは脳梗塞を減らすという臨床研究がいくつもある。

Aしかし、LDLコレステロールをどのくらいの数値にすればよいかという基準は不明。

Bコレステロール値が低い人は脳出血を起こしやすいことが以前より報告されている。

Cスタチンを高齢者に使うと脳出血が増える可能性が指摘されている。



まとめると、LDLコレステロールを低下させると脳梗塞がへる。下げすぎると脳出血が増える。

しかしどのくらいの値がよいのかはよくわからない。



一方、スタチンは次のような指摘がされています。


@癌が増える可能性

A糖尿病が増える可能性

B健忘症状がでる可能性

Cうつが増える可能性

D感染症が増加する可能性



私見としては、コレステロールを減らすことを考えるよりも、血管の炎症を防ぐことを考えたほうがよいと思います。

@血圧を下げる。

A喫煙しない

B境界型糖尿病をきっちりコントロールする。(まず境界型糖尿病かどうか検査を受ける)

Cトランス脂肪酸をとらない。

D青魚をしっかり食べる。



まあ、結局は糖質制限ってことなんですが。(小粒のLDLコレステロールを減らす)






高齢化社会で注意しておきたい神経内科のコモンディジーズ 日本内科学会雑誌8月号2014より抜粋

脳卒中を有効に発症予防するために目標とすべき総コレステロール値あるいはLDL-コレステロール値に関しては、現在明らかな結果は得られていない。



かつて日本においては低栄養状態や肝硬変に伴う低コレステロール血症例には脳出血が多いとされていた。 Multiple Risk Factor Intervention Trialの結果では、総コレステロールが160mg/dl未満では脳出血の発症危険度が高くなることが示されている。

Iso H, et al: Serum cholesterol levels and six-year mortality from stroke in 350,977 men screened for the multiple risk factor intervention trial. N Eng J Med 320: 904-910, 1989.

さらに、Eastern Stroke and Coronary Heart Disease Collaborative Research Groupによる日本と中国から登録された60,750例の解析結果では、総コレステロールが23.2mg/dl(0.6mmol/l)低値であれば、出血性脳卒中は27%(odds ratio 1.27, 95%CI0.84~1.91)のリスク上昇を認めた。

Eastern Stroke and Coronary Heart Disease Collaborative Research Group: Blood pressure, cholesterol, and storok in eastern Asia. Lancet 352:1801-1807, 1998.

これらの結果を捉えて、極端にコレステロール値をさげることは冠動脈硬化には有用であっても、 出血源となりえる脳血管穿通枝の微小動脈瘤を脆弱化させる可能性が危惧されている。

脳梗塞治療ガイドライン2009では脳梗塞再発予防の項で「脳梗塞の再発予防に脂質異常症のコントロールが推奨される(グレードC1)」と記されている。代表的なスタチン投与による脳梗塞再発予防の大規模臨床試験はSPARCL試験(the Storoke Prevention by Agressive Reduction in Cholesterol Levels Trial)で、アトロバスタチン80mg/日の服用で脳梗塞の再発が一次エンドポイントの致死的・非致死的脳卒中では16%の相対リスク低下を、二次エンドポイントの脳卒中・一過性能虚血発作発症では23%の相対リスク低下を示した。

ただ本試験ではコレステロール値を下げすぎるとスタチン投与群で脳出血が増えることが指摘されており、脳出血の既往がある患者やその危険性が高い患者に対してはコレステロール値の低下に注意して投薬することが大切である。





2014年8月27日

糖質制限を開始したときに、LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が上昇される方があり、問題となります。

特に、糖質制限開始前に、脂質制限をしていた場合です。

すでに肝臓でのコレステロール合成が亢進しているところに食事性のコレステロールが入ってくるのがそのメカニズムです。

時間経過(数ヶ月から数年)で落ち着くケースが多いようです。



もうひとつ、LDLコレステロールについては新しい知見があります。

つまり、LDLコレステロール(悪玉)には2種類あるという事実です。



@小型で密度のこい粒・・・・真の悪玉

A大型でふわふわした粒・・・・悪くない。



糖質制限中の方は必ず中性脂肪が著減し、HDLコレステロール(善玉)が増加します。

この状態の人はAが増加しています。



反対に、いわゆるメタボで、中性脂肪が高く、HDLコレステロールが低い人は@が増加しています。

それこそスタチン(メバロチンやリピトール)でも飲んだほうがよいと思われます。



これまでのコレステロール臨床研究は、単にLDLコレステロール値で評価していたので、毀誉褒貶が生じているのかもしれません。





2014年8月26日

原爆投下翌日に広島へ入られた方がおられます。

入市被爆で原爆手帳の交付を受けられるはずなのですが、証人がいないため受けられなかったそうです。

医療費に加えて、原爆の介護手当てもありますので、経済的負担がかなり違います。



被爆者として差別されるのを恐れ、あえて原爆手帳を取らなかったという話も聞いたことがあります。



戦中派は大変な時代を乗り越えておられます。




2014年8月21日





ひょんなことから、久しぶりに愛と青春の旅立ちをみました。

若いときは、くだらない恋愛映画と思っていましたが・・・・。



ふられたポーラ(デボラウインガー)が、TJの店でザック(リチャードギア)にあった時、必死にやせ我慢するシーンが好きです。



古い映画のDVDを買うと、監督の説明が入っていて、それも楽しいですね。



2014年8月19日

去る8月5日 日本ウイグル協会のイリハム・マハムティ氏の講演に行ってきました。

【イリハム・マハムティ】死者二千人以上か?中国ヤルカンド・ウイグル人大量虐殺[桜H26/8/12]



国を失った民族が、いかなる仕打ちを受けるか知らされました。



しかし、マスコミは中国に気をつかってわずかしか報道しませんね。

日本経団連と同じで経済利益優先主義ですね。



核実験関連

@46回の地表核実験がすべてウイグルで行われた。

A19万人が実験当日に死亡したと言われている。

B放射能汚染がひどい。



民族同化および浄化政策

@3年間で46万人の結婚適齢期の女性がウイグル地区から連れ去られた。

A現在は毎年5万人程度連れ去られる。

Bウイグル語は学校では禁止。祖父母と孫で言葉が通じない。

C男性のひげ、女性のスカーフは禁止(伝統文化の否定)

Dラマダン中(断食)に飲食を強要される。



監視

@監視カメラで常に監視されている。

A隣村に行くのに書類を提出しなければならない。

B隣村の教会へは行けない。

C集まって話をしていると摘発される可能性。



7月28日、29日の事件

@きっかけは、5人のテロ集団が警察に射殺されたこと(中国政府いわく)。5人のテロ集団は(夫婦とその祖父母および7歳の子供)

A殺された家族の村の人々、および周辺の村人が怒って警察署を襲撃した。

 これにたいし、軍隊が出動。二日間で2000人以上が殺されたらしい。(外を歩いている人間を手当たりしだい殺したらしい。)





2014年8月17日

パソコン不調で更新できませんでした。


気を取り直して、また少しずつ勉強したことなどを書きたいと思います。




2014年8月3日





江部先生の新刊です。

最新の情報を盛り込み、癌や精神疾患などにも踏み込んで書いています。

いくつかピックアップしてみました。




@宗田哲男先生の研究報告

胎児および新生児のケトン体が高値であった。すなわち、胎児も赤ちゃんも、ケトン体をエネルギー源として育っている。

これは、大発見だと思います。

A癌に対する、ケトン食の臨床試験が進行中であること

B胃癌術後のダンピング症候群は糖質制限食で予防できる。

C片頭痛は言うまでもなく、筋緊張性頭痛も改善する場合があるようです。(血流改善効果による)

D糖質依存症による激しい血糖変動が不妊症の原因ではないか

体内のホルモンバランスに嵐のような状態をきたしていることが原因との仮説です。

E生理痛や生理不順の改善

確かに糖質制限で改善した方がおられます。

F安産の確率が高まる

産婦人科医の宗田哲男先生によると、以前は出産の際に帝王切開しなければならないケースが20-30%あったのに、糖質制限を妊婦さんに勧めるようになった2010年からは、帝王切開するケースが減り続け、最近では10%を下回るようになったそうです。

G糖質が、虫歯、歯周病の原因になっている

H腰部脊柱管狭窄症が肥満解消により改善した例

I膀胱括約筋の血流が改善して、頻尿や尿漏れが改善した例

J痔の改善

K糖質を減らすと、頭髪の美しさ、まつ毛の長さ、肌のつやが蘇る

まつ毛の長さは初耳です。

髪の毛の太さが改善したのは自分で感じています。

L糖質制限の医療費削減効果

間違いない事実でしょう。行政の人でわかっている人はいるに違いないと思います。



一つ一つ、患者さんから学ばれた情報であり、大変参考になります。





2014年8月2日

広島にプロバスケットチームができること、ご存知でしょうか?

その名も 広島ドラゴンフライズ



以下公式ホームページより

チーム名について

チーム名「広島ドラゴンフライズ」は、日本では広島県廿日市市宮島町(日本三景の宮島)に限り生息している“ミヤジマトンボ”に由来しています。 古来より、トンボ(英名:ドラゴンフライ)は、前に飛んで決して後ろに下がらない勇猛果敢な虫として「勝ち虫」と言われ、勝利を呼ぶ縁起の良い虫とされています。 そして、“飛ぶ”というバスケットボール特有の動きをイメージさせ、日本人にとって覚えやすく馴染みの深いモチーフであることから、チーム名を「広島ドラゴンフライズ」と命名しました。



チームカラーについて

チームカラーは、宮島の鳥居をイメージした「朱色」をメインカラーとし、瀬戸内の海をイメージした「青色」をサブカラーとします。



チームロゴについて

デザインのベースには、バスケットボールの“オフェンス”と“ディフェンス”をそれぞれ意味する「剣」と「楯」をあしらっています。 剣はチーム名の由来となった“ミヤジマトンボ”をデザインしており、縦に貫く一本の剣はコミュニティーの結束を、絡みつく二つの翼はすべての人たちが一緒に楽しめるエンターテイメントと、パートナーと共につくりあげていくビジネスを表し、併せてこれらの3要素がつながりあっていることを表現しています。






プロバスケットチームは広島に根付くことができるのでしょうか?

私としては、酒飲みスポットの1つにできればいいなあと思っています。





2014年8月1日

昔のお話です。

長崎県平戸の近くに、鹿待町という炭鉱町があるそうです。(この方のお父さんは炭鉱の現場監督)



近所で遊んでいると、ヒルによくかまれた。

ヒルにかまれても、少しも痛くないので、体中のどこかにヒルがいないか目視で確認しないといけない。

ヒルはお腹がいっぱいになって太ると、ポトリと落っこちる。



花子とアンの石炭王と、映画「スタンドバイミー」を思い出しました。

エネルギーが石油に移り変わって、その石油も価格が高騰しています。



次のエネルギーは何でしょうか?

原子力じゃない方法を開発してほしいものです。





2014年7月25日

製薬会社のMRさんよりお聞きしました。

市内の糖尿病専門の重鎮の先生が、糖質制限を批判されているとのことです。



「肉を食べすぎると動脈硬化の原因になるから」だそうです。



@まず、糖質制限は英語でいえば、low-carb, high-fat dietであり、糖質を脂質で置き換える食事です。

 肉の大量摂取を薦めているわけではありません。

A欧米人は日本人の約3倍の肉をとり、魚は3分の1です。(日本人は欧米人ほどEPA/アラキドン酸が低くない)

Bこれまで散々悪者にされてきた肉や卵の飽和脂肪酸は、無害説が強くなっています。





いずれにしろ、肉という栄養については別枠で考えないといけないテーマだと思います。





2014年7月25日




獣医学科を卒業された先生が、米国の"Choosing Wisely"キャンペーンを題材に書かれた本です。



"Choosing Wisely"「賢く選ぼう」キャンペーンは、米国内科専門医認定機構財団という組織が中心となり、米国医学会の71学会が無駄な医療を順次公表していく計画だそうです。



無駄な医療を集めた衝撃のリストとのこと。



無駄な医療費を削減するという経済的な要請がベースにあります。

本書では100項目が挙げられています。

賛成できる部分と反対の部分もありますが、医療行為で論争があるテーマを知る目的で、良書であると思います。



いくつかの項目について私見を述べてみます。



受けたくない医療1 前立腺癌の検診のために安易にPSA検査をしない。

2000年代後半から2010年代前半にでてきた大規模臨床試験の結果、メリットがないことが判明してきた。

逆に過剰診断、過剰治療を誘発する害が明らかになってきた。



欧州の研究結果より計算すると、1人の前立腺癌の死亡を防ぐためには、1055人を11年間検査し続ける必要がある。すると、37人の前立腺癌を発見できて、1人の前立腺癌死を防ぐことができる。

米国臨床腫瘍学会「平均余命10年未満で、尿が出にくいといった前立腺癌に関係した症状のない男性に対しては、PSA検査をしてはならない」




受けたくない医療 15 肺癌のCT検診はガイドラインより頻繁に行わない。

最近、日米でCT検診が注目されているとのこと。ここではCT検査の害(放射線被爆)についてのべ、「検診は高リスクの人だけにとどめるべきであり、低リスクの人まで対象とするべきではない」としています。

もっともな見識と思います。医療者としては、CT検査が済んでいると安心できますが。



「肺癌のCT検診は、ほとんど無意味である(米国胸部医師学会、米国胸部学会)」

⇒55歳〜74歳のヘビースモーカー以外では効果が低い。



強い関心を集めたのは、英国のマーク・S・スピアース氏らが2012年に発表した研究と、オーストラリアのジョン・D・マシューズ氏2013年に発表した研究である。それぞれ約18万人、約68万人のCT検査をうけたことのある若者を対象にガンの危険度を調べたものだ。

結果として、英国の研究では、白血病や脳腫瘍が3倍近くも増えると分かった。オーストラリアの研究でもガンの増加が判明している。




受けたくない医療 17 大腸癌の内視鏡検査は10年に1回で十分

日本の臨床現場での状況と、解離がある意見です。

私はこの意見に賛成ですが、多くの消化器専門医は反対だと思います。

患者サイドの希望など、日本固有の状況もあると思います。

2005年における厚生労働省の研究班のガイドラインでは、検査間隔を5年あるいは10年としている。

(ポリープの状況などによって、検査間隔は変更されます。)



受けたくない医療22 ガンの骨転移に対する放射線治療の回数は少なめに

多数の研究をまとめた2012年の報告によると、1回だけ放射線を当てる場合と複数回当てる場合で痛みへの効果は変わらないと結論づけている。

これは知りませんでした。



受けたくない医療23 PETやCT検査などがん検診は控えよ

これは驚かれた方も多いのではと思います。

画像検査の専門的な学会である米国核医学・分子イメージング学会は、「PET検査は健康な人のがん検診に使ってはならない」とChoosing Wiselyで断言している。 その理由は健康な人で癌がみつかる可能性が極端に低いからだ。

被爆の問題もあり、検診でみんなが受けるべき検査ではないといったところでしょうか。



受けたくない医療24 余命10年未満の人への癌検診は控えよ

正しい意見と思いますが・・・。病気が見つかったときに、主治医は責められるのです。答は、患者さんの希望も聞きながら・・・でしょう?



受けたくない医療26 軽度の頭部外傷でCT検査をするべからず

割り箸事件のように、「CTも撮ってもらえなかった」といわれて、訴えられる状況もあります。



受けたくない医療27 風邪に抗菌薬は使わない

ごもっともです。が、風邪かどうかよくわからないこともあります(オカルトバクテレミア)。

「4歳以下の子どもの風邪に薬を使ってはいけない」(米国小児科学会)



受けたくない医療32 糖尿病では、スライディングスケール法を用いて血糖管理をしない。(血糖値を見て、インスリンの注射量を決定する

糖質制限をしている場合、そもそも必要ありません。



受けたくない医療33 高齢者の場合、ヘモグロビンA1cは7.5%程度でよい

糖質制限をすれば、薬剤を服薬せずに、より安全にヘモグロビンA1cを下げれる。そもそもカロリー制限食(高糖質食)で治療していることが問題の本質と思います。



受けたくない医療34 2型糖尿病では、毎日の複数回の自己血糖測定は避ける

自己血糖測定は、基本的に必要です。何を食べたら血糖が上昇するか(食後血糖値)を知るためです。

中には、インスリン注射を打ちながら自己血糖測定をしていない患者さんもおられます。

血糖の動きが予測できるようになれば、もう測定する必要はないでしょう。



受けたくない医療 40 抗核抗体の詳細検査は安易にしない

ごもっともと思いました。検査の出し方のトレーニングが不足していたのが問題です。



受けたくない医療41 骨そしょう症でのDEXA法の検査は10年に1回

女性65歳以上、男性70歳以上に行う検査。繰り返す意味はないそうです。



受けたくない医療42 変形性膝関節症にグルコサミンやコンドロイチンは効果なし

テレビでよく広告しているサプリメントですね。

この本を読む人より、テレビの宣伝を見る人の方が何万倍か多いでしょう。



受けたくない医療 52 胃ろうは認知症では意味なし

これは乱暴な意見ではないでしょうか。 認知症自体のコントロールや改善が望める場合もありますし(コウノメソッド、ココナツオイル等)、それぞれの個別の状況(病気、重症度など)、考え方、哲学も無視しています。死生観に関する問題でもあり、慎重に議論したほうが良いと思います。



受けたくない医療 53 胸焼けに安易に薬を使わない

胸焼けには糖質制限でしょう。



受けたくない医療58 気管支炎の子どもに気管支拡張薬を使わない

よくホクナリンテープを小児科で処方されています。

成人では、喘息でなければあまり使いません。

どうもあまり効果がないようです。



受けたくない医療59 酸素補充を受けていないのに、急性呼吸器疾患の子どものパルスオキシメトリーを実施しない

うーん、全く同意できません。酸素飽和度はとても大事な検査だと思います。(呼吸数と組み合わせて考える)。



受けたくない医療63 抗精神病薬は安易に処方しない

近年、よく問題になっている点です。米国人は日本人以上に抗精神病薬を内服しているのでしょうか?



受けたくない医療67不眠症治療の最初の薬剤として抗精神病薬は使うべからず

うーん、使っています。



受けたくない医療70 頭痛に市販薬を長々と使わない

多くは片頭痛持ちの人でしょう。

片頭痛には糖質制限を



受けたくない医療71 切り札として使う場合を除いて、オピオイドやバルビツール酸系鎮痛薬は使わない。

日本では頭痛にこんな薬は使われてないと思います。



受けたくない医療74 認知症でPET検査の場合はまず専門家の診断を

認知症には画像診断よりコウノメソッドを(画像も一度は必要ですが)



受けたくない医療76 精神症状の異常が見られても、認知症患者への抗精神病薬は慎重に

とても大切な見解ではないかと思います。認知症治療学はまだ新しい学問であり、マニュアルが必要なのだと思います。



受けたくない医療77 じんましんの診断で安易な検査はダメ

特異的IgE検査がよく行われます。希望される患者さんも多いです。ですが、確かに役立たずのことが多いとは思います。

頼まれたらしないわけにも・・・・。



受けたくない医療80 手術の切り傷に抗菌薬を塗らない

湿潤療法(夏井睦先生提唱)では常識です。抗菌薬が必要な場合は内服か点滴です。



受けたくない医療91 サプリメントは健康維持に効果なし

一言でサプリメントといってしまうと大雑把すぎる気がします。

統合失調症に対するビタミンB3や認知症に対するフェルガードなど評価があるサプリメントもあると思います。(漢方も一種のサプリメントですね。)



受けたくない医療94 超高齢者にLDLコレステロールを下げる薬は無用

基本的に75歳以上にスタチンが有効であるというデータはない。85歳以上では薬剤によるリスクが高まる。

そもそも、スタチンは必要か?と最近は思います。それより糖質制限でしょう。



受けたくない医療95 症状がなければ頚動脈狭窄は問題なし

無症状の患者に頚動脈剥離術を実施するのに妥当と考えれているのは70%を超える狭窄があり、そのうえで手術の合併症が低いと見込まれる場合と示している。





医療サイドとしては、特別意外な感じがする意見は少ないと感じました。

どちらにしても、医療サイドと患者サイドのコミュニュケーションが最も大切ということでしょうか。







2014年7月23日

先日NHKの番組で認知症が取り上げられていました。

既存の薬剤で、シロスタゾールと点鼻のインスリンが注目されているとのことです。

シロスタゾール(プレタール)は、抗血小板剤というカテゴリーの薬で、脳梗塞の予防などに使われます。(コウノメソッドでも脳血管性認知症に推奨されています。)



点鼻のインスリンについて

アルツハイマー病は3型糖尿病と呼ばれはじめています。

その理由は、脳細胞がブドウ糖を取り込むことができなくなっているため。

結果として栄養不足に陥った脳細胞は死んでしまい、脳が萎縮していくと考えられています。

インスリンをダイレクトに脳へ入れて、ブドウ糖を脳細胞の中へ取り込ませる方向の治療です。



そもそも、糖質過剰の人がなりやすい病気なので、脳細胞ケトン体栄養療法(糖質制限、ココナツオイル)で、ケトン体を脳の栄養にしたほうがいいのでは?と思います。

なんといっても食事を変えるだけですから。





2014年7月18日

先日県北から患者さんが来られました。

糖尿病で糖質制限を始められたそうです。

遠くから来ていただき、申し訳ない気がしました。



アメリカ糖尿病学会は、2013年10月、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)では、全ての糖尿病患者に適した唯一無二の食事パターンは存在しないとの見解を表明しました。



そして、患者ごとにさまざまな食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能であるとしています。



カロリー制限食しか認めず、60%の糖質を薦める日本糖尿病学会はいかがなものでしょうか?



