2013年5月09日 飽和脂肪酸、動物性蛋白質の摂取と脳内出血の発症

飽和脂肪酸の摂取不足により脳出血のリスクが高まるというデータの1つです。

食塩と高血圧より

米国の看護婦35-59歳 8600人の14年間のコホート研究で、飽和脂肪酸もしくは動物性蛋白質の摂取が少ない人(最下20%タイル)は多い人(最上20%タイル)に比べて脳内出血の発症リスクがそれぞれ約2倍高まることを示した。もう1つは我が国の地域住民40-69歳男女4000人の15年間のコホート研究で、同様の結果が得られている。この飽和死亡と脳内出血の関連は動物性蛋白質の摂取量を調整しても認められており、脂肪摂取エネルギーに関して特に中年から高齢者に対しては今後、下限の目標値も設定する必要があると考えられる。 
(磯 博康 筑波大学社会医学系社会健康医学教授)


文献5  Prospective Study of Fat and Protein Intake and Risk of Intraparenchymal Hemorrhage in Women
文献6  Fat and Protein Intakes and Risk of Intraparenchymal Hemorrhage among Middle-aged Japanese

ちなみに飽和脂肪酸はバターや肉や牛乳の脂です。単価不飽和脂肪酸はオリーブオイル、さば、豚肉などの脂です。多価不飽和脂肪酸にはn-3系の青魚などの脂とn-6系のリノール酸(日本人はこれに偏っている)があります。

 

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