論文目次


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平成27年10月2日 TKCローライブラリー 新・判例解説Watch 租税法130
 
賦課決定の期間制限の特例に定める裁決等の解釈について
 最高裁第三小法廷平成27年5月26日判決
 判決は、特例に定める裁決等(本事案では判決)は、課税処分の所得及び税額に異動を生じない棄却は含まれないとするものであるが、本解説は、判決の解釈では消滅時効の起算点に関する他の規定との整合性を欠き、裁決等には所得及び税額に異動を生じない裁決等も含まれるとするものである。


平成27年7月24日 TKCローライブラリー 新・判例解説Watch 租税法125
 
経営破綻したゴルフクラブ会員権の譲渡損失と損益通算の可否
 東京地方裁判所平成26年9月30日判決
 判決は、譲渡した会員権にはゴルフ場を優先使用する権利が失われ単なる預託金権関債権の譲渡であり、金銭債権の譲渡は譲渡所得の資産に該当しないとして、損益通算を認めなかった。本解説は、金銭債権の譲渡を資産の譲渡と認めない取扱いは疑問であるが、本会員権の譲渡は、会員権の代金を超える手数料を支払っていることから資産価値は無く、無価値の資産の譲渡は譲渡所得の対象となる資産に該当しないとして、判決の結論に賛同するものである。

平成27年4月10日 TKCローライブラリー 新・判例解説Watch 租税法118
 
減額更正後に増額更正がされた場合の延滞税の成立の可否
 最高裁平成26年12月12日判決 原判決破棄 請求認容
 相続税を申告し、税額を納付した後に更正の請求により減額更正がされ、過納金が還付加算金を付して還付された後に改めて増額更正がされた場合に、法定納期限の翌日から増額更正による増差税額に延滞税が課されるか否かが争われた。課税実務では、更正による増額分については法定納期限の翌日から延滞税を課す。原審は、課税実務を認めたが本判決は原審の判断を否定した。否定の論理は不明確であるが、結果的には本判決が正当であり、小貫意見が正当に近いと考える。これを通則法の解釈として、論理的に説明したものである。



平成26年11月21日 TKCローライブラリー 新・判例解説Watch 租税法No112
 
売上値引及び単価変更処理に係る金額は寄付金に該当しないとした事例
 東京地裁平成26年1月24日判決 請求認容(確定)
 当初に売上計上した価格は、暫定的なものであり期中又は期末に決定した価格が契約価格であると認定し、売上値引き又は単価変更として処理した金額を寄付金と認めず、課税処分を取り消した判決である。会計処理より契約を重視して法的な実体で処理する判断は正当と考える。ただし、この論理では期末に利益の状況を見ながら価格を決定する利益調整、または当初契約を取り消して再契約をする場合も寄付金を認定することはできないと考える。
 あわせて、立法の経緯及び清水惣事件大阪高裁判決から見られるように、寄付金は全ての無償の経済的利益を対象とするものでなく、値引き、安売りのような業務に密接に関連する経済的利益の供与は当初から対象外と解するのが正しいことを論じている。


平成26年9月5日 TKCローライブラリー 新・判例解説Watch 租税法No.105
 
大規模な馬券購入を反復継続して得た払戻金の所得区分
 大阪高等裁判所平成26年5月9日判決
 馬券の収入は付加価値を生んでいない移転的所得であり、所得源泉性がない一時の所得である。一時の所得であるが、営利を目的とする継続的行為によるものは一時所得から除かれ雑所得となる。営利を目的とする継続的行為は通常業務と解され、業務と社会通念上認められるものを指す。本件の馬券購入を判決は資産運用とするが、馬券購入を資産運用の業務とする社会通念はなく、本件も100万円を限度に行っているもので娯楽の範囲とみるべきである。したがって、これを雑所得とする判決に反対する内容である。


平成26年6月27日 TKCローライブラリー 新・判例解説Watch 租税法No.99
 
相続した財産を譲渡した場合の譲渡所得課税は相続税との二重課税に当たるか
 東京地方裁判所平成25年7月26日判決
 相続税は相続財産という資産(ストック)に課税されるものであり、所得税は収入から費用を減算した差額(フロー)に課税するものであり、相続税と所得税が二重課税されることにはならない。したがって、二重課税にならないとした判決は正当と考える内容である。
 

平成26年4月18日 TKCローライブラリー 新・判例解説Watch 租税法No.90 
 宗教法人の行為の収益事業該当性
 東京高等裁判所平成25年4月25日判決(平成24年(行コ)第84号法人税更正処分取消等請求事件)
 宗教法人の墓石の販売は、非収益事業である墳墓地の貸付業に付随して行なわれる行為と考えられ、これだけを取り上げて墓石の販売業と解することは誤りとし、収益事業と認定した判決に反対する内容である。


平成25年7月 税7月号 68巻7号 
 特集 神奈川県臨時特例企業税事件最高裁判決を考える
地方税法が何を禁止しているかの詳細な検討を


平成25年2月  TKCローライブラリー速報判例解説にアップ

米国LLCからのインセンティブ再配分の配当所得該当性


平成24年11月  TKCローライブラリー速報判例解説にアップ
職務発明の対価の所得区分について



平成24年10月 税10月号 67巻10号13頁
新しい納税者救済としての国家賠償請求訴訟を考える


平成24年9月 久留米大学法学67号(租税判例研究 最高裁平成23年9月22日第一小法廷判決)

