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嗜癖・依存症の問題


 札幌・江別の「のっぽろカウンセリング研究室」です。アルコール、薬物、パチンコ、買い物、過食、恋愛、性衝動、といった嗜癖・依存症の問題です。それ自体に問題はありませんが、度を越した行動に走ってしまうところが問題になります。

 嗜癖つまりアディクションは、大昔の哲学者アリストテレスが「アクラシア」と名づけたことにかかわっていて、これは意志薄弱とか意志の弱さと訳されます。カウンセリングで、アディクションのある多くの方々が自分の意志が弱いからと口にすることがあります。けれども、それがはたして意志の問題であるのか、私にはよく分かりません。

 分かっちゃいるけどやめられない、自分の意志じゃコントロールできない、どうしてもそうなっちゃう、このような声を聞くと、なるほど意志の問題でもあるのかもしれないと思います。けれども、厳密に言えば、〜したいという欲望や、スカッとしたいという快を求める欲求が、そうしてはならないという内的な(良心の)声とうまく噛み合っていないような気がします。

 パチンコのアディクションであれば、借金さえして一日中入り浸り、「来るぞ、来るぞ、フィーバー、フィーバー、次は絶対フィーバーさ。今日すった分はすぐ取り返せる」と自分に言い聞かせながらパチンコ台の前に座って、いるのかもしれません。

 このような心理面の問題だけではありません。アルコールや薬物へのアディクションになると、生物的・身体的なレベルの危機と直結します。衰弱して死に至る場合もあります(食事もせずにアルコールを過剰に摂取する)。

 昔からこの領域は自助グループが発展してきました。同じ問題を抱えた仲間が集まり、自分のストーリーを話す・聞くグループです。カウンセリングの専門家は無力なのです。

 アディクションの問題から回復して、素晴らしい生き方をしている方は大勢います。たとえば、ミュージシャンのエリック・クラプトンです。彼は若い頃にコカインやアルコールの問題を抱えこみました。お子さんの死も大きかったかもしれません。けれどもいまは、フロリダに回復センターをみずから設立して、アディクションに苦しむ人たちを間接的に援助しています。そのセンターを維持するために大切なギターをオークションにかけたり、資金集めのコンサートも開きました。

 クラプトンのように、嗜癖・依存中心の生き方から、別の何かへと生き方が変わったとき、回復の道がやっと拓けると言えるのかもしれません。アディクションは、やはり生き方の問題でもあると思います。以上、札幌・江別の「のっぽろカウンセリング研究室」でした。


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