患者さんと医師がいろいろな情報を共有しながら、一緒に相談することが大事ですね。





2014年7月16日

7月7日の江部先生のブログに以下の記事がありました。



『1日6000Kcalも21日間食い続けて、英国の若者が自ら人体実験!

低炭水化物&高脂質・たんぱく質の糖質制限食では、21日間で体重1.3Kg増、ウエストは3cm減! 

高炭水化物&低脂肪食では、21日間で7Kg体重増、ウエスト9.5cm増加 』



1日6,000キロカロリーを食べて太らなかった男の人体実験が凄い。



1日に6000キロカロリーもとって太らないのはすごいですね。

考えてみれば、だれでもできる実験ですが・・・。

カロリー神話の否定です。

この現象をどのように科学的に説明するか難しいです。(栄養が吸収されていないのでしょうか?)




2014年7月15日

忘れられない一言。



年に数回、在宅で患者さんを看取らせていただく機会があります。

お家へ伺うこともあり、いつも大変印象的で、何年たっても近所を通るたびに思い出します。



先日、義理のお母様を看取られたお嫁さんの一言が忘れられません。


「私は、宝物をなくしました。」


こう言ったお嫁さんも、そんな風に言ってもらったお母様もすごいと思いました。

(ご家族で仕事をされ、長い期間生活を共にされました。)



修身できていない自分が・・・・。





2014年7月14日




お洒落、ファッションに無縁な人生を歩んできた私です。



その理由は何を着てもかっこよくならない、どうしたもんかわからない、などいろいろです。



思えばバブル時代のだぶついたスーツをそう遠くない日にも着ていたような・・・。



そんなダサ男の私ですが、娘が生まれたのをきっかけに(体重が落ちたのもあり)、本を読んだりたまに店にでかけるようになりました。

  そんなわけで昨日上記を購入しました。鎌倉シャツのニットのボタンダウンです。(変哲ないですが、着心地がよくてアイロンもいらない!)



そこでお店の方にクールビズの話をお聞きしました。



「今はクールビズで、総理大臣すらネクタイをせずにへんな格好をしている。」

「そもそもお洒落のためにネクタイをしているのに・・・・。暑いとかそういう問題ではない。」



確かに・・・・。

たとえ偉い人であっても(みんなに先んじてネクタイをはずさないといけない人でも)かっこよい方がいい人はネクタイをしたほうがいいですね。



一般的に、ネクタイをしていないと儀礼的に失礼になるのでしている社会人が多いのではないでしょうか?

かっこよくなるためにネクタイをする人と、その意識の差は大きいですね。



私のネクタイ姿がかっこいいかどうかは別にして・・・・。






2014年7月12日

今朝の 長谷川クリニック奮闘記によると、モスバーガーが菜摘バーガーというのを発売したそうです。

ローカーボのハンバーガーです。

糖質セイゲニストとしてはトライしてみないといけないですね。




2014年7月11日

コウノメソッドの河野先生が年初よりグルタチオン注射を開始されています。

このたび、400例に達したところで、治療方針を示しておられます。

症例数が多いので、短期間ですごい知見が集まっています。



グルタチオン+ニコリン注射の推奨用量

標的症状代表的疾患グルタチオン(初回/維持)mgニコリンmg
低活動性せん妄DLB 1000/1400500
大せん妄LPC1200/16000
歩行障害DLB NPH1400/1800500
アパシーFTLD1400/1800250-500
歩行障害CBD PSP MSA1600/2400250-500
半昏睡老衰1800/18001000
集中力困難自閉スペクトラム1000/14000
倦怠感健常者800/8000




私が愛読している長谷川クリニック奮闘記の長谷川先生もグルタチオン注射で効果があった患者さんを報告しておられます。

パーキンソン患者さんに週に2回の注射を4月から開始。とてもよい経過のようです。



グルタチオン注射の使い方も想像以上に早く確立するかもしれませんね。






2014年7月7日

再び、TEDMEDより。


Fight obesity and cure diabetes ? low carb diet ? TEDMED


Peter Atiaという外科のドクターのプレゼンテーションです。(英語なのが玉に傷)



2006年の春、ジョンズホプキンス大学のERで働いていたときのことです。

真夜中に、1人の太った糖尿病の女性が糖尿病性足壊死をおこして運ばれてきたそうです。

ドクターPeter Atiaは足の切除の決断を迫られました。

その時、思わず「もう少し気をつければこんな状態にはなっていなかったのに」と心の中で裁き、軽蔑してしまいました。




数年後、(正しい)栄養をとり、運動をしていたにもかかわらず、自分自身ががインスリン抵抗状態(メタボリック症候群)に罹患してしまいます。


彼はローカーボダイエットにより40ポンドの減量に成功。インスリン抵抗性も解消しました。



16分の動画の終わりには泣きながらこの女性に謝っています。

「あの晩に帰れるなら、謝りたい。あの時、あなたが必要としていたのは裁きと軽蔑ではなく、共感と同情であった。」

「糖尿病患者や、肥満の患者を非難や軽蔑してはいけない。」



勇気ある人だと思いました。

若いドクターだからこそ、引き返して新しい道を歩けるのかもしれません。

誰にとっても自分の過去を否定することは痛みが大きいです。

ですが、患者にとってはどうでもいいことですよね。




2014年7月5日

インスリン治療中の糖尿病患者が、 大阪御堂筋で運転中に低血糖発作をおこし大事故になっています。

カロリー制限をしながらアマリールなどのSU剤やインスリン注射をする方法は、実は大変危険です。



@何グラム糖質をとったか本人がさっぱりわかっていない。

A食前の血糖値も多くの場合わかっていない。

B薬がどの程度効果がでるかわかっていない。

C体調によって血糖値の変動の仕方や薬の反応が変わる。

D薬の効果が出るタイミングと血糖の上昇にタイムラグが生じる。



結局のところ、眼をつむって車を運転してるのと同じことになっています。



理論的にも血糖が急変動を繰り返し、血管の動脈硬化を促進してしまいます。(平均血糖変動幅の増大)



糖尿病治療の第一歩は、深く理解することだと思います。



「お医者様におまかせ」ではだめですよ。



2014年7月4日

先日紹介したマーク・ハイマン医師のTEDMEDでのプレゼンテーションがありました。

Mark Hyman at TEDMED 2010

自身の病気の経験について述べておられます。



約15年前に中国のERで仕事をしていたときに、うつやアレルギー、胃腸症状などに苦しみ、自分ではどうしようもなくなったそうです。

(それまで習ったり、実践してきた医学知識が全く役に立たず)

米国の有名な病院をはしごしたそうです。 そして抗うつ薬(プロザック)などの処方をうけたようです。



結局、食事療法により回復し、現在の医療活動をしています。



病人の立場になった人だからこその医療批判であり、説得力を感じます。

たがしゅう先生が糖質制限を患者さんに勧めるのと同じ理由でしょうね。

日本にもTEDMEDのようなプレゼンテーション番組があればいいですね。



FED UP - Official Trailer





2014年7月2日

FED UP - Official Trailer

町山智浩が映画「フェド・アップ」(Fed Up)の社会的背景



米国の肥満と糖尿病をテーマにした映画 FED UP が5月より全米で放映中とのことです。

このトレーラーに出てくるマーク・ハイマン医師のインタビューがありました。

Bestselling Author Mark Hyman, M.D. - The Blood Sugar Solution





症状ではなく、原因(システム)を治療する機能性医学を提唱しています。

インタビューでは、たがしゅう先生と同様に、自らがうつや胃腸症状で苦しんだ経験を述べています。

基本的にアトキンスダイエット(糖質制限)の内容で、うつ、アトニー、アレルギー疾患、片頭痛、糖尿病、肥満、高血圧、自己免疫疾患(関節炎や腸炎など)、不眠、不妊症、認知症などに効果をあげているとのことでした。





そのほか

@高コレステロール治療薬のスタチンが糖尿病を増加させるなど副作用が多いことを指摘しています。(アメリカではレベトールが最も売れている薬らしい。)

また、高コレステロール治療薬は一時予防(心筋梗塞になる前にする治療)では、無効であることを指摘しています。

A糖質をコカインやヘロインと並べて中毒性の物質としています。

Bアルツハイマーはタイプ3糖尿病といわれている。

(注、インスリン治療を受けている糖尿病患者では、アルツハイマー型認知症の発症リスクが4.3倍に高くなる。また、がんの発症率は1.9倍になる。)

CFood is Medicine(食べ物が薬なんだ)!!



Dr Eric Westman, Dr Mary Vernonのインタビューも新しい栄養学の項に載せています。

アメリカの栄養学のパラダイムシフトは、10年以上の時間をかけて進んできているようです。






2014年7月1日

新しい糖尿病薬「SGLT2阻害薬」について。



4月17日から発売がはじまった、尿から70グラムの糖を排出させる新薬ですが、思った以上に副作用が出現しているようです。

(発売約1ヶ月時点)



@脳梗塞3例・・・2例は重篤

Aケトアシドーシス・・・1例(糖質制限中)

B全身性皮膚疹・紅班・・・3例が重篤(7例中)

C重症低血糖・・・4例



@について

これから夏にかけて、さらに多くの脳梗塞の発症が予測されます。



Aについて

なぜ糖質制限をしているのにSGLT2を飲む必要があるのか不明です。



C血糖測定もせずに、適当に内服やインスリン治療を受けている患者が多い以上、当然の帰結といえます。






2014年6月23日




タイム誌に「この40年あまりの食事指導は誤りであった」という特集記事です。



題して「Eat Butter」 (バターを食べなさい)。



Scientists labeled fat the enemy. Why they were wrong. BY BRYAN WALSH

Don't Blame Fat

For decades, it has been the most vilified nutrient in the American diet. But new science reveals fat isn't what's hurting our health

(数十年にわたりアメリカ人の食事で最も批判されてきた脂肪が、新しい科学により健康を害するものでないことがわかった。)



心臓突然死を始めとする虚血性心疾患がその当時(現在も)アメリカ人の死因の第一位であった。

この病気をなんとかして防ぎたいという考えがベースにあった。

こうして1977年マクガバン報告で米国の食事目標が設定された。



1. 炭水化物の比率を(全カロリーの)55-60%に増やす。
2. 現在40%の脂質を30%に減らす
3. 飽和脂肪酸を10%に減らす。多価不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸を10%にする。
4. コレステロールを1日300mgに減らす。
5. 砂糖を15%に減らす。
6. 塩分を3gに減らす。


その後もUSDAなど公共機関の栄養指針が示され、心臓病死を防ぐ目的で、上記の「健康的な食生活」が推奨された。

食料品店の棚にはローファットの商品が並ぶようになった。

アメリカは壮大な人体実験を開始したのだ。




40年あまりが経ち、この実験が失敗であったことが証明された。

2型糖尿病の有病率は1982年から2012年の間に166%増加した。(成人のおよそ10人に1人が糖尿病)

国民の3分の1以上が肥満の状態となった。




現在ではローファットが健康的であるという考えは深く人々の考えに根付いている。

New research suggests that it's the overconsumption of carbohydrates, sugar and sweetners that is chiefly responsible for the epidemics of obesity and Type2 diabetes.

しかし、(新しい臨床研究では、炭水化物過剰が肥満と2型糖尿病の原因と考えられている)

アメリカ人の食事は、脂肪に注目し過ぎることで、間違った方向に進んでしまった。



1970年と比較して減った食物

@牛乳(ホールミルク) 78%減
A精製砂糖 35%減
B牛肉 29%減
C卵 21%減
Dバター 8%減
E野菜 3%減


その代わりに増えたもの

@コーンシロップ 8853%増
Aコーン製品 198%増
Bスキムミルク(ローファットミルク)129%増
Cチキン 112%増(牛肉より脂肪が少ないので)
Dターキー 102%増
E添加される油脂 67%増




脂肪についての真実


飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを増加させるので良くないと考えられてきた。



現在、悪玉コレステロールは2種類あると考えられるようになった。


@本当の悪玉(small and dense LDL cholesterol)を増やすのは精製炭水化物

A問題ない(large and fluffy part of LDL cholesterol)を増やすのが飽和脂肪酸




The Unintended Diet(意図せざる栄養分)

脂肪を制限することで、結果的に糖質の摂取量が増加した。

1個のベーグルパンを食べるのは、スキットル(甘い菓子)を食べるのと本質的に同じである。

糖質はインスリンを分泌させ、体脂肪を合成させ体重を増やす。その後、飢餓感が増し、過食につながり、悪循環に陥っていく。


All calries, it turns out, are not created equal.
(同じカロリーであっても同じ結果を生じない)


デュークライフスタイルクリニックのWestmanらは、糖質を脂質に置き換える治療法(ultra-low-carb diet)が糖尿病に有効であることを報告している。




 ・・・すべての専門家が賛成しているわけではないが。



 ざっと、こんな感じでした。






2014年6月18日

糖質制限批判の論文が下記に掲載され、患者さんが心配されて御相談がありました。


ターザン 6月26日号 実はカラダに悪いコト。糖質制限etc


糖質を食べてやせる、長生きする最新医学
ゆほびか 7月号 大学教授が10キログラム減!ご飯・パン・パスタもOK!
糖質を食べても、こうすればやせる



二冊とも購入して読んでみました。

当然ですが、糖質制限を否定する新しい情報はありませんでした。

ゆほびかについてはたがしゅう先生が大変丁寧に反論をされていますので、そちらを参照ください。



批判的に読む必要性

学歴なんて関係ない

強引な論理展開に気付かない

栄養士よ,今こそ立ち上がれ




ターザンの記事について

ここ数年大ブームになった糖質制限。初心者でもハードルが低く、短期間のうちに効果が出やすいことから飛びついた人も多いはず。

しかし、やり方によってはメリットどころかデメリットも・・・・?

 始めるのは正しい知識を身につけてからでも遅くはない。




記事の取材協力は能登洋先生!です。


@ 動物性タンパク質の摂りすぎに注意! 豆腐や魚類を多めに。

「確かに糖質を控え、肉中心の食生活にしても体重は減るかもしれません。しかし逆に動物性蛋白質の過剰摂取につながり、栄養バランスが偏る可能性が高くなります。」



・・・・これは一見もっともな意見です。赤身肉の食べすぎが良くない可能性は指摘されています(欧米において)。ですが、糖質制限とは直接関係ない話です。(糖質制限かつ高動物性蛋白質の人のデータはこの世に存在しない)


 これは、どのくらいの動物性蛋白質をとってよいか?というテーマです。


 ちなみに、欧米人は日本人の約3倍の肉を食べ、4分の1程度の魚しか食べていません。


  動物性タンパク質は、何グラムとるべきなのか?

豆腐や魚は何グラムとるべきなのか?


大きなテーマです。現在の日本人の栄養状況の評価を抜きにした議論には意味がないと思います。



A 極端に糖質を減らすのは危険! 少しずつ減らすのがポイント。

1日3食、または2食で糖質を摂らないような形は長続きしないでしょうし、急激に血糖値をさげることはそれだけ脳の活動が低下するリスクがあります。  糖質摂取率を極端に減らすと、カラダに備わっているなんらかの生体防御機構が働いてリバウンドする恐れがあります。



 能登先生が糖質制限をされたことがないのがよくわかる文章です。

 糖質制限が長続きしている人はたくさんおられますが、能登先生が糖質制限を薦めないので出会わないだけでしょう。

 脳の活動低下・・・糖質制限をした人が異口同音に言うのが「頭がさえる」です。

 なんらかの生体防御機構でリバウンドって何でしょうか? 怖いですね。

 答えは、糖質を摂るからでしょう。糖質は依存性、中毒性があって摂り出すと歯止めが効きにくいのです。

 少しずつ減らすのが難しいのが糖質です。





  B長期の糖質制限で死にいたる!?こんな研究結果もあるのだ。


まさに能登先生が書かれた論文じゃないですか。

江部先生の反論

糖質制限パーフェクトガイドにさらに詳細な反論あり。



カルピンチョ先生の反論。

能登先生の発表の食事内容を具体的に紹介しましょう



主な論文の問題点

その1 集めてきた臨床研究に質が悪いものがあり、結論がひっくり返っています。

問題の論文はBMJのスウェーデン人女性の研究です。多くの専門家が否定的コメントを寄せたことで有名です。

本来平均2000キロカロリー以上のエネルギーをとっているはずのスウェーデン女性の平均摂取カロリーを1561キロカロリーとしています。この時点で普通却下でしょう。。

さらに、15年あまりの経過中、全然食事内容の確認がされていません。



その2 低糖質のグループが論文に出てこない。つまり糖質制限の話ではない。

 にもかかわらず、全国誌の新聞に何社も載り、大手のネットニュースにも掲載されたました。

 人々に「糖質制限は良くない」と思わせることに成功しています。


糖質制限が心血管疾患に及ぼす影響の大規模研究の結果の解釈について(ドクカルピンチョ)




C糖尿病の予防効果には疑問符も。メリットを正しく知ること。

6ヶ月目以降はリバウンドしている。つまり半年程度にとどめておくのが失敗は少ないということになる。




 ダイレクト(DIRECT)試験の体重の図が載っていてこの記述があります。

低糖質グループは次のような方法で試験に参加しています。

開始から2ヶ月間は1日糖質量20グラムまで。以降はじょじょに増やして1日糖質量120グラムまで。(実際は2年目には糖質が40%まで増えていた)カロリー制限なし。

途中から糖質摂取量が増えてリバウンドした、それだけのことです。

たとえ臨床試験であっても、だんだん食事の管理がゆるくなるのです。


ちなみにダイレクト試験の結論は「糖質制限が最も減量効果が高く、HbA1cを下げ、善玉コレステロールを上昇させ、中性脂肪を下げた。」です。

これは、もちろん私がみさせていただいている患者さんのデータの動きと同じです。



「また、よく糖質制限で糖尿病が劇的に改善したという報告がありますが、私どもの最近の研究では糖尿病の発症率は増えてもいないし減ってもいないことが判明しました。つまり糖尿病に対して著しく予防効果あるとは言いがたいのでは、というのが現段階の推論です。」

・・・・・日本語の意味がわかりにくいです。

 「糖質制限してメタボが解消する。しかし、それは糖尿病の予防にならない。」ということでしょうか。

肥満と糖尿病は関係ないという見解になってしまいます。



Dダイエットを継続するなら他の方法に切り替えるのがベター。

無理なく糖質制限を行ったおかげでめでたくダイエットできたし、そろそろ制限をやめてもいい頃。しかし、その際にいきなり元の食生活に戻すのはさけるべきである。


糖質をとればリバウンドするのは当然ですね。

というか、糖質制限を認めてしまってるじゃないですか!。






2014年6月17日

最新号のタイム誌で「Eat Butter」のタイトルで糖質制限および飽和脂肪酸無害説の特集がなされるようです。

Ending the war on butter: Are fatty foods really OK to eat?



