悪いニュースの伝え方
1 Supportive environment 支持的な環境を設定する
十分な時間を設定する
プライバシーが保たれた、落ち着いた環境を設定する
面談が中断しないように配慮する
家族の同席を勧める
2 How to deliver the bad news 悪い知らせを伝える
正直に、わかりやすく、丁寧に伝える
患者の納得が得られるように説明をする
はっきりと伝えるが「がん」という言葉を繰り返し用いない
言葉は注意深く選択し、適切に婉曲的な表現を用いる
質問を促し、その質問に答える
3 Additionl information 付加的な情報を提供する
今後の治療方針を話しあう
患者個人の日常生活への病気の影響について話し合う
患者が相談や気がかりを話すように促す
患者の希望があれば、代替療法やセカンドオピニオン、余命などの話題を取り上げる
4 Reasurance and Emotional Support 安心感と情緒的サポートを提供する
優しさと思いやりを示す
患者に感情表出を促し、患者が感情を表出したら受け止める。
例:沈黙
「どのようなお気持ちですか」
うなずく
家族に対しても患者同様配慮する(第二の患者)
患者の希望を維持する
「一緒に取り組みましょうね」と言葉をかける
起承転結
起:面談までに準備する
事前に重要な面談であること伝えておく
面談の重要性に対する患者の認識を高めるために家族の同席を促す
「次回は検査結果をお伝えする大事なお話がありますので、ご家族のかたなど、どなたかご一緒にいらしていただくこともできます。」
プライバシーが保たれた部屋、十分な時間を確保する
面談の中断を避けるため電話がならないように配慮する
面談中に電話に出る場合には患者や家族に一言ことわりを述べる
身だしなみや時間遵守など基本的態度に留意する
注:初回診断、再発、積極的抗がん剤治療中止でポイントは異なる
起:面談を開始する・・・
重要な面談に際して患者は緊張しているため、面談の始めからいきなり悪い知らせを伝えない
あいさつ(時候の挨拶やオープンクエスチョンで気持ちを和らげる)
「今日は暑いですね」
「大変お待たせしました」
「この一週間いかがお過ごしでした?」
患者の気がかりを聞く
経過を振り返り、病気に対する患者の認識を知る
「・・・ご家族の方にはどのように説明されましたか?」
「・・・その後病気についてどのようにお考えになりましたか?」
・・・起:面談を開始する
患者が使う語彙に注意を向け、現実とのギャップの埋め方や何をどの程度伝えるかという戦略を立てる
家族にも留意する
「ご主人も心配されたでしょうね」
医療者の同席がある場合は目的を伝え、あらかじめ了承を得る
「一緒に○○さんを担当する看護師の△△です。後で質問や相談をしていただけるように同席してもよろしいですか?」
承: 悪い知らせを伝える・・・
心の準備のための言葉をかける
「ご心配されていた結果かと思いますが」
「大変申し上げにくいのですが」
「残念な結果なのですが」
悪い知らせをわかりやすく明確に伝える
(がんを伝える際にはあいまいにせず「がん」という言葉を用いる)
写真や検査データを用いる 紙に書く
・・・承:悪い知らせを伝える
患者の理解度を確認し、速すぎないか尋ねる
「ここまではご理解いただけましたか?」
「わからないことがあれば話の途中でもご質問くださいね」
質問や相談があるかどうか尋ねる
感情を受け止め、気持ちをいたわる言葉をかける
(沈黙、探索、保障、共感の言葉)
「・・・・(沈黙:5秒間)・・・どうお感じになりました?」
「・・・(沈黙)・・・大丈夫ですか?皆さん、混乱されます」
「・・・(沈黙)・・・とてもおどろかれたことでしょうね」
転:今後のことについて話し合う
治療について話し合う
標準的な治療法、その他の治療法、治療の危険性、有効性を説明した上で推奨する治療法を伝える
治る見込みについて話し合う
「がんを完全に取り去り完治することは難しい状況ですが・・・現在の生活を保つことが目標になります」
セカンドオピニオンについて説明する
治療選択に誰が関わるか尋ねる
日常生活、家事、仕事など生活面への影響について話し合う
利用できるサービス(心理的援助、高額医療負担、訪問看護・・・)
患者が希望を持てる情報も伝える
「痛みをとる治療はあります。我慢せずにおっしゃってください」
結:面談をまとめる
要点をまとめる
「今日は○○についてお話しました・・・」
説明に用いた紙を渡す
責任を持って治療にあたること、見捨てないことを伝える
「私達は最善の努力を続けます」
「ご希望があればいつでもおっしゃってください」
患者の気持ちを支える言葉をかける
「一緒にやっていきましょうね」
