(2020年5月17日) [常識1] 宇宙ステーションの中が無重力状態になっているのは重力と慣性力が釣り合っているから 解説: 高度400kmの地球の軌道を回る宇宙ステーションでは重力の大きさが地上の90%程度あります。ニュートン以後、宇宙ステーションが無重力状態にあることは分かっていました。そして、理由は地球を周るときの遠心力(慣性力)と釣り合っているからというものでした。 しかし、これは間違いです。アインシュタインは自由落下中にある物体には重力が消えていることに気がつきました。1907年のことです。力が消えているということはこの物体には何も力が加わっていないから無重力状態になっているのです。 もう少し詳しい説明は次のとおりです。
[常識2] 質量には慣性質量と重力質量がある 解説: 運動方程式に使われている質量が慣性質量で万有引力の式で使われている質量が重力質量とされていて、二つの質量の差は実測では認められていません。この二つの質量を同じと認めてしまうことが等価原理であるとの説明もあります。そしてアインシュタインでさえ重力質量と慣性質量の用語を云々しています。 しかし、ケプラーの3法則からニュートンの万有引力の式を導くときに加速度を力/質量で置き換えているところがあります。この置き換えた質量は慣性質量です。従って、重力質量の概念はそもそも不要だったのです。このことを指摘している人は小野健一ぐらいですが。 もう少し詳しい説明は次のとおりです。
[常識3] 力は質量に加速度を乗じたものである 解説: 力学の教科書は運動解析を主としているので概ね特に定義とすることもなく常識3のように説明されています。そして力の単位[N] (ニュートン)はニュートンの運動の第2法則から定義されています。 しかし、物体に力が作用したときの物体の変化は加速度運動だけでなく、その物体内部に応力・ひずみが生じるのです。実際、力の計測は殆ど場合でひずみを検知して力に換算しています。しかも、力が負荷された物体は動かないことの方が多いのです。 このことから力はフックの法則から定義することもできますが、それよりも力の負荷される状況から、力は圧力(面圧)に面積を乗じたものとした方が適切であると考えられます。 もう少し詳しい説明は次のとおりです。
[常識4] 人間が耐えられる加速度は10Gで数秒間程度である 解説: 戦闘機のパイロットは大きな加速度に耐えなければなりませんが人間が耐えられる限界の加速度は10Gで数秒間程度と言われています。しかし、実現されているわけではありませんが、もっと大きな加速度に耐えられる方法があるのです。 もう少し詳しい説明は次のとおりです。
[常識5] 万有引力と称する力がある 解説: ニュートンによって示された万有引力の式は天体運動を説明し、大成功を収めました。しかし、ケプラーの3法則から万有引力の式を導く途中で加速度の項を力/質量の項に置き換えて力の式にしています。これが仮説であって、式はあっているものの自然に力が存在していることの証明にはなっていないのです。 アインシュタインが1907年に気がついたと言っていることは「自由落下中の物体には重力が消えている」という表現でしたが、このことが万有引力と言う力は実在していないということなのです。 もう少し詳しい説明はつぎのとおりです。 ・ 万有引力の導出
[常識6] 重力は力である 解説: 日常の生活で普通に使われていて誰も疑わない表現でしょう。地球上では国土地理院のホーム頁にも重力とは万有引力に地球の自転による遠心力を足したものと定義されています。宇宙空間では重力=万有引力のこと考えて良いでしょう。 重力に起因する重さは力です。このことから重力と重さを混同して使っていても何も不都合がなかった理由でもあります。重さは物体が重力により加速度運動をする(自由落下)のを阻害するときに現れる慣性力なのです。 もう少し詳しい説明は次の通りです。
[常識7] 自然には四つの力が存在する 解説: 自然に存在する四つの力とは、電磁力、重力、強い力、弱い力の四つです。理論物理学者による一般向け解説書でも四つの力と言わずに四つの相互作用と表現しているものもありますから、既に常識ではないのかも知れません。 力という言葉の定義の問題であることは確かです。強い力と弱い力は原子内の話ですからもちろんのこと、電磁力も重力も日常生活で経験する力ではありません。力は面圧に面積を乗じたものですから。 もう少し詳しい説明は再度掲げますが次の通りです。