栄養学のパラダイムシフトを感じます。

@LDLコレステロールには2種類ある。

A本当の悪玉(small and dense LDL cholesterol)を増やすのは精製炭水化物

B本当は問題ない(large and fluffy part of LDL cholesterol)を増やすのが飽和脂肪酸


ちなみに、本当の悪玉かどうかは中性脂肪の値に反比例するので、特別な検査をしなくてもわかります。




2014年6月13日

6月11日の江部先生のブログより。


FED UP - Official Trailer


Fed Upというタイトルの映画が米国で放映されているそうです。

アメリカ人の肥満について

@運動で肥満は解消しない

A炭水化物が肥満の原因である

Bカロリーは関係ない

C食品業界の(悪い)政治的な動き



などなどが描かれているようです。

食品業界が悪者にされているところがアメリカ映画らしいですね。

自分の口に入るものですから、正しい知識を身に付けて、自分で責任を持つべき話のような気もしますが。

いずれにしても、日本でも公開してほしいですね。



町山智浩が映画「フェド・アップ」(Fed Up)の社会的背景




2014年6月7日



スプーンネイルの写真です(よく使う右手親指)。鉄欠乏の所見です。



最近、NHKでも鉄欠乏を取り上げていました。

あなたも!新型鉄不足 肌荒れ不眠、うつ状態

2014年04月09日放送



鉄欠乏の症状には以下のような症状があるとのことです。

1立ちくらみ、めまい、耳鳴り
2肩こり、背部痛、関節痛、筋肉痛がある
3頭痛、頭重になりやすい
4力が弱くなった
5よくアザができる
6のどに不快感(つかえ感)がある
7階段を上がると疲れる
8夕方に疲れて横になることがある
9生理前に不調になる
10生理の出血量が多い
11肌荒れ、口角炎
12むずむず脚症候群
13夕方うつ
14不眠

(溝口徹著 うつは食べ物が原因だった)を改変



付け加えて、妊婦が鉄不足だと早産や、子どもの上顎の発達不全ひいては不正咬合の原因になるとの説があります。

(歯医者がむし歯をつくってる 長尾周格 著)より




鉄が足りているかは、血清フェリチンの測定のみでわかるので簡単です。

フェリチンの正常値は80-120以上。80以下は軽症の鉄欠乏。30以下が重症。20以下では貧血が出現する。

ちなみに内服の鉄剤の治療量は 100mg/日なので、よく売られているサプリメントは量が少なすぎます。

ですが、サプリメントはヘム鉄なので胃腸障害が少なく、理論的にも望ましいようです。

(あきらめない!その頭痛とかくれ貧血 くどうちあき著より)



参考動画 ためしてガッテン出演 「鉄不足をより理解してもらうために」  





2014年6月4日

クロワッサン6月10日号にココナツオイルの特集がされていました。

白澤卓二先生が出ておられます。

動物性の飽和脂肪酸よりベターというスタンスのようです。

脂に関しては、バランスも大切だと思います。



脂肪酸名主な食品名
飽和脂肪酸(短鎖)酢酸、酪酸、カプロン酸酢、バターなど
飽和脂肪酸(中鎖)カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸牛乳、母乳、ココナツオイル、パームオイルなど
飽和脂肪酸(長鎖)ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸ココナツオイル、パームオイル、その他動植物に広く分布
不飽和脂肪酸(オメガ9)オレイン酸オリーブオイルなど
不飽和脂肪酸(オメガ6)リノール酸コーン油、綿実脂、大豆油など
不飽和脂肪酸(オメガ3)リノレン酸亜麻仁油、えごま油など
不飽和脂肪酸(オメガ3)EPAまぐろ、サバなどの青魚類
不飽和脂肪酸(オメガ3)DHAまぐろ、サバなどの青魚類




2014年5月31日

昨日の続きですが、小麦をやめて何をやっても治らなかった(過敏性腸症候群、関節炎、胸焼け)が改善した人のニュース動画です。

Go Against the Grain: Dump the Gluten
http://www.cbn.com/cbnnews/healthscience/2014/January/Dumping-Gluten-Might-Mean-Better-Health/

この中でドクターが言っていました。

@医学生の頃、栄養学の講座はなかった。
A医師は栄養に関する知識を十分に持っていない。
Bセリアック病について


精神分裂病の研究者であるホッファー博士は、脳アレルギー(たばこ、アスピリン、動物性蛋白質)の症例を報告しています。

原因不明の病気は、まず食事を考えてみるのが大切かもしれません。





2014年5月30日

江部先生のブログによると、日本糖尿病学会総会でも糖質制限を真っ向から否定する意見はすでに出なかったようですね。

少なくとも「糖質制限という選択枝があること」を話さない医師は時代遅れです。



話が変わりますが、以前から紹介しているCBNニュースの番組でも糖尿病の糖質制限のレポートがありました。(英語なのが玉に傷)

山田先生とディスカッションしていた、デューク大学の Dr. Westmanが登場します。



Dump Sugar, Eat Fat and Cure Diabetes ?
http://www.cbn.com/cbnnews/healthscience/2014/February/Dump-Sugar-Eat-Fat-and-Cure-Diabetes/



日本だけでなく、アメリカでも以下のことが起きている。

@糖尿病の方が、グーグルで糖質制限の指導をしているドクターを見つける。あるいは勝手に糖質制限を始める。
Aこれまでこんなにも体調が良かったことがないと驚く!!
B糖質への欲求が減る。内服薬は全く不要になる。



印象的だった点

@「最新の研究で、飽和脂肪酸は問題でないことが明らかにされた」と言いきっている点。
A江部先生の栄養指導(脂質摂取方針など)とほぼ同じである。



その他のレポート Lorie Johnson
http://www.cbn.com/Authors/cbnnews/Lorie-Johnson/

Health Crisis: The Rising Impotence of Antibiotics・・・抗生物質の乱用について
http://www.cbn.com/cbnnews/healthscience/2013/October/Health-Crisis-The-Rising-Impotence-of-Antibiotics/

Medication Madness: The Dark Side of Anti-Depressants・・・抗うつ薬が引き起こす興奮性、犯罪について
http://www.cbn.com/cbnnews/healthscience/2014/May/Medication-Madness-The-Dark-Side-of-Anti-Depressants/





2014年5月29日

チョコレート好きの方への情報です。

糖類ゼロのチョコレート「ドクターズチョコ」というのがあるそうです。一粒6.5-6.8キロカロリー。

以下宣伝文句。

世界有数のショコラティエへ原材料を供給するプレミアムベルギーチョコレートの最高峰ブレンド「カレボー社」が6000種類以上のチョコレートの中から身体によい健康チョコレートを厳選し開発しました。





2014年5月28日

MT-PRO の記事より。糖質制限(ケトン食)の有効性を、デューク大学の先生と山田悟先生がディスカッションされています。

疲れが取れる、インスリンが不要になった多数の症例、飽和脂肪酸悪玉説の否定、逆流性食道炎および下痢型過敏性腸症候群および多のう胞性卵巣症候群の改善などを報告されています。

Yancy Jr. 准教授は、米国肥満学会議会長およびADA(米国糖尿病学会)声明改定委員の先生だそうで、権威という点では文句なしですね。

低糖質・高脂肪食は有用な選択肢の1つ



5年前から糖質制限を糖尿病・肥満治療に取り入れているデューク大学生活習慣医学クリニックでは,糖質を20g/日未満に制限するケトン食の実践により,インスリンフリーとなる患者を多数経験しているという。先週号に続き糖質制限食に関する臨床研究を牽引するダーラムデューク大学(米ノースカロライナ州ダーラム)一般内科のEric C. Westman准教授と同大学のWilliam S. Yancy Jr.准教授の2氏へのインタビューを紹介する。Westman准教授は同大学生活習慣医学クリニック所長ならびに米国肥満学会議(ASBP)会長を兼務しており,Yancy Jr. 准教授は今回のADA声明改訂委員の1人でもある。聞き手は,2013年11月に食・楽・健康協会理事長に就任した北里研究所病院(東京都)糖尿病センターの山田悟センター長にお願いした。



飽和脂肪と心血管疾患の関連は不明

山田 低糖質・高脂肪・適度な蛋白質の食事を推奨されるとのお話でしたが,脂肪について語ると,必然的に飽和脂肪に行き着くと思います。飽和脂肪の摂取についてはどのようにお考えですか。

Yancy Jr. 糖質制限を行っている人たちの最大関心事ですね。飽和脂肪摂取について,以前は脂肪は悪いプレーヤーで,コレステロールと心臓発作を起こすとされてきました。

Westman 私は飽和脂肪を避けるべきとは思っていません。

Yancy Jr. かつて海外7カ国の観察研究1)から脂肪に害があるとする考えが提唱されましたが,冠動脈死亡リスクと飽和脂肪の関連には他にも多くの要因が交絡していることは歴然としており2),それを信じる研究者は少なくなってきています。

Westman 飽和脂肪と心血管疾患の関連を評価した前向きコホート21研究のメタアナリシス3)では,飽和脂肪の摂取と心血管疾患リスクに関連は認められませんでした。また,飽和脂肪酸だけでなく,多くの食事因子と心血管疾患に関してBradford Hillの因果関係評価基準を用いたシステマチックレビュー4)では,地中海食,野菜,ナッツ類はリスクを低下させる一方,トランス脂肪酸と高GI値の食品はリスクを上昇させることが示されています。しかし,飽和脂肪と心血管疾患の関係性についてのエビデンスは出ていません。

Yancy Jr. これが現在のサイエンスです。過去さまざまな食事研究がありましたが,ある主要栄養素を変えると,少なくとも食事全体のパーセンテージ上,他の主要栄養素が変わるというところが厄介なのです。

山田 PREDIMED研究はどう思われますか。

Yancy Jr. 食事を変えればリスクを減少させられることを示すとても印象的な研究です。この研究からいえることは,不飽和脂肪酸摂取を増加し,炭水化物の摂取を減らすことは,その逆よりも良いということです。

Westman そしておそらく,炭水化物を減らし,飽和脂肪摂取を増加することも良いだろうと思います。飽和脂肪は善玉コレステロールであるHDLコレステロールを増加させます。卵には飽和脂肪が含まれており,HDLを増加させます。私は卵を制限する必要はないと考えています。



高脂肪食は中身が問題

山田 では,動物性蛋白質と植物性蛋白質ではいかがでしょうか。

Yancy Jr. 動物性蛋白質と植物性蛋白質の比較はそのほとんどが観察研究であるため,交絡因子のある中で情報を引き出すことは難しいと考えます。

Westman ヒトは肉食動物でも草食動物でもなく,少なくともヒトと草食動物の消化システムは異なる。それなのに,菜食は抵抗なく受け入れられ,肉食は体に悪いイメージがあるのは面白いですね。

Yancy Jr. おそらく草食動物とは脂質代謝も違います。

Westman 最もヒトに近いのはギニアピッグです。

山田 マウスの検討では,なぜ高脂肪食で肥満を来すのでしょうか。

Westman 「高脂肪食」の定義が問題です。高脂肪食に関する学会発表で「食事の内容を教えていただけますか」と尋ねると,ほとんどが高脂肪なだけでなく炭水化物も多いものです。こうした食餌をマウスに与えれば,「高脂肪食が肥満を引き起こした」という結論が導き出されることになるでしょう。

Yancy Jr. 多くの疫学研究でも,「高脂肪食は肥満との関連が示された」とされています。しかしその内容を調べてみると,「高炭水化物・高カロリー食」でもあるのです。体重が増加した患者は,大量の脂肪とともに大量の炭水化物を食べているのです。

Westman 私が実践している「糖質制限-ケトジェニック食(ケトン食)」は炭水化物が5-10%であり,内因性のインスリン分泌を生じません。食事の炭水化物が20%もあれば,分泌されたインスリンが肥満を引き起こすのに十分な量です。ケトン食は高脂肪ですが,高脂肪食という名の高炭水化物食と同じ効果にはなりえないのです。

Yancy Jr. 高脂肪食に関する研究結果を読み解くには,食事中の炭水化物,蛋白質の量や割合について常に確認することが重要です。 減量なしでインスリンが減らせることも



山田 ケトン食を始める際,インスリンを使用している患者はどうされていますか。

Westman クリニックでは,糖質20g/日未満のケトン食を実践しただけでインスリンが必要なくなった患者を数多く経験しています。ケトン食を開始した患者には,初日にインスリンを半量にするよう指示します。来院時にインスリンを173単位(速効型インスリン36単位×3回・持効型インスリン65単位/日)投与しており,HbA1c 8.65%,平均血糖値180-200mg/dLの女性患者がいました。ケトン食を実施し,インスリンを初日に約半量(速効型インスリン15単位×3回・持効型インスリン30単位)に減量すると,翌日の血糖値は53?180mg/dL,平均120?130mg/dLでした。そこで翌々日にはインスリンのさらなる減量,または中止を指示し,それ以来この患者はインスリンを使用していません。血糖値が100mg/dL以下になったら,インスリンを使用してはならないのです。

Yancy Jr. この患者は肥満がありましたが,体重が減少する前に「疲れが取れた」と話しています。

Westman 疲れが取れたのは減量からではなく,過剰に摂取していた炭水化物を制限したためです。

Yancy Jr. インスリンの減量に,体重低下は必ずしも必要ないという好例ですね。ケトン食では数日で空腹感も低下し食事量が減りますので,徐々に体重や血圧も低下し,糖尿病が改善します。

Westman 無作為化試験ではないのであえてパイロットスタディと呼んでいますが,ケトン食開始6カ月で脂肪肝患者の肝臓剖検を行った検討では,組織所見の改善が認められました5)。一方,下痢型過敏性腸症候群患者では症状とQOLが改善し6),肥満のある胃食道逆流症患者ではpHモニタリングも使用しましたが,下部食道の酸曝露が低下し症状が改善しました7)。さらに,肥満の多嚢胞性卵巣症候群患者の検討でも,24週で体重だけでなく遊離テストステロン率やLH/FSH比,空腹時インスリン値が改善しました8)

。 Yancy Jr. 健康関連因子を評価してみると,ほとんどの場合改善しますので,ケトン食の効果に驚かれることでしょう。こうした数々の知見から,糖質制限はもっと積極的・徹底的に研究し,治療選択肢として考慮する必要があると考えています。

山田 貴重なお話をありがとうございました。



1)Keys A, et al. Harvard University Press 1980.
2)Astrup A, et al. Am J Clin Nutr 2011; 93: 684-688.
3)Siri-Tarino PW, et al. Am J Clin Nutr 2010; 91: 535-546.
4)Mente A, et al. Arch Intern Med 2009; 169: 659-669.
5)Tendler D, et al. Dig Dis Sci 2007; 52: 589-593.
6)Austin GL, et al. Clin Gastroenterol Hepatol 2009; 7: 706-708.
7)Austin GL, et al. Dig Dis Sci 2006; 51: 1307-1312.
8)Mavropoulos JC, et al. Nutrition & Metabolism 2005; 2:35






2014年5月27日

90代の男性のお話です。



この方は14-5歳の頃、作文の宿題に「若き日の悔恨」 のタイトルで作成して提出したそうです。



当時は娯楽が、映画と小説しかなかったので、一部で小説がはやっていたそうです。

モーパッサン(桜の園)、ドストエフスキー(罪と罰)、トルストイ(戦争と平和)などわかりもせず読んでいたそうです(御本人談)。

本を読んでないとばかにされるので見栄で読んでいたとのこと。



ともかく、「若き日の悔恨」 を読んだ先生は、この生徒は自殺するのではないか?と心配して大慌てで家庭訪問に来られたそうです。(そんな気はさらさらなく、当時本の意味もよくわからなかった。御本人談)



その後、大陸の戦場へ出て、戦友を亡くされたり、激動の人生を歩まれました。



この方の日常ですが、連日、カープの勝ち負けに一喜一憂されています。

毎日、新聞はすべてチェックし、面白いテレビは見逃さず。文芸誌など数誌を定期購読。

音楽は凝ったオーディオでクラッシックを、ブルーマウンテンを飲みながら。

昔、文体の美しさに感動した川端康成「伊豆の踊り子」が歩いた伊豆の街道を歩いてみたいと思っているそうです。



感性の若々しさと、好奇心の強さに脱帽です。





2014年5月25日





間違いだらけの「歯の常識」について書いています。

歯科医仲間に袋叩きにあいそうな内容です。

糖質制限の考え方がベースにあります。(筆者は先住民食と名づけています)

筆者の説がすべて正しいかどうかは別にして、もっと早く知りたかったです。



興味深かった点

@むし歯の原因は糖。糖質制限をすると、小さな虫歯は再石灰化して治る。

A妊婦さんの鉄不足が、胎児の上顎の発達障害の原因になる。ひいては不正咬合となる。

B歯周病は糖質制限で改善する。・・・・当院の患者さんも改善した方がおられます。

C良質の治療は医院の利益に反する。・・・・歯科だけでなく、医療全般にあてはまる部分があります。

それでも、この先生のように良質の医療を目指さないといけないですね。
(医院がつぶれたら、他の仕事を始める心積もりで。)

D歯磨きできれいになる部分は、もともと虫歯になりにくい部分。

E先住民族(伝統食の人々)にむし歯が圧倒的に少ない事実(予防歯学の父:W.A.プライス博士の報告)

F先住民族は妊娠期には特別食をとる。(先住民族の知恵・・・これこそが数千年〜数万年にわたって民族を存続させた源泉)

G砂糖の過剰摂取⇒カンジダの小腸での増殖⇒小腸の炎症(リーキーガット症候群:大きい分子のままで吸収される)⇒アレルギー





第一章

間違いだらけの歯の常識

@歯磨きがむし歯を予防する。
Aフッ素はむし歯予防に有効
Bシーラントはむし歯を予防する
C歯磨き後にはマウスウヲッシュ剤を
D歯間ブラシでプラークコントロール
Eむし歯の原因は虫歯菌
F歯周病は歯周病菌が原因
G歯並び・かみ合わせの異常は遺伝的なもの
Hよくかむことが不正咬合の予防になる
I定期健診でむし歯を予防する






2014年5月23日





2年間ほど糖質制限されている鍼灸師さんに教えていただきました。

左が豚皮スナックです。 右の写真。ロッテのチョコレート、その右のチョコレートは低糖質工房のチョコレート(ロッテより糖質が低い)。その他。



この方は糖尿病でヘモグロビンA1Cは5.1%でした。内服も全くせずの状態で医療費もほとんど使わず、すばらしいです。



医療関係者(特に西洋医学専門でない)では、糖質制限が常識になりつつあるのでしょうか。








2014年5月22日

今朝の江部先生のホームページに、山田先生の記事が載せられていました。

デンマークの統計で報告されたもので、福田一典先生の理論(ブドウ糖を絶てばがん細胞は死滅する)が一部証明されたことになると思います。

論文の著者や山田先生の考察より、福田先生の理論の方が説得力があると思います。

以下2014年5月19日のMT Pro 記事から一部抜粋です。



http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/doctoreye/dr140502.html

ドクターズアイ・最新論文で考える日常臨床

糖尿病患者はがんになりやすいだけでなく, 発がん後の死亡率も高い






北里研究所病院糖尿病センター 山田 悟

研究の背景:関心が高まる糖尿病とがんの関係  

糖尿病患者ががんを発症しやすいことは,これまでにも幾つかの研究で報告されてきた(Arch Intern Med 2006; 166: 1871-1877,Cancer Sci 2013; 104: 1499-1507)。さればこそ,日本糖尿病学会と日本癌学会の専門家による合同委員会が設立され,委員会報告でもその関連が認められたわけである(糖尿病 2013; 56: 374-390,関連記事)。



  一方,がんを発症した糖尿病患者の予後が非糖尿病患者よりも悪いという報告も幾つかなされてきた(JAMA 2008; 300: 2754-2764,Diabetes Care 2012; 35: 299-304)。しかし,それらの報告では,その調査された集団が真に母集団を反映しているかどうかというサンプリングバイアスの懸念があったように思う。このたび,サンプリングバイアスがないであろうデンマークの国民全員の登録制度を用いた研究から,発がん後の生命予後が糖尿病患者において悪いことが示されたのでご紹介したい(Diabetologia 2014; 57: 927-934)。



研究のポイント1:デンマーク市民登録制度を用いた解析  デンマークにはデンマーク市民登録制度があり,1968年以降,全国民に登録番号が割り付けられ,個人の生死の状況は常にアップデートされているらしい。さらに,2006年にはデンマーク糖尿病登録制度ができ,既存の糖尿病患者登録制度が1つの登録制度にまとめられるようになった。また,デンマークがん登録制度というがん患者の登録システムも1943年にでき上がっていたという。



本研究は,この3つの登録制度を用い,がんと診断された時点で糖尿病を抱えている患者と糖尿病を抱えていない患者で生命予後が異なるかどうかを検証したものである。  1995年1月1日〜2009年12月31日にがんと診断された市民が登録され,2009年12月31日までの生存・死亡が確認された。その上で,がんと診断された時点での糖尿病状態により4つに分類された。すなわち,@非糖尿病(糖尿病ではない人)A無投薬糖尿病(糖尿病ではあるが薬物療法を受けていない人)B経口薬糖尿病(糖尿病であって経口血糖降下薬を内服しているもののインスリン注射はしていない人)Cインスリン糖尿病(糖尿病であって経口血糖降下薬の併用の有無を問わずインスリン注射をしている人)―である。



