vol 74:状況



「人間界の様子はどうだい?。」

「着々と進んでおります、サタン。」

クフフ・・・いい感じになってきたねぇ。

地球がどんどん崩れていく。

聞こえるよ?地球の唸り声と共に、他の星の者の叫び声が。

僕は地獄の底から上を見上げた。

そこに有る物は人間界。毎日のように腐りきった人間共が落ちてくる。

「ふははっ、地獄も定員オーバーになりそうだ。」

このままいけば、人間は未来を受け継ぐ者が無くなり、

死に逝く者の世界になり、

未来が乏しい事に気付くと、戦が始まる。

地球自体も振いをかけてきた。

どれだけの人間が気付いているんだろうか。

地球は物じゃない事を。

生きている事を。

ねぇ、神よ。

どんな気分だい?。

手出しをしないのは人間に気付かせる為。

まだ、人間を信じてる甘い神。

僕を信じないくせに。

カン・・・どうする?。

君はどう動く?。

僕には君の動きがまだ読めないんだ。










「父よ・・・。」

「息子か。」

「はい。」

私は天界の庭から下界を眺めている神に声を掛けた。

妹を見ている父の表情は哀しみに更けている。

「カンの心は期待通りに出来上がっている。」

「そうですね。地球も予想通りになってきました。
やはり、我々の動きだけでは止められない。」

妹に、カンになるべくなら辛い事をさせたくはなかった。

天界や黄泉の国の神々も動いていたんだ。

だが、我々の動きは小さなもの。

その小さなものは未来、大きなものに変わる。

天界での時間は人間界の時間とは異なり、

とても流れが遅い。

人の一生がとても短く感じる。

カンの一生はとくに。

妹よ。

お前は自分の使命を把握し、

どうなるかも把握して人間界に降りた。

今はまだ気付いてはいないが、必ず思い出す日が来るだろう。

その辛さは、私が一番知っている。

父も私も、お前から目を離す時はない。

人間故の弱い心で、どうか迷わずに。









人間界での時が刻々と流れていく。








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花手毬