(2020年2月1日) 長さの単位m(メートル)も最新のSI単位系の定義では組立単位ではないかと疑問を投じました。 質量の基準には最初は1リットルの水が1kgでしたが、長らく人工物であるキログラム原器とされてきました。そして昨年から質量の基準は純度の高いシリコン球を高精度で作成したものに変更されました。自然の定数に戻ったわけです。 ニュートンは質量が基本的な量とは考えず、密度が基本的な量と考えました。現在の密度の定義が体積当たりの質量ですからニュートンはおかしな解釈をしたように思えます。 しかし、リンゴの質量を求めるためリンゴを秤に乗せて得られた測定値はリンゴ全体としての質量です。リンゴは芯があり皮があり実とは密度が違うでしょう。従って、ニュートンの考えの方がより正しいと言えます。 大きさを精度よく作ったシリコン球で質量を定義するということは、シリコン球の密度定義したことに他なりません。 現在のところ密度に対する単位は[kg/m^3]と記載するしかありません。新たに記号を[X]とでも決めれば、Iが密度を基本単位となり、質量[kg]=[Im^3]となり、質量kg(キログラム)は組立単位に格下げになります。 力の単位[N]も現在は質量×加速度で定義されていますが、これが不適切なものであることを指摘しています。 力の単位[N]を圧力×面積と定義しても力が組立単位であることは変わりません。しかし、圧力の単位[Pa] (パスカル)は理想気体1モルが単位体積において標準状態で示す圧力を2269パスカルとするというように定義されることになり、基本単位の一つに昇格するでしょう。 (了) 戻る
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