また,がんの種類別でも解析がなされた。 研究のポイント2:男女を問わず糖尿病患者は発がん後の生存率が低い  合計42万6,129人のがん患者が登録され,@非糖尿病38万3,924人(年齢の中央値67歳)A無投薬糖尿病1万5,453人(同73歳,糖尿病診断からがん診断までの中央値1.28年)B経口薬糖尿病1万7,708人(同73歳,1.74年)Cインスリン糖尿病9,044人(同70歳, 1.65年)―であった。  2009年12月31日までのがんでの死亡者は,@非糖尿病23万536人A無投薬糖尿病1万573人B経口薬糖尿病1万2,727人Cインスリン糖尿病6,656人―であり,死亡のハザード比は糖尿病患者で非糖尿病者よりも高くなっていた。がんの種類別に見ると,大腸がん,乳がん,卵巣がん,子宮頸がん,子宮体がん,膀胱がんで3つの糖尿病群全てでのハザード比が非糖尿病より高くなっていた。また,インスリン糖尿病では,それらに加え直腸がん,肺がん,前立腺がんでの死亡率も高くなっていた(図1)。 dr140502_fig1.jpg  



70歳でがんと診断された2年の糖尿病罹病歴を持つ患者での生存率をモデル計算して図示すると図2のようになるという。これを見るとがん診断後2年での生存率は,男性では@非糖尿病70%A非インスリン糖尿病(無投薬糖尿病,経口薬糖尿病)60%Bインスリン糖尿病20%―,女性では@非糖尿病80%A非インスリン糖尿病70%Bインスリン糖尿病30%―である。 dr140502_fig2.jpg  なお,糖尿病の罹病歴は死亡率に大きな影響を持たなかったという。



私の考察:高インスリン血症や高血糖による酸化ストレスが原因か  糖尿病で発がん後の予後が悪い理由として,論文の著者らは幾つかの仮説を提示している。@高インスリン血症あるいはインスリン抵抗性ががんを増殖させるA糖尿病であることや糖尿病合併症を有していることががん治療の選択肢を消極的なものにさせているB糖尿病の合併症ががんの早期発見を邪魔しているC前がん状態であること(あるいは未発見のがんを抱えていること)が血糖値を上げている―などである。



一般には高インスリン血症や高血糖による酸化ストレスの関与などが原因になって糖尿病において発がんが増えていると考えられているので,それらが同じように生命予後も悪化させているのだろうと私は思う。  個人的に極めて興味深く感じたことは,一般に糖尿病患者で発症率が低いはずの前立腺がんにおいても,診断時に糖尿病があることで死亡率が高くなっていることである。高血糖が前立腺がんの発症あるいは進展に対してどのような影響を及ぼすのか,不可思議な謎である。糖尿病が真に前立腺がんの発症を抑制しているならば,発がん後も前立腺がんの進展に対して抑制的に働くはずであり,発がん後の予後を悪くしているのは糖尿病そのものではなく,糖尿病合併症に伴う全身の予備能力の低下なのかもしれない。前立腺がんの経過は一般的に他のがんに比較して長期にわたるため,そうした影響はありえよう。  逆に,本当は,糖尿病は前立腺がんの発症を抑制していないという可能性も考えられる。確かに以前のメタ解析では前立腺がんの発症は糖尿病患者で少なかった(RR 0.84,95%CI 0.76〜0.93)のであるが(Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 2006; 15: 2056-2062),最近のわが国でのコホート研究のプール解析では有意な減少はなく(同0.96,0.64〜1.43,Cancer Sci2013; 104: 1499-1507),また台湾からの報告では非糖尿病者よりも多かったという(同1.56,1.19〜2.04,Metabolism 2012; 61: 242-249)。  前立腺がんに限らず,糖尿病とがんの関係にはこれからも大いに注目し,その関係性を明らかにしていくべきであろう。









2014年5月18日

「逆 教育勅語」というものが出てました。(倉山満)



一、親に孝養をつくしてはいけません。家庭内暴力をどんどんしましょう。

二、兄弟・姉妹は仲良くしてはいけません。兄弟姉妹は他人の始まりです。

三、夫婦は仲良くしてはいけません。じゃんじゃん浮気しましょう。

四、友だちを信じて付き合ってはいけません。人を見たら泥棒と思いましょう。

五、自分の言動を慎しんではいけません。嘘でも何でも言った者勝ちです。

六、広く全ての人に愛の手をさしのべてはいけません。わが身が第一です。

七、職業を身につけてはいけません。いざとなれば生活保護があります。

八、知識を養い才能を伸ばしてはいけません。大事なのはゆとりです。

九、人格の向上につとめてはいけません。何をしても「個性」と言えば許されます。

十、社会のためになる仕事に励んではいけません。自分さえ良ければ良いのです。

十一、法律や規則を守り社会の秩序に従ってはいけません。自由気ままが一番です。

十二、勇気をもって国のため真心を尽くしてはいけません。国家は打倒するものです。






2014年5月17日





「中鎖脂肪ケトン食」すなわち、糖質制限の有効性を理論的に述べた本です。 銀座東京クリニック



  センセーショナルなタイトルですが、実際の治療経験の記述は少ないです。

というより、現在まさに臨床試験が行われています。( アイオワ大学、大阪大学、ピッツバーグ大学)



ケトン食で癌が治った人の動画



述べられている理論は大変まじめです。

TCAサイクルを始めとするエネルギー代謝が詳しく説明されています。

(学生時代には少しも面白くなく、苦労しました。)

基礎知識がない方には難しいかと思います。



要点は以下のとおり。(はじめにより抜粋)



・がん細胞は、ブドウ糖(グルコース)に対する依存度が正常細胞に比べて何十倍も高い。

・よって、がん細胞がブドウ糖を利用できなくすれば、正常細胞にダメージを与えず、がん細胞だけを死滅させることができる。




血中のブドウ糖をゼロにすることはできないので、死滅まではできない気もしますが、進行を抑制する可能性はあると思います。

その他。

@糖質はいつのまにか3大栄養素の1つになっているものの、実はなくても構わない栄養素

A癌細胞は嫌気的な生き物

B肝臓はケトン体を自身で利用できない。

C高濃度ビタミンC点滴、メトホルミン、漢方薬、ジクロロ酢酸ナトリウム、R体αーリポ酸などについてもふれている。






2014年5月15日



最近、「新型栄養失調」について説明するときに、この本の名前を出しています。

筆者は東京都老人総合研究所の先生で栄養学の専門家です。

血清アルブミンは4.3グラムが目標値です。

また、シニア世代は、血清総コレステロール値が高いほうが健康に対して絶対有利であると述べておられます。

(コレステロール悪玉説の終焉)



 書評「介護されたくないなら粗食はやめなさい その2」(2013.4.16)


  書評「介護されたくないなら粗食はやめなさい」(2013.4.15)


 


2014年5月14日

専門外で、判断能力が不足しているのですが、韓国の経済状況に関する動画です。

ちなみに私は医療情報について、マスコミは十分に機能していないと思っています。

ですから、新聞、テレビの報道を疑っています。


新日本経済新聞 三橋貴明公式チャンネル


三橋貴明氏の著述を読むと、韓国のようにグローバル化することは、地獄の一丁目に突入することに思えてきます。



@小泉内閣による格差の拡大(非正規雇用の増加)

ATTP交渉への参加(一部輸出企業の利益優先)



上記2点はいわゆる日本のグローバル化(あるいはアメリカ化)だと思います。

医療の分野に話を戻しますと、アメリカの医療は映画「シッコ」等で描かれたとおり、「病んでいる」 状態です。

私は医療のアメリカ化に反対です。この点TPP反対の日本医師会は正しい圧力団体ではないでしょうか?



賢明な政治家が出てきて欲しいと願います。



2014年5月13日





糖質制限中の女性に教えていただきました。糖質制限チョコレートです。1個当たりの糖質が2.9gだそうです。

この方は3週間で3キログラム体重が減ったそうです。最初の一週間がしんどかったそうです。

現在は大変体調がよいとのことでした。





2014年5月9日

悪いのは、炭水化物か、それとも脂肪か?「炭水化物悪玉説」「脂肪悪玉説」の議論が続いています。


これまでは、脂肪の中でも特に飽和脂肪酸(肉、卵、牛乳、バターなどに含まれる)が悪いといわれてきました。


日本の研究では飽和脂肪酸の無害性の報告もあります(JACC study 別項参照を)。日本人の倍の飽和脂肪酸を摂取している欧米でも飽和脂肪酸悪玉説が否定されつつあるようです。



飽和脂肪酸「悪玉論」のウソ―過小摂取に思わぬリスクも



「飽和脂肪酸は心臓疾患の原因にはならない」――。3月に発行された医学専門誌アナルズ・オブ・インターナル・メディシンに掲載された研究はこう結論づけている。



驚くべきは、どんな種類の炭水化物を摂取するかは関係ないことだ。精製されていない穀物も同じだ。全粒粉のオートミールを朝食に食べすぎ、全粒粉のパスタを夕食に摂りすぎ、その間にフルーツを食べると、結局は卵1個とベーコンの食事よりも不健康な食事になる。脂肪が肥満や糖尿病の原因になるわけではないのだ。



飽和脂肪酸の摂取量を減らしている女性の場合、心臓疾患にかかるリスクが高い。この食事法では特に「善玉」コレステロールの値が急落するためだ(男性も減少するが女性ほどではない)。皮肉なことに、フルーツや野菜、穀物の摂取量を増やすことに励んできた女性は、今や男性よりも高い肥満率と心臓疾患による死亡率に苦しんでいる。



 肉や卵、乳製品の摂取量を減らすための、この50年間の努力は悲劇的だ。キーズ博士の説を証明するために多額の資金が費やされたが、その食事法による恩恵は何も示されなかった。飽和脂肪酸にまつわる仮説をいったん寝かせ、国民の健康を悪化させている別の犯人を探すときがきた。






2014年5月8日

再びケトン体の話題です。

今週の河野先生のブログへの投稿のコピーです。

胎児および新生児のケトン体値がとても高いという宗田哲男先生の報告です。

栄養学上の大発見ではないでしょうか。



糖尿病の話題1(千葉県の実践医、小田行一郎先生)

河野和彦先生 御机下。いつもお世話になっております。私は,常日頃より今までの誤った,治療をぶちこわすのは認知症領域のコウノメソッド(河野和彦先生),糖尿病領域の糖質制限(江部康二先生,夏井睦先生),創傷治癒領域の湿潤療法(夏井睦先生)のお三方だと考えております。



先生のブログでケトン体のお話しがでたので,千葉県市原市の宗田マタニティクリニック院長の宗田哲男先生の発表です。(コメントは江部先生ブログよりです)宗田哲男先生は、普通に糖質を食べている女性における人工流産児の絨毛のケトン体値を、58検体測定され、平均1730μmol/Lで、通常の基準値(血中総ケトン体28〜120μmol/l)に比しはるかに高値であることを報告されました。

58検体全てが成人の基準値よりはるかに高値でしたので、胎児のケトン体の基準値は成人よりかなり高値であると言えます。これは世界で初めての報告であり、極めて貴重なデータです。

6週から18週までの胎児の絨毛間液のケトン体値がこれほど高値であることは、胎児の脳を始めとした組織の主たるエネルギー源はケトン体である可能性を示唆しており、このことはそのままケトン体の本質的安全性を証明するものです。勿論58検体全例で、酸性血症(アシドーシス)ありませんでした。

また生後4日目の新生児312名において、血中ケトン体の平均値は240.4μmol/L生後1ヶ月の新生児40名において、血中ケトン体の平均値は400μmol/Lと一般的な基準値よりはるかに高値であることを報告されました。新生児のケトン体値の報告も、これだけの数がまとまったのは、おそらく世界で始めてと思います。すいません,つい興奮して長文になりました。今後とも,よろしくお願い申し上げます。






2014年5月1日

ココナツオイルおよびケトン体栄養療法の話題です。

CBNの番組で、ロリージョンソンのリポートでココナツオイルの効果を報道しています。


司会者が「ブレークスルーサイエンス!!」と叫んでいます。

内容はメアリー.T.ニューポート先生の本「アルツハイマー病が劇的に改善した!!米国医師が見つけたココナツオイル驚異の効能」に基づいたものです。

英語なので解かりにくいですが、図が大変わかりやすいです。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)が改善した方や、パーキンソン病が改善した医師もこのニュースに登場しています。

さらに自閉症にも有効と考えられているようです。





2014年5月1日

昨朝のアサイチでココナツオイルをトピックスにしていましたが、早速購入した方がおられました。



他の方も何人かココナツオイルのことをアサイチを見て知っておられました。

「花子とアン」も面白いですし、NHKの影響力おそるべしです。



少ししたら、「脂質摂取過剰になるので良くない」と「脂質悪玉論者」が騒ぎ始めるのではないでしょうか。





2014年4月30日

今朝のNHKアサイチで、ココナツオイルの話題が出ていました。

先日、メアリー.T.ニューポート先生の本「アルツハイマー病が劇的に改善した!!米国医師が見つけたココナツオイル驚異の効能」を紹介したところだったのでびっくりしました。

なんでも健康食として最近よく売れているそうです。(白澤卓二先生も出演されてました)

アサイチのディレクターは情報が早いです。

いろんなところにアンテナをはってるんでしょうね。





2014年4月30日





今年に入って、コウノメソッドの河野先生のブログでは、グルタチオン点滴がトピックスになっています。

座間清先生とのディスカッションでなぜ効果があるのかが話題になっています。(シグナル伝達を正常化しているから?)

結局のところはまだよくわかってないようです。



上記の本は、点滴療法研究会の柳澤先生が書かれています。

グルタチオン点滴の他にも高濃度ビタミンC点滴療法なども行われています。(この辺は良くわかりませんのでパスします。)

9年ほど前よりパーキンソン病の人にグルタチオン点滴を行われ効果をあげています。

効果があるのは6-7割程度で、劇的に効果が出る人も、じょじょに効果がある人まで様々とのことです。



症例動画

かたやま脳外科内科ホームページ 症例動画あり





2014年4月28日

本日、藤川徳美先生 の投稿が河野先生のブログに掲載されています。

ケトン食についてのすばらしいまとめです。以下引用させていただきました。



糖質制限食(ケトン食)の基礎知識と最近の話題



<糖質制限食(ケトン食)の基礎知識>

1)草食動物と肉食動物

 牛やネズミなど草食動物は発酵などにより糖質から蛋白質を作ることができる。ヒトは糖質から蛋白質を作ることができない。つまりヒトはライオンと食性は同じ肉食動物。  つまり、ネズミの実験をヒトに当てはめるのは食性が異なるのでナンセンス。



2)体内のブドウ糖とバックアップシステム

 血糖値100mg/dl=血液5l中にブドウ糖5g(20Kcal)

 肝、筋肉のグリコーゲン300g(1200Kcal)
 インスリン:グルカゴン、アドレナリン、コルチゾール等で血糖調整

 糖新生とβ酸化

 体内の糖質が少なくなると、A)アミノ酸から糖新生され、B)脂肪酸がβ酸化されてケトン体(βヒドロキシ酪酸)が作られる。ケトン体は赤血球以外の全ての臓器でブドウ糖の代わりにエネルギーとしてTCA回路に入り利用される。

 ”脳はブドウしか利用できない”と言うのは嘘。



  3)糖質制限とケトン体値 

 糖質摂取を制限すると、血中ケトン体上昇する。糖質を通常に摂取している場合にはケトン体は<100、緩やかな糖質制限の場合には300-600、厳格な糖質制限の場合には1000-3000。インスリン基礎分泌が保たれている人はケトアシドーシスにはならない。



4)ケトン食

 「ケトン食」というのは、体内でケトン体が多く産生されるように考案された食事。

 てんかん発作が絶食によって減少することは古くから知られていた。そして、「脂肪を多く炭水化物の少ない食事を摂れば、絶食と同等の効果が得られる」という考えのもとに、1920年代に米国のメイヨークリニックで難治性てんかんに対する食事療法としてケトン食療法(ketogenic diet)が発案された。

 1960年代には中鎖脂肪酸トリグリセリド(中鎖脂肪酸中性脂肪)を使うとケトン体の産生効率が高いことが明らかになり、中鎖脂肪酸トリグリセリドを利用したケトン食療法も行われている。

 ガン細胞はエネルギーとしてブドウ糖しか利用できないが、正常細胞はブドウ糖と伴にケトン体も利用できるため、糖質制限(ケトン食)の抗ガン作用が期待されている。



<最近の話題>

1)ヒトの非小細胞性肺ガンを対象として、ケトン食の治験が2011年8月始まった。アイオワ大とNIHの共同研究。



2) ケトン食が2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)と、2011年版NICE(英国政府ガイドライン)の、難治性小児てんかん治療に採用された。ケトン食は、総摂取カロリーの75-80%が脂質という、究極のスーパー糖質制限食。



3)2013年3月ピッツバーグ大学で進行癌にケトン食の治験が開始された。

 大腸癌・前立腺癌・脳腫瘍・乳癌・膵癌・肝胆道癌・悪性黒色腫・肉腫・肺癌(非小細胞/小細胞)・泌尿生殖器癌が対象。すなわち殆ど全ての癌が対象。



4)βヒドロキシ酪酸はヒストンのアセチル化を亢進する:ケトン食の酸化ストレス軽減作用(2013年2月)

島津忠広(理化学研究所・Gladstone Institute of Virology and Immunology)の論文:Science, 339, 211-214 (2013)



哺乳類の血中にはβヒドロキシ酪酸がmMのオーダーで存在する。

図:絶食や飢餓やケトン食によってβヒドロキシ酪酸の濃度が上昇すると、ヒストン脱アセチル化酵素が阻害される。これによって遺伝子プロモーター領域のヒストンが高アセチル化し、転写因子FOXOが活性化され、Mnスーパーオキシドジスムターゼ(Mn-SOD)やカタラーゼの発現を誘導し、酸化ストレスに対して耐性が増強する。ケトン食による寿命延長作用や抗がん作用のメカニズムの一つにヒストン脱アセチル化酵素の阻害作用が報告されている。



5)ケトン食はアルツハイマー病の治療に有効

 ケトン体は脳神経のエネルギー代謝を改善し、活性酸素や炎症から神経細胞を保護する作用があるので、ケトン食にアルツハイマー病やパーキンソン病や脳卒中等を原因とする脳神経細胞障害の進行抑制にも利用されている。


 ケトン食が認知障害の改善に有効であることが臨床試験で示されている。
Dietary ketosis enhances memory in mild cognitive impairment.(食事性ケトーシスは軽度認知 障害の記憶力を増強する)Neurobiol Aging 33(2):425.e19 ? 425.e27, 2012。

 この論文では軽度の認知障害のある23人(男性10人、女性13人:平均年齢70.1±6.2)を対象に、高糖質食と低糖質食の2群に分けて6週間の食事療法を行った。その結果、低糖質食のグループでは、言語記憶能力の統計的有意な改善を認め、さらに、体重、腹囲、空腹時血糖、空腹時インスリン値の統計的有意な減少が認められた。




6)中鎖脂肪酸トリグリセリドはアルツハイマー病の治療に使われている

米国では中鎖脂肪酸トリグリセリド(中鎖脂肪酸中性脂肪)のカプリル酸トリグリセリドがアルツハイマー病の治療に有効な医療食( medical food) として認可されている(2009年3月にFDAが認可)。



7)ケトン食が自閉症の症状を改善する

ケトン食が、自閉症にも効果があることを示唆する臨床試験の結果も報告されている。
以下のような論文があります。

Application of a ketogenic diet in children with autistic behavior: pilot study.(自閉症の子供に対するケトン食の適用:予備試験)J Child Neurol 18(2)/113-8, 2003。





2014年4月25日

藤川徳美先生先生 にメールをいただきました。

いつもありがとうございます。

(脳神経をケトン体で栄養する)治療方針がすでに完成していますね。



ココナッツオイルの話題、とてもタイムリーです。

数日前、下記内容を河野先生にメールし、来週のブログで取り上げられる予定となっています。



中鎖脂肪酸のことなら福田一典氏の本が参考になります。

http://cancer-treatment-with-diet-cure.doorblog.jp/archives/38429577.html

福田先生のブログも勉強になります。

http://blog.goo.ne.jp/kfukuda_ginzaclinic



白澤卓二先生の本:

1)アルツハイマーの改善&予防に! ココナッツオイルでボケずに健康―1日大さじ2杯から 太りにくい! アンチエイジング効果も! (主婦の友生活シリーズ)

白澤 卓二 (監修), ダニエラ・シガ



2)アルツハイマー病が劇的に改善した! 米国医師が見つけたココナツオイル驚異の効能

メアリー・T・ニューポート (著), Mary T.Newport (著), 白澤 卓二 (監修), 日向 やよい (翻訳)



糖質制限して、中鎖脂肪酸であるココナッツオイルやMCTオイルを摂取し、ケトン体を上げると認知症に有効という内容。



江部式糖質制限(糖質60g/日以下)にてケトン体は500-1000に上昇します。それに中鎖脂肪酸を加えるとケトン体が2000前後に上昇します。







2014年4月24日


アルツハイマー病が劇的に改善した!

