2013年12月11日 


これまでもたびたびとりあげたJACC スタディより。



[JACC] 女性では,脂質の摂取量と全死亡リスクが負の相関



発表者: 名古屋大学・若井 建志 氏 (1月25日(金))

目的:
厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」における脂質の適正な摂取量は,国民健康・栄養調査における分布から便宜的に決められているにすぎない。そこで,大規模コホート研究により,脂質摂取量と全死亡リスクとの関連を検討した。


コホート・手法: JACC Study参加者のうち,食物摂取頻度調査により脂質摂取量の推定が可能であった40〜79歳の58672人を平均16.5年間追跡。 (JACCへ)

結果:
男女とも総脂質摂取量の多い人では,野菜・果物の摂取量が多く,教育年数が長く,BMIが低く,喫煙者が少ない傾向がみられた。男性では総脂質摂取量は年齢と正の相関,女性では負の相関を示した。脂質摂取量と全死亡リスクとの関連をみると,男性では,総脂質,飽和脂肪酸,一価不飽和脂肪酸のいずれについても有意な関連はみられず,多価不飽和脂肪酸については摂取量と死亡リスクが正に関連する傾向がみられた(P=0.074)。

女性では,総脂質,飽和脂肪酸,一価不飽和脂肪酸,多価不飽和脂肪酸のいずれについても,摂取量が多いほど死亡リスク(多変量調整)が低下する有意な関連がみとめられた(すべてP<0.05)。女性の全死亡ハザード比がもっとも低くなる総脂質摂取量(%エネルギー)は,現在,「日本人の食事摂取基準(2010年版)」で30歳以上の脂質摂取目標量として掲げられている20〜25%よりも高い,27%と推算された。
 

 たかがひとつの統計データですが、信頼性は高いと思います。