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アダルト・チルドレン


 札幌・江別の「のっぽろカウンセリング研究室」です。アダルト・チルドレンは、日本にもすっかり定着した言葉であると思います(いや、もうあまり使われてはいないかもしれない)。出自は、アルコール依存症関連の自助グループでした。医療従事者が使用する精神医学的な診断名ではありません。

 このアダルト・チルドレン (アダルト・チャイルド)あるいはACという言葉に意味を見出すのは、その人自身です。機能不全家族に育って、何だかとても生きづらい、しかし病気と言うわけではない、この苦しさはいったい何なのか分からないと言う人には、「ああ、そうだったのか」と言う安堵感を与えてくれるのかもしれません。

 アダルト・チルドレンに特徴的なのは「共依存」であると言われます。相手と自分のペアがひとつの単位になっており、そこでさまざまな役割が演じられます。ケアテイカー、スケープゴート、ロストワン、クラウンなど、そのキャラクターが命名されています。共依存の言葉がまだない時代には、「二人神経症」とか、夫婦であれば「神経症的結婚」と表現する臨床家もいたようです。互いの耐え難い側面が(同時に)一緒にいるための理由でもあるという、とても逆説的な関係がそこにはあります。
 
 カウンセリングでこのような関係のなかにいる方の話に耳を傾けると、「一緒にいたい」「一緒にいたくない」「一緒にいなければならない」「一緒にいてはならない」など、さまざまな矛盾する声たちが鳴り響きます。声の多声性、ポリフォニーです。どれが本当の気持なのか分からず、自分でも混乱してることが少なくありません。私が行うのは、このような声たちに焦点を合わせるカウンセリングなのかもしれません。また、彼らにインナーチャイルド・ワークを行う臨床家もいます。傷ついた、内なる子供の声を癒すワークです。

 アダルト・チルドレンなる言葉は、日本でかなりバッシングを受けた時期があったような気がします。けれども、カウンセラーはもちろん、その他の対人援助の仕事についている方々のなかには、自分はACなのだとオープンに語る人がいまも存在します。アダルト・チルドレンと言う言葉は、臨床家にも救いを与える、人間にとっての普遍的な概念であるのかもしれません。以上、札幌・江別の「のっぽろカウンセリング研究室」でした。


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