米国医師が見つけたココナツオイル 驚異の効能  メアリー・T・ポート




米国人医師が若年性アルツハイマーに罹った夫を救うために見出した治療法と、その効果に関する本です。



 一言で言うと、食後すぐにエネルギーとして利用されやすい中鎖脂肪酸(ココナツオイル、MCTオイル)を用いて、血中のケトン体を上昇させることが治療になるというものです。



 脳神経ケトン体栄養療法と言う言葉が解かりやすいのではないでしょうか。



理論的背景として、アルツハイマー病の脳細胞が、グルコースを取り込むことができなくなっていることが指摘されています。 すなわち、エネルギー不足で脳細胞が壊死脱落していっているという仮説です。(アルツハイマー病は最近では3型糖尿病といわれているらしい)



中鎖脂肪酸で神経細胞に栄養を与えるというわけです。



この本の報告では、アルツハイマーだけでなく、前頭側頭葉型認知症、ALS、けいれん発作、ハンチントン舞踏病、緑内障、ジストニア、末梢神経障害などが記載されています。



糖質セイゲニストであれば、すぐに糖質制限によるケトーシスを思い起こすでしょう。

「糖尿病の解決」のバーンスタイン医師も、糖質制限食の短期記憶改善効果を述べています。

おそらく、糖質制限の方がより安定してケトン体の供給ができるのではないでしょうか。



小児難治性てんかんに対するケトン食(誤診:メリルストリープ監督)、ALSに対するケトン食の治験などについて調べたときは、「ケトン体の脳保護作用」という記述だったと思います。

ぶどう糖を使えないので脳神経が栄養欠乏状態に陥り、萎縮するという仮説はシンプルですが魅力的です。



ココナツオイルにしても、糖質制限にしてもデメリットがない治療法なので、脳神経の変性疾患に試してみるとよいと思います。



  読書メモ

@認知症の部分症状としてのうつも、ココナツオイルで改善している。

A江部先生の血中ケトン体は400-1200マイクロモルである。

Bこのドクターのご主人は主夫として二人の娘を育て上げられたそうです。読んでいて著者の情熱の理由を感じました。

C正直に次のように書いています。

スティーブの病気のことを調べているあいだに、栄養についていろいろなことを知った。

医師として訓練を受け、診療をしてきた30年間より、この5年で学んだことのほうが多い。


私も2年半前まで何も知りませんでした。

Dヘルペスとアルツハイマーの関連性?





2014年4月23日


糖質制限推進派ナースより教えていただきました。(ありがとうございます)

5本指で、かかとの薄いスニーカーの情報です。 足のたこや、膝、股関節などに問題がある方は試してみたらいいかもしれませんね。



ただいまワタクシの周囲で「ベアフット・フォアフット」が流行っておりまして。

http://ujina.com/2014/04/10/1605

我が家ではビブラムファイブフィンガー(VFF)を導入。(白島のRUN+と言うお店で購入)

これが非常に快適で、前の靴を履く気にならない(笑)

VFF数日履いた後に上の靴に戻してみたところ・・

イヤでも踵着地になり、腰や、股関節・膝に負担がかかってるのを実感( ̄▽ ̄)



ダンナさんは「糖質制限以来の衝撃」と言っております(笑)



これ履き始めて3週くらいになりますが、足裏の過角化が更に改善!

糖質制限で血流が良くなった事がベースにあって、足が本来の動きと機能を取り戻し始めた事による変化ではないかと。(ダンナさんも、友人も鶏眼様の物が縮小)



前に登場した54歳のワン友さん(片膝ope既往あり、腰痛あり、3月に足関節の軟骨損傷)も

VFF購入されて下半身の負担が減ったそうです。

そんな目で周りを観察すると・・近所のチビッコの靴がゴツいこと( ̄▽ ̄)

まあ靴屋行っても大人・キッズ関係なく、底にクッション踵ホールド系の物ばっかしですが・・

ここ最近色々靴屋行ったけど、フラットな物でも底がかたくて厚い!



思い返すと自分たちの中学時代くらいまではペッタンコ靴ばかりでしたよねー。

今の傾向はAirMAXが出た辺りから・・



食生活も、靴も商業ベースに乗せられて来たんだなーってしみじみ思う今日この頃です( ̄▽ ̄)

http://hadashirunning.com/?p=1203(←NIKE FREE開発秘話)









2014年4月20日


糖質は、胃袋では、胃酸の影響はまったく受けないのである。

みなさん、このこと御存知でしたか?

私は、周りの人間に聞いて回りましたが、

誰一人として、糖質が、胃酸の影響を受けない、

胃酸で、糖質が分解されない、消化されない・・

ということを知っていた人間は一人もいませんでした。





萩原 敦 糖質と胃酸に関する定説を正す! より抜粋です。

<今回のポイント>

1.糖質は、胃袋では、まったく消化されない

2.糖質は、胃袋では、消化されないのに、胃酸の分泌を強く促す

3.糖質は、胸やけの、チャンピオンである

4.糖質は、決して胃袋に優しい食物ではない

5.タンパク質(肉の赤身)は、胃袋で消化される唯一の食物である

6.タンパク質は、定説とは、反対に消化のよい、胃に優しい食べ物である

7.脂質(肉の脂身)は、胃袋では消化されないが、 定説とは反対に、 胃酸の分泌を促さない胃袋に優しい食物である

8.脂質(肉の脂身)は、胃袋では消化されないが、  胃酸の分泌を促すことなく、長い間、胃袋に留まり、  空腹感を出さないように演出してくれるダイエットの味方である。

9.一般的に肉や肉の脂身が、消化に悪いとか、 胃袋に悪いとか、胃袋に負担をかけるとかの定説の根拠は、 まったく存在しない。

そういった、間違った定説の犯人は糖質であり、 糖質と肉や肉の脂身や糖質の高いタレを摂取した時の胃の不快感や、 胸やけ等を、証拠もなく、 肉や肉の脂身を犯人に仕立て上げた、 我々の間違った根拠のないイメージが、 独り歩きし、 肉や肉の脂身を悪玉に仕立て上げたと思われます。







2014年4月20日



南部徳洲会病院小児科部長の今西康次(いまにしやすつぐ)医師が2013年11月に行った一般の方向け医療講演ビデオです。


糖質制限による生活習慣病対策


糖質制限初心者向きに分かりやすく説明されています。

糖質中毒についての説明が特によかったです。



「糖は麻薬」

「中毒対策はきっぱり摂らないようにする。2週間ほどすると欲しくなくなる」



オランダアムステルダムの保健局長
 
「砂糖は人間にとって一番身近なドラッグである。」






2014年4月20日

長谷川クリニックの長谷川先生も、フォシーガの講演会に参加されたようです。

SGLT2が食欲を亢進させる可能性について言及しておられます。

SGLT2阻害薬と食事指導



2014年4月17日

昨日、糖尿病新薬SGLT2阻害薬の講演会に参加してきました。


Diabetes Live Broadcast Symposium 2014 〜より良い糖尿病診療の扉を開く〜



Opening Remarks 清野 裕先生 関西電力病院 院長
Session1 日本の2型糖尿病治療の現状と課題 前川 聡 先生  滋賀医科大学 糖尿病・腎臓・神経内科 教授
Session2 2型糖尿病治療薬の有効性と安全性 Prof. Stephan Matthaei
欧州における2型糖尿病治療の実際 Dr Thomas Behnke



先生方はドイツでの実績を示して、フォシーガがいかにすばらしいか説明されていました。


@体重が減る

A尿中に約70gの糖分が排出される。

B糖と一緒に塩分と水分も排出されるので、血圧が下がる

CBehnke先生によると・・・70gの砂糖が入ったパックを見せて、(毎日これだけ糖が排出されるんですよ)と説明するとモチベーションがあがる。

1ヵ月では2100g尿にでる(山盛りになった砂糖を前にうれしそうな女性と2人の子どもの写真)

運動に励むなど行動変容する人が出てきている。

{このような薬を出してくださって、先生は患者さんのことを本当に考えてくださっています。}というような手紙をたくさんもらっている。

この薬は、有効でコストベネフィットがありすばらしい。

Dドイツでは尿路、性器の感染症が5.5%くらいと報告されている。清潔に気をつければ、薬を中止せずに、抗真菌薬などで対処できる。

E脱水傾向になることがあり、水分の補給が必要。 夜間頻尿の副作用などは内服前に説明を。

F老人より若い人向けの薬。腎機能が悪い人には効きにくい。肥満がある人に。

G膀胱癌が増える?その疑いを晴らしてADAで採用された。




質問@ 葛飾の開業ドクター

糖質制限をしている人には使えないのか?

前川先生 低糖質の人には危険なので使えない。SGLT2で糖質制限と同じような状態になる。(ケトーシス、体重減少、サルコペニアなど)      身体はブドウ糖が必要であると日本糖尿病学会でも言っています。




質問A 帯広のドクター

一日 70-100グラム程度尿から糖分が排出される。 その分不足するブドウ糖は食べて補わないといけないのか?
   薬で下げるのと、食べるのを控えるのとどちらがよいのか?


前川先生 食べるのを控えた方が良い。そもそも食事療法をがんばってもできない人に使う。





質問B 女性の先生

この薬を飲んで、食欲はどうなるのですか?

Matthaei先生(苦笑いしながら) 

動物実験でもそうだが、カロリーロスの代償作用で食欲が増して食べ始めます。


Behnke先生 6ヶ月まで体重減少する。補償作用でカロリーを取り出すので減少しなくなる。




みなさんは、どう考えられますか?

糖質セイゲニストがしたい質問を開業医の先生がしてくれていました。

私は糖質制限を否定して、SGLT2を推奨できる糖尿病学会の先生方に感心してしまいます。

この薬を飲んでも糖質の中毒性から逃れられるわけもなく、製薬業界を潤わすだけでしょう。




2014年4月16日

本日の江部先生の糖尿病徒然草より

  糖質摂取多いと癌のリスク。スローン・ケタリング癌センターCEOの講演。

2014年04月16日 (水)

【14/04/13 HSG

がんになりたいなら炭水化物

米国で1、2を争う癌専門病院
ニューヨークメモリアルスローンケータリング癌センターの
センター長兼CEO Craig.Thompson 博士の講演
Why We All Don't Get Cancer
http://www.youtube.com/watch?v=WUlE1VHGA40#t=27m0s

どのタイプの食物を過剰に食べると癌のリスクを高めるか?
A fats 脂質
B carbohydrates 糖質
C proteins たんぱく質


「脂質を多く食べても癌のリスクは全く上昇しません 。糖質を多く食べると癌のリスクを著しく高めます 。タンパク質はその中間に位置します」

参考までに。】



この発言の根拠を知りたいところです。



2014年4月16日

  自己血糖検査の時の指の穿刺部位について、8.血糖採血の仕方(ドクターバーンスタイン)を紹介しています。

実際やってみたところ、指の背側は案外血が出にくい気がします。

横からのほうが血液の流出がよいように思いました。

いずれにしても指の真ん中が一番痛いです。

消毒はもちろんいらないのですが・・・・。(バーンスタインはアルコール消毒は皮膚を乾燥させるのでたこをつくると書いています。)

これまでの習慣を変えないといけないですね。

痛みについては、看護師さん達の意見を聞いてまたご報告します。



2014年4月16日

  10日にとりあげた小冊子のことを、たがしゅう先生も取り上げておられます。

『生活習慣病のリスクを軽減する 和食のちから』
公益社団法人 日本医師会
公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構
後援:農林水産省



非科学的な批判



「カロリー概念の誤り」を指摘した学術論文について記述がありました。

今まで気づきませんでした。


  2008年のDIRECT研究で同一カロリーに設定しているはずの低脂質食と地中海食で体重減少率に有意差が示されています.  この時点で「摂取エネルギーが同じであっても,栄養素の組成によって体重に対する影響は同じではない」という事はすでに明確に示されています.



2014年4月15日

 現在、コウノメソッドでグルタチオン点滴が話題になっています。

 当院でも開始しました。

 ユーチューブの動画でグルタチオン点滴前後の動画が出ていました。

 河野先生もすぐに動画のDVDを出されると思います。

Parkinson's- Glutathione Therapy - Dr. David Perlmutter, MD FACN



2014年4月14日

 高血圧治療ガイドライン2014年版が出版されました。

(第一三共さん本をありがとうございました。)

これまでは、The lower, The better でしたが、 今回は海外のガイドラインと同じく緩和されています。

@JSH2009までのガイドラインでは、降圧目標を130/85未満としてきた。

AADAでは 2型糖尿病患者の降圧目標が140/80未満に緩和された。ESH-ESCガイドラインでも、2型糖尿病患者の降圧目標が140/85未満に緩和された。しかし本邦は、脳卒中の発生率が欧米に比べ依然として高い。・・・130/80を目標とする。




2014年4月12日

 


先日も、テレビ出演されていた渡辺信幸先生の著書「日本人だからこそご飯を食べるな」を読みました。

2000人以上の方が体重減少に成功しているそうです。

基本的に糖質制限ですが、積極的に「肉・卵・チーズ」の摂取を推奨しています。良書と思います。



@肉200グラム、卵3個、チーズ120gを必要最低量とする。そこから足し算で考えていく。

A片頭痛、倦怠感、めまい、腰痛、肩こり、冷え性、生理痛、歯周病、肌の状態、うつ、花粉症が改善するケースが多い。

B塾の先生が生徒に指導して、成績アップする例が続出している。

C3大栄養素のうち、蛋白質と脂質は必須栄養素で、人間が生きるために不可欠な物質。ところが、炭水化物だけは必須栄養素ではない。


つまりカロリー制限食の実体は、「人体に必須の栄養を控えめにしなさい」という摩訶不思議な指導なのです。


D肉・卵・チーズの組み合わせはアミノ酸スコアがとても良い。(桶の理論)

E夏井睦先生が提唱した「カロリー理論の誤り」を渡辺先生も述べています。

F貧困な地域の人間が肥満である事実。すなわち、安い炭水化物ばかりを大量に摂取している。

G長寿者が肉食中心の生活をしている事実。

H脂質摂取量140グラムまでは寿命が延びる。






2014年4月10日

  日本医師会、米穀安定供給確保支援機構、農林水産省(後援)が

「生活習慣病のリスクを軽減する和食の力」という冊子をつくりました。

このたび日本医師会より送られてきました。

その中より引用します。みなさんはどう考えられますか?



5 肥満、糖尿病の予防・改善には炭水化物制限ではなく、ごはんを主食とした和食を。

帝京大学臨床研究センター長 寺本 民生先生
東京慈恵会医科大学内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌科 主任教授 宇都宮 一典先生
公益財団法人 結核予防会 新山手病院 生活習慣センター センター長 宮崎 滋先生



極端な低炭水化物ダイエットには問題点が多い


糖尿病の予防・改善では、肥満の改善が大変重要です。肥満が原因となる欧米型の糖尿病が増加するとともに、動脈硬化性の病気の有病率が増えているからです。 肥満の予防・改善のための最も有効なことは、エネルギーの摂取量を適正化することです。この適正化をせずに、極端な低炭水化物ダイエットを行うことは、いろいろな問題点があります。



肥満の改善に最も効果があるのは糖質制限です。現場の人間はみんな知ってますよ。

(「極端な糖質制限」を一日150g以下としています。)


@炭水化物を制限すれば、摂取エネルギーとは無関係に体重は落ちるという確たるデータはないからです。低炭水化物で体重が減っているのは、炭水化物を減らした結果、総摂取エネルギーが減るからだと考えられています。


意味不明です。実際やせるのでよいと思います。


A摂取するエネルギーを一定とした場合、炭水化物を減らすことによって、脂肪と蛋白質が増えます。その結果、動脈硬化や腎臓への負荷のリスクになるため、安全性が担保されていません。


正常人については蛋白質の摂取上限は定められていません。(厚生労働省)問題があるというデータがないためです。

糖尿病の方についてはeGFRが60以上であれば、蛋白質の摂取制限はありません。(慢性腎臓病診療ガイドライン)

脂質についても、日本人高齢者ではむしろ摂取不足が問題になっています。(話題になっている新型栄養失調)

欧米人の半分しか脂質を摂取していない日本人は、脂質摂取が増えても問題ないと考えられます。(脂質の内容の検討が必要)


B極端なダイエット法は、6ヶ月程度は体重が落ちても、だいたい一年でリバウンドする上、長期間継続することが難しいというデータもあります。食べてはいけないものが多くなり、食事全体を楽しめないからです。


 私の経験ではリバウンドする人よりしない人が圧倒的に多いです。なぜなら、単にやせるだけでなく体調がよくなるからです。  上の文章は糖尿病学会の先生方の感想であって、科学でないと思います。


肥満や生活習慣病の予防・改善の食事としては、食を楽しみながら、継続して実践できることを考えなくてはいけません。 日本人がこれまで培ってきた、低エネルギー食で、おいしい、伝統的な食文化であるごはんを中心とした和食を基軸にして、食生活の変化に柔軟に対応していくことです。


  米の販売促進ですね。




2014年4月9日

 

ご近所の黄梅です。黄色が集まるとすごく華やかですね。




2014年4月7日

 血沈(赤沈)の今日的意味


 看護師さんの手もかかるので、省略してしまうことがある血沈(赤血球沈降速度)検査の話です。


  何度か年配の方より「徴兵検査で血沈がひっかかって通らなかった」という話を聞きました。

昔は結核の早期発見が大事だったのです。

現在では炎症反応を見るにはCRPのほうが早く、貧血の検査はダイレクトに数字がでます。

そのため、最近は軽視されがちです。 しかし、開業医の定期フォローの検査として大事だなと思います。

その理由は、体のどこかに癌があることを教えてくれることがあるからです。



以下 臨床医の知恵(鈴木 厚著1996年)より

 赤沈ほど奥の深い検査はない

 赤沈は大正時代から用いられているが、疾患特異性に欠けることから最近では軽視されがちで、検診の項目からも除外されている。

しかし、とんでもない話である。赤沈亢進は、疾患は不明でも疾患の存在を大雑把に教えてくれる重要な所見である。癌の検査においては腫瘍マーカーよりも有用度が高く、定期通院患者の赤沈が急に高くなったときには癌の合併である。

 病棟で赤沈のガラス棒をみていると、高脂血症、黄疸、貧血の有無だけでなく、沈殿上層の白層から白血球増多の判定ができる。心不全でも右心系に負荷がかかると肝臓でのフィブリノーゲンの産生が低下し赤沈が正常化する。赤沈は膠原病疾患では活動性の指標であり、治療反応や経過を見る上で有用である。なお赤沈値の変動にはフィブリノーゲン、グロブリン、貧血などが関与するため数日を要する。このことより週一回以上の検査は臨床的意味はすくない。つい最近まで医者は赤沈だけで勝負してきたのに、赤沈を軽視するとは無礼である。




鈴木厚先生の文章はおもしろいですね。


2014年4月5日

 激闘の理由



高校1年の昼休憩中の出来事です。



教室で突然大声で言い合いが始まりました。見ると、クラス1の乱暴者Y君がA君にパンチを浴びせています。

A君は両腕でガードしてパンチに耐えつつも、教室の後ろまで押しやられています。

私達はあの乱暴者のY君に屈しないA君の気力とガッツに感嘆しました。

なんとか、二人を引き離したときにはA君は血まみれの顔になっていました。

着ていた体操服は血まみれです。



ところがA君はそのまま体育の授業に何事もなかったように出席しました。

体育のI先生も血だらけのA君に何のコメントもなかったらしいです。(謎すぎます。私は何もおぼえていない)

