日本人は基本レッテルを貼るのが好きで、一度貼ったらなかなかその見方から抜け出せないです。私が2000年頃にアメリカのシリコンバレーへ出張したときに中国人の技術者が活躍するのを目の当たりにしました。私自身その時まで日本が一番と思ってましたが、この見方が誤ってた事に気づかされましたし、恥じもしました。
技術者というのは、会社に入った頃は大半素人です。10年20年と経験を積んで熟練技術者と呼ばれるようになります。実は技術者の差と言うのは、この程度のものでしかないのです。技術者はRPGゲームと同じで経験値を積んでレベルを上げていくような感じです。レベルアップに必要なのは技術開発現場なんですが、そのためには予算確保が必要です。
ところが。。日本の企業では技術者のレベルアップに必要な技術開発現場が無くなってきています。企業の体力が弱っているからです。一方、中国の企業は体力を付けて来ていて沢山の予算を確保出来るし、おまけに安い技術者単価のおかげで沢山の技術者者を使って技術開発が出来ます。レベルアップする場所が多いのです。おまけに技術者の流出という形でレベルアップを加速させているようですし。。
私が2000年頃、日本に帰国したとき、このままでは日本の製造業は危ないと言ったら、ほとんどの友人から一笑に付されました(^^!。しかしその後の10年で私の懸念は現実の物となってしまいました。
結局、金なんです(^^!。予算があればレベルアップ出来ちゃうんです。
身もふたも無いですが。。中国軍について考えても同様ですね。確かに中国が開放政策をとる前は装備や軍事技術が貧弱だったと思いますが、今は相当な資金を持っており、ものすごい速さでレベルアップしているはずです。技術だって日本人は馬鹿にしていますが、中国が経験値を確実に積んでいる事は認めざるを得ないと思います。有人ロケットをあれだけの短期間で飛ばして見せた事は脅威です。しかも何台も飛ばすうちに欠点をFeedbackしていくので品質が上がってきます(これも経験値ですよね。)。
競争相手をある時点のレベルで固定して見てしまうというのは相手の過小評価につながり、相手に有利で、当方は不利になります。なので、未だに日本の○○が大丈夫だなんてコメントを見るとなんだかなあと思ってしまいます。
(2012/9/15 記)
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