税法と遡及立法 


平成23年12月  TKCローライブラリー速報判例解説にアップ
不正診療報酬返還債務の必要経費算入時期について


平成23年7月 税理7月号
税法上の宥恕規定とその法的意義


平成23年5月  TKCローライブラリー速報判例解説にアップ
固定資産税の課税における住宅用地の認定について
(平成23年3月25日 最高裁第二小法廷判決)



平成23年2月 税務事例 2月号
更正の請求期間内における遺産の再分割と更正の請求の可否
(東京地裁平成21年2月27日・判例集未登載)

平成22年12月 久留米大学法学64号
生命保険年金に対する二重課税(租税判例研究)


平成22年10月1日 TKCローライブラリー速報判例解説にアップ
 最高裁平成22年7月6日第三小法廷判決の判例解説

生命保険年金に対する二重課税について
 みなし相続財産である生命保険年金に対して所得税を課すことは、所得税法9条1項15号の非課税所得に対する課税であり違法とする最高裁判決を否とする内容である。本判決は、所得税の課税を違法とするものであるが、生命保険年金をみなし相続財産と解釈を前提することが誤りである。生命保険年金をみなし相続財産とする根拠は、通達であるがその正当性については最高裁は実質的を判断していない。すなわち、二重課税は違法であるが、違法な課税は相続税であり、所得税の課税は所得税法の規定に照らして正当である。国税庁は、本最高裁判決に対応した措置をとりつつあるが、制度改正に当たっては相続税の課税を排除する措置を取るべきである。(久留米大学法学64号により詳細に論述した。)



平成22年8月2日 TKCローライブラリー 速報判例解説にアップ
 平成20年2月20日 東京地裁判決の判例解説
輸入消費税を実質的に負担した事業者の仕入税額控除
 仕入税額控除を認めなかった判決を是とするものであるが、その理由は請求書等の保存が無いことにあるとする。





平成22年9月 法学セミナー別冊 速報判例解説7
平成22年5月7日 TKCローライブラリー 速報判例解説にアップ
名古屋地方裁判所平成20年

消費税の輸出免税取引該当性について

 外国向け貨物の輸送に関し、荷送人が混載業者に運送を委託するのであるが、混載業者と航空会社の間でスペースの手配等の業務を行う原告の業務が、国際輸送取引に該当し輸出免税の対象となるか否かを争う事案である。
 判決は輸出免税取引に該当しないとするものであるが、国際輸送取引が必ずしも貨物の移動のみを意味するものではなく、荷役、運送契約に関するサービスを含むと解せるところから、国際運送取引に該当すると解すべきである。また、輸出免税については納税者側に、輸出免税取引に該当することの立証責任があるとの判示があるが、免税に該当するか否かも課税要件であり更正をした行政庁に立証責任があると解すべきである。



平成22年5月 「税」 5月号 
固定資産の実地調査の法的位置づけと課題 〜地方税法408条の解釈を中心として〜

 地方税法408条は、固定資産税について市町村長に年1度の実地調査を行う旨を定めているが、固定資産税の課税については個別の実地調査を行っていないのが実情である。また、固定資産税の課税標準は土地課税台帳等に登録された価額であり、その価額の決定は市町村長が固定資産評価基準に則って定めることとされている。その価格の決定方式と実地調査の関係はどのように考えるべきか。本稿では、408条の実地調査は地目の変更等の有無を確認することを目的とするのであり、概観的調査で足りることを論証するものである。また、それゆえ408条は効力規定ではなく訓示規定であるとの判例、行政先例を是認するものである。  



平成22年4月 法学セミナー別冊 速報判例解説6
簿価が額面を下回る債権によるDESと債務消滅益の存否

 TKCローライブラリーのアップしたものを、より詳しく解説したものである。




平成22年1月8日 TKCローライブラリー 速報判例解説 にアップ
 東京地裁平成21年4月28日判決 法人税更正処分取消請求事件
簿価が額面を下回る債権によるDESと債務消滅益の存否

 この論説は、額面を下回る価額で取得した債権を債務者たる株式会社に現物出資し、混同により債権債務が消滅した場合に、債務消滅益が発生するか否かを論じたものである。判決は、わが国にはDESを直接定めた法制度は無いので、わが国におけるDESは@現物出資A混同による債務消滅B株式の交付により構成され、@とBは資本取引であるが、Aは損益取引でありここで生じた債務消滅益は資本等取引には該当せず、益金の額に算入されるとした。
 しかし、混同は債権債務が同額で消滅するものであり、混同により収益が発生することはあり得ない。それを前提にすると、額面を下回る価額で額面の価値ある債権を取得した原因取引は現物出資であり、資本等取引に該当するので、債務消滅益は発生しないとするのが、本論考の骨子である。それに伴う経理処理、出資者側の課税関係についても論及している。




平成21年11月 日本税法学会 「税法学」562号
課税処分取消訴訟に関する一試論
 この論文は、課税処分取消訴訟について、体系的理論構成を試みたものである。行政訴訟および行政行為論にも新たな提案をするものであり、多くの研究者のご批判をいただければ幸いである。



平成21年5月 ぎょうせい「税」64巻5号

 地方税における税務上の過誤と責任問題  

平成20年10月 ぎょうせい「税理」51巻13号
 事例が示唆する「社会通念」の考え方と具体的な基準 

平成20年6月 ぎょうせい「税」63巻6号 
 税務行政における遡及適用の課題


平成19年以前

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