普通、保健室に行くか家に帰るところでしょう。

 とにかく、この出来事は30年たった今でもクラスの伝説となっているのです。





それが・・・・・・・。このたびK君よりこの激闘の理由を知ることになりました。




昼休みにK君が購買部でウインナーパンなどを買ってきて昼食を始めていました。

A君がK君に「一口たべさせてーや」と頼んだそうです。

Aくんがウインナーパンをかじろうとしていた時、乱暴者のY君も「わしもわしも」とやってきました。




 そして・・・・・・・・A君は、パンを一部かじって、ウインナーをスーッと口で抜き取ったのです。


 「おまえ、なんしょんならー」


これが激闘の理由だったのでした。




2014年4月5日

全米でベストセラーになったバーンスタイン医師の糖尿病の解決より

少し読み直すとさすがにすばらしく、多くの糖質セイゲニストは同感されると思います。



@糖質セイゲニストの共通の実感

A短期記憶の改善について。認知症の方にはコウノメソッドに加えて、糖質制限も勧めるべきでしょうか。

Bうつ状態の改善についての報告



278ページより

精神的な諸変化

 たぶん最も一般的なのは、より機敏になり、慢性的な疲労感がなくなるという感覚だろう。

血糖値が正常化する以前に”全く調子がよい”と感じていた人たちが、後日、こんなに気分がよくなるとは思わなかったと述べている。



 もう1つ、よく起きる出来事は短期記憶に関係している。患者や配偶者が患者の”ひどい記憶力”に言及することは非常に多い。

私が初めて診療を開始したとき、患者達に薬物の微調整のために血糖値を夜電話してくるように言った。心理分析の専門家である私の妻は時々電話の会話で私が話しているのを漏れ聞いて、よく”その人は認知症だ"と述べるのであった。何週間か後、彼女は同一人物との会話で私が話しているのを聞いて、短期の記憶が著しく改善したとコメントした。


これが頻繁に起きるようになったので、すべての新しい患者にも私が行う神経学的な検査に短期記憶に関する客観的テストを導入することとした。実際、私の新しい患者の半分以上が軽い認知症を示すが、それは数ヶ月して血糖値が改善すると消えるように見える。この改善は、通常、配偶者にははっきりとわかる。




2014年4月4日

先日、西洋人はあまりに肉食すぎて、EPA(エイコサペンタエン酸)/AA(アラキドン酸)比が低すぎることが問題であると指摘いただきました。

若干解かりにくいので解説してみます。



@AA(アラキドン酸)・・・オメガ6に多く含まれる。ベニバナ脂、コーン脂、サラダ脂などのリノール酸。

また、飼料で植物由来のリノール酸を摂取 する豚や牛の肉には、その代謝物のアラキドン酸が多く含まれる。

A現代人はアラキドン酸過多の傾向。これがアレルギー疾患、心血管疾患の原因という説がある。(高炎症体質)

BEPA(エイコサペンタエン酸)はサバやイワシなどの青魚、シソ油に多い・・・・オメガ3

CEPAとAAは互いに拮抗する働きをするので、EPA/AAの比が重要となる。(バランスが大切)

DEPA/AAが低いと心臓病死および総死亡が増加するというデータがある。

EEPA/AA比は、欧米人で0.1〜0.2、日本人では0.5〜0.6、イヌイットでは7.0〜8.0と される

Fイヌイットが食べる魚やアザラシはEPAが豊富である。

G欧米人の魚の摂取量は日本人の3分の1以下



蛋白質、脂質の摂取については「質」の検討を。



参考資料

日経メディカル2011年1月号「今月のキーワード」EPA/AA比心血管イベントの新たなリスク指標に

  EPA/AA比は、血中のエイコサペンタエン酸(EPA)とアラキドン酸(AA)の比率を 表す値。「長い間、脂肪酸と動脈硬化性疾患との関連についてはあまり注目されて こなかったが、EPA/AA比は心血管イベントを予測する新しいリスク指標として期待されて いる」と岡山大循環器内科教授の伊藤浩氏は話す。

 EPAは、炭素鎖の一方の末端のメチル基(ω端)から数えて3番目の炭素に最初の 二重結合があることからω(オメガ)3、またはn-3系不飽和脂肪酸と呼ばれる。 n-3系不飽和脂肪酸の代表は、植物性プランクトンなどに含まれるαリノレン酸。 食物連鎖によりサバなどの青身魚には、その代謝物のEPAやドコサヘキサエン酸(DHA) が多く存在する。  一方、アラキドン酸はω端から6番目の炭素に最初の二重結合がある、ω6(n-6系) 不飽和脂肪酸。植物油のリノール酸がその代表で、飼料で植物由来のリノール酸を摂取 する豚や牛の肉には、その代謝物のアラキドン酸が多く含まれる。  これらの不飽和脂肪酸は細胞膜の構成成分で、様々な生理活性物質になる。人は体内で これらを生合成することができないため、どちらも食物などから摂取しなければならない。 ただし、その摂取比率(EPA/AA比)も重要なことが、疫学調査などから指摘されるように なった。

 肉や植物油を多く摂取し、アラキドン酸の摂取比率の高い白人は、魚やアザラシを主食 とし、EPAの摂取比率の高いイヌイットに比べ、心臓病死亡率の高いことが疫学調査で 分かっている(Dyerberg J et al. Lancet 1978;2:117-9.)。  EPAを多く摂取すると、なぜ心血管イベントの発生が抑制されるのか。伊藤氏によると、 n-6系不飽和脂肪酸を多く摂取し細胞膜にアラキドン酸が多くなると、血小板凝集能が 強い生理活性物質や強力な炎症惹起性物質が産生されるという。ところがn-3系のEPAを 多く摂取するとアラキドン酸に拮抗し、これらの作用を減弱する生理活性物質が産生され るので、動脈硬化を抑制すると考えられている。

 脂質低下療法に関する97の介入試験のメタ解析によると、心臓病死および総死亡の両方 を有意に低下させたのは、スタチンとn-3系不飽和脂肪酸の2つだった(Studer et al. Arch Intern Med 2005;165:725-30.)。また、スタチン投与中の脂質異常症患者にEPA製剤を 追加投与したJELIS研究では、EPA投与群の主要冠動脈イベントの発生率が、対照群に 比べて有意に低かった(ハザード比:0.81)。EPA/AA比は、EPA群1.3、対照群0.6だった。

 EPA/AA比は、欧米人で0.1〜0.2、日本人では0.5〜0.6、イヌイットでは7.0〜8.0と されるが、EPAの投与を開始する値などはまだ確立していない。しかし伊藤氏は、 「EPA/AA比は血液検査で測定が可能。日本人の脂質異常症患者で、欧米人並みの低値で あれば、EPAの投与も考えられるだろう」と話している。





2014年4月4日

長谷川クリニックの長谷川先生が糖尿病新薬SGLT2についてコメントされていました。


糖尿病・SGLT2阻害剤


私の妄想によれば以下のような指導になるのかも知れません。

"この新薬を飲み始めたならば、1枚しか食べなかった食パンは2枚に増やすように。 ご飯はできるだけオカワリをするように。毎日、甘い物を食べるように。"



上品な皮肉でとてもよいですね。


2014年4月3日

安佐医師会の学術講演会に出席しました。

若くて優秀な神経内科医の講演でした。

若い頃は外科医やカテーテル治療、大学病院の最先端医療にあこがれました。

今は神経内科の先生にあこがれます。

ハンマー1つで人に見えないものが見えるので。

2014年3月31日 土肥栄祐先生講演メモ

2014年4月29日 土肥栄祐先生講演メモその2



2014年4月2日

原爆で12歳のときに母上を亡くされた方のお話です。


@東北大震災は大変なことであった。それでもまだ援助がある。

 原爆の後、20歳まで何の援助もなく、人には話せないような生活だった。

A義援金をたくさん集めていたが、そのお金はどうなっているのか?

 日赤でさえ経費として使っている。


B本当に役立ててくれるものと思えず、寄付はしなかった。


私も同感です。義援金はどのように使われたのでしょうか?

国が震災復興資金を別の用途に使っているのも気に入りません。

消費税を上げる前にすることがあると思います。



2014年3月31日

コウノメソッドの河野先生がグルタチオン点滴の報告をされています。

私もグルタチオンの点滴を準備して名前を報告していたところ、市内の先生からご相談をいただきました。

準備はしていたものの、誰にも行ったことがなかったので藤川先生にお聞きしたところ、まずご自身で実験されたそうです。



まず自分で使ってみました。800mg、1000mg静注、何ともなし。



当院の患者には4例施行。1000mg50ml点滴にて。

発赤などの副作用は全くなし。

2例に効果あり。血管性パーキンソニスムスの歩行が改善、

レビーの体幹ジストニアが改善。






というわけで、私も自分に点滴してみましたが、なんともありませんでした。

血管性パーキンソニズムの方に使用予定です。


2014年3月27日

コウノメソッドの河野先生が、興味深い記事をのせておられます。

様々な学校出身の医師にであってきましたが、これって、本当だなあと思います。



国公立医学部の医師は、大学入試テクニックが優れていただけで、その後医師としての勉強が足りなさすぎる。

私立出身の医師は自分がバカであるという病識はちゃんと持っているので一生懸命学ぼうとする。


「人の助けがあって医師になれた」と分かっている。
国公立の医師はそれがないから危ない。


ベテランの医師になってくると、なぜか 「どうしてこんなにバカなんだ」と思う医師は結構国公立の出身であることに気づく。

国公立の医師のすごいところは、英語論文を一度も辞書を調べずに訳せるところである。それは抄読会のときによくわかる。しかし、それで患者からの評判がいいこととは不思議と一致しない。



海南病院にも素晴らしい医師がいた。出身が昭和大学?と聞いて驚いた。もちろん私立では上位校ではあるが、入学時の偏差値では名古屋大学には遠く及ばない。

この春、息子が小学校のときに塾で同級だった友人が一浪して京都大学医学部に合格した。うちの息子とはえらく差がついたものだと愕然としたが、勝負は実はこれからである。研究へ行くのか開業を継ぐのか、その選択は非常に重要になる。


2014年3月26日



ご近所の黄梅です。もう少しですごいことになりそうです。


2014年3月26日

糖尿病新薬(SGLT2)のプロモーションでMRさんが連日来られます。



昨日は「先生は、この薬にご興味がありますか?」と聞かれ思わず、

「全くありません。100g糖質を減らせばよい話です。」と即答してしまいました。


やばいやつだと思われたことでしょう。個人的には何の恨みもないのでお許しください。

ただ、腹が立っているのです。


先日はSGLT2の薬品説明会にも出席しました。


製薬会社の学術担当が説明していました。

@低血糖が少ない

A体重が減る

B約100gの糖分を尿へ出す

C肥満があり、比較的若く、腎機能が悪くない人が良い適応。

D32.9%に副作用(頻尿 8.9% 口渇 4.3% 便秘 3.2%)その他 尿路、性器感染。重篤なものに腎盂腎炎など 

 使用開始してすぐにeGFR(腎機能)が何パーセントか低下する。

(これは血糖値が改善するための、見かけ上の低下ではないか??)


私には裸の王様がフルチンで話をしているようにしか見えず、気の毒でした。



2014年3月24日

患者さんのおじい様です。呉で初めて医師(医師国家試験で合格した医師)になられたそうです。

白馬に乗って、往診していたそうですが、30代の若さでなくなられたそうです。

人力車で往診という話はよく聞きますが、白馬は初めて聞きました。




2014年3月21日

糖尿病などの慢性疾患のみならず、精神疾患に対する栄養療法も行っておられる藤川徳美先生より教えていただきました。

風邪の治療、高蛋白食についての見解です。大変参考になります。



藤川徳美先生ホームページより

統合失調症に対するナイアシン治療





1.風邪の引き始め


入浴により体温を上げることによりインターフェロンが活性化し、抗ウイルス作用が強まります。

三石巌氏はビタミンcを一時間ごとに1g服用し、頸部をカイロで温めると記しています。

ビタミンcはインターフェロン合成の補酵素です。

新見正則氏は麻黄湯を一時間ごとに服用と記しています。これも体温を上げる効果があります。


自分は毎日ビタミンcを3g服用。風邪の引き始めにはcと麻黄湯を1時間ごとに併用。





2.高タンパク食の是非について


非糖尿人には高タンパク食自体には何の問題もないと思います。糖尿人では糖新生による高血糖を配慮する必要がありますが。

高タンパク自体より一緒に摂取する脂肪の問題でしょう。元々EPA/AA比の低い欧米人が肉ばかり食べるとさらにその比か下がり短命になります。

家森幸男先生の本でも、牛肉ばかり食べるアルゼンチン人は短命と書かれていました。


家森先生によると長寿はマグネシウム(海藻)、タウリン」(魚貝)、EPAと関係する。


我々日本人は肉と魚、両方食べていれば高タンパク食は全く問題ないと思います。


積極的にEPA/AA比を上げるなら、インカインチオイル、ロトリガ、now ウルトラオメガ3、などを摂取すればさらに良いと思います。

自分は上記を毎日服用しています。





2014年3月20日

長谷川クリニック奮闘記の長谷川先生のブログより。

{長谷川先生のファンになってきました。}

私も、次に発熱したら試してみます。



ゆでだこ療法



私はこの10年間、インフルエンザの予防注射を受けておりません。 もちろん、インフルエンザの患者さん達を診察せねばならないので、必ず罹患するはずです。 しかし、実際に発症したのは2回くらいです。

どうやって、発症を回避しているのかと言えば、”ゆでだこ療法”です。 インフルエンザウィルスに取り付かれると、なんともいえないヤバイ感じがします。 このヤバイシグナルを自覚したら、速攻で41度の風呂に入って、顔から汗がでるまで我慢します。

インフルエンザウィルスは熱に弱いのです。

インフルエンザに罹った時に高熱が出るのは、熱でウィルスをやつけようとする防御反応なのです。 41度の風呂に浸かって我慢すると、体温も41度になります。 この熱で、のどに取り付いたばかりのウィルスをやつけるのです。 発症はしませんが抗体はできます。ですから予防注射がわりとも言えます。 インフルエンザに限らず、普通の風邪にも有効です。





2014年3月20日

「極端な糖質制限はするべきでない。」という意見をお聞きすることがあります。



 ゆるやかな糖質制限ならば、ケトーシスを起さないからという考えがあるのだと思います。  しかし、糖尿病の人だと(もちろん効果はありますが)あっという間に高血糖状態になりますね。

 私は、ケトーシスの状態こそ自然な状態なのではないかと思います。

 この2年間、すごい数の日本人が糖質制限をしていると思われますが、問題が発生しているとは聞きません。

 ゆるい糖質制限を主導されている山田先生自身も次のように書いておられます。



糖質制限食のススメ: その医学的根拠と指針 著者: 山田悟





高糖質の必要性には根拠がない

  糖質摂取は50%以上でなくてはならないという批判に対して



 糖質制限について批判的な人の多くは、人間はある一定量以上の糖質を食事で摂取しなければならないと思っているようです。欧米ならば小麦を使ったパンやパスタなど、日本ならば米のご飯食べる食事が正常であり、これらを全く食べない食事は異常だという考えです。



 しかし、今のところ、糖質をとらなければ健康被害が出ると考える科学的な根拠はありません。  逆に、国際食事エネルギーコンサルテーショングループからの報告には{炭水化物の理論的最小必要量は零である}と明記されています。(Eur J Clin Nutr 1999, 53, s177)



アメリカの食事摂取基準においても{炭水化物の必要最小量は零である}と記載されています。 {DRI: Dietary Reference Intakes for Energy, Carbonhydrate, Fiber, Fat, Fatty Acids, Chorlsterol, Protein, and Amino Acids, Institute of Medicine of the National Academies. 2005}



 日本においては{日本人の食事摂取基準の中で「消化性炭水化物の最低必要量はおよそ100g/日と推定される。 しかし、これは真に必要な最低量を意味するものではない。肝臓は必要に応じて、筋肉から放出された乳酸やアミノ酸、脂肪組織から放出されたグリセロールを利用して糖新生を行い、血中にブドウ糖を供給するからである」と記載されており、最小必要量が100g以下であることが明記されています。(日本人の食事摂取基準 109ページ)





2014年3月19日

長谷川クリニック奮闘記の長谷川先生がとても興味深い実験をされています。

糖質摂取と胃もたれ、逆流性食道炎との関連に関する報告です。

胃もたれ、胸焼けの方に糖質制限を薦めていますが、また理解が深まった気がします。



糖反射 2014年03月12日

人間の胃袋は空腹時に15秒に1回くらいのリズムで蠕動運動を繰り返しているそうです。 ところが、そこに数mlの砂糖水を流し込むと、蠕動運動は2分に1回くらいまで減少するそうで、これを、"糖反射" と呼びます。 炭水化物が消化されにくいということは、昔からなんとなく感づいていました。 酔っ払いの吐物は、ご飯粒や麺類の消化不良残渣が殆どだからです。 私には、もともと二日酔いの吐き気はありませんでしたが、糖質制限仲間は、それが完全に解消されたと喜んでいます。

さて、私たちは胃カメラ検査をする時に、蠕動運動を抑制する薬物を使用します。 ブスコパン系の注射が昔から使われてきましたが、心臓に対して負荷がかかることが確実ですので、回避したい薬剤です。 最近は胃カメラのチューブから、"ミンクリア"というミントの香り系の液体を注入するようになりましたが効果はイマイチです。 それにミンクリアには高価すぎるという欠点があります。 そこで、私は、ミンクリアの替わりに、砂糖水を試すことにしました。 砂糖水でダメならばミンクリアを追加で流し込むという作戦です。 もちろん糖尿病の患者さんは除外します。

で、10例ほど試したのですが、全例成功でした。 明らかに蠕動運動を抑制しますし、ミンクリアよりも強力です。 私の場合はスプーン一杯の砂糖を10mlの水で溶かして、胃カメラに注射器で注入します。

もうすこし症例数を増やして、またアップします。





2014年3月17日

原爆の話をお聞きしました。



当時12歳で、背中に熱傷をおわれました。

祖母に油紙を貼って、その上にジャガイモのすったものをぬって治療してもらったそうです。

油紙をはがすのがとても痛かったそうです。

お母様を亡くされ、8歳と4歳の妹と弟さんととてもつらい思いをされたそうです。

その後ご苦労して事業を成功されました。



首相の靖国参拝をアメリカ政府やマスコミなどが批判していますが、アメリカの戦争犯罪が裁かれる日はくるのでしょうか?