[常識8] 相対論効果を組み込まないとGPSは成立しない 解説: 現在運用されているGPSは個々の衛星に搭載される原子時計はすべて打ち上げ前に相対論効果を修正されています。この修正を施さないと測位の誤差が極めて大きくなって使いもにならないからです。 しかし、GPSの衛星すべての原子時計が原子時計の精度で動いていれば相対論効果を無視しても良かったのです。何故なら、ユーザー機器は原子時計を持たず水晶時計の精度しかないので相対論効果の誤差より桁違いに大きいのです。4機以上の衛星電波を受ける理由は時計の誤差修正用なのです。 GPS衛星が相対論効果を修正した原子時計を搭載することにした理油はおそらく航行衛星の発展型としてGPSが開発されたからでしょう。 もう少し詳しくは次の通りです。
[常識9] ニュートンの運動方程式はF=mαである 解説: 質量mの物体に力Fが作用するとこの物体は加速度αの運動をするということで、ニュートンの運動の第2法則としても知られています。この式はニュートン力学の中心でもあり、常識中の常識と言えるでしょう。
[常識10] 慣性運動は等速直線運動である 解説: 物体が外界から何の作用も受けていない状態で行う運動を慣性運動と呼びます。ニュートン力学ではニュートンの運動の第一法則が慣性の法則とも呼ばれています。それは力が何も働かないとき静止を含めて等速直線運動をするという法則です。 ところが、一般相対論では慣性運動は自由落下運動を言うのです。一般相対論はニュートン力学より広い範囲で正しいことは現代の理論物理学者が認めるところです。 自然は一つですから異なる説明があれば少なくとも一つは間違いです。つまり、慣性運動とは自由落下運動なのです。宇宙空間で何も力が働かないときに次の例外を除いて等速直線運動はあり得ません。 国際宇宙ステーションは常時地球中心に向かって自由落下しています。この宇宙ステーションの中の狭い空間に限れば、(空気も抜けば)、等速直線運動があり得ます。また、すべての星から遠く離れた空間でも等速直線運動はあり得ます。 もう少し詳しくは次のとうりです。
[常識11] 質量の単位[kg]は基本単位である 解説: 現在の単位系でもMKS単位系と言われるぐらい質量Mの単位[kg](キログラム)は長さ[m](メートル)、時間[s](秒)と並び基本単位中の基本単位です。この常識を疑う人はまずいないでしょう。 ところが、ニュートンは質量とは密度×体積であると考えました。つまり、密度の方が基本単位になるべきであって質量は組立単位に下がります。現在は密度の定義が質量/体積ですから、ニュートンもおかしなことを考えたものと思うでしょう。 それでも、例えばリンゴを考えるとリンゴには芯や皮の密度が異なることは明らかです。リンゴ1個の質量を計ったとしてもそれは密度の違ったものの総計でしかありません。従って、密度の方を基本単位とする方が自然なように思われます。 今年になって、キログラム原器が廃止された後、新しく純度の高いシリコン球でキログラムが定義されることになりましたが、この純度の高いシリコン球を使うということは密度の基準を定めたことと同じです。 もう少し詳しくは次のとうりです。 ・ 密度と質量
[常識12] 吸引力は吸い込む力である
解説: 掃除機のカタログ表示等に吸引力が強いという表現が普通に使われています。しかし、実際に吸引する力はあり得ません。
この説明は以下のURLに懇切丁寧に説明されています。
[常識13] 弓を引く 解説: 弓は引くものと誰もが信じています。しかし、実際には弓を押しているのです。 もう少し詳しくはつぎのとおりです。
・ 弓は押すもの
[常識14] 長さは基本単位の一つである 解説: 長さは質量、時間と並んで基本単位中の基本単位です。しかし、最新のSI単位では長さは光の速さと時間で定義されています。むしろ速さが基本単位であって、長さは組立単位に降格しているのではないかという疑いです。 ・ 長さは基本単位か
[常識15] 質量は基本単位の一つである 解説: 質量も時間、長さと並んで基本単位中の基本単位です。しかし、ニュートンは密度を基本単位と考えました。これは十分根拠があることで、むしろ正しいのではないかと思われます。 ・ 質量は基本単位か
[常識16] 抗力は仕事をしない
解説: 人間は走るときに足で地面を後ろに蹴って前に進みます。地面から抗力を受けているから前に進めるのですが、仕事をしたのは走る人であって抗力が仕事をしたとは言いません。
[常識17] 鏡は左右を反転する
解説: 鏡の前に立つと頭は上に右手は右側に映っています。自分の顔は見えますから鏡は左右を反転させると思っている人は多いのです。上下を反転させないのに何故左右を反転させるのかと不思議に思う人もいます。
[常識18] 経常収支の黒字は良いことである 解説: 会社の経営では黒字になるようにし赤字にならないようにしています。国家の会計で貿易だけでなく海外投資の利益なども含めた決算を経常収支と言っています。経常収支も赤字にならないようにしています。しかし、過剰な黒字は少しも良いことではないのです。
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