2014年3月17日

教えない教え方で有名な宮本哲也先生の本を読んでいます。



子どもの生命力を低下させるような環境をつくっている親は愚か者

学習は本能ですが、{他人に支配されたくない}というのも自己保存の本能です。

何かひとつのことを成し遂げるのに最も必要な資質は堪え性




強育論-The art of teaching without teaching



この2年間ほど糖質制限のお話をすることが多いのですが、取り組まれて沢山の方に良い効果があります。

ですが成功例は、けして私が力説したから・・・というわけでなく、自分で取り組まれて確認にこられる方、自分で本を読まれて糖質制限を始める方ばかりです。



 要するに私が懸命に伝える意味などない。むしろそれは逆効果なことに気づきました。



2014年3月13日

夏井先生のホームページで以下の記事が問題になっていますので、責任上検討してみました。(元論文は読んでいません)



高タンパク質ダイエットのリスク―長期的にダメージも



米国国民健康栄養調査NHANESIIIから6,831名の中高齢者のデータを分析した結果、ロンゴ博士らの研究チームは、50歳で高たんぱく食(エネルギー比率20%以上)を食べていた人がその後18年間の追跡調査中に、がんおよび糖尿病で死亡するリスクが4倍、すべての死因で死亡するリスクが2倍近くに高まることを発見した。 中程度のたんぱく食でもがんの死亡リスクは3倍高まった。しかし、同じ高たんぱく食でも、植物由来の場合は死亡リスクは対照群と同じかかえって低くなっていたという。

しかし興味深いことに、、65歳以上の高齢者の場合、高たんぱく食を食べている人の全死因による死亡リスクは28%低下した。がんによる死亡リスクも60%低下した。これは中程度のたんぱく食の人でも同様だった。

一方で、糖尿病による死亡リスクは年齢に関係なく、高たんぱく食の人は5倍高いことが分かった。




1.マウス(草食動物)に蛋白質を食べさせる実験はくだらないのでパスします。



2.アメリカ人の統計調査結果について



@日本人の肉の摂取量は欧米の3分の一程度

A欧米人の魚の摂取量は日本人の3分の一以下

Bアメリカ人の平均摂取カロリーが3700キロカロリーとすると

10%の蛋白質摂取は370キロカロリー。 蛋白質量としては92.5g 

20%の蛋白質摂取は740キロカロリー。 蛋白質量としては185g

その多くが肉食に偏っていると思われる。

C日本人の蛋白質摂取量は平均70-80g 肉食によるのはおよそ半分 

すなわち@からBより桁違いの高肉食の人達の話であり、日本人の現状からかけはなれている。



D高たんぱく群の糖尿病による死亡リスクが5倍高いところをみると、高たんぱくグループ イコール 高炭水化物グループとなっているのではないか。そう考えると、糖尿病が発癌を誘発することは自明なので腑に落ちる。

E 65歳を超えると高たんぱくの方がよいということの説明ができていない。

F 蛋白質が肉食に偏ることには問題があるのかもしれない。しかし、すべては程度問題ではないか。



以下 柴田博 著 肉を食べる人は長生きするより

世界中の研究をみると、蛋白質全体のなかで占める動物性たんぱく質の摂取の割合が50%に届いていない国民の平均寿命は十分に高くなっていません。一方、動物性たんぱく質の摂取の割合が70%を超える国では、動脈硬化性の心臓病が多くなります。
ちなみに、現在の日本人は50%を少し上回っている程度で理想的です。




2014年3月10日

糖尿病新薬(SGLT2阻害薬)ですが、医療商業紙による宣伝が始まっています。



ニッケイメディカル3月号 「特集 SGLT2阻害薬も登場間近 膵島保護で糖尿病は治せる」



また今春にも登場するSGLT2阻害薬は尿糖の排泄を促進するという膵島に頼らない機序で血糖を下げ、インスリン抵抗性を改善する。

「2型糖尿病ではない状態に戻す」ことは夢でなくなりつつある。



記事より

@非高齢の肥満例が良い適応

Aもともと筋肉が少ないやせた高齢者ではサルコペニアを助長してしまう可能性がある

B投与中は適切な水分摂取を指導(尿糖排泄に伴い浸透圧利尿がつき、全身が脱水傾向になる。)

C尿路感染や性器感染のリスク上昇

D宇都宮一典氏(東京慈恵医大)「生理的な調節機構を破綻させるという従来にない機序の薬剤なので、まずは限定的な適応でスタートして、安全性を確認しながら適応を広げる慎重さが要求される」

E「糖尿病の病名の由来にもなっている尿糖によって、摂取したエネルギーを排出してしまおうという治療法であることから、当初は医師の間にも抵抗感があった」賀来浩平氏(川崎医大)




こんな薬を飲んで無駄な医療費を使うより、糖質制限をしましょう。わざわざ体の中に糖分を入れて、尿に出す意味などありません。



2014年3月10日

救急診療(ER)で著名な林寛之先生のDVDを見ていました。その中で、夜鳴きを治す方法がでていました。



Dr.林の笑劇的救急問答9 【小児診療編】 /ケアネットDVD



具体的には、@赤ちゃんをしっかりおくるみでまく

A横抱きにする

Bシューという声を出しながら揺さぶる。


ERの先生って何でも勉強されているんですね。感心しました。



2014年3月8日

先日、糖質制限の指導上でご指摘を受けました。



1.糖質制限を指導するのは良いが、肥満があるので脂質制限も指導するべきである。

2.脂質を減らさなくて良いという指導は間違っている



このような意見は、これまでの栄養指導の歴史(カロリー制限)から考えると当然だと思います。

私もこれまで糖質制限を勉強する過程で情報を集めて検討しました。



1.歴史的に脂肪で肥満すると考えられてきた。(少ない量でいわゆるカロリーが高い。)

2.コレステロール値を上昇させる飽和脂肪酸を特に避けるべきと考えられてきた。



実際は「肥満の原因は糖質」であり、脂質摂取を減らすのは危険であることが証明されてきています。

最近「新型栄養失調」という言葉をお聞きになった方も多いと思います。

まさに栄養学が書き換わる過渡期なのだと思います。

実際に糖質制限をされた方の血清脂質プロファイルはとても良くなっています。(別ページ参照を。LDL-choの数値上の上昇を認める場合はありますが。LDL-choのサイズが大型化します。)



42.[JACC] 女性では,脂質の摂取量と全死亡リスクが負の相関

2. 肉や卵は控えるべき食べ物なのか?{日本における大規模疫学調査(JACC study)より}

19. 飽和脂肪酸、動物性タンパク質の摂取と脳内出血の発症

コレステロールを悪者にする黒幕とは? (日本語字幕付き)



多くの医師は次のことを知りません。

1.日本人の脂質摂取量(飽和脂肪摂取量)・・・平均55g前後(飽和脂肪酸20g前後)

2.欧米人の脂質摂取量(飽和脂肪摂取量)・・・日本の約2倍

3.戦後日本人の平均寿命が延びたのは脂質および蛋白質摂取量が増えたためであること。

4.脂質摂取量が40グラムをきると危険であると考えられていること。(ハワイの日系人の研究から)

5.日本人の70代の脂質摂取量が男性約45グラム、女性が約39グラムであること。



インターネットで新しい医療が始まるとしたら、多くの医師や栄養士からではなく、一般の方からでしょう。



2014年3月6日

昨日、溝口 徹先生のホームページをご紹介しました。

実際の患者さんの経過などがたくさん載っています。

「糖質制限+ビタミンB3内服」のような無害な治療を試すのがよいのではないでしょうか?

統合失調症:幻聴の栄養療法による変化



その他 統合失調症の治療経過:40歳代男性 など


2014年3月5日

機能性低血糖と精神疾患の関連がホッファー博士、大沢博教授の著述にとりあげられています。

機能性低血糖症とはどのようなものでしょうか。

機能性低血糖症の定義について、溝口先生のホームページより


もう一度、低血糖症について 溝口 徹


低血糖症の診断基準(Drニューボールドの診断基準を参考にしたもの)

@5時間の検査中、負荷前の血糖値より50%以上上昇しない。

A5時間の検査中、負荷前の血糖値より20%以上下降した。

B5時間の検査中、どの時点でも1時間に50mg/dl以上下降した。

C5時間の検査中、65mg/dl以下を記録した。

D5時間の検査中、めまい・頭痛・混乱・発汗・憂鬱などの症状が現れた。

E5時間の検査中、インスリン分泌の変動が血糖曲線と一致しない。

F血糖曲線がなだらかであっても、体温の上下が著しい場合。

G血糖曲線における山が2つ以上ある場合。

H血中カテコラミン代謝産物の濃度の上昇がある場合。



上記項目のうち、どれか1つでも条件を満たした場合には、低血糖症(血糖調節異常)と診断することができる。

つまり正常の血糖曲線とは以下のようになるということです。

絶飲食時の血糖値よりも50%以上血糖値は上昇するが、その後の血糖の低下は緩やかであり、1時間に50mg以上の速度で低下することはない。

そして、どんなに血糖値が下がっても、空腹時の血糖値の80%を下回らない。 この検査の時間中には、激しい症状はなく、体温も安定している。




2014年3月5日

タモリにとって偽善とは何か?

「偽善を徹底すると、別の楽しみがある」



2014年3月4日

武田薬品 第三者機関、近く設置 降圧剤広告 「誤解招く表現」謝罪

明らかに「誤解させるための表現」でしょう。

2014年3月4日

タモリの名言より

「(吉本芸人に)仕事意識丸出しで盛り上げようとしたって全然ダメだからね。」


2014年3月1日

タモリの名言より

「日常で一番重要なことを伝えるには低いトーンで小さな声でしゃべる方が伝わる。そうすると相手の注意力が増してくる。大きな声を出せば面白いと思うのは勘違いだ」


2014年2月28日

藤川徳美先生が統合失調症に対する治療法(糖質制限+ナイアシン)の有効性について報告しておられます。

統合失調症に対するナイアシン治療

統合失調症に対する活性型ビタミンB6の治験が東京都医学総合研究所の糸川昌成氏により行われています。昨年の日本精神神経学会のシンポジウムでも表されました。予想される有効率は20%とされています。  しかし、B6より遙かに有効なものがあります。それはB3(ナイアシン)です。

 当院では1年前からB3を1.5g-3g投与し、顕著な効果を確認しています。有効率は60-70%、1-2週間で効果が出て即効性あり。

 ”気持ちが前向きになった”,”幻聴が苦しくなくなった”,”希死念慮が消えた”,“こんなに効いた薬は初めて”,”病前の本来の姿に戻った”など、著効します。

 上記の本にはB6は20%の患者に効くと書かれています。ナイアシン投与とともに砂糖を止め機能性低血糖を防ぐことの重要性も書かれています。  99.9%の精神科医はこの事実を知っていません。実際の効果に驚くと思います。

この治療が一般化したら、精神科病院の入院患者は半減し、抗精神病薬投与量も半減すると思います。



統合失調症を治す

栄養療法による驚異的回復
A.ホッファー 著
大沢 博 訳


 現在の精神科の治療は薬物療法が主体となっています。
 また、統合失調症は精神科医の独断場で、他科が手出しのできない分野です。
 著者は「はじめに」の中で現在の精神医学について次のように述べています。

「製薬会社とその製品によって堕落してしまった精神医学は、栄養も栄養素も利用していません。 こういう新しい考え方について、製薬会社が巨大な額の宣伝広告費を使って広報したり、研究会などを通じて広めるというようなことはありません。  実利のレベルで治療法が決定されるときには、薬から湧き出る唯一の利益が、長期の及ぶ効果の見られない慢性疾患の治療です。製薬業界にとっての金銭的利益であって、患者の利益ではないのです。私達は、企業というビジネスは金をつくることであり、医療のビジネスは病人を治すことだという、このことを忘れないよう、心に深く刻んでおきましょう。」


 生活習慣病(糖尿病、高脂血症、高血圧)についても、同じことが言えます。
 生活習慣病には糖質制限がファーストチョイスですが、これは製薬会社にとって不都合です。
 製薬会社に支配された糖尿病学会は、反糖質制限キャンペーンを行っています。

統合失調症を治すメモ


2014年2月27日

夏井先生のホームページに植皮の症例がでています。
これを見たら、誰も植皮を希望しないでしょう。

【2月26日の追加症例】

20歳女性:足背熱傷・植皮後
48歳男性:広範囲熱傷・植皮後
29歳男性:手背熱傷・植皮後


2014年2月26日

タモリの名言より

男は女から質問されると、解決方法を考えなければいけないと思うんだけど、女はそれをどうでもいいと思ってるんだよね。話すことによって人間関係を確認してるだけなんだよ


そうなんですよね。


2014年2月25日

タモリの名言より

明日のことを語れるヤツはゴマンといるが、昨日までのことをキチっとやれるヤツはほとんどいないんだよ



他人と違う発想がすごいですね。


2014年2月24日

タモリの名言より

前を向いて歩いてたって、つまんないよ。後ろを振り返ったほうが『あれが楽しかった』って楽しいよ



「前向きがえらい」みたいに言われることもありますが、その逆の言葉です。

確かに、後ろを向いて楽しがったほうが、かしこいですよね。


2014年2月21日

河野メソッドの河野先生の今週のブログに以下のコメントがありました。
私も、同じように考えながら診療をしています。

コウノメソッドと糖質制限で私は開業を決意できました(西日本開業医)

今週のブログの糖質制限に関しては私も掲載されていた先生方と同意見です。
末端の糖尿病専門医の先生の中には頭の柔らかい方もいらっしゃるようですが、学会としてはかなり石頭の集団と思います。

「コウノメソッド、糖質制限、湿潤治療」が現代医療のパラダイムシフトであることは間違いないと思います。

自分も開業を決意したのはこの3つを知って、誰にも遠慮せずにこの3つで患者さんに尽くしたいと思いいたったからです。
 


2014年2月20日

先日より糖尿病新薬SGLT2阻害薬の批判をしています。(残念ながら、薬としての使い道は多少あると思いますが)

次のようなページがありました。

Toshikun’s Diary

■糖質制限食を批判しながらSGLT2阻害薬を推奨することの矛盾

 今、糖尿病の専門のDrが診察した患者さんの多くでDPP-4阻害薬が処方されている状態で紹介されてくることが多くなりました。

さらに今年になり新たな糖尿病薬が出てきました。これまでとは異なった機序の糖尿病薬であるSGLT2阻害薬といわれる薬。近位尿細管でのブドウ糖の再吸収を抑制すれば、余分なブドウ糖は尿糖として体外に排出されるので、血糖上昇が避けられるというもの。

尿糖をたくさん出して血糖値を下げるという薬です。従来の経口糖尿病薬の多くが、インスリン分泌促進によって効果を出していたのに対して、インスリン非依存的に血糖を下げられるため、膵臓の負担を減らせると考えられます。



  この薬では「血糖値の改善」、「体重減少」、「血圧低下」といったメリットがあるようです。一方で尿中にブドウ糖が大量に出てくることで尿路感染症の増加がデメリット。

この余分な糖質を尿中に排出すれば良いという考え方ですが、ふと考えると、だったらその余分な糖質を最初から摂らなければ良いのでは・・・という考え方にたどり着きました。

とすると、この薬を「画期的である」と考えるのであれば「そもそも最初から摂取する糖質を減らす」治療法を推奨するべきではないかと思うのです。

これらの新薬は膵臓の負担は減らせても財布の方の負担が増えるというデメリットがあり、薬剤費が包括化されているうちのようなリハビリ病院や老健施設などではとっても大きな問題となります。

 糖尿病の専門家にぜひ聞いてみたいものです。




上品な批判ですね。カルピンチョ先生の批判の方がもっと好きです。



ば〇?

あんたら、〇か?

「・・・食ってすぐに薬で尿の中に捨てるくらいなら、最初からその分の糖質食べなきゃいいじゃん?」



 
2014年2月19日

以前、カルピンチョ先生のホームページの記事を紹介しました。

「あまりにも急激な糖質制限は甲状腺トラブルとホルモンバランスの乱れを招く」

急激な糖質制限で甲状腺機能が低下して冬眠のようにだるくなったりするという話でしたが、江部先生のホームページによると異なった見解でした。

 すなわち摂取エネルギー不足が原因で、Low T3 syndromeになっているだけとのことです。(甲状腺機能低下症ではない)

「Low T3 syndrome(低T3症候群)」と糖質制限、カロリー制限、飢餓

 
2014年2月17日

たがしゅう先生のブログで読みました。タモリはいろんな名言を残しています。


やる気のある者は去れ!!

友達はいらない。諸悪の根源である。

大企業が考える都市計画っていうのはどこも同じで、歩きたいような街というよりも、泣きたくなるような街だよね。 などなど。


面白いです。

 
2014年2月16その2日

書評「立ち上がる国祈る」を載せました。

 
2014年2月16日

糖質制限食の安全性についての報告があったようです。当然の結果と思います。(厳密には糖質制限まではしていないですが)

糖質制限食の安全性にエビデンス

  NIPPON DATA 80

糖質制限食(低炭水化物食)の安全性をめぐり,活発な議論が展開される中,日本を代表する疫学データベースから,比較的軽度の糖質制限食に関するエビデンスが示された。京都女子大学教授の中村保幸氏らがNIPPON DATA 80の29年間の追跡結果を分析し,糖質摂取率と心血管死,総死亡との関連について検討したもので,第24回日本疫学会学術総会(1月23?25日,会長=東北大学大学院公衆衛生学・辻一郎氏)で発表した。



9200人を29年追跡

 わが国では糖質摂取率が欧米に比べて高く、極端な糖質制限は普及していない。そこで、中村氏らは比較的軽度の糖質制限食が心血管死、総死亡に及ぼす影響をNIPPON DATA 80のデータベースを用いて検討した。  1980年にランダム抽出した全国300ヶ所の30歳以上の男女を対象として、秤量記録法による3日間の栄養調査と生活習慣調査、血液生科学検査を行った。追跡開始時の脳梗塞、心筋梗塞既往例を除外した9200人(平均年齢51歳、女性56%)を29年間にわたり追跡した。  食事の評価は、Haltonらの方法に準じて男女別に糖質摂取量を低値から高値に11分位に分類。それぞれ0〜10の点数を付け、それらを合計して低糖質食スコア(0-30点)を作成(同スコアが高いほど糖質摂取率が低い)。さらに、同スコアを10分位に分け、糖質制限食が心血管死、総死亡に及ぼす影響について社会経済因子を含めた交絡因子で調整し、Cox法を用いて解析した。



女性では死亡リスク低下

 29年の追跡期間中、1171人の心血管死(女性52%)と3443人(同48%)の総死亡があった。総糖質摂取率は総熱量の約60%で、10点を付けた11分位の最低糖質摂取群でも女性で17.3−53.5%。男性で18.8-51.6%の範囲であった。  女性では、低糖質食スコア最低10分位に比べて最高10分位では心血管死のハザード比(HR)が0.59(95%CI 0.38-0.92、傾向のP=0.019)、総死亡のHRが0.79(同0.57-0.93、傾向のP=0.020)と有意にリスクが低下。男女あわせた解析でも心血管死のHRが0.74(同0.55-0.59、傾向のP=0.033)、総死亡のHRが0.84(同0.72-0.99、傾向のP=0.030)とリスクは低下した。  しかし、男性では有意な関連はなかった。中村氏は「男性は外食が多いこと、喫煙など他の危険因子が高いことによる効果の希釈が原因として想定される」と述べた。さらに高度の糖質制限食の安全性については不明だと言う。







2014年2月15日

戦時中に川西飛行機に勤めておられた方にお聞きしました。
一年半ほどの勤めで月給は40円ー50円くらいだった。
枡添さんが、消えた年金問題で調査をしてくれたおかげで、100何十万円かそのときの厚生年金の振込みがあった。
もっと、長期間勤めていた方は沢山でた人もいる。
枡添さんが東京都知事に当選するわけですね。(間違っていたらすみません)


中国戦線で兵役を勤められた方の話。
兵隊は亡くなるときにはみんな「お母さん」といって死んでいった。「お父さん」という人も「天皇陛下万歳」という人もいなかった。
切ない話です。


2014年2月14日その2

テレビタックルの夏井先生と森田先生の議論ですが、いろいろと反響が大きいようです。

森田先生が怒っているような感じで、糖質制限はよっぽど非常識な意見と思われた方もおられたようです。

私は以下のように考えています。

(1)森田先生は、糖質制限で脂質プロフィールが改善することをご存知ありませんでした。これは、江部先生の本を全く読んでいない証拠です。議論する相手の主張も知らない状態は話になりません。よっぽど相手をなめていたのでしょう。

(2)能登洋先生の論文が、糖質制限反対の論拠になっています。この論文は新聞等にもとりあげられ大変な反響でした。
  しかし、内容は貧弱の一言です。まじめに論文を読めばわかります。

(3)20年後の安全性を保障できるのか? 全ての新薬は20年後の安全性を保障されていません。私が医者になってわずか10数年ですが、その間にも華々しく売り出して、副作用で消えていった薬がたくさんあります。
大事なことは、糖質制限により血圧、血清脂質、血糖値の指標がすべて改善することです。

(体調の改善も、生活上のメリットが大きいですが、やったことがない人にはわからないでしょう。)

これらの指標を改善するために、多量の薬剤内服を患者に強いてきたのです。

(4) 現在、夏井先生は新しい議論の相手を探していますが、みんな逃げ出しています。(糖質制限否定の本や記事を出した先生方が、軒並みにげています)
    理由は簡単で、勝てる理由がみつからないからでしょう。

    
      「関西電力病院の清野院長,公開討論から敵前逃亡!」


2014年2月14日

クリント・イーストウッドさんが男性救命、スクリーン外でも「英雄」

映画の中だけではなく、かっこいいですね。 ハイムリッヒ法を知っていたら「英雄」になれるかもしれませんよ。

The Best Clinical Peals of Dr.Tieney Part 2より 異物誤嚥 Foreign Body Aspiration

「レストランで客が倒れ、しゃべることができなければ、これが診断である。ハイムリッヒ法を試みなさい。患者を救うでしょう」


2014年2月13日その2

たがしゅうブログより 
修正アトキンス法の難治性てんかんに対する有効性について

修正アトキンス食の10年

難治性てんかん(※抗てんかん薬では制御できない)の患者434名に適用され,208名(48%)が50%以上の発作減少,11名(26%)が90%以上の発作減少,そして55名(13%)が完全に発作フリーの状態になったということでした.


2014年2月13日

書評を載せました。文芸春秋 臨時増刊号「近藤誠 何度でも言うがんとはけして闘うな」

逸見政孝さん、上野千鶴子さん、梨本勝さん、向井亜紀さん、山本夏彦さん、最近では中村勘九郎さんのうけた治療の評価などをされています。
また、海外では放射線治療が標準であるのに、日本で手術がされている病気について記述されています。
@子宮頸がんA膀胱癌B食道がんC舌がん




2014年2月12日
ソチオリンピックの選手で糖質制限をしている人がいるそうです。

メダリストのボディ・ミラーも糖質制限してソチに臨む


2014年2月10日その3
80代の方にお聞きしました。 松山飛行場で、あぶ型の新型戦闘機をみていたときのことです。
戦闘器が着陸後、ブレーキをしたものの止まりそこなってひっくり返った。
終戦前でパイロットが新米だったのでしょうか。


2014年2月10日その2
2月9日救急診療のスペシャリスト林寛之先生の講演に参加してきました。(第7回田坂メモリアルレクチャー)



ケアネットDVDのとおり、笑いが絶えない講演でした。

林寛之先生講演メモ

教育の極意は,めっちゃ楽しい姿を見せること

アメリカは病んでいる


2014年2月10日
認知症のコウノメソッドで、グルタチオン注射の話題がすごいことになっています。
それほどの効果があるとなるとすばらしい医学的進歩です。

話が変わりますが、河野先生のブログに読者からの糖質制限についての投書がありましたので転記します。

糖尿病学会に要注意(実践医準備中の医師) 毎回ドクターコウノの認知症ブログを楽しみにしております。本日のブログで「糖質制限」の話題があったので、コメントしたいと思いメールを差し上げます。

私も「コウノメソッド・糖質制限・湿潤療法」を臨床医学の3大テーマと考えて日々の診療で実践しております。コウノメソッドの実践医のように頭が柔らかいドクターの中には、常識にとらわれない「糖質制限」「湿潤療法」にも感心・理解があったり、すでに実践している人も多いのではないかと思われます。

私自身も約1年糖質制限を実践した結果、「四肢の冷え」「日中の眠気」「反復性難治性多発性口内炎」など、長年苦しんできた症状がほぼ消失し、体質改善を実感しております。

先生は糖尿病学会とタッグを組んでコウノメソッドを広めていこうというお考えのようですが、私は結局の所、糖尿病学会も「国民の健康よりも、自分たちの保身と製薬会社との癒着・利潤を優先する偽善団体」との認識をもっております。

というのも、糖尿病学会は何の根拠もなく、「糖質はカロリーの40〜60%必要」と宣伝して糖尿病患者をつくりだし、さらに悪化させ、それを高価な薬を用いて治すという自作自演を平然とつづけているからです。コウノメソッドでいうところの、いわゆる専門家がDLBに対してアリセプトで歩行障害を起こして抗PD薬で治そうとする構図に似ています。

「人体(の健康)にとって糖質は不要」ということにうすうす気づいても、それを頑なに認めようとしません。自分達に都合のいいデータだけを都合よく解釈して、糖質制限は危険だと誹謗中傷を加えています。

さらに、「健康にとってどうか?」と議論しているときに、「日本の食文化や農業を守るために必要だ」など論点をすり替えて、自分たちの正当性をアピールする姿も目立ちます。彼らがよく言うのが「糖質制限の長期的な安全性は確立されていない」ということなのですが、だったらDPP4阻害薬も、GLP1アナログも、比較的新しい薬は全て完全否定すべきだと思います。

営利よりも人々の健康を第一に考えていらっしゃる河野先生には、夏井先生の『炭水化物が人類を滅ぼす』を是非読んでいただき(多分この本が糖質制限について書かれた本のなかで最も理論的で明快)、その上で糖尿病学会(糖尿病専門医)と組むべきか否かをご判断いただきたく、誠に僭越ながら思っております。

糖尿病学会に要注意(北海道中川郡の実践医、八重柏先生)

め糖質制限しただけでたいていの患者さんは血糖コントロールが良くなってしまいます。コウノメソッドのように目から鱗状態になることが多いです。

糖尿病専門の先生はどういう理由か屁理屈をつけて認めようとしません。彼らの言うようなインスリン注射を中心とした治療法でコントロールが出来るのであれば私はそれで良いと思いますが、実際はコントロールうまくいっていないのが実態です。

私はH14年に豊頃に来ました。呼吸器内科が専門ですのでDMに関してはほとんど研修医時代の知識しかありませんでした。帯広での製薬会社主催の講演会や研究会に行っても何ら自分のニーズにあった糖尿病の治療原則を知ることは出来ませんでした。2008年頃にE先生やK先生の糖質制限食の市販本を読んでまさに目から鱗でした。

それ以来糖質制限を主とした治療法をしていますが、一つ気になることがあります。それは糖質制限は原理主義ではなく、糖質を抜くのが目的ではないと言うことです。どうも糖質を目の敵にして糖質0が望ましいという論調が目を引きます。アンチ糖質制限論者もそのことを口撃します。

ではなくて、目的は血糖のコントロールなので、DM患者に合った糖質量までの制限であれば良いと考えています。一昨年のDM学会で糖質制限の定義は一日何グラムまで認めるかという議論があったのですが全く物の本質を見ていない。患者さんが無理なく出来る方法でなければ臨床には使えません。やはり方法の工夫が必要だと考えて自分なりに理屈づけをして糖尿病診療に当たっています。私のHPもぜひのぞいてみてください。

豊頃町立豊頃医院は町内唯一の医療機関として地域の医療に貢献しています。 北海道中川郡豊頃町茂岩栄町107−17 TEL: 015-574-2020  FAX: 015-574-2801  E-mail: inf@med-toyokoro.jp



私が先生のメソッドを見よう見まねで始めたばかりなので、まだまだ青葉マークだと思っていました。しかしながら先生の治療法は原理原則に基づいた方法なので、理屈がわかって来れば基本的にはまねることは可能だと思って認知症の患者さんに向き合う意欲がわいてきます。

昨日のブログに、目から鱗状態になった治療法にコウノメソッド、夏井先生の湿潤療法、糖質制限と投稿していた先生がいましたが、まさに私もそう思います。

DM治療におけるゆがみは、糖尿病学会の上層部が糖質制限を頭から否定しているところです。昨年夏には、T大のK教授が”糖質制限は問題が多い治療法でXである”趣旨のステートメントを発表したのには驚きました。まさに構図として認知症の世界に近いように思われます。

DMの糖質制限は治療法の基本で、これを行わないで治療するのは地図を見ないで山登りするような物だと考えています。糖質制限を基礎にした治療が糖尿病治療の原理原則だと考えています。また現実的には薬物療法も加えるのが実際の臨床の場では必要とも考えています。

DM専門のドクターは理屈では2型DMの原因が1)インスリン分泌低下、2)インスリン抵抗性、1)と2)の混合とわかっています。しかしながらそれに基づいた治療をしないことが圧倒的に多いのです。その理由は”効果が無い”から。

HOMA-IR,βやCペプチドインデックス、SUIT指数といったインスリン抵抗性、インスリン分泌の指標に基づいた治療は効果が無いといいます。彼らは糖尿病治療ガイドの最初に出ている有名な表の利用を頭から否定します。そうすると非糖尿病専門医はどう治療したらいいのか訳がわからなくなるというのが実態です。

糖質制限をベースにして、各指標に基づいた治療をすれば、気管支喘息に吸入ステロイドを使用するが如くに血糖コントロールは可能です。当院ではしばらく前から行っており、血糖コントロールはHbA1c(JDS)目標6.5%達成率は毎年95%程度(患者数は200名前後)となっています。HPでも公開していますが、”糖尿病治療成績”でネット検索昨年春から1位を維持していて自分でも何でT医院が一位なんだと逆に不思議です。

糖質制限は原理が簡単ですし実際有効です。専門学会は頭から否定している。これは失礼な言い方で申し訳ないですが、河野先生の置かれている立場と同じかなと感じています。私が整理した糖質制限療法に基づいた治療法の原理を簡単に図解したHPを一度ご覧になって頂いてご意見を頂けたらと考えていました。

http://www.med-toyokoro.jp/DM-tiryouhou.html

認知症に関しての話で無く申し訳ありませんでした。昨日T町の医療福祉担当者との打ち合わせで保健師に認知症ブログ見て勉強するように勧めました。コウノメソッドをT地区でどんどん普及させてゆきたいと考えています。これからもよろしくお願い申し上げます。





2014年2月9日
救急診療で著名な寺沢秀一先生の講演がありました。(田坂メモリアルレクチャーにて)



小さな開業医であっても、一寸先はやみ、恐ろしい落とし穴がいつも待ち構えています。

寺沢秀一先生講演メモ


統合失調症に対するナイアシン治療 について、夏井先生のホームページに新しい投稿がありました。

心療内科の先生のメールを拝見致しました。ナイアシン(ビタミンB3)がアドレナリン酸化物質のアドレノクロム(脳内撹乱物質)生成を制御するという、その結果統合失調症の症状改善が期待出来るという本を、小生も最近偶然知り、驚いた所でした。  カナダの精神医学者エイブラムホッファー氏、凄い方です。

糖質制限+ナイアシン投与で、統合失調症に効果が見られたそうです。

このような害のない治療法は積極的にトライアルしてもらいたいと思います。

湿潤療法や糖質制限をみると、専門家ほど反対する傾向があるので心配ですが。


2014年2月8日

広島市内に珍しく雪が積もっています。子供達は大喜びです。




2014年2月7日

お好み焼きは糖質制限レシピになりやすいようです。

「糖質オフ広島風お好み焼き」は、鉄板次第の巻

糖質制限お好み焼き レシピ


2014年2月6日その2

宇部で空襲された方の話です。セントラル硝子という工場の方へめがけて焼夷弾が沢山おとされたそうです。

紙切れのようなひらひらしたものがついて落ちてくるそうです。

畑の中や屋根に落ちてもそのまま残っている焼夷弾が結構あったそうです。

燃えなかった焼夷弾は、6角の厚い鉄なので、それをフライパンにしてつかったそうです。

どうやってフライパンにするのでしょう?でもたくましいですね。


2014年2月6日

廿日市で精神科、心療内科などに糖質制限をとりいれている藤川先生が書いておられます。

統合失調症に対するナイアシン治療

統合失調症に対する活性型ビタミンB6の治験が東京都医学総合研究所の糸川昌成氏により行われています。昨年の日本精神神経学会のシンポジウムでも表されました。予想される有効率は20%とされています。  しかし、B6より遙かに有効なものがあります。それはB3(ナイアシン)です。

ホッファー:統合失調症を治す.第三文明社、2005.
大沢博:食事で治す心の病、1.第三文明社、2004.
大沢博:食事で治す心の病、2.第三文明社、2005.

 当院では1年前からB3を1.5g-3g投与し、顕著な効果を確認しています。有効率は60-70%、1-2週間で効果が出て即効性あり。

 ”気持ちが前向きになった”,”幻聴が苦しくなくなった”,”希死念慮が消えた”,“こんなに効いた薬は初めて”,”病前の本来の姿に戻った”など、著効します。

 上記の本にはB6は20%の患者に効くと書かれています。ナイアシン投与とともに砂糖を止め機能性低血糖を防ぐことの重要性も書かれています。  99.9%の精神科医はこの事実を知っていません。実際の効果に驚くと思います。この治療が一般化したら、精神科病院の入院患者は半減し、抗精神病薬投与量も半減すると思います。

 B3には1)ナイアシン(ニコチン酸)と2)ナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)の2種類があります。前者がフラッシュがあるタイプ、後者がノンフラッシュ(フラッシュフリー)タイプです。フラッシュが嫌な人は後者を選択します。しかし、前者は、安価であることと、LDL-コレステロール、中性脂肪を下げる作用があるため、高脂血症がある人は前者が望ましいです。

 アマゾンで安価で購入できます。アメリカ直輸入です。患者さんに説明し、自ら購入してもらい服用してもらっています。アマゾンで「B3 500mg」で検索すれば出てきます。

 自分もナイアシンを購入して何回か飲んでみました。服用一時間後末梢血管が拡張し、発赤、かゆみが出ましたが、一時間程度で収まります。フラッシュは最初の服用の時が一番顕著ですが、連続服用していると徐々に出なくなります。このことを最初に患者さんに説明しておく必要があります。

 臨床効果としてのイメージはジェイゾロフト+エビリファイといった感じです。自閉症、知的障害の情緒障害にも効きそうです。今後試してみます。


 
2014年2月5日

先日、新糖尿病治療薬についてコメントしましたが、カルピンチョ先生も批判されていました。

SGLT2阻害剤 いよいよマッチポンプの代表選手が登場です

日本糖尿病学会の先生は、「糖質は60%はとらないといけない大事な栄養素」と考えておられるので、この薬は使えないはずです。


2014年2月4日 その2

映画「永遠のゼロ」ですが、大ヒットし続けているようです。

大西中将が語ったとおり、日本が続く限り、神風は繰り返し語られ、物語になり、映画になるのでしょう。


2014年2月4日 失明しかけた糖尿病患者

今朝の夏井先生のホームページに投書がありました。

糖尿病性網膜症かつ透析中の方で、失明しかけていた方が、糖質制限で著明に改善しています。

眼底写真が供覧されています。

糖質制限反対の医師は、この事象をどう評価されるのでしょうか?

1例では証明されてないというのでしょうか。

糖尿病は、「今、まさにここにある危機」だと思います。


2014年2月3日 その3 テレビタックルの話

やはり、テレビの影響は大きいようで、沢山の方が夏井先生と森田先生の議論をご覧になったようです。

「森田先生が議論で夏井先生をやっつけていた」と思われている方がおられました。

うーん。やはり、テレビで科学論争をしてもだめなのでしょうか?単に根拠もなく逆上されていただけなのですが。

「だけど、森田先生ともう1人の反対派の先生は肥満だから説得力がなかった」ともおっしゃられていました。

いずれにしても、多くの方が興味を持って糖質制限を始めるきっかけになればいいと思います。


2014年2月3日その2 昔の話

昭和4年頃北京におられた方のお話です。

天安門の故宮博物館に、玉座がある。子供の頃、そこに座ってみた。係りの人は、戦勝国民として、見てみぬ振りだった。

 フランス租界へ行くと、広場でバイオリンなどの弦楽演奏会をしていた。

ベランダには花の鉢植え。ビクターの家一軒かえるほど高価な蓄音機。おしゃれな喫茶店。そういった文化文物に憧れを持った。

北京の秋は空気がすみきって、とても美しかった。冬はマイナス20度にもなるが、ズボンの内側にはヒツジの毛、床はオンドルで寒くなかった。

話を聞いていると映画をみているようです。


2014年2月3日

コウノメソッドの河野先生のブログを今朝見てみたところ、グルタチオンの点滴がすごいことになっているようです。

医学は文字通り、日進月歩ですね。  

コウノメソッド  

グルタチオンで歩行速度、バランス、発語が改善した脳血管性パーキンソニズム
グルタチオンで一発歩行のLPC
グルタチオン2回目で劇的歩行を見せたレビー小体型認知症
グルタチオンでしゃべり笑うようになったFTD-MND type

2014年2月2日

小保方さんのニュースについてカルピンチョ先生が面白い記述をしていました。

STAP細胞と糖質制限の類似性について

研究成果は、2014年1月29日付け[※ 1]のイギリス科学誌『ネイチャー』に掲載された。それ以前には、ネイチャーへの最初の論文投稿では「何百年の細胞生物学の歴史を愚弄している」とまで否定され、論文掲載を拒まれたという。それだけこの発見は常識を覆すものであった   

あまりのパラダイムシフトのため、権威は認めなかったそうです。 


2014年2月1日その2

肝班の内服を希望される方がおられます。(ビタミンC、トランサミンなど)

夏井先生のホームページに次のような投書がのっていました。

肝斑の原因ですが、化粧を落とす際(クレンジング)の擦り過ぎが原因と言われています。  以前、ためしてガッテンで実験していましたが、今まで化粧をしたことの無い男性スタッフが2週間化粧して洗顔したら見事に肝斑が出現するという単純明快な結果でした。  肝斑の原因は化粧です。   


2014年2月1日

小保方さんの新発見のニュースで持ちきりですね。
女性サイエンティストの方に教えていただきました。


1.どこにでもある材料と施設で行った実験である。


2.ピペットで吸い上げた細胞が幹細胞に戻ることを見つけた。周りの人は吸い上げた細胞に幹細胞が混入していたのだろうと思った。   しかし、本人は絶対そうでない自信があったので、そこを追求した。
  (私は大学院時代に実験をしていました。しかし、20歳から基礎を叩き込まれた、本物の研究者にしかこんなことはできないと思います。)


3.一般的には上司が成果を横取りするケースが多い。自由にさせてかつ横取りをしなかったのは評価できる。
  (横取りが普通の世界ですか・・・)


4.男性研究者は生活がかかっているので、きめられたレールの上の成果ばかり求めてしまう。純粋に取り組める若い女性の強みもある。
 (そうはいっても、女性であの地味で根気のいる仕事をされたのはすごいと思います。しかもおしゃれですし。)


5.細胞を扱う実験は、動物を飼っているのと同じで休むことができない。夏休みも正月もゴールデンウィークもない。


6.自分に忠実で、しつこく追求したことが発見できた理由である。


ともかく、すごいですね。

ディオバンの不正論文のために日本の臨床論文は世界中で相手にされなくなっています。

少しは名誉挽回になるとよいのですが。   


2014年1月30日

感染症の講演会に参加してきました。
講演内容の批評をしてみます。

1.講師の先生(呼吸器内科医)は、アメリカ流PKーPD理論等をご紹介されて、抗生剤を使うときは大量に短期間にとの説明。

2.しかし、具体的な抗生剤の使い方についての内容がありませんでした。
そこで、二人から質問がありました。ニューキノロン(特にレスピラトリーキノロン)と、第三世代経口セフェムについて(岩田先生の名前をだして私が質問しました。)。

  講師は呼吸器感染症にたいするニューキノロンについては比較的推奨するコメントでした。一方では大腸菌のクラビット耐性が非常に増加していることを指摘されました。
  経口第三世代セフェムについては、「使うなら大量に」(・・・第三世代経口セフェムはブロードすぎて適切でないという質問でもあるのですが)「血中濃度はたしかに上がらない。日本は安全性を求めて薬剤投与量が少ない」、「小児科領域での使用が多い」・・・(実際は成人でも莫大に使われている)などとお答えいただきました。

3.この先生のスライドには、肺炎球菌肺炎をカルバペネムで治療した経過を出しておられ、またキノロンの使い方をみるかぎりアメリカ流の感染症学を実践していないのは明らかです。

 日本の経験的治療学なら、それはそれで一理も二理もあるかと思います。アメリカ輸入の学問がはやっているからと言って正しいとは限りません。 ただ、アメリカ理論を紹介しながら、具体的な使用法として日本式を推奨するのは、聴衆を混乱させるだけです。

以下、岩田健太郎著 99.9%が誤用の抗生物質より

「何度も言いますが、99.9%の経口三世代セフェムは誤用されています。その本来の使い道は、ごくごくまれな、マニアックなケースに使えるくらいで、一般診療上は、ほとんど出番がありません。」

「その肺炎球菌ですが、2008年のCLSIの変更以来、肺炎についてはほぼ全例ペニシリンで治療できるとすでに指摘しました。ところが、今でも、最強の抗生物質はカルバペネムと信じ込んでいる医者が、肺炎球菌による肺炎にカルバペネムを使っています。」



2014年1月29日

書評など追加しました。

書評 医学部の大罪(2014.1.28)

宰相ウィンストンチャーチルについて(2014.1)


2014年1月28日

夏井先生がTVタックルに出演されました。


ビートたけしのTVタックル 長生きしたけりゃ炭水化物を食べるな!?


私の感想です。

1.夏井先生の圧勝。しかし、テレビ的に視聴者は極論ととらえるかもしれない。

2.森田豊先生(反対派)は糖質制限をすると、脂質プロファイルが改善することも知らずに討論に参加していた。

3.反対派のお二方は肥満。森田豊先生は昨年10月に「ダイエットはオーダーメイドしなさい」という本を執筆されています。  そういうことはダイエットに成功してから言ってもらいたいですね。

4.森田豊先生の根拠は能登論文。論文が正しい理由は国立国際医療研究センターだから信用できる。解析人数が多いので信用できる。  内容についてはなんら述べず、結論だけ。この論文についてどれだけ批判があるのかご存知ないようです。

 (1)低糖質のグループが出ていないこと
 (2)メタアナリシス論文であること・・・究極の後付解析であり、引いてくる論文でどうにでもかける。
(しかも人の労力を利用して簡単に) 
   信頼性の低い論文を採用している。

5.能登洋先生の論文は新聞などでさかんにとりあげられ、数千万人の人が繰り返し目にしたはずです。(結論だけ!!)

まさに政治的な目的を達成した論文といえるでしょう。
  他力本願で申し訳ないですが、夏井先生に討論でぶっ潰してもらいたいです。

 
2014年1月27日

先日、{永遠のゼロ}を見に行きましたが、特攻について詳しいサイトがありました。

KAMIKAZE 神風



話が変わります。

年配の方から伺いました。

戦後、なかなか大陸から帰ることができず大変だった。

知り合いの中国人の一家に大変よくしてもらって、無事に帰ってこれたそうです。

今でも大変感謝しているとのことでした。


2014年1月24日

コウノメソッドの勉強会に参加してきました。

レビー小体型認知症を救い出せ!


2014年1月23日

すばらしい空手の型です。

「日本人の精神に敬意を」 女子世界一の空手演武に外国人心酔


2014年1月21日

映画「永遠のゼロ」をお正月に見てきました。

2.永遠のゼロ


2014年1月16日

パソコン不調で更新できませんでした。本年もどうぞよろしくお願いいたします。




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